本会議会議録


質問文書

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令和6年12月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:川崎 和子 議員
質疑・質問日:12/13/2024
会派名:ふじのくに県民クラブ


○川崎委員
 それでは分割方式で4問質問します。
 厚生委員会説明資料19ページ、発達障害者支援センター運営業務の債務負担行為について伺います。
 1点目は、令和2年度から県は2つの事業所に委託していらっしゃいますが、この経緯と事業所の評価をお聞きします。

 2点目は、この発達障害者支援センターの相談経緯を見せていただきますと子供の相談は減っているようですが、市町の児童発達支援センター等の取組との関連があるんでしょうか。
 反対に大人の相談がかなり増えていますが、委託契約の内容にその状況を加味するのかどうか。
 そして、もう1点は市町との連携はどうなっているか伺います。

 3点目は、大人の発達障害者支援の場合、医療との連携が大変重要と思います。今の体制ですと各センターに医師が1名ずつ入っているように思いますが、こちらの体制で足りるのかどうか。また大人の発達障害者の自立支援の現在について伺います。

 4点目は、運営委託業者の募集がこれから始まりますが、その方法及び募集に関し県内への周知について伺います。

○武田障害福祉課長
 発達障害者支援センターについてお答えします。
 まず1点目の経緯についてですが、県では平成17年度に静岡市内に発達障害者支援センターを設置しました。その後相談件数の増加や成人からの相談割合の増加など相談内容も多様化し、さらに静岡及び浜松の両政令市にてセンターが設置されたことにより身近な地域で支援を受けたいといった要望が県に寄せられました。
 その結果、令和2年4月から民間法人への委託により東部及び中西部の2か所にセンターを設置し、政令市のセンターと合わせて県全域の支援体制を整備しました。
 センターの評価については、医療、福祉、教育関係者、親の会などによる静岡県発達障害者支援地域協議会において本年8月に2つのセンターの実績等について評価していただきました。
 東部に関しましては、東部地区の現状、課題を的確かつ具体的に認識し積極的にセンターとしての役割を果たしている、中西部に関しましては行政と協働できているなどの意見を頂き、両センターとも全体として良好との評価を得ております。

 次に、子供の相談が減っている件についてです。
 センターにおける新規相談件数のうち、18歳以下の子供の割合は8番委員御指摘のとおり減少傾向にございます。
 その理由としては、市町に設置されている児童発達支援センターやこども家庭センター、発達障害に対応できる事業所も増え、地域における相談支援体制が強化されたことがあると考えております。県はこれまで発達障害者支援センターの民営化による2か所体制と同時に、発達障害に関する人材の育成、地域の対応力の強化に取り組んでまいりましたので、その結果の1つだと捉えております。
 次に、大人の相談割合が多いことは県直営時代からの課題でございました。したがいまして次期契約においてもハローワーク等の就労支援機関との連携強化の取組を重視しております。
 また、市町との連携ですが引き続き直接支援や研修等を通じて地域の課題解決に向けて一緒に取り組んでまいります。

 次に、大人の発達障害支援に関してです。
 県直営時代から医師による助言や医療機関へのつなぎを実施しており、この特色を維持し両センターとも発達障害者支援経験が豊富な医師や職員を確保しております。
 これまでの相談件数や取組実績から、体制は十分であると考えております。両センターからも医師数や職員数について現状で問題はないと報告を頂いております。先ほど申し上げました支援協議会の評価においても不足があるとの意見は頂いておりませんので、現在の体制を継続していきたいと思っております。
 また、大人の発達障害の自立支援に関しましては当事者への直接支援、当事者グループ支援のほか、ジョブコーチなど支援者に対する研修、企業へ直接訪問しての助言、就労関係機関との連絡会議への参加等を行っており、支援体制の強化に取り組んでおります。

 最後に、運営委託業務の募集方法につきましてはプロポーザル方式を予定しております。募集につきましては県のホームページへ募集要項を掲載するほか、関係団体に広く周知していきたいと思っております。

