本会議会議録


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令和7年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:桜井 勝郎 議員
質疑・質問日:03/06/2025
会派名:無所属


○桜井委員
 予算については別に異論はありませんが、教育行政全般について一問一答方式で二、三お聞きします。
 今回定年を迎える幹部職員の方が数名いらっしゃると思いますが、水口教育部長も定年ですか。再任用されるかどうかは分かりませんが、宮ア理事も定年を迎えるようです。
 私は6月定例会の委員会で池上教育長にお聞きしましたが、教育行政は一般行政と違って特殊で専門的な要素があるので、現場で叩き上げた人間が教育委員会の幹部になって現場のことを知っている上で指示を出すのがいいと思っていますが、前知事のときに一般行政職を教育委員会に派遣させることになり多数の方が課長クラスで来ています。
 現場で一生懸命やってきた方たちが教育委員会へ来て、課長前後になって校長あるいは副校長としてまた現場に戻っていくやり方が、一番現場のことが分かっていていいと思っていました。ましてや前知事は現場主義と言いながら一般行政職を教育委員会に出向させた。
 これについて、一般行政職から派遣された水口教育部長、叩き上げで現場のことをよく知っている宮ア理事のお二方は今までやってきてどう思ったのか、餅は餅屋に任せたほうがいいと思うのか。お辞めになるから言いやすいと思うんですけれどもお二方の御意見を聞きたいと思います。

○宮ア理事(政策管理担当)
 私は教育行政事務で採用されて勤めてまいりましたので、まずこの配置に至った経緯について御説明させていただきたいと思います。
 平成24年度に、教育行政の在り方について、まさに7番委員がおっしゃった知事主導で教育行政の在り方検討会という外部有識者による会議が結成され、当時私は教育委員会側を担当しておりました。
 この頃は全国的にも教育委員会制度の形骸化や教育課題が指摘される中、教育の中立性を確保しつつも予算権や総合調整権のある首長部局との連携強化が必要であるとの認識が高まっておりました。
 県内でも学力の低下傾向、教員不足が叫ばれる中、学校現場を重視した教員配置に向けて課長職を含む優秀な教員を100人規模で学校現場に戻すことといたしました。このため教員の事務局業務を精選し、教員に依存していた多くの業務を行政職が担うことになりましたので、事務局の定数を改正し知事部局との戦略的な人事交流を進めてまいりました。
 時代の変遷とともにニーズも変わりますので、変化に対応できる組織づくりが必要と考えております。

○水口教育部長
 私は、知事部局から行政職員として教育委員会に来ております。6月定例会の委員会で池上教育長が答弁申し上げたとおり、教育行政を進める事務局においては多様な見方を持ったスタッフが集まっており、特別支援教育課は少し専門性が高いものですから別としても、基本的には法的な根拠や予算の組立て、他部局との折衝、調整に経験豊かな一般行政職の課長が、教員であり学校の状況を十分に理解した人事監や指導監、教員事務に精通した宮ア理事のような教育行政職の職員の意見を尊重してまとめながら最終的には課全体のマネジメントを課長が行い、行政課題を政策に落とし込み執行していく現在の体制が現時点において望ましい形ではないかと思っております。
 ただし、組織は変化する時代の要請に対して柔軟に変えていけばいいものと思ってもおります。現在はコロナに全庁を挙げて取り組み、そうした取組を経て教育がこれまでにない大きな変革をいや応なしに求められている時代になりました。
 変革する場合には、既存の枠組みを壊すことも必要であり、また掛け算で新しい仕組みを生み出していかなければならないこともございます。そうしたときには、これまでの教育の枠組みや発想だけでは対応できないものもあろうかと思います。教育の課題も社会全体の課題に拡大しておりますので、そうしたことも十分対処しなくてはならない。こうした変化を求められる時代においては、既存の枠や発想にとらわれることなく幅広い経験とネットワークを有する行政職員が変革を生み出し方向性を導き出しやすいのではないかと考えています。私がここにいる意味もそういう意味であろうと思い、そういうことができるように努めてまいりました。
 今しばらくこの変革の時代は続くと思いますが、ある程度変革が定着して現場への落とし込みが主たる課題になれば、むしろ教員のほうが優れた能力を発揮できることもあるかもしれませんので、固定的に捉えることなく目的を戦略的に遂行できる体制に柔軟に変えていけばいいのではないかと思っております。

○桜井委員
 お二方のおっしゃることはよく分かるんですけれども、教育はやっぱり一般行政と違います。子供の教育とは教えるだけじゃなくて徳育であって、そういう面から見るとやはり現場をよく知っている者が教育委員会に戻ってきて指導し、現場の人がそれに応じていろいろなことをやっていくのがいい。一般行政職は無駄を省こう、要するにコストパフォーマンスや費用対効果を重視する。お金がかかるから節約するために、例えば中山間地の小中学校を廃校にして統合する。それは経費がかかるなどいろいろなことを言いますけれども、教育行政とはそういうものではない。先ほどの説明でもバーチャルやオンライン教育などいろいろ言っていますが、私は教育は昔からの原始的な教育でいいと思っている。だから効率や費用対効果ばかり考えて、特に中山間地の学校を廃校にして統合させるのは、それはコストからすればいいかもしれないけれども子供を大人にする教育のためには果たしていいのか。ましてや今自然環境を守るときに小さな学校をどんどん潰してバスに乗せて町なかの学校に行かせるのは、それが経費節減のためだとしたら間違いだと思います。
 そういう面で、6月定例会の当委員会で池上教育長からはこれからも一般行政職も入れて教育行政をやっていくと答弁がありましたけれども、池上教育長は6月に私に答弁したことについて全然変わっていないのか。やっぱり現場は現場の人に教育行政をやってもらうのが一番だと思い始めたのか、いや今までどおりですよということなのかお聞きしたいと思います。

○池上教育長
 結論を一言で言うと、私の考え方は基本的に変わっていません。特にこの県庁7階、8階の県教育委員会において、今の形は変化が激しくどんどん状況が変わっていく現在において、教員のみの教育委員会と比べて柔軟に対応できる組織環境だと理解しています。
 昨日、静西教育事務所に行ってまいりました。これは静岡県の西部地域の主に義務教育に関する指導や人事等をつかさどる部局です。基本的には学校の教員籍の方がその組織のトップをしています。私は教育事務所レベルのものはやはり教員がトップを担うべきだと思っております。そのときいみじくも所長が、教育事務所は議会や予算と関係ないからと言ったんですね。つまり施策を実際落とし込む、あるいは市町の教育委員会と連携を取りながら、場合によってはその地域の先生方一人一人の顔を思い浮かべながら最適な配置を考えて人事異動を組んでいくことは一般行政職にはできないと思います。
 一方で、私はもうじき3年になりますけれども、県庁の中の組織としての教育委員会を見ていると、課長職に求められる能力、資質は先ほど水口教育部長も発言したとおり全体の課のマネジメント、それから多様な意見の調整、法的な背景とのしっかりとした整合性を考えた上で予算にしっかり組み込んで財政部局や関係する部局等と調整を図っていくことになりますので、その適性が教員籍の方と行政職の方とどうであろうかといったときに、私は今のようにしっかりと指導監、人事監に学校籍の方がいらっしゃって、その意見を聞きながら行政職がやっていくのが現状の環境下においては1つの、最適解というと言い過ぎかもしれませんが柔軟に対応できる形だと理解しております。

○桜井委員
 池上教育長の答弁は前知事の考えと同じで、前知事の人事で教育長に指名されたと思います。議会で同意をしていますからね。けれども前知事の意向を組んでやるにも前知事はお辞めになった。
 私は教育行政について一般質問をしたことがないので鈴木知事の考え方はどうか分かりませんが、前知事の人事で就任した副知事は知事が変わったことでお二方ともお辞めになる。別に池上教育長が不適格とかそういう意味じゃなくて、私が市長になったときにはそれまでいた助役も収入役もみんな辞表を出して辞めました。教育長もまだ二、三年あったのに辞めた。
 慣例と言えば慣例かもしれないけれども、私の考え方と前市長の考え方は違うから前市長の考え方で就任した人だからお辞めになるのは仕方がない。けれども今回は増井副知事はまだ1年もたっていないが副知事2人が辞める。何で辞めるかは聞いてないですけれどもね。
 こういうことを考えたときに、池上教育長は多分まだ任期が2年あると思いますが、今の考えでこれからもやっていきたいということでこのまま引き続き教育長をやるのか、あるいは進退をお考えになっているのか。ちょっと聞きづらいですけれども答弁ができたらお願いします。

○池上教育長
 鈴木知事就任の折に、特に進退伺いはいたしませんでしたし知事からその旨の話も受けておりません。知事自身が教育長ポストについてどういうお考えをお持ちかは直接意見交換をしたことはありませんけれども、第2期に議会の皆様から承認を頂いたということで、私は今のこの状況下において県の教育を前に進めていく上で私の持てる力が生かされるのであればその任期を全うするつもりでおります。
 今、教育行政においてしっかりと日常的にやっていくことのほかに戦略的に取り組む必要のある項目も多々あろうかと思います。もし大きなものを3つ挙げるとすれば、探究的な学びの浸透、ポストコロナの時代を見据えてグローバル人材の育成、あるいはグローバルマインドと言った方がいいかもしれませんがそういった教育、さらに高校の在り方についての全県的な議論があります。これについては私が就任以来、かなりこれまでの県教育委員会の経験にない形も取りながら進めてまいりました。例えば高校の在り方の検討については、地域協議会という形はこれまでの県教育委員会には全くなかったんですけれども10地区で行いまして、私自身が首長さん、市町の教育長さん、同窓会の皆さん、地域の経済界の方々と一緒に議論をしております。こういった形が今まさに進行中ですので、それをしっかりと成就するのが今の私のミッションであると認識しております。

○桜井委員
 池上教育長のお考えはそれでよろしいかと思いますけれども、私の考えではやはり教育行政は一般行政職と違って対人間関係の仕事でございますので、ある程度予算や効率を考えないで愚直な気持ちでやったほうがいいと思います。
 だから、お金がかかるんだったら財務の部署だけは一般行政職とやり合える人を教育行政に携わらせて、あとはやはり現場の皆さんに任せる。今教師になりたがる人が少ないとも聞いていますが、もちろん子供の数も減っていますけれども、そういう形でやっていったほうがいい。私個人ではいろいろ今まで経験して、先生方もある程度やりがいがあると感じています。一般行政職からどんどん幹部が入ってきたのでは多少なりとも気持ちが廃れるんですよ。ある程度教育行政は愚直な気持ちで対面教育をやったほうがよろしいかと思います。

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