本会議会議録
質問文書
令和6年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 早川 育子 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 07/01/2024 |
![]() | 会派名: | 公明党静岡県議団 |
○早川委員
それでは一括質問方式で4問伺います。
1点目、厚生委員会説明資料8ページにございます、小児救急リモート指導医相談支援事業の概要と期待する効果、課題についてまず伺います。
2点目、説明資料23ページ、先ほど5番委員からも質問がございました(仮称)静岡県こども計画策定の意見聴取が出ております。今回こどもどまんなかの政策を実現していく点では、子供から意見を聞くのは非常に重要なことで新たな試みと考えられますが、具体的な内容、つまり対象、規模とか聴取方法などについて伺います。
3点目、歯と口の健康管理は非常に重要でして、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病予防だけでなく、認知症対策など介護予防としても重要と言えます。県歯科医師会から県民への啓発活動をとの要望が出ておりますが、歯科医師会との連携を進めながら啓発活動をどのように進めていくのか伺います。
また、同歯科医師会より要望の出ておりました県庁職員としての歯科医師配置を今年度から1名増員されていると伺っておりますが、この役割について伺います。
最後に、がんセンターにおけるがん患者の治療と仕事の両立支援。がん対策の基本計画の中でも昨今注目されております。国においても傷病手当の分割の受給ですとかきめ細かな対策が求められ、がんセンターでも様々な関係機関と連携しながら進めていると伺っておりますので、その現状と課題について伺います。
○松林地域医療課長
小児リモート指導医相談支援事業の概要と期待する効果、課題についてお答えいたします。
本事業は、令和5年度からモデル事業として実施をしておりまして、県立こども病院と富士医療圏及び志太榛原医療圏の小児二次救急医療機関5病院等をオンライン会議システムの専用端末でつなぎ、県立こども病院の指導医が5病院の若手医師等からの相談にオンラインで対応するものでございます。
期待する主な効果としては、医師の働き方改革を踏まえ、夜間や休日など、各病院の指導医が不在の時間帯に若手の医師であってもこども病院の指導医に相談しながら患者を診療できる体制の確保でございます。
本年1月から一部病院を対象に相談運用を開始し、2月から全ての病院で運用開始をして、昨年度8件の相談があったものでございます。
課題でございますが、相談件数のこれからの増加、それから今後の展開、特に県内の他の地域への対応などが課題と考えているところでございます。
○松本こども未来課長
(仮称)静岡県こども計画につきましてお答えいたします。
こども計画の策定に当たりましては、こども基本法第11条に基づき、本県としましても様々な手法を用い、多様な意見を聞いていきたいと考えております。
具体的には、県民意識調査等のアンケート調査や子供、若者を対象としたワークショップの開催のほか、新たにオンラインプラットフォームこえのもりしずおかによる意見聴取を行う予定でございます。
オンラインプラットフォームにつきましては、インターネット上に県でフォームを立ち上げまして、そこに子供たちが自分の意見を投稿したり、他者の意見に投票できるシステムです。
静岡県内全ての小学生から29歳までの子供、若者を対象として、自分のパソコンやスマホのほか、学生についてはGIGAスクール端末から参加することが可能です。
こちらの規模、目標人数といたしましては全体で800人程度の登録を目指しております。
オンラインプラットフォームは時間や場所の制約がありませんし、人前ではあまり自分の意見を言うのが苦手な子供でも率直な意見が可能になりますので、幅広い層の子供からの意見聴取を期待しております。
また、頂きました意見につきましては、分析ですとか、集計結果をリアルタイムで可視化して確認することも可能となっております。
○川田健康増進課長
歯と口の健康管理につきまして、県民への啓発活動と県歯科医師会との連携についてお答えいたします。
要介護状態を防ぐためにかむ、飲み込むといった口腔の機能の維持が有効とされており、県歯科医師会にも助言を頂きまして、口腔の状況と糖尿病や認知症等、全身疾患の関連を掲載いたしました口腔と全身の健康に関するエビデンスコラム集を作成いたしました。これを市町が行う健康相談や地域包括支援センターでの利用者への相談において活用し、歯と口の健康が認知症対策等に有効であることを啓発してまいります。
また、県歯科医師会との連携によって、嚥下やそしゃく等の口腔機能の衰えであるオーラルフレイルの啓発ポスターを作成いたしました。こちらを市町歯科診療所、薬局のほか、スーパーやコンビニ等163の企業で構成される健康づくりサポーター企業にも掲示の御協力を頂き、広く県民へお知らせしてまいります。
○渡辺総務課長
県職員の歯科医師の配置と役割、考え方についてお答えいたします。
昨年度、静岡県歯科医師会より健康福祉部への常勤の歯科医師の1名増員の要望がありました。
歯科医師につきましてはこれまで健康局に1名、健康福祉センターに1名を配属し、計2名体制で対応してきたところであります。
しかしながら、歯科医療分野への対応が不十分であるとの課題がありましたので、静岡県歯科医師会の要望を踏まえ、歯科医療担当として医療局に新たに歯科医師を1名増員し、計3名体制とし、充実を図ったところであります。
役割につきましては、歯科保健を健康局、歯科医療を医療局、各地域への対応につきましては3名の歯科医師が地域を分担の上担うとし、健康福祉部として歯科保健、歯科医療事業を一体的に推進しているところであります。
○鈴木がんセンター局マネジメントセンター長兼経営努力室長
がん患者の治療と仕事の両立支援の現状と課題についてお答えいたします。
がんと診断された方の約3割が退職や解雇を余儀なくされていると言われております。治療上においても就労は大切なことであります。当センターでも患者さんの就労支援に力を入れておりますが、まず1つ目は、全国のがん患者の就労支援モデルにもなっておりますハローワークとの共同でございます。
沼津ハローワークの職員が毎週火曜日に当センターに出向き、患者さんの再就職あっせんのフォローを行っております。必要に応じて、当センターにございますよろず相談の相談員も同席しまして、患者さんの病状説明のアドバイスを行っております。これまで累計で約700件の求職がございまして、300件余の就職につながっております。
このほか静岡産業保健総合支援センターとの協定で、患者さんの治療と仕事の両立について企業との間の調整を行うことで治療中の仕事継続をサポートしております。
また、県社会保険労務士会との共同で年金のほか、就労関係の相談にも対応しております。
課題としては、相談員の知識やスキルをさらに向上することがあると思っております。県内のがん専門相談員向けに年1回就労支援に関する相談員ワークショップを開催しております。治療と仕事の両立に対する支援の体制を今後も図ってまいりたいと考えております。
○早川委員
御答弁頂きありがとうございました。
小児救急リモート指導医相談支援事業につきましては、令和5年からモデル事業で非常に効果を感じているところであります。その中で、この事業と外れてしまうかもしれませんが、本会議でも指導医不足に対しての対策を求めたところで、小児だけでなくて、全医療機関への指導医制度の一助になるのではないかと期待をするところです。確か福岡県だと思うんですが、今年度からリモート指導医の事業を開始したと伺っております。静岡県の拡大に関する方向性について伺います。
2点目の(仮称)静岡県こども計画のオンラインプラットフォームについては大まか分かりましたが、そのほかにアンケート調査とか、意見交換会が予定されているように資料には記載されております。
そこで、オンラインプラットフォームの対象、おおむね規模として800人でしたが、29歳までの子供及び若者に対してインターネット上で調査をすること、意見を聴取するという点では、もっと規模として大きく目標を定めたほうがよろしいのではないかと思います。少なくともGIGAスクールでのパソコンなども活用できるのであれば、全小中学校、高校生、皆さんからいろんな意見を自由に言っていいんだよとたくさんの意見を求めなければ、800人の意見が子供、若者の意見だと言われたらそれは切ないかなと思いますので、ここはもう少し大きく考えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
あとアンケート調査、意見交換会がございます。意見交換会についての答弁があればと思ったんですがなかったのであえて言いますと、県内3地域及びオンラインで実施とありますが、県内3地域では私は足りないと思います。東部といっても私の住む岳南地域もありますし、賀茂地域、それぞれ置かれている環境が違いますので、もう少しきめ細かな意見交換の場を設けていただきたいと思います。
そこで、先ほど触れなかったアンケート調査、意見交換会についても同じような内容を御答弁頂きたいと思います。
そして、歯と口の健康管理について、積極的に進めていただける旨答弁頂きました。今8020運動ということで、よくよく80歳で20本の歯が残っているのも本当すばらしいと思うんですが、その結果よりも私はやっぱりプロセスが大事で、子供のときから歯科保健をしっかり認識していかないと80歳になって20本は残っていないので、学校現場との連携を十分していただくことを望みます。
一点、特に高齢者の介護予防ではオーラルフレイルとか非常に取組が進んでいると思うんですが、むしろ現役世代に対するアプローチが非常に重要だと思います。健康経営の観点で、生活習慣病予防については大分意識が高まっていると思いますので、そこで歯の健康支援についても併せて企業に向けて発信頂きたいと思うんですが、啓発活動についてはどう考えているか伺います。
最後のがんセンターは要望にとどめておきますけれども、がんセンターでの取組で相談員のスキルアップが課題だとお話ありました。
一方で、こうした取組が、関係機関はよく御存じなんですが、がん患者さんや御家族が知らなくて相談に行けなかった、がんセンターのある場所の所管の意味でハローワークも沼津のハローワークが相談窓口だと思うんですが、がん患者さんは広く全国から、また県内でも各地から相談に行っております。がんセンターは割とある一定の治療が一段落すると地域に返す方向でいるので、やはりその住んでいらっしゃる地域との連携もしっかりやっていることを多くの方に知っていただきたいですし、また沼津圏域だけでなくて、住んでいらっしゃる地域で必要があれば、恐らく連携していただいていると思うんですが、がん患者さんの病状だとか、注意すべき、留意すべき点を企業や職業案内所と連携するような方向性を構築していただきたいと思います。これは要望にとどめますが、そのほかについて再質問いたします。
○松林地域医療課長
小児リモート指導医相談支援事業の指導医不足に対するほかの診療科への対応で御説明させていただきます。
この事業ができましたのは、通常いろいろな二次救急病院であれば、内科系の先生、呼吸器内科、消化器内科であれ、内科の専門医の資格をお持ちの先生、それから外科についても、外科の専門医の資格をお持ちの方がいらっしゃる中で、小児については例えば発疹一つとっても救急の対応が必要かどうかについては小児科の指導医の先生の意見を聞く必要があると。そうしたときに今までであればおうちでお休みになっていた先生のところにお電話をして、場合によっては患者さんにお待ち頂き、登院していただいて診て助言を頂く部分について、オンラインで県立こども病院の指導医がその相談に乗る形でやっているものでございます。
ただ、課題になっております若手の研修医の方々――専攻医の方々が地域に偏在している、特に東部地域と少ないところをどう増やすかは、そこの病院に指導医が増えていく必要があると考えておりますので、こういった点についても対策を講じていきたいと考えております。
また、その中で小児救急リモート指導医相談支援事業の効果とか、そういったものが何か役立つところがあるのかについて、また考えていきたいと考えております。
○松本こども未来課長
(仮称)静岡県こども計画の意見聴取につきまして回答いたします。
まず、県民意識調査につきましてですけれども、こちらは一応2つ行う予定です。
1つ目は少子化対策に関する県民意識調査につきましては、県内在住の18歳から49歳までの男女、対象数は3,000人で、郵送及びオンラインによる調査を行う予定でおります。
2つ目は子供たちの意識調査の部分になる子供の生活アンケートで、対象は県内の小学校5年生2,500人、中学2年生2,500人、高校2年生2,500人、そしてその保護者につきましては7,500人規模での調査をオンラインによって行う予定でございます。
もう一つ、こども・若者意見反映ワークショップになりますけれども、一応東部、中部、西部で考えております対面によるワークショップを、午前と午後の2部構成でそれぞれの地域で開催する予定でございます。
また、それに加え全域を対象としてオンラインによる意見交換、ワークショップの実施も今考えているところでございます。
また、先ほどのオンラインプラットフォームにつきましては、一応参加目標人数で800人と数字を挙げさせていただきました。こちらは統計学上の信頼度で95%を確保するには10万人以上で一応384人といった基準がございまして、そこから義務教育課程で400人、その他の部分で400人で800人という数字を一旦お示しはしておりますけれども、10番議員御指摘のとおり、たくさんの意見を聞くのは当然非常に重要なことだと思いますので、全ての小中学生に対しても周知をしてまいりますし、また、なかなか学校に行けない子供たちもいますので、子育て支援団体等も通じてそういった子供たちへも周知を図りまして、当然登録は800人に限らず、少しでもより多くの意見を聞けるように我々も目指していきたいと思います。
○川田健康増進課長
歯と口の健康管理についてですけれども、10番委員御指摘のとおり8020は80歳になったときに20本というゴールではなく、新しい歯科保健計画においては、ライフコースに応じた歯の健康づくりが重要だと盛り込んでおります。定期的に健診を受けて、かかりつけの歯医者をつくって、若いときから定期的に歯の健康管理をすること、それからオーラルフレイルも高齢者になってからではなく、壮年期から取り組んでいく必要があることを啓発していく必要があると考えております。
具体的には、静岡社会健康医学大学院大学と共同して歯科保健の医療体制の分析で、KDBデータを基に特定健診時でのそしゃくの状況と、歯科受診率等の関連性の分析を今進めております。こういった結果も含めまして、いろいろな機会を通じて働き世代の方への啓発を進めていきたいと思います。
健康経営の場面につきましては、包括連携協定を締結しておりますアクサ生命と連携して健康経営セミナーを開催しておりますので、そういった中にこれらの啓発の内容などを盛り込みながら啓発を進めてまいりたいと思います。
○早川委員
それぞれ御答弁頂きありがとうございました。
小児救急リモート指導医相談支援事業、小児だけでなくてほかの診療科もとのことで、これは今後のいろんな課題解決に向けて非常に有効なところもあると思いますのでぜひ検討頂きたいと思います。
そして、(仮称)静岡県こども計画策定の意見聴取については細かく御答弁頂きありがとうございました。統計上の有効性は分かるんですけれど、やっぱり子供たちが自分たちの意見を聞いてくれているその手応えと、子供たちって本当にいろんな意見、またそんなことを思っていたんだと思うことがあったり、多分大人になったら忘れちゃうようなこういう気づきって大事だよなということを言葉として残しておくことはとても大事なので、この意見聴取は丁寧に、また幅広くやっていただきたいと思います。
最後に、歯と口の健康管理について、先ほど特定健診の内容とそのときに歯科検診との関係を研究していただいているとのことなので、その成果をまた注目していきたいと思いますし、健康経営との関連も期待をしたいところですので、ぜひ引き続き注目していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp