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委員会会議録

質問文書

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令和2年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伊丹 雅治 議員
質疑・質問日:03/09/2020
会派名:自民改革会議


○相坂委員長
 休憩前に引き続き、質問を続けます。
 御発言願います。

○伊丹委員
 それでは、一問一答方式で質問させていただきます。よろしくお願いします。
 農は国の基と言われますが、農業は非常に重要な産業の1つですので農業を中心に質問させていただきたいと思います。
 まず、令和2年度当初予算主要事業概要の2ページ、また総合戦略案では69ページにあります農福連携の関連から伺ってまいります。
 まず、会派要望どおり総合計画にしっかりと項目と指標を明記していただき、さらに推進を進めていただく意思を表示していただきましたことに心から感謝申し上げます。このことによりさらに農福連携の推進が加速されることに大変期待しています。
 農業の担い手不足が深刻化する中、福祉事業所が今後その穴を埋める可能性は、十分にあると考えています。長野県では高齢によりリタイアしたブドウ農家が福祉事業所にその後を継いでもらうといった事例があり、私も視察に行ってまいりました。農業の担い手不足を解消する光を感じたところです。
 その観点から伺いますが、今回は特に福祉事業所が農業に取り組む際の農法について質問させていただきます。
 農林水産省は農と福祉の連携についての調査報告書を出していますが、これは特定非営利法人日本セルプセンターが平成26年3月に報告したものです。この中の新しい農法への取り組み項目を見ると、福祉事業所が取り組んでいる最も多い農法が慣行農業で35.6%に対して無農薬・有機農業は26.4%、無農薬・無肥料、自然農法が5.5%で、有機農業と自然農法を合わせますと31.9%であり、慣行農業とほとんど変わらないことがわかります。
 ちなみに、2015年の農林業センサスの有機農業に取り組んでいる農家数から、全国の農家数に占める有機農業を実践する農家の比率は0.5%であることがわかります。つまり福祉事業所が農業に取り組む場合には有機農業や自然農法が多いことがわかります。
 先ほど御紹介した調査研究報告には、環境や健康を意識しかつ付加価値の高いもの狙いで生産しているのではないかと分析されています。農福連携を推進する上で有機農業や自然農法などの技術支援が必要であると考えます。
 そこでお伺いしますが、有機農業、自然農法を農福連携の推進とあわせて推進していくべきだと考えますが、県の御見解を伺います。

○瀧地域農業課長
 自然農法、有機農業の取り組みは、環境に優しく農業者や地域の人、消費者にとっても優しい持続的な農業の取り組みであると認識しています。三島市のNPO法人にじのかけ橋が運営する事業所などは、JA三島函南や農業者、市とも協働して有機農業を実践し、生産から加工品までを販売する6次化までを先進的に取り組んでいます。
 この取り組みについては、消費者あるいは通所者、職員、農産物を取り扱ってくれる方々についても優しい取り組みであると感じていて、農福連携とも相性がいいと考えています。今後は農福連携、有機農業が協働した取り組みをさらに進めるため、今議会にお諮りしている来年度予算または既存制度等を活用して農作業に詳しい専門家を派遣するなど推進していきたいと思います。

○伊丹委員
 前向きに取り組んでいくと御答弁いただきましたが、実際に福祉事業所に指導したり、指導までいかなくても情報提供する体制が必要だと思いますが、そういったものが現在整っているのかどうか教えてください。

○瀧地域農業課長
 昨年度の12月だったと思いますが、事業所から当課に農業をやりたいので誰かスペシャリストを紹介してくれないかと相談がありました。当課は土づくり等を所管しているため土づくりマイスターに話した際、向こうも喜んで手を挙げて教えにいきたいと回答を受けたことから派遣しました。

