本会議会議録


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令和6年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:牧野 正史 議員
質疑・質問日:10/03/2024
会派名:公明党静岡県議団


○牧野委員
 一問一答方式でお願いします。
午前中6番委員からもありましたが、UIターンの就職支援に絡んだ質問です。
 6月の委員会の答弁でも静岡県の若者への奨学金返還支援について検討されていて、経済産業部長にも日々報告があるとのお話を聞きました。6月から3か月たって劇的に変わるとは思っていないですけれども現在の検討状況を教えてください。

○八木労働雇用政策課長
 奨学金返還支援制度につきましては、経済産業部の重要懸案事項として位置づけており、県として支援の在り方を検討しているところです。その中で、検討会の開催に代えて経済団体や労働団体、有識者等を個別に訪問し、それぞれの立場での率直な御意見を伺いました。
 これまでに明らかになった大きな課題としては、市町単位で導入されている既存制度との関係です。既存制度は目的や対象者、支援する金額、期間など実に様々な制度となっており、いずれの制度とも共存可能な最善の仕組みを現在検討しているところです。
 引き続き研究、検討を重ねまして、当初予算要求に向けて取り組んでいます。

○牧野委員
 静岡県内では、浜松市、藤枝市、富士市、富士宮市、磐田市などが奨学金返還支援をやっていますが、それぞれの市町がそれぞれの制度をやっているので、県として全域にわたる支援は難しいと思います。これは提案ですが、今健康福祉部で医師の獲得として医師不足解消のために医学就学研修資金をやっております。
 今議会の蓮池議員の代表質問にも介護職を目指す人が少ないとありましたが、我々党としても各種団体と夏に予算要望のヒアリングをやっている中で、介護の勉強をしても結局給料が低いから別の企業に就職してしまう問題があるので、例えば福祉大学を出た学生が静岡県の介護施設に就職するときには給料の面倒を見るとか、あと企業局でも技術系職員が課題だと聞いていますので、そういったところに対して特化した返還支援がいいんじゃないかと考えを改め始めたのですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○八木労働雇用政策課長
 それぞれの御意見を頂く中で、業種を絞るといったところも出ていますけれども、片や絞るというのはいかがなものかという御意見もございまして、そういったところも踏まえ研究、検討を進めています。

○牧野委員
 私どもが若者とミーティングする中で頂く意見では、奨学金返還支援は必要ですし、先ほど6番委員からもありましたが、東京都など県外へ出た大学生は静岡県に帰ってくるメリットがないと便利なほうに流されてしまいます。静岡県内に就職することによって何か得になることがあれば、また若者が戻ってくると期待しています。当初予算に乗せるというすごくいいことを聞いたので、ぜひよろしくお願いします。

 では、次の質問に入らせていただきます。
 これも6月の委員会でも質問したのですが、現在の市町のJクレジット認証状況についてです。
 最近、報道で藤枝市が森林のJクレジットを認証したとのことで、ほかの市町の動きはどうなのかということと、カーボンクレジットコンソーシアムを立ち上げたと思うんですけれども、6月の段階だと参加した中小企業が1社だけとのことでしたが、現在はどのくらいになったのかお伺いします。

○大川井森林計画課長
 県内では、令和5年度末までに藤枝市内の森林を含む市町及び民間による計11件のJクレジットのプロジェクトが登録されています。
また、本年度はさらに登録の増加が見込まれており、森林分野のクレジットの動きは活発な状況です。

○小笠原エネルギー政策課長
 コンソーシアムに参加している中小企業はまだ1社ですが、もう1社が参加を検討されています。

○牧野委員
 Jクレジットは11件でさらに今年度も見込まれているといい回答を得られたのですが、コンソーシアムの1件の理由として、中小企業のコンソーシアムに対する認知度はいかがなものなのでしょうか。

