本会議会議録
質問文書
令和7年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 川崎 和子 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 03/06/2025 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○川崎委員
分割質問方式で質問させていただきます。
最初に、保育士配置の改善でこのたび1歳児の保育士配置基準を6対1から5対1に改善するとの議案が出ております。手がかかる1歳児の環境としては大変よい方向だと思います。
1つ気になるところが、まず保育士の配置基準を5対1にする財源と保育士の確保に各保育園が今後対応できるのかお聞きします。
2点目は現在の保育士等確保対策ですが、県も指定保育士養成施設を持っていると思うのですが、磐田市はなかなか保育士の確保が難しく、現在は浜松市がメッカです。各自治体も新年度の新規採用で最近はかなり躍起になっているように思うのですが、現在の養成施設の卒業生で県内の保育園では保育士採用などが賄われているのか。
もし足りないのであれば、どのように今対応しているのか県の立場として教えていただければと思います。
3点目ですが、新規事業として保育魅力発信事業が今年始まっております。内容と望まれる効果について伺います。
4点目ですが、最近保育士も子供の親からハラスメントを受けているとよく聞きます。それで悩んだり苦しんだりすることで仕事をやめてしまったり、引き籠もってしまうと私の耳にも入ってくるのですが、保護者からのハラスメントへの保育園としての体制について伺います。
それから、今回とても大きな事業としてしずおかこども幸せプランを読ませていただきました。「こえのもりしずおか」が新しい事業として今年度いろいろな議員から質問等があったと思います。
昨年から今年にかけて何回か声を集めておりますが、実態と課題をお聞きします。
次にしずおかこども幸せプランの計画概要で、基本理念にすべてのこども、若者の“こえ“をまんなかに、誰もが自分らしく幸せに生きることができる社会の実現とありました。
今回「こえのもりしずおか」の会員登録状況を見せてもらいますといろいろな年代に分かれておりますが、小学生、中学生全体で1,717人。この会員登録だけではしずおかこども幸せプランに生かすには、サンプルとして少な過ぎると思います。
年度で進めていかなくてはいけないとは思うのですがどのように総括され、また今後子供、若者の声を集約して計画に反映するに当たり「こえのもりしずおか」以外でも声を集める可能性はあるのかお聞きします。
また、今後しずおかこども幸せプランを発表するそうですが、時期や具体的な内容を分かれば教えてください。
続いて、基本方針2にこども、若者等の意見聴取と施策への反映を実現との文言がありました。どのように進めていくのかお伺いします。
○松本こども未来課長
保育士配置の改善については、一定の条件を満たして5対1で手厚く保育士配置をした施設に対して保育所等の運営費等を負担する子ども・子育て支援給付費負担金の令和7年度関係予算分として1億6900万円を計上したところです。
また、これまでも国に先駆け県単独事業で0歳から2歳児に対して配置基準以上に保育士を配置している保育所等に県として独自の加算を行ってまいりました。その結果1歳児につきましては5対1以上で配置している施設は全体の60%を超えるなど各施設において対応していただいています。
2点目の保育士等確保対策について、保育士の資格取得には保育士養成施設を卒業した場合と一定の条件を満たし保育士試験に合格した場合の2つのコースがございます。
県内の養成施設の入学定員は1,030人となっており、令和5年度は64.5%が入学定員の充足率で、卒業生の数だけで全ての園での採用が賄われるわけではございません。県といたしましては、保育士資格取得に向けた補助や県の保育士・保育所支援センターにコーディネーターを配置して特に資格を持っている即戦力となる潜在保育士をメインとした求職求人のあっせん、就職相談会を開催するほか、保育士養成校の学生に対しても修学資金の貸付けを実施するなど保育士確保を県としても後押ししております。
続きまして、新規事業、保育魅力発信事業の内容と望む効果ですが保育士は資格職種であることから資格取得者の増加が必要です。
小・中学生を対象とした将来の職業ランキングで保育士はどちらもベスト10に入る人気の職業でありますけれども、実際の県内の養成施設の入学定員充足率は先ほど述べた64.5%まで低下していますので、令和7年度から新たに養成施設や保育施設と連携して保育の魅力発信事業を行い、若年層が持っている保育職や保育現場に対するイメージをアップして保育士養成施設への入学者を増やすことで、将来的な人材の確保につながることを期待しています。