○伊丹委員
 オリンピック・パラリンピックの食材調達でも推奨されているわけでありますが、環境問題の観点はもちろんみずから有機栽培や自然農法で育てた農産物で心身ともに健康になる点からも、今後しっかりと推進していただきたいと思います。現在栽培している農家さんに急に有機農業、自然農法にシフトしてくださいといってもなかなか難しいのが現場の事実だと思います。ですから農福連携の推進とあわせて、有機農業や自然農法を推進するチャンスだと思います。ぜひそういった観点でチャンスだと捉えてさらにしっかりとした体制をつくっていただいて、福祉事業所からもリクエストがあると思いますので、しっかりと体制をつくっていただきたいと要望します。

 次に、令和2年度当初予算主要事業概要の30ページ、新ビジョン評価書案163ページ、165ページの先端農業プロジェクト関連でAOIプロジェクトについて伺います。
 令和2年1月にAOI−PARC周辺の6JAと連携協定を締結し、いよいよ次のフェーズに入って一層期待が高まるところであります。連携協定事項として、AOIプロジェクト開発成果の生産現場への展開と生産現場を活用した研究開発が挙げられています。具体的な計画等がございましたらお聞かせください。

○杉山先端農業推進室長
 AOIプロジェクト及びJAとの連携措置に基づく現場実証に関する計画についての説明いたします。現場実証ではプロジェクトによる開発成果を実証することとしています。
 事例は2つございまして、1つは生鮮葉物野菜分野で全国初の機能性表示食品となった高血圧抑制効果のある生食用ケールの種苗とその機能性成分を安定化させるための栽培技術で、もう1つは精密な水分ストレス制御による超高糖度トマトの栽培が可能な栽培システムです。この2つについて現場実証を来年度から実施する予定です。特に現場実証に当たりましては、一般の生産者が期待どおりの生産できることもさることながら、農業現場に役に立つ、あるいは生産者の所得の向上にも貢献できるのかもあわせて実際の生産、販売を通じて効果の検証、実施してまいります。こうした実証結果をもとに地域内での横展開や産地の地域内での普及、産地形成により大きな効果につなげることも想定しています。

○伊丹委員
 栽培が実際にできるかどうかだけじゃなくて、所得向上につながるかという観点が非常に重要だと思いますので、ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。ちなみに実証実験をする産地は決まっているんでしょうか。

○杉山先端農業推進室長
 6番委員が御紹介していただきましたとおり、AOI−PARC周辺の6つのJAと連携協定を締結させていただきました。この実証実験についてもまずは6JA管内での実施を検討しています。

○伊丹委員
 ありがとうございます。
 2015年の農林業センサスでは86.6%が露地野菜なんですね。また若手新規就農者の営農型の割合別、営農累計の割合で見ると1位の稲作に次いで露地栽培が2位です。農業の発展を考えていく上で露地栽培は無視できないので、ケールがそれに当たるのかどうかわかりませんけれども露地野菜の実証フィールドというか、今後露地野菜栽培を観点に入れてぜひとも進めていただきたいと思います。実際にAOI−PARCの近くには国の地理的表示保護制度に登録された三島バレイショを初めとした露地野菜のブランド化が進む箱根西麓があります。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、要望させていただきます。

 次に、令和2年度当初予算主要事業概要の29ページ、産業委員会説明資料67ページです。静岡県立農林環境専門職大学の開学について伺います。先ほど7番委員からも質問がありましたが、学生の応募状況はわかりましたので、教員を含む職員の体制について伺います。

○佐野専門職大学開学準備室長
 開学時の体制のうち、初めにお手元の資料では専任教員については他所属からの兼務職員であるみなし専任教員を含む形で書いていますが、今回は体制についてですので除いてカウントさせていただきます。そうしますと4年制大学が学部長以下21名、短期大学が学科長以下20名の合計41名でスタートします。教員以外の事務局職員については事務局長のもとで総務企画課、学生課、教務課3課体制とし職員数は21名となります。また大学では図書館が必置施設となっていますので、図書館司書を新たに1名配置します。以上学長1名に専任教員41名、事務局職員21名、図書館司書1名を加えて、開学時の職員数は全体で64名となります。

