本会議会議録


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令和7年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:中谷 多加二 議員
質疑・質問日:03/06/2025
会派名:自民改革会議


○中谷委員
 一問一答方式で伺います。
 文教警察委員会説明資料16ページのコンプライアンスの推進に関する記載の中に性暴力と体罰、不適切な言動等々の記述がございまして相変わらず懲戒処分が多いとの印象を持たざるを得ません。このような現状の中で教育委員会として発生原因をどのように捉えているのか。
 また、過去にもいろいろと対策を打たれたと承知しておりますが、相変わらず減ることがなく起こり得るべくして起こっているのか分かりませんが、どのように対策されていくのか伺います。

○高林教育総務課長
 児童生徒に対する体罰や不適切な言動による懲戒処分は昨年度5件、今年度2件で2番委員御指摘のとおり根絶に至っていないことにつきましては大変重く受け止めております。
 処分事案を見ますと、体罰等は部活動に起因するものが多く、体罰は30代、不適切な言動は60代に多く見られる傾向がございます。部活動は勝利至上主義に陥り自らの指導を過信して生徒を思いどおりにしようとする強引な指導等が一因となっています。また授業や学校生活における体罰等も子供の権利意識や人権尊重が求められる中、社会の変化に適応したマインドリセット、意識改革ができていないこと、また学校という限られた世界で指導してきたためにこれまでの指導を変えることができない過信が原因に挙げられます。
 県教育委員会といたしましては、来年度新たに体罰、不適切な言動に特化した研修動画を新たに作ります。全教職員が視聴するほか、先ほど申し上げた30代、60代で処分の傾向が高い年代の職員に対しては経験や職務段階別に応じた研修で集中的に講義するなどめり張りをつけた対応をしてまいりたいと考えています。

○中谷委員
 昨日もテレビで見ましたが、龍谷大学付属平安高校の野球部監督が体罰で辞職されました。かなり前なので何年かは記憶にございませんが、やはり平安高校の野球部で試合中にノーアウトランナー2塁からサインを間違えたか何かして3塁へ盗塁してタッチアウトになって選手がベンチに帰ったら監督が選手に往復びんたをしていた時代もありました。
 それはさておいて、今答弁された体罰や不適切な言動に特化した研修動画ですが、見た途端にそういった傾向がある職員に効果がある動画とはどのようなものか教えてください。

○高林教育総務課長
 動画では、過去の懲戒処分の事例を紹介してその背景や原因を追及する15分程度の動画を作ろうと思っています。作成に当たっては臨床心理士の資格を持つ県内大学の准教授に監修していただき、心理的アプローチからも多面的視点から分析できるよう努めてまいります。動画の視聴を通じて職員一人一人が自らを振り返り、体罰や不適切な言動を自分事として捉えることで未然防止を図ってまいりたいと思っております。

○中谷委員
 確かに動画などで研修するのはいいことだと思いますが、果たして年代別の研修を強化することだけで不適切な言動等を根絶できるのかとの思いがあります。もう少し突っ込んでより強くここら辺でやめさせないといかんと、二度とないようにする方策がありませんか。

○高林教育総務課長
 旧態依然とした教員の指導やそれを許容してきた組織風土を払拭しなければならないと考えており、教員一人一人の問題というよりも学校全体の問題として捉える必要があると考えています。このため校長など管理職への助言指導を徹底し、また職場内においても風通しのいい職場づくりのために全教職員に配付している教職員のためのハラスメントガイドブック、また体罰、不適切な言動のガイドライン、リーフレット等の様々なツールを活用頂いて小グループの教員同士で話合いをしたり、校内研修で繰り返し指導徹底を図っていくことを考えています。

○中谷委員
 何となく分かりましたが、近年は先ほど働き方改革の話もありましたとおり、教職員もICTの活用推進や部活動の地域移行など多忙化で精神的にもかなりまいっているところもあるかもしれません。しかし同じ人間としてそういったケースに陥ることはどなたにもあるわけで、それが例えば体罰などにつながるのはやはりよくないと思います。その辺を含めて厳しくやってもらいたいと思います。
 また、過去の体罰事例を頂きましたが、気になる内容があります。例えば処分理由は体罰と一概に書いてあり、それで減給10分の1、1か月で戒告となっていますが、体罰にしても内容によると思います。私が知っている事例が1つありますが、友達とふざけていたらいきなり後ろから教員に蹴られたのは体罰と言わずに傷害です。確実に告訴してもいい事例でも教育委員会は戒告、処分の理由は体罰と記載しています。
 私が関わったその事例はまだ記憶に新しいわけですが、当該校長先生をはじめ幹部教員は口を閉ざして対外的にその家族に対しても何の発信もしなかったと聞いております。そういったことが教育委員会の体質にも関わっていると思っており、こういった体罰などがなくならない、減らない理由なんですね。
 大真面目に真正面からこんなことをやっては駄目だと動画などを御覧頂くのは、それはそれである一面ではいいかもしれませんが、教育委員会の体質を変えないとこういったことはなくならないと思っています。もう一度どなたか答弁できますか。