具体的には、中高生を対象として保育職や保育現場の魅力を伝える出前講座や高校生を対象に保育の職場体験を行い、マッチングを促進し将来の保育人材の確保を進めてまいります。
また、養成学校の卒業者になりますけれども、養成学校の卒業生のうち基本的に約9割が保育士として保育所、こども園、児童福祉施設などの保育関係施設に就労しており、令和5年度ですと全体で678名の卒業生が保育関係の職についております。
4点目の保育士へのハラスメントに対する対応について保育関係者から親御さんへの対応、保護者への対応に苦慮していると聞いておりますけれども、やはり各施設の園長や主任保育士といった管理の立場の方々のフォローが重要になってまいります。
県といたしましては、保育士が保護者対応を適切に実施できるよう保育士等のキャリアアップ研修の保護者支援・子育て支援科目の受講や県のしずおか保育士保育所センターでの相談受付等の取組により、保育士が安心して働くことができる環境の整備に努めてまいります。
続きまして、こども・若者意見反映推進事業における「こえのもりしずおか」の昨年から今年にかけての実態と課題ですが、今回しずおかこども幸せプランの作成に当たりオンラインプラットフォーム「こえのもりしずおか」では、3回にわたり意見聴取を行い最終的に1,912人の参加数で投票等を除きまして約2,000件の意見を頂いたところです。
意見聴取に当たり、「こえのもりしずおか」では対面では意見聴取が難しい子供でも時間や場所に関係なく、オンラインであれば率直に意見できるメリットがございました。
ただ、課題としては意見を聞くために特別な配慮が必要な子供、若者がいることに課題を感じておりますので、まだ意見を聞くために工夫しなければならないと考えております。
また、計画の策定に当たり「こえのもりしずおか」だけではなく様々な方法で複数回、意見聴取をしてまいりました。「こえのもりしずおか」のほかにも、我々が学校や保育施設、児童館、こども食堂等を訪問し子供、若者をはじめ、支援員や子育て当事者等から直接意見を聞く機会を持ちました。
また無作為抽出でのアンケート調査を実施し、県内3地域とオンラインで希望者による意見交換会などの実施も行いました。
今後も、複数の意見聴取の方法を用意することにより多様な子供、若者の声を聞いていく所存でございます。
今後の発表会ですけれども、現時点では実施時期、具体的な内容についてまだ検討中でございます。
ただ、子供、若者の視点を政策に反映する社会参画の最初の取組として子供、若者による提案発表会を検討しているところでございます。
提案の募集につきましては、今年度多くの登録頂きました「こえのもりしずおか」を中心に活用していく予定です。
また、発表の際には子育て支援団体や子供、若者が当事者である団体などの声かけも考えておりますので、関係各所から意見を頂きながら効果的な事業の実施方法を検討してまいります。
最後に、子供、若者等の意見聴取と施策への反映の実現についてどのように進めていくかですが、今年度のしずおかこども幸せプランにおきましても総合計画、県の分野別計画のうち、子供、若者の意見を反映させるために必要な措置を講じて意見聴取等を実施している計画の割合を客観的な指標として設定いたします。
具体的な取組としては、「こえのもりしずおか」や対面でまたは出前で行くなど様々な手段により子供、若者等の意見聴取と施策への反映の実現を図ってまいります。
また、庁内だけではなく「こえのもりしずおか」を県、市町で共同活用することで子供、若者が自分の身近な課題へ意見する機会を増やし、全県での子供、若者の意見聴取と施策への反映についても取り組んでまいります。
○川崎委員
御丁寧にありがとうございました。
要望を2件言います。
保育関係におきましては、社会的に介護も教育関係も人と交わるところの定員が割れていると感じているのですが、昔保育士は小さい子供たちにとって本当に憧れの仕事だったんですよね。この保育魅力発信事業において若い世代のキャリアで選ばれる発信を期待します。
また、親御さんの中には、子供第一でどうしても保育士たちに厳しく当たることがあると思いますので、組織として守ってあげる研修もぜひ進めていただきたいと思います。
それから意見聴取ですが、本当にこれが大きな柱になっていくと思います。
