本会議会議録
質問文書
令和6年12月定例会厚生委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 早川 育子 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 12/13/2024 |
![]() | 会派名: | 公明党静岡県議団 |
○早川委員
分割質問方式で5点伺います。
初めに、災害時の妊産婦及び母子への支援についてです。
5番委員から母子のための避難所について力強い質問をしていただきまして、もうこれはしなくてもいいかなと思いつつ、やはり答弁を伺いたいので質問させていただきます。
特に、災害が起こった際の福祉避難所、要配慮者への支援について課題感を大分共有できておりますが、妊産婦、母子についてはまだ認識が非常に薄い状況であります。私どもも静岡県助産師会と話し合いを重ねる中で、まずは災害が起こった場合に静岡県助産師会は十分支援に回ることができることを各市町にも知っていただきたいとのことで、磐田市を皮切りに市町との災害時の協定を結んでいただいておりましたが、なかなか進まないため静岡県と県助産師会との災害時の協定を平成30年に結んでいただいたかと思います。県の役割は市町への働きかけを強力に推進していくことかと思いますが、まず災害時の市町と県助産師会との協定の現状と働きかけについて伺います。
2点目ですが、母子のための避難所について当時の県助産師会会長から熊本地震の際に公共施設が母子のための避難所として提供されているが静岡県は実体がないため何とかならないのかとの話を受けて、地元で相談し市議会を通じて富士市立看護専門学校を母子のための避難所と指定していただきました。
ただ、実際の運用マニュアルを作るに至ったのは実は昨年度で、今年4月に運用マニュアルができ上がって具体的な話が進んで取りかかるのに6年かかった実態がございます。
青山健康福祉部長は御存じだと思いますが、県立の公共施設を母子のための避難所とするため、清水町で県立東部看護専門学校を指定していただきました。
小山町では施設がないため、ホテルを要配慮者のための福祉避難所に指定し、そこに母子の項目も入れようとしていただいておりますが、本当に数えるほどしかないのが実態であります。
この実態について、県としての考えをもう一度伺いたいと思いますが、市町と話合いを進めていくと先ほどの答弁でありましたが、県がかなり具体的なリーダーシップを取っていかないと必要性が分かっても難しいと思います。
課題は大きく2つあり、1つは場所をどこにするか、もう1つは運用をどこがするかです。実は避難所は避難した人たちが自分たちで自主的に運用していくのが一般的な指定避難所の運用ですが、福祉避難所また妊産婦及び母子のための避難所は避難した人たちは支援を受ける側なので自分たちで運用できないため市町の職員が運用主体になってくると思うのですが、運用をどう進めていくかの話合いが進まないと指定に至らないという課題を私どもは持っているのですが、県の考えと役割について伺います。
○松林地域医療課長
県では、平成30年3月に協定を締結し、県は県助産師会と市町に対して両者間での協定締結が円滑に行われるよう周知や助言などの協力を行うこととしております。
現状では、24市町が県助産師会と協定を締結しております。
昨年度までの22市町に加え、今年度は島田市、伊東市と協定を締結している状況です。
市町への働きかけにつきましては、市町向けに協定書のひな形をお示しするなど周知に努めておりますけれども、11市町が未締結でございますので県助産師会と相談しながらさらに進むように協力してまいりたいと考えております。
○村松企画政策課長
まずは10番委員の長年の取組にお礼を申し上げたいと思います。
県としてのリーダーシップですけれども、長年要配慮者全体を中心に取り組んできた実情があり、改めて問題意識を認識したところです。
明確にそこの部分は伝わっておりますので、今後の市町との意見交換会等の場におきましては、少なくとも県として母子避難所がすぐできるかというとなかなか難しいところです。能登半島地震においてそもそも福祉避難所自体が一部しか開設できていなかった実情もございます。であるならば福祉避難所自体もしっかり開設しなければいけないし、母子のための専用の避難所がすぐに開設が難しいのであれば福祉避難所で母子の視点をもっと重点的に見て福祉避難所のことを考える。最終的には母子のための避難所にもつながっていくこともあるのではないかなと考えております。
いずれにつきましても、今後災害時の母子支援を念頭に置いた形で要配慮者支援を考えてまいりたいと思います。
○早川委員
御答弁ありがとうございました。
災害時の協定締結の推進は、ぜひ強力にお願いしたいと思いますし、県外の助産師会との協定締結もぜひ進めていただきたいと思います。例えば湖西市は助産師会の支部がないので、浜松支部が面倒を見る形になるのですけれども、いざ発災した場合には隣県の愛知県のほうが連携を取りやすいことがあったり、また東部地域は隣接県では山梨県がありますので他県との協定締結の協議もぜひ推進していただきたいと思います。
