本会議会議録
質問文書
令和6年5月盛土等の規制に関する条例等検証特別委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 小長井 由雄 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 05/31/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○小長井委員
ありがとうございました。
この盛土に関する問題の多くは、特に山間地へ投棄されて盛土されたものの多くが、汚染土壌である場合が非常に多いということだと思います。つまり、見えないところにはそういった問題のものを捨ててしまう、盛土にする、というケースで問題になっているものが多いと思います。そういった中で、盛土の場所を造るときに、周辺住民への説明会を開催することになっていますけれど、今日、午前中に国土交通省の方に聞いた中でも、なかなか、私が納得できるようなお答えがありませんでした。極端に言うと、住民説明会を省けというような業界団体からの要望、意見もあったかとは思うのですけれど、この住民説明会の開催の仕方、1回だけ説明すればいいのかというと、なかなかそうではないと思うのですけれど、この点についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
○小泉参考人
まず、山のほうの話でございますが、そもそも、山には周りに土がたくさんあるわけでございます。災害土砂なら別ですが、その周辺エリアやわざわざ山へ、伊豆山もそうでしたが、遠方から土砂を持ってくること自体が不審なわけでございます。ですから、山の方でそういう行為が行われる場合も危なくてですね、平場のほうの低いところに土を入れるのはそんなに心配ないということになります。
山のほうの場合は、この説明会の開催もどこまで緩和するかというのがあります。もともとこの説明会というのは、説明会が必要というのは手段としては書いてあるのですが、住民に周知することが目的でございます。ですから、住民に周知する方法として、説明会でやる方法もあれば、回覧でやるとか、標識をやるとかの方法があって、そのうちの1つの方法が説明会の開催なので、今の条例の規定では、説明会の開催でなければ駄目となっているのですが、これはいかがなものかなと。やはり規則で定める場合は、説明会以外の周知の方法を認めるというのが、むしろ合理的ではないかなとは思っている次第でございます。
ただ、御懸念は非常に分かりますので、どの程度、どういう条件の場合にやるとか、例えば、一般的には要らないとしておいて、一定の住民から説明会の開催の要請があった場合には、開催しなさいとか。何でもかんでも説明会の開催をするとなりますと、規模が小さいものでもやるという問題もあります。特に、市街地でやりますと関係ない要望ばかり、これは多分業界からも出ておりますが、今回の工事と関係ないものとか、ついでにあそこも工事やってくれとか、何か話が少し違うんじゃないのかという実態はあるわけです。
あと、一定の規模の処分場を本当に造ろうとすると、説明会は必要です。ですから、それは多分、本当にやろうとする人は説明します。地元も待っています。ですから、そういう意味での仕分けは必要だと思います。説明会に限定するというのは、少しやり過ぎというところもあるので、そこをどうやるのかは検討の余地はある思います。
○小長井委員
説明会と関係してきますけれど、熱海の災害以降、静岡県内で盛土の施設を造ろうとすると、どうしても地元の皆さんは、業者が何か悪いことするんじゃないかと、そういう考えが先に立つんですよね。まず、それを解消していくということになると、一番安心できるのは、県や市が加わって、行政がかんでそういった施設を造ることで、もちろん周辺住民は安心しますし、また施設を造るときにも、進みやすいと思うのですけれど、その辺についてはいかがでしょうか。
○小泉参考人
17ページの最後、9の受け入れ場所の確保のところで、優良な処分場の認定ということを申しました。これは、どちらかというと、法律や条例の規制ではなくて、むしろプラスで、しっかりやるところに対しては、何らかの形で認定をして、この計画はいいですねということで、行政が支援する、バックアップするという、規制とは逆の、もっと促進するほうの策として、優良な処分場を、できればしっかりやる人と悪質な人を選別するという意味でも、駄目な人間を排除するというのもあるのですが、良い人間というか、良い計画や良い事業をバックアップする仕組み、その両方がないと成り立たないということです。ただ、行政が関わるのであれば、先ほど申しましたように、その後、運動場になるとか、市町がそこを広場にするとか、跡地利用もセットでやっていく。この後も管理していくというのは大変なので、やはり地元にある程度プラスとなる要素も含めて、場合によっては市町のバックアップが必要だと思っています。
○小長井委員
おっしゃるように、行政が関与するということは、後々の利用も含めたものだと私も考えるものですから、そういうことであれば、処分場の設置はかなり進むと思います。
それと、今日午前中のお話では、盛土は汚染されていないものだという前提でいろいろなことを考えていると、国土交通省の方がおっしゃっていました。そうなると、元請の業者は、その盛土がどこまで、どういう経路をたどって最終的な処分までいくかということをしっかりとつかみ、責任を持つことが必要ですので、そういう制度も作っていかなければいけないと思うのですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○小泉参考人
公共系は、そちらを今強化していると承知しております。今までもしっかりやっていたところはあるのですけれども、どうしても、少し不十分なところもあったということで、そこを強化しております。問題は民間の発注です。民間の発注については、ゼネコンの幹部の方と、東京の財団の勉強会で2年間ほど勉強しましたが、民間のゼネコンの方によりますと、結局、優良な場所、ここならいいですよというところが特定していれば、ゼネコンさんとしては、発注する下請に対して、あそこに処分してくれという形で指定ができる。ところが、現状はどうなってるかというと、結局それが分からないので、ゼネコンさんとしては下請、もしくは二次下請、三次下請に、後はよろしくということになってしまう。そうすると、ゼネコンさんとしては相当な処分費を渡しているにもかかわらず、それは中間で事業者さんが取ってしまい、下請は安くてしっかりしてないような処分場での処分や不法投棄となってしまうものがあるということです。要は、民間については、その最後の段階、ここならいいですよというものがないのが、やはり一番の問題となっています。
廃棄物の場合は、廃棄物処分場が許可を受けてやっていまして、最後は決まっているので、ずっと追いかけられます。ところが、最後が決まってない民間事業者に対して、追いかけなさいと言ったところで、それは無理ですとなります。やはり公共と違いますので、最後のところ、それなりの処分場所を、優良なところをそれぞれ特定していって、最後はそこにという仕組みがないとなかなか厳しいと聞いております。
○小長井委員
やはり優良な処分場の確保が、大きな課題かと思うので、そこのところがこれからの議論になるのかなと思いました。
○杉山(盛)委員長
ほかにどうですか。
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