○川崎委員
 大変、丁寧な御答弁ありがとうございます。
 1問だけ再質問をします。
 先ほどの大人の発達障害の自立支援ですが、本当に今大人の発達障害が増えており、発達障害なのか精神障害なのかは本人もよく分からないし診断もその時々という感じがしているんです。
 精神障害もある程度の月数がたつと施設から在宅に切り替わるのですが、対応は発達障害と少し違うと思うんですね。
 そういう中で、先ほどの答弁では医師が足りているとのことでしたが、発達障害と精神障害の判断においてのお医者さんの体制は足りているんでしょうか。もう一度お聞きします。

○武田障害福祉課長
 精神障害が発達障害なのか、あとその区分けは非常に難しいと考えております。
 東部発達障害者支援センターには、発達障害に関する知識、経験が豊富な医師がおります。
 ただ、医師が診断することが第一義的な問題ではないため、関係機関につなぎながら精神保健福祉センターなど関係機関による個別支援、自立支援につなげるのかをケースワークで対応していただけると考えております。
 センターの医師数については今のところ問題がないと考えております。
 ただ、つなぎ先については今後さらに拡充していきたいと考えております。

○川崎委員
 分かりました。要望いたします。
 1点は子供の発達障害についてですが、先ほど御答弁でありましたようにかなり市町で療育の部分は進んでいます。この分野をこれからも県としてずっと続けていかれるのかどうか。結構市町も頑張っていると思います。
 反対になかなか大人が相談する場所がないのを感じています。先ほどの御答弁にもありましたように、ぜひ市町に研修等で働きかけを強めていただけたらなと感じております。
 特に大人の発達障害に関する相談に対応するセンターは、市町では人材確保等もなかなか難しいと思っていますので、発達障害者支援センターはとてもいい機関だと思いますので期待したいと思います。
 最後に、これから運営委託先の募集を周知していかれると思うのですが、県全体で特に大人の発達障害が増えてきている中では県外の募集先もあってもいいのかなと思いますので、またぜひ広く進めていってください。

○望月委員長
 ここでしばらく休憩とします。
 再開は13時30分とします。

( 休 憩 )

○望月委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○川崎委員
 説明資料14ページ、介護人材の確保対策について伺います。
 1点目は9月定例会でも質問しましたが、現在国も県も喫緊の課題である介護人材確保のために大幅に予算をかけて事業を実施しております。まず現状報告と評価をお願いします。

 2点目は、今回新たに介護現場革新会議を設置するとのことですが、目的と会議の構成員、内容について詳細を伺います。

 3点目は、同会議は相談から生産性向上の支援まで一貫して行う介護生産性向上総合相談センターの運営方針等を検討するそうですが、この相談センターの概要と求められている機能等について伺います。

○加藤介護保険課長
 令和6年度における介護人材確保のための事業の現況報告と評価につきまして御説明いたします。
 9月定例会で議案として提出した介護ロボット等やICT機器の導入経費の助成について途中経過になりますけれども、現時点で介護事業所ベースで延べ600事業所から申請額ベースで約4億円の申請を頂いております。
 県の調査におきましては、事業所の介護ロボット等の導入率が令和5年度末で64.7%になっており、これが恐らく60%後半台まで上がってくると見込まれます。このように導入が進んでおりますけれども、今後は機器が効果的に活用されるように介護事業所からの相談に応じ、支援体制の強化が一層求められると考えております。
 また、外国人介護人材に関する施策につきましては本年7月に静岡県国際介護人材サポートセンターを立ち上げ、介護事業所や外国人職員からの相談にワンストップで対応する体制を整えております。相談は開設しておおむね4か月になるんですけれども、延べ100件ぐらいです。最も多いのは受入れ手続、受入れ前の環境整備が中心になっております。
 これらに対してアドバイザーをお願いしており、ノウハウやマニュアルを提供することによって問題解決が図られた例も見られます。
 今後は、事業所が連携して人材の受入れや定着に取り組めるよう支援事例を重ねて県内に普及を図りたいと考えております。

 2点目の介護現場革新会議についてですが、介護事業所における生産性向上に関する課題の解決に向けて県が中心となって介護事業所、関係団体、関係機関等とそれぞれの立場から具体策について検討し政策に反映していくものです。
 構成員につきましては、表にありますとおり介護現場の実情に詳しい方や業務改善全般に精通した方など8名にお願いしております。
 介護事業所の主なところは、県老人福祉施設協議会から県事業で業務革新をモデル的に実施していただいた社会福祉法人八生会特別養護老人ホーム一空園、また先進的な介護事業所として東京都にある社会福祉法人善光会です。善光会は法人傘下に研究所を持ち、介護経営のコンサルティング、介護ロボットの開発支援、また国の会議にも多数参画されているため事業経営、テクノロジーの両面から助言をお願いしたいと考えております。
 会議の内容につきましては、目的と若干重なりますけれども特に介護現場における生産性向上の課題認識を定期的に共有し、KPIを設定して評価を行いながら評価結果を施策に反映したいですが、当面は説明資料にありますように来年度を目途に立ち上げる計画の介護生産性向上総合相談センターの運営方針等の検討が主になってくるかと思います。

 3点目は、介護生産性向上総合センターについてです。
 主にテクノロジーの活用等により介護職員の働く環境の改善、また業務負担の軽減を図るとともに、業務改善、効率化によって生み出された時間を介護サービスの質の向上につなげていくため、介護事業所における介護ロボット、ICTの導入を主とした生産性向上に資する取組を支援していくことが目的となっております。
 センターにおきましては、生産性向上や業務改善に関する相談にワンストップで対応するとともに、専門家の派遣、また業務改善や介護ロボット等の利活用に関する研修会、介護ロボット等の展示会、試用貸出し等を現在考えております。
 センターに求められる機能としては、繰り返しになりますが介護事業所のワンストップ相談窓口とともに、これまで国、県、市町など様々な実施主体で分散的に行われていた情報を整理して効果的な支援ができる拠点になることを期待しております。

○川崎委員
 丁寧な御答弁ありがとうございます。
 1点目に関して再質問します。
 介護ロボット等の導入率が64.7%から60%後半まで伸びるとのことで問合せが600件、申請が4件ぐらいとのことですが、現時点でどのぐらいの介護事業所に導入されているのか。
 また、年度途中ですので今後まだ増えていくのかなと思います。予算をある程度持っていたと思うのですが、予算以上に申請があった場合はどう対応するのか再質問します。

○加藤介護保険課長
 導入経費の補助については、事業所に対してホームページや団体を通じて幅広く広報しております。先ほど説明したように実際の導入率は64.7%となりますので、総数は把握していないですけれども、3分の2ぐらいの事業所で導入されているかと思います。
 予算につきましては、9月補正予算で5億4700万円を計上させていただいております。申請額は現在4億円程度です。せっかくの予算ですので来年度導入を予定している事業所があれば個別に連絡してできれば今年度執行していただきたいとお願いし、余らせないように頑張っていきたいと考えております。

○川崎委員
 ぜひ1つの波が来ていると思いますので、業務改善、業務軽減が業務の質の向上につながるようよろしくお願いします。
 それから、御答弁もありましたように機械を入れるだけではなく、効果的に使用できる人材がこれから必要になっていくかと思いますのでよろしくお願いします。
 また、今後理想的で期待できる介護生産性向上総合相談センターができるんだろうなと思います。
 運営のために会議を開くと思うのですが、なかなか人材確保は難しいと思います。人材が増えていくことが目標だと思いますので、新たなセンターのことも進めながら、今やっていらっしゃる取組をぜひ頑張っていただきたいなと思います。

 次に、説明資料16ページ静岡県社会的養育推進計画の改定についてです。
 まず1点目は、計画見直しのポイントで支援を必要とする妊産婦等の支援に向けた取組と障害児入所施設における支援の2項目が追加されていますが、この内容について詳細を教えてください。

 2点目は、主な取組として子供の意見表明と子供の権利擁護の仕組みの構築との記載があります。入所児童の養育環境を改善する一時保護所の体制整備、また里親支援センターによる里親支援体制の充実を位置づけるとありますが、具体的な内容について伺います。

 3点目は、計画の進捗状況を図るために全ての項目ごとに評価のための指標を設定するそうですが、評価は誰がどのようにするのか伺います。

 4点目は今回の見直しには入っていませんが、社会的養護自立支援の推進の取組についてもお伺いします。

○村松こども家庭課長
 最初に、今回の計画で2項目が追加されたことについてお答えします。
 まず、支援を必要とする妊産婦等の支援に向けた取組ですけれども、改正児童福祉法で新たに位置づけられた妊産婦等の生活援助事業で事業所の整備数、妊産婦の支援に係る研修を行う市町数の目標を掲載したいと考えております。
 障害児入所施設における支援につきましては、国の策定要領に従い福祉型障害児入所施設のうち良好な家庭的環境を整備している施設数を掲載していくこととしております。

