• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 委員会補足文書

ここから本文です。

委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


令和5年11月子どもの孤立対策特別委員会
大阪公立大学現代システム科学研究科 教授 山野則子氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/21/2023 会派名:


○山野則子氏
 それでは、大阪公立大学の山野と申します。
 このような機会をいただいてありがとうございます。
 それでは、拙い報告ですが、私からさせていただきます。パワーポイントの資料と、それから、今日持参した「つなぎびと」――保険協会さんが子供たちのために、うちの研究所、スクールソーシャルワーク評価支援研究所を立ち上げているのですが、そこに毎年寄附をいただいて、発行している――の過去の分や、紙になって、クリップにとめてくださっているスクーリングに関する資料を配付させていただきました。たくさんありますが、途中途中で、これですっていうのは、御紹介させていただきます。
 それでは、パワーポイントに沿って、私はこんなふうにプロフィールを書かせていただいています。今、政府のこのテーマである内閣官房の孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議のメンバーでございます。
 それから、下の赤字になっていますが、JSTの社会的孤立・孤独の予防的な、今一次予防だけでなく、ゼロ次予防まで話が行って、どうしていくのかという議論をちょうどしております。来週その集まりがあるのですが、そんな形で政府も入って、助成金をいただいて研究しているのが、一番下に記載しているJSTの話です。
 それでは、今日のいただいたお題から、まず子供の孤立・孤独の現状や課題をお話しさせていただき、そこで、私が一番言いたいのは、決して特別ではないということなんですね。今日のパワポにもあったかもしれませんが、昨日もたまたま学生と話をして、本当に自分がちょっとしたことを言える人がいない、相談って、大層なんですね。これを孤立・孤独の政府の委員会でも私はずっと申し上げて、大分その方向に変わってくれているのですが、もう相談機関をつくるとか、相談部署をつくるということではなく、なくと言ったら言い過ぎですが、本当に孤立・孤独の人たちは、気軽に話せる場、気軽にしゃべれるっていう、これをどうするのかが、今、テーマになっています。そのことを現状から伝わったらいいなと思っています。
 2番目はシステム構築の話、3番目は行政に求めること、とお題をいただいていたので、この流れで話していきたいと思います。
 まず、孤立・孤独とは何か、これを政府の委員会でも、随分議論をしました。イメージを共通しておかないといけないと思って、国が出している、これを私はそのまま貼らせていただきました。孤独は、一人ぼっちであること、孤立はつながりや助けがない状態であることなので、孤独なのはしょうがないかもしれないけれども、孤立は、という議論も随分ありました。それも、それがいいのか悪いのか、分かりません。独りぼっちで、自分で好んで独りでいる人もいる。そういうことをどうしたらいいのかみたいなことも、政府の委員会では議論をしておりました。
 一応こんなふうにまとめています。でも孤立は、誰ともつながっていない、これは絶対避けないといけないよねという話になっています。
 前提として、これは、私たちが政府の委員会で共有した資料です。ちょっと愕然としたこともありますので、まず原点を、ここに立ったほうがいいのではないかと私も思っているのです。社会的支援に対する寛容さや、幸福感など、皆さん御承知のとおり、政府が出している国際比較で、日本は最下位です。非常に厳しい。ですので、小手先の今、困っている子供をどうしようかという話ではなく、ゼロ次予防が必要な、価値や文化を変えていかないといけないというぐらいのことではないかと私は思っています。
 続けて、この国際比較でも、悩み事を相談できるような友人の数のところで、あえて50代、60代、70代が大きいというところもお見せしていますが、これは男性で、ここも男性が多い場所ですけれども、やはり皆さんがお分かりになると思いますが、男性のほうが友達や社会的つながりなどが減っていくのが明らかな状態です。これを子供の将来の像と捉えて、子供の世代も、18から29歳の若者の世代でも、いないという人が、4分の1近くいるということになりますから、これはやはり非常にリスクだと思うのです。だから、日本の姿として、どうやっていくのかと、皆さん、国際研究もされてたりします。ちょっと私事で申し訳ないのですが、たまたま娘が外国籍の人と結婚しました。国際結婚したので、もう全然文化が違う、もう日に日に私は学んでいるのですが、オープンさが全く違う。そっちが何でもいいというわけではないのですが、やはりどうやってオープンにするか。例えば御飯はいつも外で、ちょっとした、外で半分、公道も含め、庭で食べていて、近所の通る人みんな一緒に食べていこうよみたいに声をかけていく、そんなのが当たり前。お誕生日といったら30人を呼ぶんです。小さな家で入れない。あの2歳の子供の誕生日に30人を呼ぶという、そういう文化的に全然違う。後で貧困のところでも言いますが、イギリスと日本の大きな違いは、子供にとって絶対必要なものは何かと4つの質問――晩御飯と、お誕生日のプレゼントと、家族でお出かけと、自転車で聞いたときに、日本人は晩御飯だけだったんです。これが2010年の貧困の話題が出たところ。そこから大分変わってきて、今はたくさんの方がこの4つに手を挙げてくださるようになったのですが、世論調査で、1個だけだったというのが当時でした。