○高林教育総務課長
 先ほども申し上げましたとおり学校全体、教育委員会全体の問題として受け止めることが非常に大事です。私自身もしっかり受け止めて考えて自分事として捉えられるよう、あとは各教職員がどうしたら自分事として捉えられるかといった視点に立って引き続き愚直に取組は推進してまいりたいと考えています。

○中谷委員
 分かりました。よろしくお願いします。
 では、雰囲気を変えて恒例ではございますが本日で最後の委員会出席となる職員3名の方がいらっしゃいます。
 私から順次紹介させていただきます。
 教育部長の水口秀樹さん。水口部長におかれましては昭和62年4月、沼津土木事務所主事として本県職員に採用されて以来、がんセンター、経済産業部など様々な部署を歴任されてきました。平成31年度からは政策推進局長として活躍され、令和3年度からは教育部理事として着任し、その後教育部長として3年間、長年培われた知見や経験を遺憾なく発揮され教育行政の推進に御尽力をされました。この間、教育長を補佐し本会議場での答弁など県教育委員会への功績は多大なものがありました。教育のみならず本県の発展に御尽力をされましたことに心から敬意を表します。
 次に、教育部理事の宮ア文秀さん。宮ア理事におかれましては昭和62年4月、西部養護学校主事として本県職員に採用されて以来、東部教育事務所、スポーツ振興室、教育総務課など教育委員会事務局内の課や西伊豆町教育長など様々な部署を歴任されてきました。平成29年度からは義務教育課長として着任され、その後教育部参事、令和5年度からは教育部政策管理担当理事として多様化、複雑化する様々な教育課題の解決のため御尽力されました。またこの間、教育行政職員の指導育成にも力を注いでいただきました。本当にお疲れさまでした。
 最後に、教育部参事兼社会教育課長の藤ケ谷昌則さん。藤ケ谷参事におかれましては昭和63年4月、榛原高等学校主事として本県職員に採用されて以来、教育総務課、財務課、義務教育課、局付主幹など教育委員会事務局内の各課や国体局、産業部、自治体国際化協会など様々な職を歴任されてきました。平成28年度からは社会教育課に配属され、9年間の長きにわたり社会教育行政の推進に御尽力されました。この間、長年の懸案であった県立中央図書館の老朽化、狭隘化の課題に取り組まれ、現在進行中の新県立中央図書館整備に至る計画の礎を築かれたことは特筆すべき功績であります。本当にお疲れさまでした。
 今後は健康に留意されるとともに、引き続き本県のために御活躍されることを御祈念申し上げます。
 せっかくの機会でございますので、私が紹介した順に現在のお気持ちやそして後輩に残したい言葉など思いの丈をお話しいただければと思います。
 では、水口教育部長よろしくお願いします。

○水口教育部長
 退任する3名に対して2番委員からは過分な御紹介、またこうして発言する機会を頂きました。議員の皆様にまずは感謝申し上げます。そして何とかその職責を私が全うできたのは皆様方の御指導を頂いたからでございまして併せて感謝申し上げます。
 私自身は、知事部局それ以外には国、市そしてがんセンター、教育委員会と様々な場所でいろいろな経験をさせていただき多くの学びをさせていただきました。特に国は国土庁でございますけれども21世紀の国土のグランドデザインの作成に携わらせていただきまして国土レベル、省庁を横断する広い視点、または高いところから俯瞰するその中で政策を立案していく、そうした手法や姿勢を学びました。
 また、がんセンターでは県庁の常識はがんセンターにおいては非常識だと強く教えられ、全てのルールは患者、家族のためにあるんだということを徹頭徹尾学んだところでございます。
 教育委員会において、職員と私が政策協議する際にはそうした学びを踏まえながらいろいろな対話をさせていただいてきました。教育委員会の職員には引き続きそうした姿勢を持ち続けていただいて、児童生徒の学びの充実に邁進していただければと思っております。
 いましばらく私自身は公務員の人生が少し続くと思っております。委員の皆様には引き続き御指導賜りますようお願い申し上げます。長い間ありがとうございました。(拍手)