○伊丹委員
 教員を含む開学時の体制は確認できましたが、先ほどの7番委員の質問の中で、短大については定員100名に対して合格者が84名と伺いました。いわゆる定員割れの状態だと思いますが、結果をどのように分析しているのか教えてください。

○佐野専門職大学開学準備室長
 短期大学の定員割れについては、学校関係者等のお話を伺って分析していきたいと思っています。ただ現時点での考えを申し上げますと、まず1点は今回いわゆる生産部門の農林業者を養成する養成部が入り口の1つでしたが、今回は経営部門を目指す方、生産部門を目指す方を4年制大学と2年制の短期大学とで分けました。広く一般的な傾向として学生の4年制大学志向がありますので、今まで農林大学校の養成部で学ぼうと思っていた方も4年制大学を志望したのだと思います。
ただ、それだけが理由とは考えていません。例えば従来なら養成部に入学していた学生が4年制大学に移ったことも考えられます。
 もう1つは、設置認可の遅れです。設置認可申請がおりたのが昨年9月でしたが、短期大学部の定員100人のうち80人を推薦入試で募集したいと考えていました。これは生産現場の方については学力で点数化する入試よりも意欲ですとか、職業に対する考え方をきちんと確認できる推薦入試が適当であると考えたことによります。推薦入試は一般の入試よりもかなり早い段階で進路を固めていくと伺っており、今回9月に設置認可になったことが進路決定に影響したと考えています。詳細については、学校の関係者にお話を伺い、募集の方法についても生かしていきたいと考えています。

○伊丹委員
 せっかく体制が整っていて、県としても投資しているわけです。私もおおむねそう思っていましたので、ぜひ分析していただいてしっかり適正に自治体にあった将来を見据えた体制になるように、走りながら考えていただきたいと思います。

 最後の質問をさせていただきます。
 農業から一旦離れまして、新ビジョン評価書案108ページの県内出身大学生のUターン就職率についてです。残念ながら2018年度は目標を下回る結果となりましたが、さらに基準値よりも下がってしまう残念な状況ですが、この結果をどう受けとめているのか。また令和2年度予算を見ても関連する予算の増額は余りないようにお見受けしますが、今後どのように施策を講じていくのか伺います。

○宮崎労働雇用政策課長
 本県のUターン率についてお答えします。
 現在、大学進学者のうち約7割の1万2500人ほどが県外の大学に進学しています。実際戻ってくる者が37.7%ですので、約3,800人しか戻ってこず、逆算すると8,700人は県外に就職してしている状況です。一人でも多く県外に進学した学生が、静岡県内に戻ってきていただけることが人材が不足している中で重要になってきていると認識しています。
 現在、県外の静岡県出身者の多い大学30大学と就職支援協定を結んでいますが、来年度は女子学生が多い大学並びに県内は製造業が多い県ですので理工系学部のある大学の理工系の学生を人材としては求めています。そういう大学をターゲットとして、就職支援協定を拡大していきたいと考えます。この就職支援協定に基づいて一番いいのはやはり学内でガイダンス等により学生と接触する機会がかなり少なくなってきていますので、大学を直接訪問させていただいて頑張っていきたいと考えます。実際今年度も就職支援協定大学で60回学内ガイダンス等を開催しています。また合わせて協定締結大学が県内で保護者会を開いています。またUターンする場合には御両親の意見がかなり効果的ですので、この保護者会に出席させていただき県内の魅力ある企業が、こんなにたくさんあると説明させていただきたいと考えます。ここも重点的に取り組んでいきたいと考えます。
 さらに、就職支援協定の就職支援窓口で活動している担当者の方を県内にお招きして県内の企業との交流会並びに実際に企業を見学していただくバスツアーをやることによって静岡県にはこんないい企業があると県外の協定大学のキャリアセンターの担当者の方にもしっかりと伝えてそのよさを学生に伝えていく取り組みを評価してまいります。
 また、東京、名古屋のようにUIターン就職サポートセンターがあるんですが、協定大学から大学生の登録をかなりふやしていただきまして、またきめ細かな就職支援にも努めていきたいと考えています。
 実際には、高校を卒業した5年、10年先に静岡県に戻ってきていただけることを想定して、ふじのくにパスポートを高校卒業生の皆さんにお配りします。継続的に県内の魅力あるいろいろな遊べる場所、イベント並びに地域に頑張って伸び盛りのある企業さんがたくさんありますので、そういう企業さん並びにそこで働いている方々を御紹介していきたい。情報発信にも力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

○伊丹委員
 ふじのくにパスポートも非常にすばらしいと思いますし、当局の皆さんが本当に大学へ一生懸命足を運んで御努力してくださっているのは十分承知していますが、こういった残念な数字は経済産業部だけの力だとなかなか歯どめがかからないと思います。他の部署と連携して課題に対して考える機会があるのかと、これまでの取り組みを強化していくといった御説明でしたが新たな取り組みは考えているのか、あわせて新たな観点で考えているのかお聞かせください。

○宮崎労働雇用政策課長
 6番委員御指摘のとおり、確かに経済産業部や労働雇用政策課の政策だけではなかなかUIターン就職率は上がりません。現在小中高校生の各世代において地域の企業を知っていただくための取り組みを教育委員会と連携して取り組んでいます。この事業では各地域の商工会議所、商工会の御協力もいただきながら企業様からこういう形であれば、見学を受け入れられるよといった情報をいただいた上で教育委員会に情報提供し、地域探求の事業等の活用に取り組みます。
 また、くらし・環境部の東京都千代田区有楽町にある移住相談センターにも御協力いただいて、学生時代だけではなく社会人になっても静岡県に戻ってきていただけるように、他県の窓口とは違ってキャリアカウンセラーを常駐しています。一緒にイベント事業等も展開させていただいて、第二新卒の方でも戻ることができる体制づくりも勉強して取り組んでいます。これからも部局間で連携し、縦割りではなく部局横断で取り組んでまいります。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
 連携の関係は非常によくわかったのですが、新しい取り組みはいかがでしょうか。

○宮崎労働雇用政策課長
 就職支援協定大学について、今までは人数に目を置きがちだったんですが、県内の産業界では女子がなかなか戻ってこないこと、理工系学部の学生が欲しいといったことがありましたので、当面の目標である30大学からさらに拡大させていただきたいと考えています。
 また、現在各大学を回っているときに学内ガイダンスを行ってもなかなか学生が来ません。現在学生がどこで就職を決めているかですが、インターンシップでおおむね就職先の5割程度を決めていると聞いています。ですので来年度はインターンシップの取り組みも強化していきたいと考えています。ここはこれから就職、UIターンを促進していく上でキーワードになってくると考えていますので、鋭意取り組んでいきたいと考えています。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
 県内出身大学生のUターン就職率という目標値の責任が1つの部署に乗っているのは本当に気の毒ですが、非常に大事な数字でありますのでぜひ引き続き頑張っていただきたいと思います。
 最後に要望を申し上げますけれども、地域の人口減少に歯どめをかけるには社会移動に注目して、特に就職に伴う人口流出を小さくする必要があると考えます。これらの状況を示す代表的な指標に有効求人倍率があるんですが、その最新状況を都道府県別に見ますと、全都道府県が1を上回っており、人手不足は全国的な現象であるとわかります。地方には雇用機会がないから東京一極集中が起きているといった説明は間違いなのかもしれないと考えています。ここから先は考えるべき点が多くて非常に悩んでいるところで、今のところいいアイデアはありませんが単に働く場があるだけでは人は集まらないと考えています。将来性なども含めた雇用の質や居住環境等を一体となって考えていかないと人口の社会移動を変えるのは難しいと思います。ですから課題に対しては他部署との連携や垣根を越えた取り組みが今後より一層必要だと考えますので、その辺もしっかりと御検討いただきますよう要望して質問を終わります。

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