○小笠原エネルギー政策課長
 製造業を中心にコンソーシアムについて当たっているところですが、製造業は今脱炭素経営が求められている状況で、太陽光発電の設置などで得られる環境価値を自社で利用したいため、クレジット化して他社に譲渡するニーズが少ないことが分かってまいりました。
 今後、電力需要が多くてなるべく低コストで自家消費したい業種を模索し、引き続き普及啓発をしていきます。

○牧野委員
 中小企業にとってコンソーシアムの目的は、もちろんカーボンニュートラル対策ですけれども、もう1つに新たなビジネスチャンスの創出があると思っています。なかなか目の前のことに精いっぱいでそこまで行き着かない現状があると思いますので、1社でも増えるように県として伴走支援していただければと思いますのでよろしくお願いします。

 続きまして、産業委員会提出案件の概要及び報告事項44ページ、有機抹茶栽培支援について伺います。
 今議会でもお茶の件に関しては各議員から様々な質問が出たのですが、答弁や説明資料を見ていますと、今有機抹茶の海外の販路拡大に対しての力の入れ方をすごく感じます。6月の委員会でも質問が出たと思うんですけれども、茶農家や茶生産者が有機抹茶の栽培に転じられる支援は現在どうなっているのでしょうか。

○佐田お茶振興課長
 有機栽培への展開につきましては、現在有機に向く品種の転換支援などを行っているところです。

○牧野委員
 その転換支援に対してはどれくらいの茶農家が参入されているんでしょうか。

○佐田お茶振興課長
 機械化を前提にセル苗を使っております。セル苗は普通の苗よりも高いので、かかり増し部分を支援する事業です。
 品種をつゆひかりなどに絞ったことであまり芳しくなく、予定していた予算の2割ほどしか利用はなかった状態です。

○牧野委員
 数字が2割ほどとは、予算に対して2割なのか、何件かある茶農家の2割なのかもう一度伺います。

○佐田お茶振興課長
 予算に対して2割ほどです。

○大石(健)委員長
 答弁漏れです。件数は分かりませんか。

○佐田お茶振興課長
 件数につきましては、現在2件です。

○牧野委員
 茶単価がどんどん下がってるとしょっちゅう話題になっているとともに茶農家の高齢化がある一方、有機抹茶の海外需要は今のところ青天井で、明らかにそちらに転換していったほうがいいのではないかと思うので、その辺の支援をもう少ししっかりやっていただきたいと思います。

 次は、説明資料40ページのリノベーションまちづくりについて、空き店舗を活用した商店街活性化についてお伺いします。
 これも今議会で杉本好重議員が質問されましたけれども、村松経済産業部長から商店街活性化のために空き店舗を地域資源と位置づけてエリア価値を向上させるリノベーションまちづくりの視点が必要との答弁がありました。
 私もそのとおりだと思うのですが、今後具体的にどのように進めていくのかお伺いします。

○池谷地域産業課長兼商業まちづくり室長
9月11日にまちづくりの実践者交流会を開催しました。これは空き店舗などを地域資源と捉え、活用してまちの再生につなげていくリノベーションまちづくりにより地域課題の解決の手法に取り組んでいる人々のネットワーク化を目的に開催したものです。
 交流会では先進的な取組を進めているまちづくりの実践者の活動紹介のほか、リノベーションで生まれ変わった施設見学、参加された方々による意見交換が行われ情報共有、人脈形成が進展したところです。
 今後このまちづくりの実践者に加え、市町や商店街、学生も含むまちづくりの関係者が一堂に会する場としてまちづくりフォーラムを開催し、県内外の成功事例の共有や地域の活性化に向けた情報交換を行うことで、それぞれの地域が特性を生かしたまちづくりを展開できるように図ってまいります。

○牧野委員
 空き店舗をリノベーションしてまちの活性化を図るというのは分かるのですが、リノベーションした施設を何に活用するかがとても重要だと思います。そこに対しての具体的な意見はございますか。

○池谷地域産業課長兼商業まちづくり室長
 いろいろ活用の仕方はあると思いますが、人が集まることが重要になりますので、コミュニティー施設やコワーキングスペースなど、そこで新しい交流が生まれる施設として活用ができれば、人の動きや流れもできてにぎわいにもつながっていくと考えております。