○宮ア理事(政策管理担当)
 過分なお言葉と発言の機会を賜りまして感謝申し上げます。
 教育行政職として38年間、県庁内中心に回ってまいりました。西伊豆町に教育長として派遣させていただいた際に、国際交流で中学生4人を連れて台北に行きました。夜中に到着した台北の国際空港で女子中学生が1人で入国審査をする――同席でなくて一人一人入国審査するんですけれども――その後ろ姿を見まして我が子のようにエールを送りながら見守っていたのを思い出します。その中学生も今では中学校の先生になったということで大変喜んでおります。
 今回で役職定年となりますが、定年は62歳でございますので残りの2年間も私たちの仕事の先には常に成長する子供たちの後ろ姿を見ているということを肝に銘じて、この後も取り組んでまいりたいと思います。引き続き御指導のほどよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

○藤ケ谷参事兼社会教育課長
 発言の機会を頂きましてありがとうございます。
 私は、教育行政職として採用されて県立高校2校勤務した後、30年以上県庁に勤務し、そのほとんどを教育委員会の事務局で勤務させていただいたものでございます。この間、県議会の先生方には大変お世話になりました。特に部付主幹を3年間経験させていただきましたので非常にいろんな思い出深い経験があります。
 私が勤めていたときは、ちょうど教育委員会バッシングが激しかった時期で1年目が教員の不祥事が続いて教育長が万策尽きたと言って全国ニュースになったりそういった時期でした。2年目は小学校国語Aが全国最下位になり校長の責任とかが問われるということで、あのときの知事からも厳しい注文が突きつけられるといった教育委員会にとっては大変つらい時期でありました。その中にあって県議会の皆様に客観公正の立場から教育委員会を批判すべき点は批判していただき、また擁護すべき点は擁護していただいたということで本当にありがたく思ったところでございます。二元代表制の意義を身をもって感じた次第です。
 この頃は部付でしたので控室に私が行くと先生方から教育委員会大変だねと言っていつも励ましてもらっていました。それに味をしめて私は同情を引く技を覚えて、ちょっと息を切らせて行ったりとかそんな哀れを装う技を覚えてからは必要以上に優しくしていただきましたので実は大変得をしていたと思います。ありがとうございました。
 その後も新図書館整備に長く関わらせていただきましたが、新図書館整備そのものも前林先生の本会議の質問から始まってゼロからここに至るまでは――今ちょっと足踏みしていますけれども――いろいろな紆余曲折がありました。この間その時々、先生方の適切なアドバイスを頂いたおかげで何とかここまで来たということで、本当に私にとっても忘れられない思い出となっております。
 私は、教育行政職採用の職員で教育行政一筋できたんですがもう既に県庁内では少数派だと思います。採用も一本化されましたので、そのうちなくなってしまう職なのかもしれませんので、最後に長々と申し訳ないですが、教育行政採用職の後輩に向けてちょっと思いを伝えさせていただきたいと思います。
 教育委員会というのは首長からの独立を担保された教育機関であります。知事の手足となるべき知事部局の職員と教育委員会の職員とでは行動原理が異なると思っています。私たちは常に子供のため、学校のためを第一に考えていかなければならないと思っています。長らく県庁内に働いている間には、こうしたスタンスの違いから知事部局の職員から教育委員会はだから駄目なんだみたいなことを言われることは多々ありました。ただ、私は思ってます。目に見える成果とか数値目標の達成だけが教育行政の目的ではないと思っています。どちらを向いて仕事をするのかが私たち教育行政職にとって大切なことであると思っていますので、私といたしましては特に肌感覚で学校現場を知っている教育行政職の後輩の皆さんが、単に数字や効率だけにとらわれない、温かみのある教育行政をこれからも担っていっていただきたいと思っております。長々失礼いたしました。
 37年間、県議会の先生方をはじめ多くの皆様に支えられてまいりました。どうもありがとうございました。(拍手)

○中谷委員
 ありがとうございました。
 第二の人生、御壮健で御活躍ください。ありがとうございました。

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