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委員会会議録

質問文書

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令和5年6月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田中 照彦 議員
質疑・質問日:07/05/2023
会派名:ふじのくに県民クラブ


○田中委員
 それでは、一問一答方式で質問させていただきます。
 先ほどの5番委員の質問にかぶるところがありますけれども御理解頂きたいと思います。
 まず、静岡西高校元教諭による言動に関する第三者調査委員会報告書についてお伺いします。
 報告書では、元教諭の事実認定の適否について、教育委員会が処分の対象としなかった行為のうち、文部科学省の運動部での指導のガイドラインの示す体罰等の許されない行為に該当すると考えられる計8項目について、非違行為に該当すると認定できるとされています。
 また、調査の方法及び内容の適否については、ガイドラインの理解が不十分なまま本件の調査、処分の検討が行われたことなど調査の不足があった、処分内容についても元教諭を訓告とした教育委員会の対応は不適切であると思料するとされています。
 なぜ教育委員会とこの第三者調査委員会の事実認定がここまで乖離しているのか。世間一般的にも乖離しているように思いますけれども、この報告を受けての見解をお伺いします。

○井出教育総務課長
 調査委員会の報告につきましてお答えします。
 8番委員御指摘のとおり、調査委員会から、少なくとも本件は指導措置でなく懲戒処分にすべき事案であったと御指摘を頂いております。
 当時の訓告手続自体につきましては、当時の判断基準に従って手続自体に瑕疵があったとは考えておりませんけれども、残念ながら御指摘がありましたとおり、ガイドラインにつきまして教育委員会それから学校現場における認識、周知が不十分であったこともございまして、その判断においては結果としまして甘さがあって不適切であったところは認めざるを得ないと考えております。

○田中委員
 この元教諭は、この事案の前に過去3回処分を受けています。今回で4回目となるんですね。
 つまり過去の処分について、全く重い受け止め方をしてこなかったと私は理解せざるを得ません。これは元教諭だけではなく、調査をした学校や教育委員会についても同様だと思っています。
 処分が軽んじられているのであればまた同様の事案が生じてしまうと思いますけれども、処分の重みについてどのようにお考えになっているのかお伺いします。

○井出教育総務課長
 8番委員御指摘のとおり、当該教員には過去3回の指導措置歴がございます。教育委員会の懲戒処分の基準におきましては、過去に非違行為を行っているかを含めまして、総合的に考慮の上で処分量定を決めるとされています。
 当然、処分量定の判断にあたっては、過去の非違行為の状況は重みがあるものと考えてございます。この過去3回の指導措置につきましては、その時々では調査を尽くし指導措置という判断に至ったものと考えてございます。
 ただ、今回の第三者調査委員会の調査内容となった訓告措置につきまして、過去3回の指導措置を当然考慮に入れています。入れた上でこの訓告という処分にしたものです。
 先ほど申し上げましたとおり、その判断においては結果として甘さがあり不適切だったことについては、これは甘んじて受けなければならないと考えております。

○田中委員
 過去の処分を受けての訓告処分だったということで、そこはちょっと疑問を感じますけれども、今回の事案を受けて今後のガイドラインの理解促進と、それから同様の問題が生じた場合にどのように対応していくのかお伺いします。

○井出教育総務課長
 まず、ガイドラインについてお答えいたします。
 部活動に関する体罰、暴言については今回の指摘を待たず大変重く受け止めてございます。それを受けまして、体罰や不適切な言動に対するガイドラインを定めることを方針決定してございます。
 これを定めるにあたりましては、専門的な知見、それから他自治体の先進事例こういったものを踏まえまして、年内に新たなガイドラインを定めてまいります。その後さらにそのエッセンスをまとめましたリーフレット――現場の皆さんに見やすく届くものが必要かと考えておりますので、――これをまず定めた上で教職員だけでなく児童生徒、それから保護者、県民の皆様こういった方々を含めて広く周知をしてまいりたいと考えてございます。
 またもう1点、同じ事案が発生した場合にどうしていくかですが、今回の事案につきましてはいわゆる否認事件ということで、教員の聴取と生徒の話が異なっていました。
 こういった中で報告書でも指摘がございましたとおり、専門家の意見がなかなか聞けていなかったのでその辺不十分だったんじゃないかと御意見も頂いてございます。
 これを踏まえまして、今後否認事件でしたら、事前に顧問弁護士の相談、それから常設の第三者調査委員会も立ち上げていますので、こういったところに意見をもらうなどして調査により今後慎重を尽くした上で、懲戒処分の基準に照らして適正に対応してまいりたいと考えております。

○田中委員
 私もこの報告書を読み込んで、体質的な問題でもあるのかなと感じました。先ほど5番委員のお話にもありましたように、自分たちがこのような指導を受けてきてそれが当たり前と考える指導者であったりとか、あるいは学校側はそれなりの成績を残せばどうしても周りは黙ってしまう、何となくこの人に対して声が発せなくなってしまう。
 それで保護者についても、成績を残していると、こういう指導が当たり前だから何も言えない、言ってはいけない。そういったおかしいと言えば干されてしまったり、我慢するのが当たり前という最悪の環境をつくってしまっていると私は思います。
 ですから、この負の連鎖をなくしていかなければこのような事件は必ずまた起きてきますので、そこは気をつけていただけたらと思っておりますし、何年か前に息子がバスケットをやっていたものですから、私も会場に何回か足を運びましたが、こういった生徒を威圧的に暴言で押さえつけるとか怒鳴りつける場面に結構遭遇してるんですね。
 それで生徒が萎縮して同じプレーができなくなってしまう。精いっぱいのプレーができなくなってしまうのが結構あったことを思い出しました。
 こうした子供たちはスポーツが好きで入っているんですよね。だから指導者の威圧的な態度で嫌いになって辞めてしまうことがやはり一番耐えられないことではないかと思っています。
 こういった被害を受けた生徒も、今回同様の傷を負っているんじゃないかと思いますけれども、このような理不尽な指導によって追い込まれていく生徒が出ないように、これからまた真摯にこの報告書を受け止めてまた対策を講じていただけたらと思っております。

 次に参ります。次は今の質問にも関連しますけれども、公立中高の部活動の外部指導者の体罰、ハラスメント防止対策についてお伺いします。
 教員だけではなく、外部指導者による体罰やハラスメントについても大きな課題となっています。特に現場ではコーチとして、技術指導を外部指導者に委ねているケースも多いことから、顧問を務める教員がコーチが不適切な発言をしても注意できない場合も多いと聞いています。
 本県では、外部指導者を対象に参加義務のある体罰防止研修を実施していると話を伺っていますけれども、どのような研修をされているのでしょうか。また学校としても、外部指導者の管理はしっかりできているのかをお伺いします。

○夏目健康体育課長
 外部指導員の研修体制と管理についてお答えします。
 部活動の外部指導員につきましては、まず学校のほうで任用にあたり生徒に対する指導の在り方や暴力等の不祥事防止のことをまずは説明して、理解を図っていただくことは行っています。
 それとは別に、県教育委員会としましても年に2回外部指導員を対象とした研修会を実施しております。その中では体罰であったりとかわいせつ、セクハラといった生徒への不適切な関係や会計処理なども含めてそういったことに対する研修を行って防止に努めております。
 それから、外部指導員の管理につきましては、基本的には各学校においては外部指導員単独で指導もあるんですけれども、顧問と一緒に指導するケースも多々ございます。
 そういったところで情報交換等を行いながら指導を行っている。さらには校長等も日常的に校内を回る中において部活動――部活動のみならず授業もそうなんですけれども、――そういったところで管理というか指導を見ていきながら何か不適切なことがあれば注意していく体制は取っております。

○田中委員
 確認なんですけれども、任免に関しては学校長ということでよろしいでしょうか。その責任の所在も学校長なんでしょうか。お伺いします。

○夏目健康体育課長
 学校長が内申をしまして、任用そのものは県教育委員会から会計年度任用職員ということで任用の通知はいたします。そういう意味では、教育委員会が任用していることになりますけれども、あくまで学校の職員として勤務することになりますのであまり区別しなくてもいいのかなと個人的には思っております。

○田中委員
 文科省では外部指導者の体罰について全国調査をしておらず全体像は不明だと聞いていますけれども、本県では把握はできているのでしょうか。

○中山高校教育課長
 本県といたしましては、県立高校の教員もしくは会計年度任用職員も含めた体罰事案の発生件数については把握をしているところです。
 そちらにつきまして、外部指導員からの体罰の報告は過去例振り返っても現在のところ報告されたことはありません。

○田中委員
 私は、教育委員会が責任を持ってしっかりした管理体制をつくるべきと考えております。例えば静岡県の教育委員会として独自の資格をつくるとか適格者マークのようなものをつくるとか目に見える形で外部指導者の育成や管理をする体制を構築していかないと、今後部活動の地域移行の進展に伴ってやはり問題が発生しかねないと危惧しています。その点についてお考えをお伺いします。

○夏目健康体育課長
 外部指導者についての育成、認定は、現状では県のスポーツ協会に委託しておりますスポーツ人材バンクがございまして、その中で部活動ですとか地域のスポーツ教室の指導者不足への対応を図っております。
 この中で一応登録にあたっては、認定研修会の受講が必須になっておりまして、認定条件を満たした上で認定書を発行している形で育成をしています。

○田中委員
 教員の長時間労働が問題になっている学校にとって外部指導者は貴重で、来なくなるのを恐れて学校があまり強く指導できない現状があるという話も聞いています。
 今後さらに部活動の地域移行が進んで外部指導者のニーズが高まってくればその傾向はますます強くなってくると思いますので、対策をしっかり講じていただくことを要望いたします。
 
 次に3点目です。探求的な学びの深化、オンラインプラットフォームの構築についてお伺いします。
 教育行政の基本方針のうち、令和5年度教育行政の基本方針と教育予算3ページの探求的な学びの深化について伺います。
池上教育長は、本会議においても本県教育の基本的な方向性として探求的な学びについて言及しておりまして、探求的な学びを深化させることは教育委員会の重点取組としての思いが伝わってくるところであります。
 教育行政の基本方針として、情報共有の仕組みの構築というところでありますが、令和5年度教育行政の基本方針と教育予算23ページの主要事業参考資料では、探求マインド育成事業で、オンラインプラットフォームの構築についての明記があります。
 どういった内容のものをイメージしているのか。また本年度の事業となりますけれどもそのスケジュールも含めてお伺いをいたします。

○井島高校教育課指導監
 オンラインプラットフォームは、まずは先生方がオンライン上につくるわけですけれども、その場に行けばいろいろなことが学べたりあるいはいろんな情報を得られたりというところです。
 またもう1つは、例えば大学や地域、コーディネーターとつながる場、あるいはそこで情報共有をしながら分かち合う場というような形で考えております。
 まずは今年12月ぐらいをめどに今専門の方に入っていただきながら構築を考えているところです。構築後は専門の業者に管理、運営のほうは任せたいと思いますが、逐次内容についてはどんどん更新を図ってより活用しやすいものを考えております。

○田中委員
 今、管理を外部に任せるという話がございましたけれども、ぜひその思いがしっかり伝わるような形で続けていただければと思っています。
 それから、外部とのつながりはどのような形になるのかお伺いしたいと思います。

○井島高校教育課指導監
 今もう既に各学校では探求的な活動を先進的に行っている学校が多いものですから、その中で既につながっているという現状はあります。
 ただ全校で探究活動をやっていくとなると、例えば大学とつながってみたいとか、こんな悩みがあるんだけれどもどうやったらつながれるのだろうか、そういうときにこのオンラインのところで相談したり、あるいは情報を調べることによって今までつながることができなかった方とつながれるとイメージしております。

○田中委員
 生徒たちが、このオンラインプラットフォームを基に主体的に学んで新たな価値や可能性を見いだすことができ、また企業や地域社会とも共同でイノベーションを起こすことができれば大変すばらしいことだなと思っております。
 教育委員会や池上教育長の求める探求教育の価値を高めるプラットフォームとしていただくことをお願いいたします。

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