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委員会会議録

質問文書

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令和2年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 一 議員
質疑・質問日:10/05/2020
会派名:自民改革会議


○天野委員
 それでは、一括質問方式で2問質問させていただきます。
 1つは児童虐待についてであります。
 従来ですと、日本の社会では家族制度で親が子供のために命がけで子供を守ることが常識であったのが、今は親が子供を虐待する、殺す、今まで考えてもみなかった事象がここ近年続いて非常に残念に思います。そういった中で令和も児童虐待の数が増えてきているわけです。
 警察の皆さんにおいては、こういった犯罪を防止するために本当にいろんな形で努力してくれることに心から感謝申し上げたいと思います。
 こうした中で、県警本部は児童相談所と平成24年度に全国に先駆けて児童相談所から警察への緊急連絡制度を創設して、いろんな形で協力体制を取って今日まで至っておりますけれども、今年4月からは警察官を児童相談所に1人派遣、出向させております。
 児童相談所との連絡協定、そして警察官を児童相談所に出向させたことによる成果、状況についてお伺いしたいと思います。
 そして今後、警察官派遣についてさらに増員を考えるかどうかについて1点伺いたいと思います。
 
 次に、児童虐待も含め障害者差別、人権に関わる犯罪が今幾つかあるわけですけれども、警察の内部で人権に対する研修、教育はどのように行っているのか。
 末端の現場で働く警察官たちが、人権に対する意識、そしてそれが犯罪につながることについての特別な研修を行っているかどうか伺いたいと思います。

○原田人身安全対策課長
 児童相談所との連携協定や警察官を児童相談所に出向させたことによる成果についてお答えいたします。
 昨年3月、県警察と児童相談所との間で連携協定を締結いたしまして、児童相談所が虐待と認定しました情報を全件共有するとともに、危険度に応じた共有すべき情報がより明確化されました連絡基準を設けまして、児童の安全確保のための相互の協力と連携に努めております。
 その成果として、児童相談所から警察に寄せられました情報提供の件数は、連携協定締結前の1年間は51件であったところ、締結後の1年間は72件でプラス21件――率にいたしましてプラス41件と大幅に増加いたしました。
 さらに、今年度から警部の階級にある警察官を静岡県中央児童相談所に出向させておりますが、その目的は県警察と児童相談所とのさらなる相互連携、相互協力であります。
 警察官が双方の橋渡し役となることで、児童相談所との協定に基づく情報の共有がより迅速かつ円滑に行われるようになったところであります。
 具体的には、事案認知時に警察官の知見から、児童相談所の職員への助言により早期の児童の安全確保と加害者の検挙につながった例がございます。
 さらに、関係者からの事情聴取につきまして、これまでは警察と児童相談所が別々に聴取を行うなど関係者に二重の負担をかけておりましたが、出向中の警察官がこの調整を取ることにより警察官と児童相談所の職員が共同で聴取し関係者の負担軽減につながっているところであり、着実に成果が上がっております。
 今後のさらなる連携強化に向けた取組方針についてお答えいたします。
 児童の安全確保を図るためには、県警察と児童相談所のさらなる相互理解、連携、協力が不可欠と考えております。
 このため、出向中の警察官が児童相談所の職員を対象として立入調査、拒否世帯への訪問訓練等におきまして警察で蓄積したノウハウを基に対応要領の指導を今後行うこととしているほか、警察では警察学校の生徒に対しまして児童相談所の業務について教養すること、さらに当該警察官が任期を終えて県警察に戻った際には児童相談所での経験を警察に還元することによりまして、県警察における児童虐待への対応力を強化してまいりたいと思います。
 児童虐待につきましては、主に家庭内で発生し非常に潜在化しやすい事案でありますので、虐待を見逃すことのないよう児童の安全確保を最優先に考えて、強い姿勢で臨んでまいりたいと考えております。
 1点訂正ですが、率にして先ほど41件増と申し上げましたけれども、41%増の誤りですので訂正をお願いしたいと思います。

○水嶋警務課長
 人権問題に対する教養状況について御説明いたします。
 警察の職務は極めて権力性が強く、各種の法律によって実力行使の措置の権限が付与されている一方で、国民の基本的人権と深い関わり合いを持つ職務であることからその職務執行に当たっては特に公平、中正でなければならない特性を有しております。
 また、私生活におきましても警察職員は自らを律し清廉潔白でなければならず、崇高な使命感を担う警察職員としてあるべき姿を求め、倫理観を高めることを公私の別なく実践していかなければならないものでございます。
 すなわち、警察の責務を遂行する上で必要不可欠な奉仕の精神や公平中正な態度の堅持、警察組織の生命である厳正な規律の保持などを涵養することが重要でありまして、県警察が重点目標に掲げます県民の期待と信頼に応える警察の確立を実現する上でも職務倫理、服務倫理、教養の徹底は非常に重要であると考えておりまして、これを様々な形で実践しております。
 具体的には、警察署におけます職場教養におきまして所属長や教養担当者による訓育、教養を行っておりまして、職務倫理の基本等について視聴覚教材や資料を活用した教養を実施しております。
 また、学校教養におきましては初任科生に対し昨今の社会情勢を踏まえて、高齢者や障害者に対する理解と奉仕の精神を深めるため高齢者介護施設における介護体験や部外講師による講義などを実施しております。
 これらを通じまして、高い倫理観と豊かな人間性の醸成に努めております。

○夏目生活安全部長
 先ほどの2番委員からの児童相談所への警察官の出向の増員予定はあるかとのお尋ねについてお答えいたします。
 現在のところ増員の予定はございません。いずれにしましても警部1名の出向を始めたばかりでございまして、今後その効果の検証を積み重ねた上で必要に応じて関係部局と増員について協議していきたいと考えております。

○天野委員
 どうもありがとうございました。
 児童虐待は家庭内の親子の関係ですので、従来は警察官がその問題に対応することが本当にいいかどうか議論があったわけです。私は親が子供を虐待することは重大な犯罪との理解と認識を深める意味で警察の人たちが児童相談所の人たちと一緒にやることは、ある意味では今までの考え方――しつけと称して子供を虐待することは子供の基本的人権を脅かす、親といえども親権以上に子供の基本的人権が大事だと認識するためにも、これからすごく大事じゃないかなと改めて思います。
 そういった意味で、警察官と児童相談所のこの活動が児童虐待の啓発、啓蒙にも大きな役目を果たすと思いますし、刑罰で罰することではなくてこういった活動が啓発、啓蒙につながってくると私は思いますので、ぜひ自信を持って児童相談所の皆さんと一緒に活動してほしい、そのことを要望して終わります。

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静岡県議会事務局議事課

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