本会議会議録
質問文書
令和6年9月定例会産業委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 和田 篤夫 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/03/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○和田委員
一問一答方式でお伺いします。
産業委員会提出案件の概要及び報告事項の31ページに誰もが働きやすい職場環境づくりの推進とあります。誰もが働きやすい職場環境ってどんな環境なんですかね。イメージがあったら教えてください。
○八木労働雇用政策課長
誰もが働きやすい職場は、女性や外国人、高齢者、障害のある方なども含めて多様な人材が活躍できる職場と考えております。
○和田委員
具体的にどういう職種や職場を想定されておられるんですか。
○八木労働雇用政策課長
職種といいますか、職場と考えており、様々な職場において誰もが働きやすい職場環境が実現できるようにと考えております。
○和田委員
ちなみに静岡県は中小企業が大体11万社ぐらいありますよね。働いている人が170万人ぐらいおられると。
では今、県内の中小企業の何%ぐらいを対象にしてこの事業を進めているのか、想定している数字的なものやイメージがあれば教えてください。
○八木労働雇用政策課長
県内の中小企業の全てに向けて誰もが働きやすい職場環境づくりを発信しています。
○和田委員
なぜこういう質問をするかというと、2取組の概要の表にあるダイバーシティー経営の普及促進では今年9月のセミナーに67名が参加しましたよと。中小企業といったら11万社ぐらいあるんですよ。そのうち67人ということは、誰に向けてやっているか分からないくらいの範疇ですよね。
そういうことから考えると、この誰もが働きやすい職場環境という理想を追求するのはいいんですけれども、少なくともダイバーシティー経営とか多様な人材の活躍推進とかそういう事業所はある程度絞られると思うんですよ。コロナ禍以降は本当にダイバーシティーを考えないといかんということですが、そうは言っても外国人の方もおられる、宗教の違いもある、価値観が人がどこかに属するわけですよね。それで会社がその人たちをある一定方向に向けましょうというのは非常に大変だから、次のページにある多様な人材の活躍をいろいろ推進しているわけですよね。
でも、わざわざそういうことを一生懸命やっても、静岡県には11万社ぐらいの中小企業があって、私は経営者の皆さんがそんなことばかり追求しているわけがないと思うんですよね。新しいことに取り組むことも必要だけれども、本当に必要な人だけをリクルートして会社を大きくしていこうという経営者もいると思うんです。
目新しいことに力を注ぐことも大事ですけれども、本来静岡県の産業を発展させるためには、実は今やっている人たちをどう支援するかという観点がもっと大事じゃないかと感じます。
例えば、説明資料31ページに、多様な働き方の促進と書いてありますけれども、内容を見てみるとテレワーク導入セミナー、テレワーク導入支援の巡回訪問支援と多様な働き方イコールテレワークと見えちゃうんですよ。
多様な働き方というのは、テレワークに代表されることだけなのか、多様な働き方ってもっと違う働き方があるんじゃないのかと思ってしまうのですけれども、少なくともこの説明資料ではほかの働き方は全然理解できないのですが、その辺の補足説明があれば聞かせてください。
○八木労働雇用政策課長
多様な働き方の促進については、説明資料にはテレワークを記載しておりますけれども、例えば短時間正社員制度ですとか、職種・職務限定正社員制度、勤務地限定正社員制度、副業兼業を認める制度も挙げられます。
県では、労働法セミナーなどによって多様な働き方に関する制度を紹介するとともにアドバイザー派遣などによって就業規則、社内規程の見直しに関する支援などで企業の多様な働き方の導入支援に取り組んでいます。
○和田委員
テレワークだけじゃなくてほかのこともやっていることは今確認できました。
それで、ダイバーシティー経営の普及促進でアドバイザー派遣を9月から開始すると書いてあります。このアドバイザーは、理想的な職場でやっている人なのか、学者みたいな人が机上で理想的なことをいっぱい掲げてアドバイスするのか、どちらか教えてください。
○八木労働雇用政策課長
アドバイザー派遣は、社会保険労務士などが訪問してアドバイスをしています。
○和田委員
例えば外国の人を雇用したらこんな問題が起きるかもしれませんよということを助言するアドバイザーという理解でよろしいですか。
○八木労働雇用政策課長
行動計画を策定して働きやすい職場環境づくりを目指しており、そういった計画策定などもアドバイスしています。
○和田委員