 でも、イギリスはこの全部が子供にとって必要なものだと。フィンランドに今年行くので、フィンランドの人ともやり取りしているのですが、お誕生日のプレゼントの話、つまり、愛されている、いつも大切にされているという感覚が、日本と全然違う。お誕生日は、そういう1つのイベントですよね。30人を呼んで、みんなで祝ってもらうという、そんな機会がある。クリスマスって言ったら、またみんなでそれそれがプレゼント交換するから、ツリーのあの麓には山ほどプレゼントが出ると。それは安いものでもいいわけなんです。ボールペン1つでも。あなたのためにプレゼント。あなたを大事にしてるよみたいな、そういう文化が、私はここにつながってくると、すごく思っています。
 今、私生活で、日々娘たちを見ていて、本当に感じます。日本の文化がまずいと言っているわけではないので、日本の文化を大事にしながら、このリスクをどうやって予防していくのか、これが子供たちの将来になることをできるだけ避けていきたいと思うということです。
 政府が2年間続けて、つながりの、孤立・孤独の調査をされました。大きく、孤独感の原因のところで、こんな結果が出ています。病気、けが、いじめ、ハラスメント、貧困などですが、ヤングケアラーや、いじめ、不登校などをテーマにされているとお聞きしたので、やはり孤立・孤独と、うちの研究班は、いじめとの関係を明確化しているのですが、すごく関係します。ですから、この30%近い、人間関係の重大なトラブルは、子供にとったらいじめだということになります。
 それから、大体皆さんも御存じだと思いますが、いろいろな支援メニューを出してくださっています。政府も出してくださっていますし、都道府県や自治体で、いろいろな支援を出しておられるのですが、受けないということが、一番大きな問題です。だからつながっていかない。そこが、この黄色線で引いているところで、理由です。受けるための手続が面倒であるとか、受け方が分からないとか、我慢してしまうとか、日本の文化として、恥の文化みたいな、耐えることがいいことだみたいなことがまだまだあるという、そんなことも見えます。
 それから年齢で見ていただいて、後でまとめを一言で書いていますが、やはり未婚の方、これが30代男性が非常に高くて、子育てしているお父さんなどは、未婚だからここは関係ないということですが、非常に子育て層の世代も高いということです。そこも、政府のこの孤立・孤独の委員会でも、高齢者の問題と思っていた節がすごくあったんです、初め。でも、すごく若者や子供の問題だと、今、ようやくシフトし始めています。孤立・孤独に、文科省が入っていなかったのですが、私も大分意見を言わせてもらって、ようやく文科省も入ってくるようになってきています。
 これが、子供の少し先だということです。20代、30代ということは、だから、今、目の前の子供をどう救おうかということだけでなく、どんな若者にしていき、どんな30代にしていき、50代にしていくのかということがやはり大きい、今からこれを見据えないといけないのではないかと思います。
 次のパワーポイントは、私も臨床心理士と社会福祉士の資格を持っているのですが、深いカウンセリングが重要というよりは、先ほどの簡単にしゃべれる人がたくさんいるほうがいいということが、こういう結果からわかる。相談先が多ければ多いほど安定していたり、年収が落ち着いていたり、あるいは次ページで、子供と向き合える。だから、気軽にしゃべれるところをたくさん持っている人が、親御さんにとって、子供にしっかりと向き合えていける。そんなことが、どんな人にとっても、高齢者にとっても、若者にとっても、地域の気軽に行ける場や、声かけられるという、こういう社会をどうやってつくっていくのかをやはり私は、一人一人の意識ではなく、政策でどうやって入れていけるのかと思います。
 よくいじめの案件や、虐待事件などで、報道されて、テレビやコメントで呼ばれるんですね。いつも司会の方に、最後に視聴者に向けて一言言ってくださいと言われる。言われるのですが、私はどんな場面でも、声をかけてくださいと、非行に至ってる子、虐待に至ってる子、不登校になってる子、この親御さん、みんな孤立です。ある種孤立なんです。なので、おはようって声かけるとか、今日はいい天気ですねって、町ぐるみで、自治体みんなが声をかけ合うような、そんなまちになったら素敵ですよね。そうすると、いじめも不登校も減ってきますよという話をして、それは後で実証研究もしていますので、一言って言われたときはそう言っているんです。
 政府の会議で、私ではない先生も、ベンチを造りましょう。まちのあっちこっちに、少し座って休憩できる、政策としてベンチをまちの中に置きましょうと出しているところもあります。教育の先生がいらっしゃったらお分かりだと思うのですが、コミュニティスクールですごく有名なところに、私もたくさん視察に行かせてもらって、新潟県にある町では、学校の中にコミュニティスクールで、ベンチを置いているんですよ。陰でこそこそと子供たちが悪さするのではなく、例えば、もう廊下にベンチが置いてあって、今、カップルと言わない、ペアで、男の子と女の子が陰でこそこそするのではなくて、オープン、堂々と2人の椅子が置いてあって、オープンに話して、みんなでわいわいしましょうみたいなものを置いた町もありました。すごい素敵で、子供たちがオープンで、廊下も、大阪でもあるのですが、壁を外して、授業が丸見えになって、オープンにしている。いじめや、先生のハラスメントや、いろいろなことを防止するみたいなことを、先ほど言いましたが、声かけ合ったりなど、そこがやはりゼロ次予防となると、教育に私はどうしても期待をしてしまうのですが、そういう育ちをしてくる子供たちは、やはりオープンになっていくという、そんなことが、施策としては考えられるかと思います。ベンチ作戦などです。高齢の調査でも、海外と比べて、ドイツやスウェーデンやアメリカと比べて、もう見ていただいても、非常に愕然とする。アメリカは個人主義だと思っていることが、多いと思うのですが、日本のほうがうんと近所との交流などが低いという結果です。
 どんな日本にしていくのか、どんなまちにしていくのか、どんな自治体にしていくのかという、やはり目標設定がすごく重要と思っています。すぐさまに変わっていくわけではないので、今の3つのグラフから、親しい友人や他人に頼るなど、会話することがしにくいんだということが明らかになっている。だから孤立・孤独になっていくのは、もう当たり前でしょうというぐらいの日本の実態です。それは子供だけではなく、大人の実態も含めてです。
 そういったことから、切れ目のない支援をしていくこともですが、大きくは文化を変えていく必要があるのではないかと。嫌だと言えるとか、自分らしく受け入れてもらえるとか、そういうことが大事。学生が今、希望ゼミを取っていて、幸いうちのゼミを希望している人が多かったので、レポートを書かせるのですね。どういうことをしたいのかレポートを書かせたときに、彼女たちはこういったことををやりたいという学生がたくさんいて、先ほど申し上げた、自分が困ったというときに話せる人がいなかった、誰に話していいのか分からなかったという人が3分の1いました。今の大学生で。ほかの先生でも、宮本太郎先生も自分の学生で調査していますが、同じような数値です。
 だから、孤立・孤独というのは、決して見えないので、普通に元気に来ている子、大学生にももういっぱいあるということです。
 駆け足になりますが、子供のデータでもう少しお示しすると、円グラフです。コロナの影響で、不登校になる前兆の、学校へ行きづらいと答えた子供たちが、3分の1だったのです。このときも厚生労働省の依頼を受けて行った私の調査だったので、もうすぐにこれに手をつけてくれというような政策提言をしたのですが、今日お話しするスクリーニングもそうです。それがなかなかやはり追いついていなくて、ここが、皆さんの御存じの不登校22%増、4割がどこにもつながっていないという実態に、今なっています。これはコロナの影響で継続して、この数値が出ています。不登校で少し何ページか先へ飛ばしました。明らかに、ここで、2021年から不登校の傾斜が激しくなっているのです。つまり、私のコロナの影響調査のときはまだ不登校ではなかったのです。そこからどんどん不登校の傾斜が激しい。これはどういうことかと言うと、少し戻ります。コロナのときの調査で、やはり親御さんがリストラに遭ったとか、精神的不安定だったとか、私の資料にはつけてないのですが、親御さんの生活実態もずいぶん脅かされました。それはやはり続いている。自殺も増えてきたのも、やはり今、コロナ禍の後です。2020年の後ですよ。いまだに私も身近で、普通だったら就職してたという人が就職できないでいる。そして、自殺に追いやられてしまった人。もう本当に東大を出てエリート、さっきの調査で、孤立・孤独が、大学院卒がまた多いんですよ。エリートの貧困が注目されていますけれども、エリート層も実はしんどくなっている。そんなことがすごく変えてしまったのは、やはりコロナの影響です。
 向かって皆さんの左側が、親のストレスレベル、精神的健康状態の点数が高ければ高いほど、子供のストレスレベルも高いという結果、きれいに相関しています。コロナ禍で、親が精神的な疾患に陥ったり不安定になったという人は、すごい増えています。なので、そこにまつわって、子供の不安定さが、ストレスレベルが増えて、これは単純集計ですが、左上の帯グラフの一番下のところを見ていただくと、9割近い、86.8%の子が何らかのストレスを抱えている。もうこれは、学校の中のほとんどの子供が見えていないだけで、何らかのサインを持っている。さっきの大学生の3分の1と申し上げた、そんな状態だと認識したほうがいいと思ったことなのです。
 なので、スクリーニングは、後で言う、この子が大変なことだと分かっていたら、その子に支援をすればいいのですが、もう全員の中の86.8%ですから、全員の中からピックアップされたり、気にかけていく子を見つけていかなけらばならないですね。これは、学生の言葉をピックアップしたのですが、こんなふうに、誰にも相談できずに一人で抱えてきたとか、下に記載の学生は、自分のこういった経験から、全ての子供が通う学校の場所の中で、手を差し伸べていく、そういうことが大事じゃないかと。どこに相談があってこっちから行くとか、ヤングケアラーもですが、ヤングケアラーに取り組んでおられるところ、相談を立ち上げました、どんどん来てくださいって、行けるわけがない。ヤングケアラーの方にインタビュー調査もしました。行けるわけがないと。元ヤングケアラーです、しゃべれる人ですから。なぜかと言ったら、掃除、洗濯をしないといけない。その時間があれば、家事をしないといけない、そんな状況ですから、ヤングケアラー施策は、私はすごいミスマッチだと思っています。集まるというよりは、まず支援です。
