本会議会議録
質問文書
令和7年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 鳥澤 由克 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 03/06/2025 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○鳥澤委員
分割質問方式でお願いします。
本定例会に提案されております令和7年度の予算につきましては、大変厳しい中、青山健康福祉部長はじめ皆さんそれぞれが思いを寄せて予算編成が行われたと思っております。
そういった中で、鈴木知事に移行されて初めての予算編成であります。その中身は我々も大変重視しておりますし、注目されている内容だと思っております。特に子供、高齢者、障害を持たれる方たちに対してそれぞれの医療や介護の体制整備など大変重要なことが盛り込まれていると思っております。
ただ、萎縮することなくやるべきことをやる、なすべきことはなすと思っておりますので、来年度当初予算の編成に当たりまして健康福祉部として何を重点的に考え、具体的にどんな事業を予算化したのか再度お伺いします。
○青山健康福祉部長
令和7年度当初予算の編成の考え方ですので、私からお答えさせていただきます。
まず、10月に当初予算の編成方針が財政当局から示され大変厳しい状況での編成になりました。それを踏まえて最初に取りかかったのは、先ほど9番委員からも御質問ありましたけれども、それぞれの事業の決算において不用残等が発生しているのか、していないのかをしっかりと確認しました。新しい事業をやるための財源をつくらないと新しい事業ができない状況で最初に取りかかったのは財源を確保していく取組でございます。その上で確保した財源を大きく3つに使っていきたいと考えたところでございます。
まず1つ目は、先ほどから委員の皆様で御議論頂いています、しずおかこども幸せプランの関係でございます。こども計画の法の位置づけの中でしっかりと組んでいきたいとの思いがございまして、共育てを推進するために育児休業に対する支援の制度をつくったり、細かいところになっていきますけれども、養育費といった確保しなければいけない支援事業を予算計上し制度設計したところでございます。
2つ目は、医師等を含め医師、介護、保育、看護師と様々な職種の人材を確保するのは最大のテーマだと考えておりましたので、先ほどの医師偏在対策の予算についても、看護師の確保についても新しくコンサルティングの担当者をナースセンターに置くとか医師にかかわらず人材確保策を計上していきました。
3つ目は、弱い立場にある方への支援をしっかりとやらなければならないことです。小児がんや難病をお持ちの方が少し遠くの病院等に通ったり、入院するときの支援事業を制度化したりスポーツ・文化観光部の所管でユニバーサルツーリズムをこれから考えていくことになりますので、昨年4月から障害者差別解消法が改正され、合理的配慮について民間企業も義務づけになった背景も踏まえながらアドバイザーを派遣して、民間企業においても合理的配慮をしっかりしていただき、障害のある方、ない方分け隔てなく生活できる静岡県を目指し予算を組んだところでございます。
○鳥澤委員
特に今回、国の高額療養費制度が揺れ動いておりますけれども、国の社会医療制度あるいは根本の医療保障の制度設計がまだまだ不透明なところもあって、国と県の予算に密接な関係がある中で、しっかり将来を見据えた予算編成だったと思っております。
大変御苦労があった予算編成だったと思いますけれども、皆さんが心身ともに健全で住み慣れた地域でその人らしく暮らすことができ、人と人とが思いやりと優しさを持ってお互いに支え合う地域社会の構築に向けては、皆さんのお力なくしてはなし得ないと思いますので、一歩前へ一歩前へと確実に進んでいっていただければと思っております。
次の質問も、青山健康福祉部長からお話を伺いました。弱者に手を届けなければならない1つの課題だと思います。説明資料1、7ページと別添資料1令和7年度当初予算事業概要の12ページです。
聴覚障害児の支援体制に関する静岡社会健康医学大学院大学の相互の役割についてお伺いします。
当初予算事業概要の12ページに記載があるように、難聴児等支援関連事業費についていよいよ来年度から県立総合病院とオーストラリアのシェパードセンターで先進的な療育手法を取り入れて実施していきます。私も調印式に出席させていただきまして、議員連盟で数年前から取り組ませていただいたところでもあります。まだ日本で確立されていない中で新たに静岡県が難聴児療育に取り組むと高く評価されて、一歩でも前に進めていっていただけたらと思います。