なぜいろいろ聞くかというと、私が経営者だったら、そこまで苦労するならその必要がない人をリクルートしますよ。だって日本は相変わらず中小企業は血縁や同族経営をやっているところが多いですよね。そこに考え方も言葉も価値観も全然違う人を雇って、うちに来るならこうしてくれよとするのは大変な労力だと思うんですよ。本当にそういうことをやるのだろうかと私はイメージが湧かないんですね。
そういうことも必要で、そうしなければ生きていけない事業があるかもしれない。それはそれでいいですが、説明資料を見ると、誰もが働きやすい職場環境をどこの職場でもやっているみたいな誤解を生むのではないかなと。
説明資料を作るに当たっては、ある程度条件付でこういうことをやっているんですよということも必要だと思うんですよ。だってそんな余計なことは自分たちには関係ないと思っている人が大半じゃないかと思います。本当にそれが深刻だったら、ダイバーシティー経営のセミナー参加者が67人ということはあり得ないですよ。16万事業所があって経営者が16万人おられるということですから。その中の67人が必要だと思うから聞きに来たんでしょう。だったらそれに特化したやり方をもっとやればいいんじゃないかと感じます。
説明資料でまとめるのはなかなか大変なんでしょうけれども、ちょっと誤解を招くんじゃないかと感じたので、そういう質問をさせてもらいました。
これは最後に部長にコメントを頂きたいですが、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進しようと経済産業部は皆さんが頑張っている。
では、村松経済産業部長から見て、推進している県当局の職場環境の評価は、うちが日本一だよ、理想の職場環境だよ、参考に見に来てくださいと自信を持って言えるか、ちょっと意地悪な質問ですけどお伺いします。
○村松経済産業部長
説明資料が分かりにくかった部分につきましては大変申し訳ございません。今後改善させていただきます。
まず、回答する前に補足説明いたします。
先ほどおっしゃいましたように11万社ある中小企業の全てが誰もが働きやすい職場環境づくりをやれるか、全てを県がやるかについて私の結論はノーです。
最終的には、その企業の経営者が必要なものをやっていただければいいと思いますし、例えばもっと身近な市町がやるべきもの、国策レベルでやる必要があるものもあると思います。
根底には、恐らく国レベルでは労働力――いわゆる人手不足でこれからは高齢者をもっと活用しなければいけない、外国人をもっと使っていただく、障害のある方ももっと職場で働いていただきたいという中で、多様な働き方の先行事例や成功事例を紹介することによって経営者が今まで気づいていない部分で、こうすれば外国の方も採用できるとか障害のある方もうまく健常者の皆様と働けるといったことの一助になればいいと思っています。
正直言って、県が大上段に11万社の中小企業の皆様にこうしてくださいということもできませんので、1つのきっかけになればいいですが、メッセージ的に説明資料から読み取れない部分は、県が何をやろうとしているのかをもう少し資料的にしっかり書かせていただきたいと思います。
前置きが長く恐縮ですけれども、経済産業部はどうなのかというお話については、私が県庁に入ってかれこれもう三十何年になろうとしておりますけれども、当時と比べればかなり違っていると思います。
例えば、私が入った頃は男性の育児休業は制度として全くなかったです。しかし今は男性でも1年間育休を取る方もいらっしゃいます。それから介護もあり、なかなか県庁だけで仕事ができない場合に、テレワークによる在宅勤務もありますので、制度の部分ではかなり働きやすい環境はできていると思います。
ただ、肝心なのは制度やシステムではなくて、仕事そのものをどのようにして改善していくかというやり方の問題だと思います。
例えば毎議会と言ったら失礼ですけれども、昔から分厚い資料を作るわけですが、私はこんなもの作らなくていいと言っています。恐らくそれぞれの所属で少しは作っているかと思いますけれども、少なくとも前は部長のところにこんな分厚いファイルを持ってきていました。
仕事のやり方として効率的でない部分は変えればいいし、資料は紙ベースにしなくても今回タブレットにデータが入っていますので探せば出てきます。
デジタルは紙文書をデータにすることであって、DXとしては仕事の行程をどのくらい減らせるか、例えば今まで5段階でやっていたものを併用することで3段階にできるのではないかといったところに踏み込んでいかないと本来の働き方改革には直結しないと思います。
今までのものをそのままやっていたら働き方改革とは言えないと思いますので、経済産業部としては、30年前からやっていることが本当に必要なのか仕事そのものを一から見直すところを頑張ってやっています。
残念ながら、胸を張って県庁一とか日本一とは言えませんけれども、そういう気概を持って取り組んでいきたいと思います。
○大石(健)委員長
ここでしばらく休憩します。
再開は14時25分とします。
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