 神戸市さんがすばらしい施策をやっておられます。何かと言ったら、今、どこの自治体も、ヘルパー派遣など、考えているのですよ。考えているのですが、元々あるヘルパー支援は、母子家庭や、お母さんが障害があるなどで、ヘルパーを派遣できるんですよ。これには申請が要るんです。ヤングケアラーの人は、親御さんを説得しなければならないのです。親は意識がありません。自分が精神疾患の人はモチベーションがないんです。だから、誰が説得するかといったら、子供が説得しなければならない。ヘルパーを派遣してもらおうと思ったら、自分が学校へ行って勉強しようと思ったら、ヘルパーが来てほしい。ヘルパーが来てほしいですが、それをするためには、自分がこのお母さんを説得しなければならない。もうこんな壁はないですよ。
 皆さんも考えられたら、私も高齢の認知症を家族に抱えていて、何かサービスを説得しようと思ったら大変ですよね。大人でも大変です。それを子供にさせるという。
 神戸市のすばらしいのは、もうヤングケアラーの相談につないだ、つながった子はみんなもう、もうそういうことなしに、ヘルパー派遣、お弁当配布をゴーしているんです。そこでゴーしてから、誰かが関わることになります。関わった人が正式なルートの申請に持っていくと。そうすると子供は負担がない。こんなことをセットで考えないと、私は今、すごいミスマッチしていると思っています。
 話せる場があるところに行く子供さんは、ある意味、大丈夫な子供でしょう。元気な子供かもしれません。だから、話せる場も必要です。もちろん、2次予防、ゼロ、1次予防になったら、話せることももちろん必要ですが、まずは支援だと思います。そんなことをこの学生も感じていて、自然につながる、学校からつながっていくという仕組みが要るんだということを、体験から述べてくれているのですね。これがヤングケアラーの調査なのです。
 これは政府がやった調査で、ここからも私がつくっているスクリーニングYOSSという仕組みが、ここの項目が入っているんですね。うちにある項目が全て入っていて、忘れ物や、提出物や、宿題忘れ、授業中の集中とか、保健室とか、友人関係、成績、こういうのが、ヤングケアラーである人とそうでない人に差があると。つまり、先生方はヤングケアラーはどうやって発見したらいいですかと、私もたくさん相談を受けます。ヤングケアラーが見て分からないって。こういう項目をチェックしていて重なったら、ヤングケアラーを疑ったらいいということなのです。
 疑うというのは、偏見で見るということではなく、支援につなぐということです。ここを誤解してほしくない、それがスクリーニングYOSSのポイントです。YOSSというのは、チェックをしてレッテルを貼るのではなくて、つなぎ先に振り分けることなのですね。この人は危険だと言っているのではなくて、つなぎ先に振り分ける。先生方はつなぎ先がイメージできないから。そういうことをクラウドではっきりするというのが、うちの開発したものです。だから、こういったヤングケアラーを、フラグが立って、この人危ないよねとなったら、先のお弁当配布という施策があれば、すぐにつながっていく。
 今、学校がもう1つ困っているのは、見つかっても施策がない。何をつないでいいのか資源がないということもおっしゃっています。次へ進めると、今の子供たちの状況は、不登校がすごい増えてきている、自殺が増えてきていることと、この上の塊は何が言いたいかというと、先生が認識しているものと、子供たち自身とのずれがありますということです。これは、大学でもしかりです。私は学生のあの声を聞いてやはりびっくりしましたから。だから、先生という職業はなかなか見えにくい、見えているようで見えにくい。なので、子供たちは、妹の世話をしていると先生は思っている。妹や弟の世話をしていると、ヤングケアラーでそうだと思っている。でも違う。実際はもう家事をしているんだ、家事をしている率のほうが高いということです。
 それから下の塊は、先の国の孤立・孤独の調査から、転校です。子供の部分で言うと、転校というのがすごくリスキーです。皆さんよく御承知の野田市の事件、お父さんにいじめられてるって書いて、死に至ってしまった。あれも転校、転入ケースです。川崎事件も、いろいろな有名なケースは、みんな転校なのです。だから、転校というのはすごくリスクです。そういうことのチェックがあるんですね。チェックリストでチェックして、フラグが立っていくという。先生が考えて、A先生だから分かる、B先生は分からない。A先生の担任の子供たちはラッキー、B先生の担任の子供たちは見つけてもらえない。これが今の日本の状態なのです。だから、平等に、データからしっかりとピックアップされていくものをシステム導入しないと、子供たちに不平等が私は起こっていると、私は思います。
 そういった意味で、児童相談所などではないですよと言いたいのは、さっきの86%がストレスレベルを持っているということや、大阪で言うと3割が貧困であるとか、それからコロナの調査で3割が学校へ行きづらいと思っているということからです。3割を把握できるのは、もう児童相談所とか市町村の児童相談部門ではないのです。福祉部門ではないのです。これは教育部門でしかない。だから、先生に負担をかけるという意味ではなくて、施策として、やはりスクールソーシャルワーカーを充実して入れることは、起きてくると思うのですが、それだけでなく、人材だけではなくて、スクリーニングという、学校で全ての子供を見て、発見して、つないでいくという仕組みを入れていかないと、なかなかラッキーだったとならない。さっきの学生も、見つけてもらえなかったわけです。私のゼミにはやはりそういう学生が多く来ます。小学校、中学校、学校へ行っていないと、全部大検で、大学受験もして、でも優秀なんです。賢いんです。だから公立大学にも来て、今、大学院にドクター課程まで来ています。でも、彼女はやはりすごい精神的な不安定さを抱えている。見つけてもらえなくて、もっと早く学校の中でケアされてたらという、そういう思いがあるから、うちのゼミに来るんですよね、みんな。なので、その学生を見ていてもすごい苦しみながら博士課程まで来ています。そんなことを、自分のような人をつくってほしくないという、彼女らの訴えだと思っていただけたらと思います。
 このスクリーニングの仕組みは、乳幼児ではあるのです。皆さん御承知で、検診はもう受診率95%です。検診を受けて、検診の中で3方向に振り分けられますね。例えば私が住んでる堺市だったら、1日で80人検診をして、80人の人をダーッと、お医者さんや臨床検査技師や栄養士など、いろいろな職種の人が集まって、多角的に振り分けていくわけです。精密検査を受けるというのが一番重い振り分けで、保健師さんがフォローするのが一番軽い振り分けで、いろいろな地域支援を使っていくというのが真ん中の振り分けになる。
 これを使いましょうよっていう。この母子保健は日本は世界で優れていると言われています。ですが、残念ながら、就学でピタッと終わっちゃうんですね。学校へ上がったら、もう全然、これがつながっていないのが現状です。なので、さっき申し上げた、学校では、気になった先生が気になった子をスクールソーシャルワーカーにつなぐ、児童相談所につなぐという、今、こんな形です。それを学校によっては、学年会議でやっているというところももちろんあるかもしれませんが、でも全員は検討されていない。全員を検討しているわけではない。検診は全員を検討している。そこの違いなんですね。
 ここで書いているスクリーニングの意味は、全員を洗い出して、適切な支援や対応につないでいくということです。今、学校も忙しくて、先生方も、皆さん方が御承知のように、もう時間がない。だから、もうこれは学年会議に入れ込む。今までどおり、学年会議やいじめ不登校委員会があります。今まで学校に行くと、子供の話をしてますと言ってくれるのですが、学年会議で担任が報告します、はい終わり、はい次、はい次で、議論になっていないですね。だから、エビデンス、データが要る。こういうチェックリストを見ながら、そうすると相対化されるので、やはりノーペーパーだったら、担任がしゃべることに口出しにくいですよ。でもデータがあって、これを見たら、隣の先生が言ってくれるのです、必ず。担任がチェックついてないけど、隣の先生が、いやいや、あの子、この頃忘れもん多いよみたいなことを言ってくれて、チェックがついたり。だから、担任がつけたチェックに学年会議をすると、5点だった子が15点になったり、もう平気でしています。担任の先生はそれを嫌だと思っているわけではなく、いろいろな、多角的に先生方が意見を言ってくれるので、負担感が取れたと言われます。
 担任の先生は独りで抱えているので、私は学校は、本当に組織が先生を守らない、なかなか個人の先生を守ってないとすごい思っています。これは後で、パワーポイントがあると思いますが、その中でやはり先生方は、過重負担になるというよりは、みんなで意見をもらって、担任は動きやすくなっているというのが機能しているところの例です。機能してないところは、やはり負担だと言うんですね。そこはチェックだけつけて、議論ができていないところです。だから負担ばかりになっている。その辺を議論するということまで入れ込んでいるのが、うちのスクリーニングだということです。そこを動画をつけたり、いろいろなやり方の、今日お配りした1枚の資料のファシリテーター養成講座をしていて、ファシリテーターの認定みたいなものを出して、この人がファシリテーターを回していきますみたいな、スクールソーシャルワーカーがそれを受けてくれて、回していく力をつけていく。これをうまく回していける人がいるということですね。
 今でも学年会議で、先生方も上手にやっておられます。1クラス15分、40人を15分でやる。これは保健所の検診もそんなです。もうサクサクと、アセスメントではないので、簡易的に振り分けていく、弁別していく、簡便にやっていくという、これを板につけていただく。実は、もう2018年からやっている学校があります。だから、あえてという感じは全くないですね。何やったみたいな感じです。それぐらいになっていかれると、すごくいいなと。それが私の目的でした。
 もう一度少しいくと、スクリーニング会議は全員が学年会議でやります。このシートを見ながら、タブレットでこういうところに映像しながらやっておられます。それをピックアップし、点数の高い子など、野田市の事件みたいに、いじめ案件でついたら、もう絶対1個ついただけでも、校内チーム会議に意見を送りましょうというルールも書いてあります。そのルールにのっとってやっていけば、先生方はいろいろな意見を言って、この点数が高くなって、3分の1の子がチーム会議に送られる。校内チーム会議は、この上のメンバーは何かと言ったら、いじめ不登校委員会でやっておられる。あるいは特別支援委員会など、学校によってどの委員会が一番議論しやすいかは、少し違いがあるので、そこはいろいろな委員会でやっておられます。ここの委員会で、判定先のどこに振り分けるかを決めます。真っ赤な子は、もう大体つながっています。学校も力を持っておられるので、児相や警察につながっているので、もうこれはつながってるよねという確認で終わります。
 議論をしないといけないのは、やはり地域資源につなぐ子供さん、それから校内でチームをつくっていく子供さん、これが30%です。これを議論していくのは、学校は慣れていない。学校で議論してますよというのは、まだまだC判定の子ばかりです。児相へ送りました。いやいや山野はそう言うけど、しっかりと議論してますよと言うのは、C判定の子です。だから、あそこの居場所はなかなか、おはようとすごい声をかけてくれる、あそこへつなごうかみたいな話が先生から出ることはない。そんなことを、さっき言いました、2018年からやっている自治体は、もう先生が居場所を選んでいる。あそこの居場所はあのおばちゃんがいるからいいよとか、こっちの場所のほうがいいのではなど、居場所や子ども食堂も先生が熟知しておられて、それはもうこの会議を毎月やっているからなんです。
 冒頭言いました、声をかけてもらえる場所なのです。居場所は何かと言ったら、ベンチを置こうとさっき言いました。いろいろなところから声をかけてもらえる場所なのですね。後で、その効果も見せますが、これをぐるぐる回していくことで、1学期と2学期の差も出ます。そうすると、先生がこれをやったからよくなったということもすぐ分かるのです。
 私が学校へ入っていてすごく残念だなと思うのは、先生はすごい頑張っておられます。でも、何をやったかという記録がないので、これをやったらこんな効果があるというエビデンスが蓄積されていない。これを見ると、先生方はすごい勇気づけられて、2回目のスクリーニング会議は先生を勇気づける会みたいなものです。1回目に決めたことをやることで、こんなに変わったということに焦点化していきます。
 そんなふうにやっていくことで、勇気づけられていく。少し慣れるまで丁寧なサポートが要る。それをうちと今はパナソニックさんと一緒に共同で支援をしているところです。このデータは、地域資源の効果です。やはり何が違うかと言ったら、左側は全ての子供さんで、右側が居場所に来ている子です。居場所に来ている子のほうが、自分に自信があるというのが高いのです。倍ぐらいあるんですよ。学力もだんだんそうなってきています。何かと言ったら、これはおばさんたちが、ボランティアで、もう居場所はほとんどボランティア。もう子供への愛でやっております。なので、すごくいい声かけをしてくれる。おかえりとか、お母さんやお父さんの代わりですね。お母さんやお父さんが働いていて忙しいとか、余裕がない中で、もうそんなところにランドセルを放っておいたらダメでしょと言って怒ってくれるみたいな、そんな中で子供たちは満たされていく。これが非認知能力などと言われていますが、自分たちが愛されているというふうに変わっていく。この居場所の効果はもう、全国各地で言われているところです。ぜひこれを増やしていくことが、1つ、施策で重要なところだと思います。子ども食堂に限りません。どんな場所でもいいと思います。
 このスクリーニングYOSSを使っている自治体で、今データ数で言ったらもう20万件ぐらいあると思うのですが、その中で、やはりB――居場所や地域資源を使った子供たちはよくなっていってます。こういう効果も出ています。だから、居場所は非常に効果があります。
 もう一度まとめると、本当にこの真っ赤な子ではないです。先生方のささいな、パンを毎日持って帰る子がいるとか、具のないそうめんばかり食べてると言いに来るんだって、こんな話です。こんな子は、児童相談所やスクールソーシャルワーカーは受けれません。もういっぱいいっぱいだから。でも先生はやはり気にとめている。もうすばらしいと私は思います。先生方のこの子供を見る目。こんなことを気にとめているのに、でも校長に言っても、児相へ送ろうとはならない。何か介入しようかとはならない。だから、担任の先生はつらい思いをしながら、蓋をするしかない、今は。でもこのスクリーニングをやったら、みんなで議論して、こんな声かけをしようかと決まるのですね。みんなでおはようって言おうよと決めただけで、子供の遅刻が減ってきたりしています。
 だから、先生のそんなささいな懸念をみんなの決定にする、組織の決定にする。これは日本の教師の同僚性がすごい高いと言われている、すばらしいところだと思います。こんなことをやっていく、これを誘導していくのが、YOSSというツールということです。単にチェックリストではないのです。ずっと動きまで追っているものなんですね。この効果を少し示します。
 もう一度言うと、データ、エビデンスが大事です。データプラス、議論プラス、これをやっていこうという決定が大事。今、学校は、子供を語る会とかたくさんやっていて、たくさん議論されています。でも決定されていない。これが残念で、先生にその時間もうすごい無駄ではないのと、ついつい思ってしまうのですが、でも先生方は、子供たちを語るのはとても大好きなので、たくさん議論しております。
 それで、今から説明するクラウドで、これはグッドデザイン賞も受賞しました。パナソニックさんと一緒に出して受賞したのですが、この成果を少しお見せします。
 例えば、遅刻や保健室や諸費滞納だったら、こういう数値がすごい改善したという、この改善数値を円グラフは見せています。今日もペーパーでつけていますが、つなぎびとで紹介している不登校が3分の1になったと。これらが全部、教育センターや専門機関を紹介したのではなく、さっき言いましたBです。地域資源です。だから、沖縄でも、私は見に行かせてもらったのですが、小学校の真ん前にいるおばさんが社会資源なのですね。もう声をかけてくれる。バンバン声をかけてくれる。この人のおかげで、随分子供たちが元気になって、遅刻が減ってきたりしているという、そんなことなのです。だから、このおばさんたちに、施策としてエンカレッジできるかなんです。勝手におばさんがやっているのではなくて、おばさんありがとうと、学校がしっかりと資源として認めていく、そんなことも大事だと思います。
 上は、ピックアップ率と改善率を表しています。先ほど申し上げた2018年からやっている自治体は、もう自然になっているところですが、37.3%もピックアップしています。1クラス40人の学級で12人以上、15人とピックアップしているということですよね。そうすると改善していく率は高い。ですが、B市は7.7%しかピックアップしていないので、改善率が19%です。これも予防の大事さなのです。だから、スクリーニングの意味は、広く拾い上げて、地域資源だけではない、先生方の一声を決めるのです。決めるだけなのです。それだけでこんなに改善するということです。それを学校を挙げてやっていくことが重要だと、これは先生方の声が載っています。決定と私が強く申し上げたのは、この決定のほう、右側を見ていただいたら、プリポストです。このスクリーニングYOSSをする前と、2段目はした後です。する前と、した後で、上から2段目は校長です。校長に当っては6.3%が52.9%も決定できるようになっている。だから、先ほど申し上げた、学校は議論しているけれども、決定できてないのではというのは、これを見てよく分かる。全部でも、31.5%しか決定していません。
 これはなぜかと言ったら、先生を責める、学校を責めているのではなくて、職責がないわけですよね。子供の生活実態に何かを決めなければならないと、先生の職務には書いていないです。やはり、だから漏れていく。でも、子供たちの生活指導上の指導提要が、また改善されました。指導提要で子供の生活を見ていくのは、先生の仕事でもある。でも決定していくとは書いてないみたいな矛盾になっていくわけです。だから、ぜひこれを決定していくというところをやれるようなサポートが要る。これをYOSSがサポートしていますということです。
 後は議論がアップしたとか、発見する力ができるようになったということを示しています。負担感がほぼ変わらないというのが右側です。皆さん、負担でしょうとおっしゃるのですが、もともと気になる子供さんには負担感を持っておられます。だから、スクリーニングをやったから負担になるわけではないというのが、これを見て分かります。
 一番下に、毎月やっておられる学校もあるのです。これはいいと言って。私は先生に負担になったらいけないので、最低学期に1回やってくださいと言っているのですが、毎月やっているような、5回以上やっていると、たくさんやればやるほど負担感は減っているのですね、逆に。そんな結果でした。
 もう1個、結果をお見せすると、さっきの議論があるかないかの違いです。チェックだけしていると、例えば、遅刻・早退も減らない。だから、やはり先生方の議論は大事です。でも議論はあえて別途時間を取るのではなくて、毎月やっておられる学年会議を利用してくださいと。このためにやるのではなくて、今でも、学年会議で気になる子を議論されているんです。それをデータを基にやってくださいとお話をしているということです。
 それから、いじめなどの友人関係も減っていってます。そして、ワーカーがいるかどうかという先ほどの話です。ワーカーが参加していくと、好転していく。でもワーカーが参加しないと好転していかないみたいな、これは案が出ないんです。クラウドをやっているとAIが判定します。だから、ワーカーがいなくても、ある程度AIが判定していくのに、言うとおりにしなさいという意味ではないので、そのとおりするかどうかを先生が議論する。ワーカーの代わりみたいなものかもしれません。でも、ワーカーがいないと、先生方は結局ピックアップしないし、全部A判定にしてしまう。学校で抱える。学校で先生が、担任が抱えるって、もうこの答えばかりでした。なので、私はもうクラウド導入を決めたという。初めはエクセルだけでやっていたんです。でも先生が動いていけないんですね。それでAIを導入して、クラウドを導入しています。スクールソーシャルワーカーが参加すると、やはりいじめや遅刻なども好転しますというのをお見せしています。
 少し飛ばして、経緯を見ると予防が大事だというグラフです。1学期にピックアップした人と、2学期にピックアップした人で、こんなに違っていくということですね。2学期になったら悪化率が上がっているということです。1学期にピックアップしたら、悪化したとしてもそんなに悪化していないという、悪化した人を捉えたときに、こんなふうに変わります。だから、予防というのはなかなかどうやって測るのかと、政府でも、さっきのJSTの調査をしている私たちとも議論していますが、時系列でずっと追って、子供たちのデータを見ているということです。
 こんなふうに、やり方も工程をお見せして、サポートにも入って、YOSSを使っていくということに支援をしております。今、35自治体ぐらいが参加しているという。もう政府は、文科省もこども家庭庁もDXをもちろんおっしゃっていて、今、このYOSSにも校務支援と連結させたり、昨日もエレコムさんと連携する話をしています。というような、いろいろな学習支援ツールのnavimaという、不登校の子が自分で家で勉強できるようなツールなどとも、これからデータ連携していって、1人1台端末で、簡単に子供たちが支援を受けれるようにしていこうと、未来志向はそう向かっていっていると、今そういう議論をやっている途中です。
 ぜひ、そういう意味では、前、大阪公立大学の取組にも参加してくださった議員さんがいらっしゃって、ありがとうございます。コンソーシアムをつくろうと、またお知らせしますが、今度12月20日に準備会をするつもりです。自治体さんは無料で、企業さんは有料会員になってもらって、盛り上げていこうという、子供たちの支援に回していこうということを、今、動こうとしています。また御案内したいと思います。
 これらは、勝手にやっているわけではなく、文科省が出した、この児童生徒相談体制の充実というところにもスクリーニングはもう入っています。なので、ここを基に、この絵は私が描いて文科省が採択したのですが、描いた絵に責任を持って、私は実装している、そんな感じなのです。決して売り込みたいわけではなく、この絵を描いた以上、いや、山野先生、絵に描いた餅でしょうとやはり言われる。なので、実際にやっていく実態をつくり、効果をつくっていきたいと思っています。
 これは先生の反応で、AIデータを入れることで拒否感もありますけれども、こういった、あるという先生もいらっしゃいますが、原点に戻ったと、自分のところでもっとやることがあるのではないかと思ったと、さっきのおはようと言おうみたいな、そんな話です。そんなこととか、気づかなかった子供のリスクに気づくようになったということは、正直にたくさん出ています。
 そんなことで、今までの中で、課題は、多分静岡県さんだけではなく全国共通、地域資源が少ないということと、先生から見えないということ。それから会議をうまく回す人材や、スクールソーシャルワーカーが全校にいないということです。なので、ファシリテーターの養成スキルをつくったり、地域資源を熟知するようなシステム改修、システムもそういうものをつくっていこうと、今しています。
 最後ですが、教師は教えることで生き生きしていくわけですし、スクールソーシャルワーカーは、声なき声を発見して支援につないでいくことで、貢献していけるわけです。そのためには、まず充実というのが、こういった充実が要るのではないか、教師が教育活動に専念できるように、先ほど申し上げた生徒指導提要にある、生活を把握することはもちろん、あるとは思うんですけれども。
 そんなことを、最後に、政策として期待することということで、少し挙げさせてもらいました。
 これは1つは、やはり子供の権利条約にまつわることです。法改正されて、子供の権利が各所に入っています。こども基本法にも入っています。最善の利益という。だから、何のためにスクーリングをするのか、何のためにYOSSを使うのか、クラウドにするのかなどですね。原点をいつもそこに持っていかないと、教師の働き方などに行ってしまうと、ぶれてしまう。先ほど申し上げた、先生の働き方を過酷にしているわけではないということも、お伝えした上でですけれども、思います。こども基本法もできました。
 まだまだ残念なのは、日本の法律は、考慮されることになっているのです。考慮されること。でも、子供の権利が充実してる国に行くと、「ねばならない」「支援しなければならない」となっているのですね。例えば、さっき申し上げたフィンランドの方と、今も交流していて、もう全然違うということをおっしゃっています。日本人の方です。そんなことにどうやって近づけていけるのかと、一応イギリスとフィンランドの例を載せています。
 最後に、どうやって近づけていくのかというところで、考えられている、全部という意味ではないですが、皆さん議員さんでいらっしゃるので、施策をつくっていくという意味では、まず課題は、子供の権利保障を実効性あるものにしていく、もうそのことが1つ重要だろうと。だからどれぐらい浸透してきたのか、研究レベルで調査をしていますが、どれぐらい改善してきたのかなども必要かもしれません。それはゼロ番として、1番はやはりスクリーニングを学校に制度的に位置づけられないかと思います。先ほど申し上げた母子保健法で検診があり、検診の後、スクリーニングをかけてというのが、法律などで位置づいている。法律となったら、国の作業になるのですが、要綱や条例など、要綱でスクリーニングを位置づけてやっておられる自治体は複数あります。要綱で位置づけてゴーしていかないと、なかなかある学校だけ頑張ってますみたいなのが、結構しんどくなっているところもあります。
 それから、スクールソーシャルワーカーも、さっき申し上げた職責が少し曖昧なんですね。これは自治体レベルで、ワーカーが何する人かみたいなことも、はっきり要綱に明記する必要があるのではないかと。国で言ったら施行規則にもっと入れていくべきではないかということは申し上げています。
 それから、データ連携の規定がないです。自治体の市長部局と教育委員会のデータ連携がしにくいとかですね。DXの課題はたくさんあります。これは、ぜひ皆さんの力がないと変わっていかないのではないかと思います。個人情報保護などは、もう皆さんの御専門だと思います。
 最後は、価値教育、ゼロ次予防です。価値教育みたいな、スティールマーカーされないような、子供たちにあるがままを言っていいんだよみたいな文化をつくっていくためには、そこは何らかに入れていく必要があるんじゃないか、いろいろなところにいろんな角度で入れていく必要があるのではないかと思いました。
 最後はいろいろな資料を書いているので、またこんなふうに切れ目なくつながっていくということを、図で示しています。
 以上が私からのお話でした。御清聴ありがとうございました。

○鳥澤委員長
 どうもありがとうございました。
 以上で、参考人の山野様からの説明は終了とさせていただきます。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にお願いいたします。質問はまとめてするのではなく、一問一答方式でお願いいたします。
 それでは、ただいまから御質問、御意見等ございましたら、各委員の皆様におかれましては、発言をお願いいたします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp