本会議会議録
質問文書
令和6年11月人口減少社会課題対応特別委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 市川 秀之 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 11/25/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○市川委員
矢野様、ありがとうございました。
一番最初におっしゃられた、これまで何度もあった物流危機というところに私はすごく感銘を受けたんですが、私も小さな会社をやっていて、その経験の中で思うんですが、危機のたびに日本は乗り越えてきて、物流サービスを進化させてきていると思うんですね。コールドチェーンも含めて日本はそういった部分で世界一だと思っていますし、やはり島国特有でリターナブル容器も発達しているし、日本人が生食を好むのも、特別そういうことを発達させたのかなと思っています。危機のたびにそれを乗り越えると、また運送業者さんも含めて荷物を集め出すんですね。私の会社も福山通運さんや西濃運輸さんを使っていたんですが、ヤマト運輸さんや佐川急便さんがうちにも仕事を出してくださいと、仕事が回り出すとまた取りに来るわけですよ。そうすると、そこで競争原理が働いて価格が安くなっていくと。
今回も、2024年問題でこれだけ騒がれていて、ここをいろいろな観点でみんなが取り組んでクリアすると、次また競争原理が起きて価格が下がったりとかということが発生しかねないと思うんですね。
上手にその辺のバランスを取っていく必要があると思うんですが、その辺の取り方を、何か見識があれば教えてください。
○矢野裕児氏
非常に難しい質問です。
何でこんなに物流が1990年代の初めに問題になったのに、ここまで30年ぐらい昭和の物流だったのかと思うときに、日本の企業は自分のところの効率化はすごい得意なんですね。自分企業の中だけでいうと、工場の中の生産性を上げるとかそういうことは本当に得意ですが、ほかの企業と一緒にやるとか標準化するのは非常に不得意なんですね。もうこれはあらゆるところでそうですけれども、そういうところで結局物流とは何かと何かをつなぐところですから、すごいしわ寄せがきてしまっているのが現状だと思うんです。ここを何とかしないといけない。物流の問題というか、いろいろな意味でのつなぐところの議論が日本が遅れていたところは何とかして全体として見直すことが重要だと思います。
そのときに、標準化などをするときに、ある意味でルーチン化することによって安くできる部分はすべきだけれども、そうではなくルーチン化できないところは逆にしっかりとお金を取るべきです。ところが今は、ルーチン化したものとカスタマイズしたものの料金が一緒なんですよね。物流事業者がカスタマイズしたからといってお金を高くもらっていないんですね。ここが問題で、つまりきちんとルーチン化してルーチン化できないところはしっかりとお金を高くもらうことは非常に基本だと思います。それをやらないで来ちゃったのは物流の大きな問題点だろうと思います。
それから、ちょっと大きな話になるんですが、よく日本の物流がこれだけ効率が悪いといったときに、海外、欧米はあんなに効率化しているのに何でできないのとすぐ議論されるんです。言いたいことは分からないでもないですが。
ただ、いろいろ日本の物流などを見ると、だんだんやっぱり日本では無理だという議論がよくある。何かというと、標準化されていないのは、例えば小売業は、日本の大手小売業の上位5社で大体今3割ぐらいだと思います。海外で欧米だと大体七、八割いくんですね。それから、メーカー数も非常に限られていて、日本みたいに商品の数が多いところはほかにないです。生鮮は特にそうですが、大田市場にある日行ったらリンゴが50種類ぐらいありますし、例えばビールもいろいろな種類が出てきます。海外でこんな商品の種類を出しませんよね。日本は、とにかく商品の種類が多い。それから消費者にとっては小売数もメーカー数も非常に多品種で、ある意味でこれが食生活の豊かさをもたらしているのは間違いないんです。こういうのを保ちながら日本が流通システムを組むのは重要だと思っています。いきなり欧米型みたいにどんどん切っていき、大きなメーカーと多くない小売があればいいという流通にすれば別ですが、それをやってしまうと日本のよさがないので、日本型の流通システム、日本型の物流システムを構築するのはほかの国にはできないところです。そこを日本が構築するのはとても重要かなと思っています。
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