○牧野委員
 ここからは意見ですけれども、私の地元駿河区でも用宗港はちょっと前までは漁港でシラスなどを販売していましたが、東京から来た不動産屋がまず温泉を建ててそこからスイーツ店や飲食店といったものをいろいろ造ったところ、土日になると用宗駅から若者が来るようになり、かなりにぎわっていてさらにいろいろな催物も増えた事例もあります。
 あと、沼津市も大分寂れてはいるんですけれども、例えばアニメイトには次から次へと若者が来たりとか、商店街にキン肉マンミュージアムができたじゃないですか。私は昭和47年生まれですので、産業委員会の視察で昼食の店の待ち時間にちょっとのぞいたら外から見ただけでも結構、昭和の人の心をくすぐります。そういったところがにぎわい始めると自然と人の流れができてくるんじゃないかと思います。
 静岡市も駿河屋という大きな施設ができたんですけれど、まちの中心部はけやき通りもあって、別に駿河屋を誘致しなくても人の流れができますが、そこは民間ですので県は口を出せないと思うのですが、例えば浅間神社通りのシャッター商店街にひとつああいうものができると、そこに人の流れができてよりいいと思います。今はアニメやコンテンツといったものに人の動きができる時代ですので、ぜひそういう視点も取り入れて、商店街の活性化につなげられたらと要望します。

 では、次の質問に入ります。
 説明資料53ページに農業施設の被災に対する支援があり、たまたま私の地元の写真が載っていたのですが、先月の大雨で駿河区根古屋のイチゴ農家の農業用施設22棟が土砂で流されてほぼ壊滅状態です。すぐ横の特養老人ホームも含めて人的被害がゼロだったとことは不幸中の幸いだなと感じております。
 被災したイチゴ農家は再開が非常に困難で御自身の年齢や後継者がいないことも含めて半ば諦めているんですけれども、現在ここに対する支援がどうなっているのか分かる範囲で教えていただければと思います。

○好田農地保全課長
 静岡市根古屋の被災につきましては、被災直後から中部農林事務所の職員が静岡市の職員とともに被災状況の確認を行い、国の災害復旧事業の制度内容について説明を行ってきたところです。
 災害復旧事業の事業主体は静岡市になるのですが、現時点におきまして農家の負担が生じることから、国への事業申請は農家の意向によって断念し、静岡市の単独事業で負担のかからない範囲で対応していくと聞いております。
 その場合におきましても、県としましては技術的な助言等を行っていく予定です。

○牧野委員
 農家さんは断念されたとのことですけれども、私も翌日見に行きましたら、すぐ静岡市と県の職員が一緒になって見ていただき、その対応の早さには本当に感謝しています。今後もこういうことが各地で起こり得ると思いますので、その際しっかりと支援していただくことを要望します。

 では最後の質問ですけれども、説明資料66ページです。
 磯焼けの現状と対応2(2)ブルーカーボンクレジットの取組について、今榛南地域で行っているとのことですが、個人的にJクレジットと同じぐらいブルーカーボン・オフセットはすごく重要だと考えているんですけれども、現在の進捗状況などを伺います。

○伊藤水産資源課長
 南駿河湾漁業を中心とした協議会が昨年12月末に申請を行った結果、今年2月に40.1トンの認証を受けております。そのうち半分の20トンについて2月から公募販売して4月に締め切ったのですが、198万円の売り上げとなっています。残り半分の20.1トンについては7月から公募販売を開始して販売中で、額から見ると昨年よりも多くなるのではないかと考えています。
 今、県内では磯焼けがかなり大規模に起こっていますので、磯焼け対策を実施した後、さらに申請が増加するように取組を支援していきたいと考えております。

○牧野委員
 確かにすぐにはできないと思いますが、まず磯焼け対策をしっかり行っていただき、このブルーカーボン・オフセット制度も今後のビジネスにもつながっていくと思いますので、ぜひまた取組をよろしくお願いします。

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