そこで、現在までの経過と進捗状況及び当初予算事業概要12ページの5つの事業は、全部が関連していく事業として早期の発見から療育体制、家庭の支援、ピアカウンセラーまでの途切れのない一連の流れがあると思っています。先ほど青山健康福祉部長から様々な事業の中でも人材の確保・育成は大切であり、人材育成に向けて静岡社会健康医学大学院大学が関連するコースを開設すると伺っておりますので、具体的に人材育成をどのように進めるか教えていただければと思っております。
○村松こども家庭課長
まず、シェパードセンターと県と県立病院機構の三者の協定を3番委員御指摘のとおり11月に締結させていただきました。11月の締結以降、県立病院の言語聴覚士が11月と2月に現地に研修に行き、シェパードセンターの療育スタッフと療育関係について講義といいますか、指導を受けております。帰国後も随時オンライン研修により研修を続けて、来年度からの療育の展開に向けて準備を進めているところでございます。
あわせて、シェパードセンターからの助言等を受けて療育に必要な機器――実際にシェパードセンターで使っている検査機器の購入も進めているところでございます。
加えまして、実際に療育を展開していくに当たりシェパードセンターの助言を受け、個別の療育スペースを設けることが必要となりましたので今部屋の改修に向けた最終調整を行っているところでございます。
○鈴木健康政策課長
体制面については、村松こども家庭課長のから説明がありましたけれども人材育成の面でお答えさせていただきます。
静岡社会健康医学大学院大学については、アカデミアとして聴覚障害児への支援に関わる人材育成の面で重要な役割を担うものと考えております。静岡社会健康医学大学院大学には専門コースとして聴覚言語コースが設置されており、療育モデル事業で確立された療育のノウハウを習得した人材を育成していただきたいと考えております。そのコースで療育のノウハウ、聴覚のメカニズム、難聴の影響などの専門知識を習得した方々が県内の医療機関などにおける教育の場で将来活躍することにより聴覚障害児の支援体制の強化が図られるものと考えております。
県としましても、引き続き静岡社会健康医学大学院大学において必要な人材を育成していただくことにより、聴覚障害児が県内どこに住んでいても言語獲得につながる環境を確保したいと考えております。
○鳥澤委員
先ほど言いました5つの事業についても、それぞれに関わる人材育成は大変なことであります。医療関係、全ての県の組織を挙げて取り組んでいただけたらと思っております。特に早期のスクリーニング、早期発見、早期取り組み、早期措置によって聴覚を戻す確率も高くなりますし、それぞれの治療を開始する過程でも環境の整備がありますので、しっかりと対応していただけたらと思っております。子供たちによりよい環境として手話言語条例や社会的な環境整備も必要だと思いますので、環境を整えていただけたらと思っております。御努力を頂きますようよろしくお願いいたします。未来ある子供たちにとって何が必要かしっかりと定めていただきたいと思っております。
中国浙江省腫瘍病院との友好協力に関する覚書について、厚生委員会資料2の9ページにありますように静岡がん会議の前に調印されたとありますが、大変意義深いことだと思っておりますので国際的に双方がお互いに協力し合ってよりよいがん治療、また医療の方向性を示していくための覚書の内容について伺います。
○鈴木がんセンター局マネジメントセンター長兼経営努力室長
県が、2012年に浙江省と締結しました医療衛生分野における友好協力協定に基づきまして当センターは同省から医療従事者等の視察や研修を受け入れ、昨年3月の静岡がん会議2023への浙江省腫瘍病院長や同省衛生健康委員会のメンバーの参加を機に相互の職員交流などを進めてまいりました。浙江省腫瘍病院は、高度ながん医療を提供し患者と家族を徹底支援する当センターの方針、診療体制や運営体制に強い関心を持っておりまして、両病院間の交流と協力関係を友好的・長期的かつ安定的に発展させるため今回覚書を締結する運びとなったものでございます。
覚書につきましては、がんの診療、看護及び研究などの分野での情報や技術、知識の交流また職員の相互派遣を進める内容になっております。
○鳥澤委員
覚書締結後どのように具体的に活動するか一部言及していただきました。これから国際的に協力し合って医療水準を高めていくのは大変大切だと思っておりますし、医療分野に限らずそれがきっかけで地域外交にも波及効果があると感じております。がん治療の水準を高め、一人でも多くのがん患者に寄り添い、がん患者の皆さんを救う手だてとしての役割を果たし、未然防止に対するまた静岡県民310万人の皆さんに対する啓蒙活動にも覚書を拡大し友好的に波及していただければと思っております。
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