 続きまして、2点目は主な取組でございます。
 まず子供の権利擁護の仕組みの構築につきましては子供の意見表明等支援員、いわゆるアドボケーターを配置し、児童養護施設等に措置されている子供の意見表明を支援します。
 例えば、令和11年度までに県内の児童養護施設、一時保護所、県立施設といった施設に措置されている児童全員がこの意見表明等支援事業を実施できるように目標を掲載しております。
 次に、一時保護所の体制整備につきましては、県内の一時保護実績及び今後の見込みから必要な一時保護施設の定員数あるいは一時保護委託先の確保数等を検討し、例えば子供の学習権を保障する観点から令和11年度までに県内の全中学校区に一時保護委託が可能な里親を確保することを掲載していこうと考えております。
 次に、里親支援体制の充実につきましては家庭養育優先原則に基づき、家庭復帰が難しい児童の里親等委託を推進するとともに、令和4年の改正児童福祉法において里親のリクルートから委託中、委託解除後の支援に至るまで、一貫した里親等の支援を行う児童福祉施設として新たに位置づけられた里親支援センターの設置促進について計画に記載します。
 目標としては、令和11年度までに県内5か所に里親支援センターを設置することを目標として掲げていきたいと考えております。

 3点目は計画の進捗状況についてですが、国の策定要領に基づき、毎年評価のための指標等で自己点検を行います。そちらの結果につきましては、策定要領では都道府県児童福祉審議会等の合議制の会議で報告するとなっているため、本県では社会福祉審議会に報告したいと考えております。

 4点目は、社会的養護自立支援の推進について
改正児童福祉法により児童自立生活援助事業の対象者がこれまで大学等に通う22歳までの者だった年齢制限が撤廃されるとともに、事業の実施場所が自立援助ホームに限られていたものが児童養護施設等でも実施できるようになったことに伴い、事業実施箇所の増設等に向けた取組を計画に記載していこうと考えております。

○川崎委員
 ありがとうございました。
 数点を再質問します。
 里親支援体制充実のための里親支援センターが県内に5か所あるとの認識ですが、どんな機能を担っているのか聞かせてください。

 次に評価についてですが、先ほど自己点検と聞こえた気がするのですが、評価するのは第三者ではないのですか。

 最後に、児童自立生活援助事業については、対象者の年齢制限はあるのでしょうか。

○村松こども家庭課長
 里親支援センターの機能ですけれども、里親のリクルート活動と里親を受託されている里親の抱える様々な悩みや相談に対応していき、また里親委託解除後もその里親に寄り添った形で支援していく機能になります。

 続きまして、計画の報告ですけれども、こちらは国の策定要領に記載されているとおり社会福祉審議会に報告するものであり、県の様々な分野から有識者を委嘱して専門的な立場から御意見を頂くところです。
 国でいうところの児童福祉審議会に相当する分科会が県では社会福祉審議会の下に児童福祉専門分科会として想定しております。

 最後に、児童自立生活支援援助事業における対象者の年齢制限ですけれども、今のところ年齢の上限は特段示されていないと認識しております。

○川崎委員
 御答弁ありがとうございました。
 要望で終わります。今定例会の一般質問もさせていただいたんですが、社会的養護が必要な子供たちに向けてこれから体制が整っていくと思います。アドボケーター等をこれから県でも養成していくと思いますが、ぜひここの意義、意味がありますのでスムーズに質のよい行政機関として進めていただきたいと思います。
 それから里親支援センターはとてもよいと思います。今までは児童相談所が対応していたと思うのですが、里親同士の関係もありますし新しいセンターに期待したいと思います。
 最後に、社会的養護自立支援ですが、どうしても里親や養護施設で育った子供たちですので、社会に出てもなかなかうまくいってないと聞いています。段階的なところでぜひこの取組も丁寧に進めていただきたいと思います。

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