本会議会議録


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令和6年9月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:飯田 末夫 議員
質疑・質問日:10/03/2024
会派名:自民改革会議


○飯田委員
 分割質問方式で3項目ほど質問させていただきます。
 建設委員会説明資料(交通基盤部)12ページの議案第126号、議案第127号に取り上げられています土木工事の請負契約の一部変更について伺います。
 私の地元であります浜松市の馬込川水門についての議案が提出されておりますが、現在の水門工事は下部の見えにくいところからだんだん本体工のほうに移ってきて、門扉を支える堰柱という柱が7階建ての建物ぐらいの高さがあり大分目立ってきました。それが近くの通りからよく見えるものですから、できてきたねと市民が喜んでいる声も伝わってきます。
 そこで、今回提出されている議案の変更内容とその理由を教えていただきたい。そして、先ほど令和9年度完成予定とお話がありましたが、いま一度完成予定時期について伺います。

○百瀬河川海岸整備課長
 議案第126号の水門本体工につきましては、社会情勢上避けることができない労務費及び資材単価の上昇によるインフレスライドと、施工中に確認されました大量の湧水を処理するために仮設土留工として鋼矢板を追加施工するものであり、7900万円の増額となっております。
 また、議案第127号の水門扉体工につきましては、インフレスライドによる3659万円の増額となっております。
 また、今回インフレスライドや矢板の追加施工がありましたが、水門の主要工事の工程に影響のない形で施工できるため令和9年度の完成は予定どおりとなっております。

○飯田委員
 ありがとうございます。
 東日本大震災以降いろいろ進めていただきまして、防潮堤そして水門の整備については説明資料にもあるようにオール浜松で整備したとのことです。もともとは民間企業の莫大な御寄附があったわけですが、水門の手前には地元の高校生が看板を作ってくれて、あれは何だという関心もあり市民の興味を引く非常にいいものかなと思います。同時に、オール浜松で造っていただいたと言いましたけれども、これは後世に引き継ぐ施設とのことで莫大な投資をしていただいて、その投資に見合った地域の財産になっていきます。改めて交通基盤部でやっていただいている事業が今後の展開につながっていくと考えているところです。お金を投資することによってそれが財産となっていく考え方を次の質問につなげていきたいと思います。

 説明資料16ページに、タイトル自体は違うのですが美しい“ふじのくに”インフラビジョンとして本県のインフラ施策に取り組む考え方が書かれていると思います。これは令和4年3月に策定され、美しい“ふじのくに”インフラビジョンと言葉が随分きれい過ぎるとは思いますが、その中に県土づくりの方向性の3つの分野が示されています。安全・安心として県内のインフラのストックをしっかり維持管理し、健全に保っていくこと。最近は毎年8月頃から豪雨があり大変な状況の中、皆さんに復旧していただいておりますが、激甚化、頻発化する豪雨について、災害復旧に対応していくことはもちろん重要ではありますけれども、あわせて地域の活力・交流、環境・景観といった分野にもしっかりと投資していかなければいけません。本当に自分も心苦しいですが、災害復旧に全力を尽くしていただいている上で、さらに本来のインフラの持っている役割は地域の財産であり投資でありますので、投資したものが生きていくような形でぜひ御尽力頂きたいと思ってあえて質問させていただきます。
 そこで、本県におけるインフラ整備の今後の考え方を伺います。また先ほどもインフレスライドの話もありましたが、近年資材や人件費の上昇によって事業費が高騰しております。限られた財源の中で今後どのように対応していくつもりなのか併せてお伺いします。

○木村建設政策課長
 最初に、本県のインフラ整備の今後の考え方につきまして説明させていただきます。
 6番委員御発言のとおり、老朽化が進むインフラのメンテナンス、そして耐震化や災害対応等の防災・安全対策が第一となります。あわせて、活力・交流を促し下支えをする交通ネットワークの整備などをバランスよく実施していく必要があると考えております。
 本年度は、御前崎港と静岡空港、国道1号、東名高速道路を結ぶ物流と人流を支える陸・海・空のネットワークを形成する金谷御前崎連絡道路や、清水港のにぎわいづくりとして駅に近い江尻地区に移転する駿河湾フェリー岸壁の整備等の完成が予定されております。また整備に当たりましては調査、設計、工事、維持管理とあらゆる場面において新技術やDX、AI等を積極的に導入しながら担い手不足の解消と併せて、業界全体での働き方改革、効率化、省力化につなげていくことが必要であると考えております。
 次に、限られた財源の中でどう対応していくのかお答えいたします。
 まず、国庫補助事業の予算確保が重要であります。概算要求時及び予算編成時のタイミングで、知事による国土交通省や財務省への要望活動を実施するとともに、各種期成同盟会要望など委員の皆様にもお力添えを頂きながら国に対し必要な予算の確保を積極的に働きかけてまいります。
 また、繰り返しになりますが新技術やDXの活用などにより徹底したコストの縮減を図りながらインフラ整備を進めてまいります。さらに財源確保のため小水力発電や県有施設への太陽光発電の導入、管理施設のネーミングライツや民間投資を促すPark−PFIの導入等稼ぐインフラモデルなど新たな手法も引き続き検討してまいります。