私は、子供の声を今まで見過ごしてきたからこれだけ少子化が進んできてしまったのではないかなと思います。父兄の声もそうですが、このプラットフォームの登録だけではないやり方をやっていらっしゃったことをお聞きしまして本当にうれしかったです。ぜひそういうことも説明資料に記載していただいて市町と組んで進めていただきたいです。施策がプランだけで終わってしまうのが今の結果かなと思うので、ぜひ県から施策に意見を反映させる姿勢を市町とにこれから進めていってください。期待しております。
次に、別途資料1令和7年度当初事業概要の79ページの困難な問題を抱える女性支援事業について支援活動を行う民間団体に対する助成とありました。具体的な内容と見込まれる団体を伺います。
2点目は、支援調整会議はどんな構成メンバーで行われているのか。また方向性についても伺います。
3点目は、政令市でも各市でも県でも女性センター等の職員たちはすごく困っていると思うのですね。
既存の女性センターや母子支援施設、県立女性自立支援支援、病院のMSW、乳児院、児童養護施設、各自治体の保健師や助産師など、困難な問題を抱えている女性たちを丸抱えしている職員たちとの連携、方向性も含めて伺います。待ったなしの対応が求められていると思いますので御意見を聞かせてください。
○村松こども家庭課長
助成内容でございますけれども、例えばDVで困られている女性の方を保護する民間に対する助成としましては建物賃借料、光熱水費や通信費の基本料といった運営に係る部分の費用を助成することとしております。
また、相談支援を行うような居場所を解説する民間団体の方に対しても、同じように運営費を支援するものです。
見込まれる団体として、現状の予算上では6団体分を計上させていただいているのが、来年度は4団体ほどから申請があるものと見込んでおります。
引き続き、女性支援に関わる活動を考えていらっしゃる団体等がありましたら、助成金を紹介しながら立ち上げを支援してまいりたいと考えております。
続きまして、困難な問題を抱える女性への支援調整会議の構成メンバーですが、知事部局の様々な女性の問題の支援に関係する担当課と教育委員会、県警本部、健康福祉センターの福祉部門と児童相談所、各市町における女性支援担当課、加えて女性支援団体が構成メンバーになります。
調整会議の方向性でございますけれども、会議体は3つの階層に分かれておりまして階層は代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議です。代表者会議は構成する機関の課長やそのセクションの長が集まり、全体的な女性支援に関わる施策を検討し、連携を図り意識を共有化していく会議体でございます。
実務者会議は、賀茂、東部、中部、西部の4つの健康福祉センターの管内で各市町やエリアで活動されている団体が集まって同じように地域における支援の在り方を検討し、実効に向けて意識の共通化を図っていくことを主に行っていく会議体でございます。
最後に、個別ケース検討会議は実際に女性支援に当たっている担当の方が集まり、女性相談支援センター主催のもと具体的な支援につなげていく検討をする会議体でございます。
困難な問題を抱えている女性の方に、より適切な支援につなげられるよう活動してまいりたいと考えております。
3点目の既存の女性センターや関係職員の方の連携については、困難な問題を抱える女性への支援の関係で昨年度に計画を策定し、今年度からスタートしているのですが、計画を策定していく中で特に市町の女性相談支援員や関係している方々との連携が非常に重要であります。例えば女性相談支援センターにおきましては、関係者の方々が意識の共通を図るための研修会を本年度に入り3回聞いておりますけれども、おのおのがどういった支援策を行っているかの意識の共通化、理解を深めていく活動をしております。
また、妊娠SOSという事業を助産師会に委託しているのですけれども、実際に妊娠SOSを担っている助産師とくらし・環境部が所管している性暴力被害の相談センターの相談員の方々との意見交換会を設けまして、お互いにどういったことができるかの理解を深め、連携を強化することも取り組んでいます。来年度も引き続き関係している方々と連携を図っていきながら取り組んでまいりたいと考えております。
○川崎委員
御丁寧な答弁ありがとうございました。期待しています。
もちろん研修会で意見を共有していただくことが第一だと思うのですが、最初に言った待ったなしというのは、例えば1回も健診をしていない女性が妊娠した後に相談する場所があってもいいと思います。なかなか地域の知り合いに言ったところで機能していないところもあり、全員が救われるとは思わないのですが、ただ担当職員たちは待ったなしとある集まりのときに強く感じましたので事業の推進を期待したいと思います。
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