2点目の母子のための避難所、福祉避難所の充実の話がありましたが、私も5番委員と同じで福祉避難所と母子のための避難所は別であると思っています。
考え方として、避難所を利用する方は家で過ごせないから避難所へ行きますが、妊産婦の場合には家が大丈夫でも具合が悪くなったときに相談に行く先の自分のかかりつけの産婦人科あるいは病院に相談に行けない状況になった場合に助産師が活動の拠点としている母子のための避難所にまずは行けることで安心感があるかと思います。
もう1つは、避難所に行かなくても過ごせる事前防災の考え方を若い妊産婦、また小さなお子さんを抱えていらっしゃる家庭に持っていただきたいので、母子手帳交付の際にもいろんな情報提供があると思いますけれども、妊娠が分かった時点で災害対策、防災対策で自宅の耐震化は大丈夫か、体調が悪くなったときのチェックシートやフローチャートを準備するといった意識を持っていただくため、働きかけを市町と連携して行ってほしいと思います。また静岡県はボランティア団体にもすごい優秀な方いらっしゃるので連携していただきたいと思います。
さらに、災害とジェンダーの観点で静岡大学の白井先生、また池田先生が力を入れていただいているので、こちらの先生方の御意見も頂きながら進めていただきたいと思います。一応要望にしておきます。
2点目の質問です。
介護支援専門員を含めた介護人材不足対策についてです。
介護人材不足については、今定例会の厚生委員会説明資料1にも記載があり、また先ほど8番委員からも質問がございました。6月定例会では介護人材サポートセンターを設置することが話題となり、9月定例会では介護人材の確保で特に外国人の方々の支援についてのお話がございました。今回は業務の効率化を中心に話がございましたが、実は介護現場は今、介護職の人材不足もそうですが、介護支援専門員のなり手が少なく非常に困っています。また処遇改善等で介護職のほうが報酬が高くなるケースもあり、苦労の多い介護支援専門員にはならない、なりたくないという方も結構も多いといった課題があります。このあたりの考え方について伺います。
もう1点は、介護職の仕事の効率化を中心に今回は検討を進めていただくようですが、前回の質問でも挙げましたが介護職の方が気軽に相談できる窓口の開設もぜひお願いしたいと思いますが答弁を求めます。
○加藤介護保険課長
介護支援専門員の確保、処遇ですけれども、令和4年度現在介護支援専門員は5,333人に対して昨年度県が行いました需給推計においては2026年には5,627人が必要とのことで、需要と供給に差が見られ現場においての人材確保の状況は10番委員のおっしゃったとおりだと思っております。
一方で、今年度の介護支援専門員の実務研修試験の合格者数が昨年度に比べて150人増えています。こうした方々をぜひ就業に結びつけていくために、今年度の研修でも介護支援専門員の魅力や働きがいの発信を行い少しでも就業に結びつけていきたいと思っています。
また、基本的な処遇改善のためには報酬の改定が主になってまいります。引き続き国に要望するとともに、国におきましても現在ケアマネジメントに関する検討会が行われておりますので動向も見てまいりたいと思います。我々といたしましても居宅介護支援事業所の経営強化の視点で現行の特定事業所加算を取得できていない事業所もございますので、2月に経営改善のセミナーを行い経営面でも支援してまいりたいと思っております。
2点目のケアマネジャーの相談窓口ですが、介護支援専門員協会あるいは介護福祉会等も含めた方々に十分に御意見を伺いながら検討してまいりたいと思っております。
○早川委員
ありがとうございます。
介護支援専門員は、専門性を求められ介護保険制度開設当時から非常に厳しくハードルが高い資格であったと思いますが、実際に就業後も研修が必要であったり研修の内容、拘束される時間が非常に厳しいと伺っており、他県では比較的同じ研修でも少し緩やかに対応しているところもあるようですので、ぜひ皆さんの声を聞いていただいて研修の在り方なども検討頂きたいと思います。
また、相談の窓口について私はずっと要望していますが、意見を聞きながら検討しますとのことでかれこれ今年度、本日までやってまいりました。ぜひこれは業界団体も求めているところですので実現に向けてお願いしたいと思います。
では、次の質問に移ります。
重度心身障害児者支援についてであります。
特に、医療的ケアが必要な方について医療との結びつきは非常に強いのですが、福祉サービス等の情報がなかなか得られにくい、またどこに相談したらいいか分からないとの声もよく伺います。
まず、医療的ケアが必要な方々への生活支援の実態について伺います。
○武田障害福祉課長
重度心身障害児からの相談については、地域における相談支援の総合的な窓口である基幹相談支援センター、市町が委託する障害者相談支援事業や県で設置している医療的ケア児等支援センターでも対応しております。
ただ、市町における相談体制の整備は進んでいないのが課題でもあります。その1つとして医療的ケア児等コーディネーターの存在を市町があまり御存じないところがあろうかと思っております。そのため今年度からは県医療的ケア児等支援センターに医療的ケア児等スーパーバイザーを新たに配置し、市町における支援体制の強化を働きかけています。
○早川委員
ありがとうございます。
医療的ケア児等スーパーバイザー、コーディネーターの重要性は分かっていても市町で使命が発揮されていないのは非常に残念なことであります。
また、市町の相談窓口は比較的公平性を保つため事業所があるにもかかわらず、通り一遍の――例えばこういった事業所がありますといった案内だけの例が多いようにも伺っておりますので、事業所とコーディネーター、スーパーバイザーとの意見交換や効率的な結びつきができる仕組みをぜひ考えていただきたいと思います。
実際に事業を推進している方々の中には、市町とつながってもそこから先の御家族につながらない課題があると伺っておりますので、ぜひ御検討をお願いします。
では、最後の質問に移ります。
動物愛護センターに関して、いよいよ開設に向けて準備が整っていることに大変期待を寄せておりますし、動物愛護団体も非常に大きな期待を寄せております。
一方で、動物保護活動について昨今私のところに支援団体の元ブリーダーの方から、十数頭保護しなければいけない、そのときに保健所で一旦検査、薬をきちんと対応してくださってから保護団体に結びついてくれればいいのだけれどもそうではない場合に保護団体が一旦保護すると健康診断、ワクチン等で1頭につき2万円前後かかり10頭だと一遍に20万円かかるとのことでした。殺処分ゼロを目指し殺処分ゼロに近づいているのもこうした民間団体、保護団体の善意に支えられているからです。保健所で一旦預かっていただき、健康診断、薬まである程度対応していただければ民間団体に負担がかからないにもかかわらず、なかなかそうした仕組みが進んでいない状況です。
こうしたことが動物愛護センターができたときに仕組みとしてできないだろうかとの御相談がありましたがこの点について取組を伺います。
○阿部衛生課長
人と動物が共生する社会の実現のために、県が数値目標として掲げる殺処分頭数ゼロの達成に向けて御理解、御協力を賜っている多くの動物愛護団体等の皆様に厚く御礼を申し上げます。
県といたしましては、緊急避難的に犬や猫を引き取る事例において愛護団体の皆様に御負担をおかけしていることを認識しております。
そのため、保健所等から犬や猫を譲り受け、新たな飼主の方に命をつないでいただく譲渡ボランティア活動をされている方の御負担を少しでも軽減したく、県では令和4年度からペットフードやペットシーツの寄附を募り集まったフードやシーツを譲渡ボランティアの方に配布する活動を始めております。
県といたしましては、今後ボランティア意見交換会等の機会を利用して愛護団体等の皆様の御意見を聞かせていただくとともに、他自治体の状況も参考にし新たな支援の仕組みができないかを考えてまいります。
○早川委員
ペットシーツ、フード等の配布はありがたいと思うのですが、実際のところ今お話しした医療費等、高額な負担がかかる点については保健所に獣医もおり対応できる体制はあるわけですのできちんとした仕組みを作っていただきたいと思います。
また、新たなセンターにもそのような機能を求めたいと思います。
そして、これは財政との問題になってくると思うのですが、ふるさと納税で動物保護活動の項目があり寄附を頂いている金額があります。
動物保護活動事業費に組み込まれているので、寄附した額は動物愛護活動に使われているのは問題ないのですが、この寄附金がなくても一般会計で動物保護事業を進めているわけですので、例えばふるさと納税でいただいた分は保護団体に使うなど支援してくださった方に見える形で事業ができる仕組みもぜひ作っていただきたいと思います。
以上要望としますが、今回要望したものについてはその後どうなったかはきちんと伺いたいと思いますので事業推進を期待したいと思います。
○青山健康福祉部長
今回、母子の避難所につきましては、10番委員、5番委員から御指摘を受けたところでございます。村松企画政策課長から市町との検討会の場でいろいろ話合いをしてとの答弁がありましたけれども、御紹介頂いた富士市においてマニュアルができたとのことですので、マニュアルを取り寄せて研究させていただきます。委員の皆さんからお話がございましたとおり実際運営するためには受入れ体制、医療との結びつきが欠かせないものですから、事例をある程度取り寄せて市町と話をしないと市町の防災部局、保健部局においても恐らくイメージがつかめないと思いますので、県としても情報収集をした上で市町との意見交換に臨み、少しでも進むようにやっていきたいと思っております。
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