本会議会議録
質問文書
令和6年9月定例会産業委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 小長井 由雄 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/03/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○大石(健)委員長
休憩前に引き続いて委員会を再開します。
質疑等を継続します。
では、発言願います。
○小長井委員
一問一答方式でお願いします。
最初に、産業委員会提出案件の概要及び報告事項29ページ再生可能エネルギー等の導入拡大についてお伺いします。
再生可能エネルギー等につきましては、ふじのくにエネルギー総合戦略で指標を設けて目標の早期達成に向けて取り組んでおり、その中でも太陽光についてはかなり進捗がいいと承知しております。
今回、再生可能エネルギー導入促進緊急対策事業費補助金で太陽光、ふじのくにエネルギー地産地消推進事業費補助金では小水力、バイオマス、温泉熱等の補助、それから水素エネルギーの利活用が取り上げられておりますが、県内の再生可能エネルギー導入の進捗状況についてお伺いします。
○小笠原エネルギー政策課長
再生可能エネルギーの導入の進捗につきましては、ふじのくにエネルギー総合戦略の進捗評価を有識者会議で毎年度取りまとめております。
再生可能エネルギーの導入率は進捗評価Aで、目標達成に向けて良好に進捗していると考えております。
○小長井委員
太陽光については非常に進んでいて自家発電型太陽光発電設備への補助は44件とのことですが、これまでの実績はどのくらいになりますか。
○小笠原エネルギー政策課長
お出ししている説明資料の段階から増えまして、9月30日に申請受付を締め切り、今年度は59件で4,973キロワットでございます。
○小長井委員
太陽光発電のメガソーラー等は立地が非常に限られて、建設しようとすると地元の反対運動が起こったりして現在はなかなか導入が難しい状況になってきている中で、中小企業の再生可能エネルギーの導入については会社がやりたいとなれば比較的問題なく導入されると思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。それと小水力やバイオマスの進捗は設置も限られなかなか難しいと思いますが、地道に取り組んでいただければと思っています。
この再生可能エネルギーの導入の推進とともに、温室効果ガスの排出量の削減の進捗状況はたしかC評価だったと思うのですが、これについてはいかがでしょうか。
○小笠原エネルギー政策課長
9番委員御指摘のとおり再生可能エネルギーの導入量や導入率はA評価ですが、温室効果ガス排出量削減率はC評価でございます。
○小長井委員
温室効果ガス排出量の削減につきましては、後で質問する森林の吸収率も関係してきますので、しっかり取り組んでいただくことをお願いしておきます。
次に、説明資料44ページの茶業振興についてでございます。
海外への茶の輸出促進については非常に積極的に取り組んでいると思いますが、今議会の代表質問でありましたし、この委員会でも質問したかと思いますが、有機栽培についてもいろいろな課題があって、輸出茶の海外販売戦略だけでなく国内での有機茶の販売促進も非常に重要な面があるのではないかと思います。
これについての取組はどのようになっているのかお聞かせください。
○佐田お茶振興課長
現在有機茶の国内での需要はそれほどなく、やはり海外販路になると考えております。
○小長井委員
海外輸出は、有機茶じゃないと農薬の問題等をクリアできないのでなかなか出せないと思うのですが、国内においても有機茶への評価をもう少し上げる努力が必要だと思います。
海外はもちろんですが国内でも有機茶の販売促進について御尽力頂くようお願いします。
次に、説明資料61ページの山地災害及び森林土木施設災害の状況と対応です。
今年になって山地、森林土木の災害状況について報告がありました。先の台風10号では能登半島の山地が崩壊し、植林されている杉やヒノキが流出して橋や川の急カーブで引っかかり、さらに大きな被害をもたらしていると報道されております。一昨年の台風15号では静岡県においても全く同じような状況であったかと思います。
今回の能登半島の報道等を見ておりますと、山林に対する適正な管理の必要性を改めて感じるわけですが、この山地災害等についてどのような見解を持っているのかお聞かせください。
○大川井森林計画課長
能登半島では1月の地震に加えまして9月の豪雨も重なり多数の山地災害が発生しておりまして、9番委員御指摘のとおり森林の適切な管理は非常に重要であると認識しています。
○小長井委員
適正な管理ですぐ思いつくのは間伐の促進です。間伐の促進については長年取り組んでいただいておりますし、森の力再生事業でも取り組んでこられて山林山地の適正な管理に努められていることは承知しておりますが、先ほどお話しした一昨年の台風15号あるいは能登半島の被害を見るとまだまだ足りないと強く感じます。
この点について、これまでの取組も含めてどのような感想を持っておられるのかお聞かせください。
○大川井森林計画課長
山林の管理につきましては、山地災害に強い健全な森林づくりを進めるということで、これまで治山事業において山地災害の予防や災害復旧対策を進めておりますし、森の力再生事業で荒廃森林の整備を進めてきました。今後もそのようなことを車の両輪として両方進めていくべきだと考えております。
○小長井委員
最近はあまり聞きませんが、山林は非常に多くの公益的機能を持っていて以前はそれをお金に換算した数字も出たりしております。山林の持つ機能は非常に大きいものがあって、森林計画課長が今おっしゃったように適切な管理をしっかり進めることが非常に重要だと思います。
森の力再生事業にずっと取り組んでおられますが、まだまだ足りないと感じます。この森の力再生事業についてのお考えをお聞かせ頂きたいと思います。
○大川井森林計画課長
先ほど5番委員の御質問のときも回答いたしましたが、現在荒廃森林の調査結果の取りまとめを行っているところです。調査では市町や林業経営体からの情報として間伐が遅れている森林があると確認しています。
今後は、緊急的に対応すべき荒廃森林がどのぐらいあるかを分析した上で、総合的に検討してまいりたいと思います。
○小長井委員
先ほど再生エネルギーのところでも質問させていただきましたけれど、山林は山地災害を防ぐだけじゃなくて二酸化炭素の吸収源ということで、適正な管理をしないと吸収量を保てない面もあります。非常に幅広い公益的機能があるわけですから、ぜひ予算措置等も含めてさらにしっかり取り組むことをお願いします。
次に、米の再生二期作についてお伺いします。
今年8月、9月に米が店頭から消えて、たまに出てきても値段が上がったことがありました。現在は新米が出回ってそういったこともなくなったのかと思います。
近年の地球温暖化によって、お米も粒が白濁したりひび割れしたりすることで食料自給についても非常に心配されるところですが、最近米の二期作が取り上げられており、地球温暖化で静岡県でも二期作が可能なのかどうなのか。
調べたら浜松市でも始まっている話も聞いておりますが、この米の再生二期作について現状はどうなってるのか、あるいは県はどのような考えをされているのかお伺いします。
○平野農芸振興課長
県内の米の再生二期作ですが、本年度浜松市内の生産者が取り組んでいる事例があることは承知しています。
しかし、県といたしましては、これまで食用米の生産過剰により米の価格が下がらないように国や市町と連携して需要に応じた米作りを進めてきたところです。
県といたしましては、今後も国の動向を注視しながら需要に応じた米作りを推進してまいります。
○小長井委員
確かにこれまでは米は過剰だとのことで減反政策を進めたりいろいろなことやってきました。これはもうひとえに国の政策に係ることで、何で米を輸出しないんだといった声もあちらこちらで聞きます。
地球温暖化によって米の栽培もどんどん北上していますし、それに伴って暑さに強い新しい品種の開発等が進められています。ぜひ県としても浜松市で行われている米の再生二期作の情報をしっかり取って、今後に生かせるのかどうか情報収集をしていただければと思います。
次に、農地への違法盛土についてお伺いします。
私も盛土等の規制に関する条例等検証特別委員会で議論を進めてきたところですが、県内調査によると農地への違法盛土が30%を超すようです。
こういった事案について、産業委員会は農地を保全する立場にあろうかと思うのですが、県としてどのように考えておられるのかお聞かせください。
○平野農地調整課長
現在盛土対策課が公表している不適切な盛土は160件あります。このうち農地法や農振法に係る盛土につきましては47件を占めており、少なくない数だと思っております。
盛土に限らず農地の違反転用等、実務を行っている市町農業委員会の解釈にばらつきがないように、県では毎年5月に市町農業委員会の担当者を対象に研修会を開催し、今年度は盛土条例や盛土規制法についても説明したところです。
また、手引きとして農地調整事務の概要を作成し配布しています。それに加え市町農業委員会から農地への盛土を含む様々な問合せが日々寄せられておりまして、県で対応や回答ができかねる案件については国に照会するなどして対応しているところです。
今後も盛土対策課をはじめとした県庁の関係各課と調整の上、問題のある箇所につきましては是正指導を行っていくほか、新たな事案の早期発見に向けて市町農業委員会が実施する農地パトロールや県による盛土パトロールを行っていく必要があると考えております。
○小長井委員
今お答えにありましたように、市町によって解釈が違って対応にばらつきがあるとのことですが、今回盛土法規制法ができて県の条例も改正されると思うのですが、県内市町においても農地転用等に関して同じ基準で対応することは必要だと思います。私も盛土対策課と話をしたときに、なかなか市町の農業委員会へ条例等を説明するのはやりにくいと伺ったこともあります。
今のお答えを聞いているとこれまでそういったこともやってきて、これからもやっていくとのことですのでその辺は統一して対応していただくようお願いします。
それとあわせて、耕作放棄地を農地に戻すことはなかなか難しいところがある。つまり農地の非農地化もこれからやらざるを得ない面もあると承知しております。
例えば、茶園が荒れたままの状態で放置されている耕作放棄地を見ると、イノシシや鹿の寝床になっているケースもございます。そういったところをなくすとか、土地の有効利用の観点からも中山間地に多い農地としてはもう難しいところの非農地化の取組も必要かと思いますので、厳しい中ではございますが、ぜひしっかり取り組んでいただくようお願いします。
最後ですけれど、要望になります。
これは浜名湖花博の開催に関連しての要望ですが、20年前の花博後県内の花卉栽培についての取組や振興がなかなか目に見えなかったと感じています。
今回の花博を契機として、県内花卉産業の振興に具体的に取り組んでいただくことをお願いしまして質問を終わります。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp