本会議会議録


質問文書

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令和7年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:早川 育子 議員
質疑・質問日:03/06/2025
会派名:公明党静岡県議団


○早川委員
 一括質問方式で質問させていただきます。
 初めに、静岡県立こども病院における子供と家族の生活環境の整備について伺います。
 県立こども病院におきましては、最先端の医療を駆使して県内のみならず国の内外から多くの患者さん、御家族を迎えて多くの命を救っていただいていることに感謝申し上げます。
 一方、こども病院が開設されてから年数も経過して施設も老朽化しているところであります。特にコロナ禍を経て院内の家族や患者に対する食堂が現在閉鎖されていると伺っております。こども病院の周辺を見渡しますと飲食店はおろかコンビニもない環境で食堂がなくなってしまったことに対して患者さん、また御家族が非常に不便であると伺っております。実は昨日様子を伺ってまいりまして、委託業者が採算性の問題もあって非常に難しいと伺ってまいりました。
 同時に、長期入院の御家族に対して定額で宿泊を提供するコアラの家を運営していただいていることも感謝を申し上げますが、整備され必要な家電は整っているんですけれどもお部屋の畳もかなり擦り切れて本当に老朽化しており、どうしたものかと心配したところであります。
 一方、数年前からマクドナルドハウスが建設をされるとも伺い、本会議でも質問があって期待が寄せられておりましたが、最近聞かないところであります。
 そこで、こども病院の食堂、宿泊施設の現状をどのように認識して今後どう取り組んでいかれるか伺います。

 2点目は、困難を抱える女性への支援について先ほど8番委員、9番委員からも質問がございました。3月8日に国際女性デーを迎え、女性の健康は全ての人の笑顔につながると今各地でいろんなイベントが組まれています。委員長も本会議で質問されましたが、困難を抱える女性の支援の基本は女性の健康支援にあると思います。初潮を迎えて子供を産む準備ができる段階から健康と生活が女性にとって切っても切り離せない状況とあります。望まない妊娠をして出産して子供をどうしたらいいか分からないため事件につながる例もありますし、またそこから困窮、貧困で母子共に健康も損ないかねない状況で生活を営んでいる女性もいらっしゃいます。
 こうした女性を支えようと団体が集まって、先日ミーティングに参加させてもらいましたけれども、今回上程されております事業が非常に重要だと思います。先ほど8番委員の質問で答弁がありましたが、本当に困難を抱える女性を救えるのか疑問が残っております。
 連絡協議会は年2回で実務者も含めたミーティングをやるとのことでありますが、もう少し大きくまた広く回数も重ねていくべきではなかろうかと思います。
 また、支援事業で人件費を含まない団体への支援を新規で上げていただいて非常に助かるのですが、人件費を含まず1団体マックス60万円で女性を支える事業が本当にできるのか疑問があります。事業内容についてももう少しきめ細かく対策を取っていただきたいと思います。でき得るならば実際に支援に当たっている団体や事業所または市町との連絡会なり実際にきちんと調査していただきたいと思います。どういう支援をしていくことが必要なのか。どういう対策をしていったらいいか調査をぜひやっていただきたいと思いますが、その点について伺います。
 さらに、女性の健康支援は大人になってからではなく子供の時期あるいは18歳、成人を迎えるぐらいから、自分がどういう相手とどういうタイミングで子供を産み育てていくか人生設計も含めて考えていく機会を設けるべきだと思います。女性の健康支援の教育をぜひお願いしたいと思いますが、この点について伺います。

 3点目は、東部地域における医師不足対策について先ほど5番委員から質問がございました。5年後に東部地域の医師の割合を33%にすることを目指すと宣言していただいて、東部に住む人間として心強く思います。一方で浜松医科大学また順天堂大学病院附属病院との間で東部に対して非常に力強い支援を頂けるとのことでありますが、特に指導医招聘や、寄附講座を開催しながら地元の病院との連携が順調に進むことを願っておりますが、大事なのは受入れが順天堂大学病院だけでなく東部といっても本当に広くて、私の住む富士市、富士宮市、沼津市、御殿場市、伊豆半島の広い地域で公立病院がそれぞれ抱えている課題がございます。公立病院や医療機関との連携を丁寧にやっていかないと感情論で事業が進まないのは非常に困るので丁寧な推進をお願いしたいところですが、具体的な取組について伺います。

 最後に、認知症対策について本会議の我が会派の一般質問で認知症対策を推進していただける内容を伺いました。新しい認知症観で、認知症になったら何もできなくなるのではなく認知症になってからも一人一人が個人としてできることや、やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間などとつながりながら希望を持って自分らしく暮らし続けることができるとの考え方は本当にすばらしい、また理想論だと思います。でも本当に理想論で終わらないためにも新しい認知症観を共有し啓発して認知症になった方もそれを支える家族や地域も安心して過ごせる体制をつくらなくてはならないと思います。
 そこで、一般質問の再質問で出ました認知症バリアフリーの考え方を広げていくとありますが、皆さんに勧める一丁目一番地の県が認知症バリアフリー宣言をして各地域、企業、団体に推進していただきたいと思います。再質問でクリアしなくてはいけない条件があると青山健康福祉部長から答弁がありましたが、クリアすべき課題はそんなに難しいことではないと思います。ぜひ県が率先してバリアフリー宣言をして各地域に勧めていただきたいと思いますが考えを伺います。

○米山医療政策課長
 県立こども病院における子供や家族の生活環境について、まず食堂ですけれども現在休止しており、外来患者や付添いの御家族は院内のコンビニでお弁当等を買っていただいて食堂スペースで食事を取っていただいていると聞いております。
 また、マクドナルドハウスにつきましては入札不調後に、いろいろ検討しておりまして、現在県立病院機構で建設費の高騰にどのように対応していくか検討中と聞いております。
 県では、県立病院機構が行う施設整備等につきまして病院機構の各年度の事業計画に基づいて貸付金を予算計上しており、貸付金で県としては支援していきたいと考えております。

○村松こども家庭課長
 困難な女性支援の関係について、まず支援調整会議ですけれども先ほどお答えさせていただきました3階層にわたる代表者会議、実務者会議、個別ケース検討会議に階層が分かれておりまして支援が必要な女性をいかにして支援につなげていくかが個別ケース検討会議になり今年度9回開催しているところです。大きな会議は年度当初なり年度末の機会を通じてそれまでの取組の評価や今後取り組んでいく方向性の合意を考えております。10番委員御指摘のとおり困っている方がきちんと支援につながっていく体制整備を関係機関が共通認識を持って情報共有しながらつくることに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目の支援事業の関係につきましては民間の活動団体に対する支援金的な意味合いでございます。より困っている女性を大きな支援につなげていくとなると、例えば今回社会的養育推進計画にも入れさせていただきました妊産婦等生活援助事業につきましては、望まない妊娠とそれ以外にも妊娠の葛藤を抱えている特定妊婦に指定されているハイリスクな妊婦を主な対象としています。相談や一時的に滞在して生活支援を行う国の事業がありますが、助産師や看護師、保健師といった専門職種を確保して展開していくところもありますのですぐにはできないのですが、前向きに考えているところですので調整しながら立ち上げを進めていきたいと考えております。
 3つ目の調査ですが今年からスタートした困難女性の支援計画を策定するに当たって、様々な市町やいろいろな相談業務、支援金をやっている団体や機関に困り事や実際にどういった相談が多いという実情を確認させていただきました。計画のときだけ状況を確認するのではなくて、10番委員御指摘のとおり実状をしっかり把握して施策に反映させていくことは大変重要だと思っております。調査といいますか、どのように進めていったらいいかも含めて今後検討して進めていきたいと考えております。
 最後に、女性の特に若年層における人生全体の健康管理ですけれども、将来の妊娠から出産ひいては将来にわたっての健康的な生活を送っていくためにプレコンセプションケアを推進していこうと今取り組んでおります。それ以外にも特に思春期の子供たちの教育では各健康福祉センターで地域の学校、教育委員会と協力し例えば望まない妊娠やプレコンセプションケアの講座をやっております。
 それ以外に、今後もプレコンセプションケアを進めていくために研修会等を開きまして研修研修会や講演会を組み合わせながら女性の健康づくりの普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。

○松林地域医療課長
 新年度の医師偏在対策のうち、受入先となる病院の調整ですが10番委員御指摘のとおり受入先の病院との調整は非常に重要と考えております。2月中旬に新規予算事業を県内の東部地域の富士、駿東田方、熱海、賀茂の4圏域の市町長や公立病院長等が集まる会議で当課から御説明させていただき、御協力をお願いしたところでございます。
 病院総合診療医、小児科医、産婦人科医ができるだけ東部の病院に多く入っていただくプログラムをつくっていきたいと考えております。また指導医重点派遣事業につきましては浜松医科大学とも十分連携を図って、これまでも県では東部地域の病院にも定期的に出向いて病院長と面談して把握しております。病院の体制などの状況も踏まえながら大学とも十分意見交換を図り、派遣する病院等について十分考え、全体として東部地域で指導体制をより充実させて好循環を生むように取り組んでまいりたいと思います。

○村松福祉長寿政策課長
 認知症バリアフリー宣言でございますけれども、12月に国で決定された認知症施策推進基本計画に位置づけられている認知症バリアフリーの推進の具体的な取組の一つだと認識しております。
 認知症バリアフリー宣言につきましては、社内職員の人材育成、介護離職防止の社内制度、認知症の方や御家族が利用しやすい環境の整備、動線や掲示を分かりやすくする、接遇のマニュアルの整備を宣言基準として、4項目が設けられているところでございます。
 県の取組といたしましては、経営管理部をはじめとして各部局との連携が必要であると考えております。認知症バリアフリーを推進するためには認知症バリアフリー宣言に向けまして庁内の関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。

○早川委員
 県立こども病院における子供と家族の生活環境の整備について現状は分かりました。病院機構が主体者になることも十分理解しておりますが、静岡県立と名乗っている以上は病院機構が進めやすいようにぜひ支援をお願いしたいと思います。特に、今回入院中の子供の家族の付添い等に関する環境改善事業費を一般の病院に対しては発信していて、こども病院も使うまでもなく県がしっかり支援して環境整備していただくように協力体制をお願いします。特に食堂の運営は非常に難しい経営の問題があると思いますが、例えば県庁で障害のある方々が運営している喫茶ぴあ〜のような形で上手に運営ができる方策あるいは社会貢献を考えている企業等を募って運営するなどいろんな手法があると思うのでそこは病院機構とも協力してお願いします。
 さらに、マクドナルドハウスにつきましてもここだけでなくて県が今抱えている新規の建築物に対する資材高騰、人件費高騰で入札不調は本会議でも話題になりました。
 ただ、コアラの家がそのまま永続的に続けられる状況ではないと思いますので、しっかり予算確保し応援しながら今後の道筋をつくっていただきたいと思います。そのためにも私たちもエールを送っていきますし、いろんな知恵で協力していきたいと思いますのでお願いします。
 2点目の困難を抱える女性への支援について調査もやっていただけることはかなり期待したいと思います。
 いろんな困難を抱える女性と一口に言っても、例えば御本人が発達障害などを抱えて生きづらさを抱えているのか、性に関する課題があるのか、家族関係の問題なのか、それぞれ個々に違って支援する団体あるいは行政の職員も非常にケースバイケースで困っていると伺っておりますので、きめ細かな調査をしていただいてその結果に迅速に対応できるようにお願いします。
 東部における医師不足対策につきましては、連携を取り始めて協力をお願いしているとありますのでしっかりと事業が執行されるようにお願いします。

 最後に、認知症対策については協議の状況や現状で他部局との調整も必要だとは分かりますが、健康福祉部が意欲を持って調整していかないと優秀な職員が介護のために離職したり、あるいは仮に若年性認知症にかかられてしまった方も職務を遂行できるように周りできちんと体制を整えるのは喫緊の課題であると思います。もう一度認知症バリアフリー宣言について青山健康福祉部長に答弁を求めたいと思います。

○青山健康福祉部長
 本会議におきまして、御質問を受けまして検討すると答弁させていただきました。その後すぐに経営管理部長と話す機会がありましたので、進めていく方向で考えていこうと話をしました。
 先ほど村松福祉長寿政策課長から説明がありましたとおり、職場として対応がいろいろ必要になってきますのでやるからには組織として職員にしっかりとバリアフリーの考え方を浸透させなければいけませんし、対応していかなければいけないことになりますので体制をきっちりつくったところで、できるならば宣言したいと考えております。

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