○飯田委員
 ありがとうございます。
 ちょうど先月になりますが、会派の視察としてリニア中央新幹線の工事現場である山梨工区、それこそ話題になっておりました先進抗の高速長尺先進ボーリング調査の現場を見に行かせていただきました。加えて新駅設置予定地である神奈川県相模原市の再開発の様子を見させていただきましたが、やはり国家プロジェクトとしていま一度インフラに対して投資していくことの大事さを改めて感じました。昔は建設や土木の仕事は地図を変えていく仕事だということで憧れもあったのですが、最近では非常に酷ではありますが異常気象と言われるほど自然災害等が続いています。その中でも私たちが人間として生きていく、発展していくためのインフラ整備はぜひお願いします。
 決算ではないのですがあえて気にしていることで言えば、昨年度の交通基盤部の予算は1920億円でしたがその執行率は70%です。もちろん繰越額、不用額と年々減らしてきていて様々な努力をされていることは分かっているのですが、これから来年度の予算を立てていくときに、復旧はもちろんお金がかかって大事なのですが、やはり県民の将来のための投資にも目を向けて予算をつける努力をしていただきたい。行革という言葉に簡単に負けないように折衝、理論武装等をしていただけたらと思っております。

 次の質問に参ります。
 富士山の関係ですけれども、昨年は富士山が世界遺産になってから10周年と節目を迎えましたが、今年は霊峰富士が例年とはまた違う姿を見せたなと改めて思っております。何が言いたいかというと、7月の開山早々に死者につながる遭難が多発しました。
 9月10日に富士山の登山道が冬季閉鎖されましたが、今年度は静岡県側の死者が6名、山梨県側は3名と例年より多かったと伺っております。
 そこで、登山者の安全確保についていくつか伺います。
 まず、交通基盤部が関わっている富士登山に係る内容について、私たちからすると分からないので教えていただきたい。

 そして、県が管理している登山道と各山小屋が管理している部分のすみ分けについてはどうなっているのか、また山頂に近い浅間大社付近の管理のすみ分けはどのようになっているか。

 あわせて、富士山は自然の山で石などが点在しておりますが、登山者への安全対策について交通基盤部ではどのようなことを日頃実施していて、課題は何かについて伺います。

○松岡道路企画課長
 富士登山に関して、交通基盤部では静岡県側の富士宮口、御殿場口、須走口の3つの登山道の管理を行っております。また富士山の登山シーズンには、富士宮口の富士山スカイライン及び須走口のふじあざみラインにおいて、渋滞のない安全で快適な道路交通の確保と富士山の環境保全を目的としたマイカー規制を実施しております。

○西原道路保全課長
 まず登山道につきましては、各登山道の5合目から山頂の区間において、道路区域として定めた幅員約2メートルの部分を管理しており、山小屋や浅間神社の石積みなどは所有者の管理になります。

 次に管理や巡視の状況とその課題については、県では安全な富士登山の実現のため各登山口で開山前と開山期間中に職員による登山道パトロールと委託業者によるパトロールを実施しており、令和6年度は3登山口で計58回実施いたしました。
 パトロールにおいて登山道や標識などに破損等の不具合を確認した場合は、小規模であれば要員がその場で修繕を実施し、それ以外は業務委託で速やかに対応しており、登山者の安全確保に努めております。
 続いて課題といたしましては、山小屋や浅間神社付近にある石積みの劣化に伴う崩落のリスク等が挙げられます。こうした課題につきましては、関係者が多岐にわたることから、静岡県安全快適な富士登山推進会議等において関係者と協議し県としてできる対応を検討してまいります。

○飯田委員
 交通基盤部で対応しているのは、富士山の中でも登山道や道路だということは分かりました。
 今日10月3日は登山の日ということもありタイムリーかなと思ったのですが、登山で何を問題にしたいかと言ったら登山道での遭難や死者を防ぐことであると考えたときに、夏山の管理は非常に難しいと思っています。私も富士山には昔から何回か登らせていただいて、以前懲りたことがあったものですから、お盆過ぎは登らないほうがいいと思っています。非常に天気が悪くなるのでお盆過ぎに山や海は行かないほうがいいというのは本当だなと身をもって知りました。
 それが今年の富士山は本当に様子が違い、7月の開山早々からかなり荒れた様子でした。特にびっくりしたのは7月12日に静岡県警がXに緊急投稿した動画です。救助要請を受けて出動した隊員が、横殴りの雨と暴風の中8合目付近ではいつくばり必死に登っている映像で、体を伏せても下から風が吹き上げて浮き上がり立っていられない危険な状況であることがよく分かると書いてあります。富士山がこのような状況の中で登山をされている方がいらっしゃいます。また別の記事を見ると、災害救助隊が軽装で出かけて動けなくなった方のタクシー代わりに使われそうな勢いであり非常に危険だなと思っております。
 そういった中で、我が会派では9月25日に世界遺産富士山を守る議員連盟を立ち上げ、今後富士山との関わり方をいろいろ研究させていただき御提言することになると思います。最終的に何を言いたいかと言えば、富士山に関しては交通基盤部が所管する内容だけではないことは明確だと思います。オーバーツーリズムも近年大変問題になっておりますし、噴火やごみ問題といった様々な課題もあります。ぜひ交通基盤部から働きかけて、全庁を挙げて取り組んでいただきたいと思っております。
 また、今年静岡県側で遭難や事故が多かった理由の一つは、明確に入山規制を行った山梨県側との違いがあると思います。ゲリラ雷雨といったこともありますが、国や山梨県との調整が必要だと思っております。先日の議会での質問でも、知事答弁では山梨県と連携すべきという言葉も入っておりました。国や山梨県との調整をしっかりしていただき、県庁内の他部署と緊密に協力連携して、富士登山の在り方にいま一度しっかり取り組んでいただきたいと思います。ぜひ死者が出ない安全な山にしていただけたらと思います。質問は以上です。

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