本会議会議録
質問文書
令和7年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 中沢 公彦 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 03/06/2025 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○中沢委員
一問一答方式でお願いします。
5番委員からも質問がありましたけれども、文教警察委員会説明資料28ページ、共生・共育(静岡県版インクルーシブ教育システム)の在り方について、基本方針にあるとおり障害の有無にかかわらず幼児、児童生徒がこれまで以上に同じ場で共に学ぶこととあり、大前提のインクルーシブの概念は障害の有無だと思います。
これが静岡県のインクルーシブに対する概念だと受け止めていますが、一方で説明資料21ページ、幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の推進を見るとインクルーシブ保育研修とありまして外国人の問題まで突然出てくるわけです。私には静岡県教育委員会はインクルーシブをダブルスタンダードで使っているのかと見えました。
先ほども言ったとおり、インクルーシブとは障害の有無のことで障害特性に関してしっかりと定義づけしてやっていくという認識なのに、インクルーシブ保育研修では外国にルーツを持つ子供たちや発達に特性のある子供たち、要するに全員という概念に変わっているわけです。
最近の世の中では、LGBTという問題も外国人の問題も障害特性の有無ももちろん社会として問題提起されています。保護者や教育現場、当事者の皆さんや社会にとってもこの概念が人によって違うと非常に問題が起きるのではないか。
教育現場においても、少なからずとも静岡県はインクルーシブとは障害の特性の有無に関して言っているならば、それは外国人の児童生徒との共生の問題、はたまたほかの社会現象に伴ういわゆる共生社会の部分とどういう捉え方をして使い分けているのか。
私にはダブルスタンダードにしか見えないわけで、同じ単語なのに使い分けているのは非常に問題があると思っていますけれども、それに対する見解をお願いします。
○山村特別支援教育課長
3番委員御指摘のとおり、共生・共育(静岡県版インクルーシブ教育システム)の在り方の対象は障害のある幼児、児童生徒です。
一方、インクルーシブ保育の対象となる幼児期の場合は発達が未分化な状態であって非常に個人差も大きく、その見せる様相、例えば行動や言動が障害によるものなのか生育によるものなのか成長段階によるつまずきなのか非常に判断がしにくいお子さんがいらっしゃると思いますし、そういう時期だと捉えます。そのため障害の診断の有無をもって支援する、しないの判断をするよりも、一人一人のお子さんが持っている力を最大限に発揮して活動できるように支援していこうという考えの下、その対象の幅を若干広く捉えております。そういった意味でこの辺りをきちっとした上で対応していくことが必要と考えております。
○中沢委員
それは分かっているつもりですが、外国にルーツを持つことが障害があることにはならないですよね。そこを言っているのであって今言っていただいたことは理解しています。ここに外国にルーツを持つと書いてあるから聞いているんです。
○山村特別支援教育課長
外国にルーツがあることに関しては、今3番委員に御指摘頂いたとおりと認識しています。
幅広く捉えている部分もあると思いますが、特にこのインクルーシブ保育の中では1つの取組として言葉に着目して取り組んでまいりました。外国にルーツがあるお子さんについては言葉の習得でつまずきを持っているお子さんたちもいらっしゃると思いますので、その辺りを含めて保育していこうということで外国にルーツのあるお子さんたちも含めて取り組んでまいりました。
ただ、確かにこのインクルーシブの言葉の概念については御指摘のとおりだと思いますので、今後教育委員会の中でインクルーシブという言葉を使うに当たっては混乱のないようにきちっと整理して取り組んでまいりたいと思いますし、このインクルーシブ保育で取り組んできたものについては今年度で最終のまとめを終え、Springプロジェクトという愛称で取り組んでまいりました。成果として今後も引き継いでいくことになりますけれども、このSpringプロジェクトという愛称を持って今後研究の成果を生かしていきたいと考えております。
○中沢委員
行政というところは不思議なもので、時として時代に合わせてちんぷんかんぷんな横文字の言葉をどんどん積極採用する嫌いがあります。特に前知事の場合は全く言葉も意味も通じない言葉がばんばん出てきて、結果何のためになったかと言ったら全然何のためにもならない言葉がいっぱいあったという意味で言うと、最近はとにかく横文字の言語を行政は国から言われてどんどん使い始めます。まさにこの問題なんて、混同したらややこしくなることが分かっていて混同する表現で使い分けているわけです。このインクルーシブは、先ほど山村特別支援教育課長がおっしゃったとおり特別支援教育、いわゆる障害の有無に焦点を当てたものに限定していかないといけないわけで、整理ができないことを現場に下ろしたらいけないと思うんですね。
だから、ここではまずインクルーシブ保育研修なんていう言葉はやめたほうがいいと思っています。
さっき言葉の習得にまず大義を置かれて、発達の問題なのか外国人の問題なのかについて言葉の習得をキーワードで説明されました。
昔、言葉の教室があったんですよね。発達の早い遅いももちろん子供によってはあるし、そういうケースに合わせて言葉の教室があって、その中で小1ギャップを埋めてきたはずです。それがいつの間にかインクルーシブになったのかどうなのかよく分かりませんが、この言葉遊びに感じられるようなことはすぐにやめてもらいたい。
それと同時に、これは新年度になると教育委員会事務局から健康福祉部こども若者局に外れますよね。そこも懸念していて、併任で3人スタッフがいますよ、だからこうですよと言っても、部署が全く違うので現場の教育委員会及び学校からすると教育委員会じゃないところでどういう連携ができるのかはお互い想像がつかない。そんな手探りでやっていくことがたくさん出てくるときに、小1ギャップが置き去りになる部分があるのではという懸念は容易に想像がつくわけです。
その中でこんな訳の分からない言葉の使い方をしていたのでは余計に悪く、言葉がもし問題で研修として行われるなら言葉の教育、保育研修とすればいいだけのことで、まさか放送禁止用語じゃないでしょうから、言葉の教育、保育研修でいい気がします。
このインクルーシブとの表記については変えたほうがいいと思いますけれども、どうですか。
○山村特別支援教育課長
御指摘ありがとうございます。インクルーシブという言葉については整理してまいりたいと思います。
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