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委員会会議録

質問文書

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平成30年6月定例会文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:大石 裕之 議員
質疑・質問日:07/03/2018
会派名:無所属の会・責任世代


○大石(裕)委員
 では、私のほうから分割質問方式で質問をさせていただきます。
 最初に、空港の運営権の関係の質問をさせていただきます。
 まず、確認の意味も含めて幾つかお伺いします。
 空港で、この契約後の20年間の間に滑走路等の更新、修繕は費用を優先交渉権者のほうで負担していただくということになって大変よかったと思うんですが、その間にあってはならないんですけれども、何かしら航空機の事故であったりとか、あとは事故でターミナルもしくは滑走路が大きく破損したとか、もしくは自然災害等で破損した、そういった場合には大変大きな費用がかかるであろうということが予想されます。そういった場合のケースにおいてはどういう対応をされるのか。

 もう1つは、今回のこの提案書によりますと、具体的な数字――旅客数であったり貨物の取り扱い量であったりという数字が2023年度5年目と2038年の20年目ということで表記されておりますが、これがいろんな社会的状況も含めて計画どおりに進んでいけばもちろん問題ないんですけれども、これが著しく何年にも及んで数字が相当悪いと、乖離しているというような状況になった場合に県が何か支援をできるのか、するのか、しないのか、どういう方法論があるのか、まずどういうお考えかをお尋ねいたします。

○板垣空港政策課長
 1点目は、災害とか航空機事故で損害が発生した場合の費用負担という観点だと思います。
 まず、大規模地震などの災害、不可抗力が発生して、それによって損害が発生した――ターミナルビルや滑走路が壊れたということが起きた場合なんですけれども、その損害については運営権者の責任で発生しているわけではございませんので、全て運営権者に負わせるのは困難かなというふうに考えております。
 ただ一方で、空港というのは社会資本でありまして、その機能をいち早く復旧するのが大事かなというふうに考えております。これは県と運営権者でその内容を適切に分担していく必要があるかなと思っておりまして、それによって事業を継続していくべきだというふうに思っております。
 具体的には、運営権者には保険加入を義務づけておりまして、まずは保険の範囲内で損害を復旧、負担していただくということになります。県は不可抗力によりまして、物理的損傷が生じている場合については、保険で全部または大部分が復旧できないというとき、空港機能を回復させる必要があるというふうに判断した場合については、県におきまして事業が継続できるような措置を、費用負担をしながら行っていくということになります。
 またこの場合、追加の費用が発生して、それを回収するために運営権者のほうで事業期間を延ばしてもらいたいということがあれば、県と協議の上、双方合意の上、事業期間を延ばすという手法も考えております。
 それからもう1つ航空機事故によるという場合なんですけれども、これについては原因者が航空会社ということになりますので、航空会社が補償することになろうかと考えております。
 
 2点目の20年後の目標が達成できない、何らかの事情でできないとか非常に利用状況が厳しいという状況に陥った場合、どのようにしていくのかということでございますけれども、1つには運営権者に課している要求水準というような形で必ず実施しなきゃならないものとか、全体計画とか単年度計画でやるようにということで求めているものを少し軽減するということがあろうかと思います。
 また空港については、これは県民のための空港でもございますし県政発展のために不可欠な社会資本であるという認識を持っておりますので、県として空港の利活用によって波及する効果もございます。それが落ちることによって県民または県の経済界にとってマイナスの効果ということになってしまっては問題があろうかと思いますので、交流人口の拡大でありますとか、本県経済の発展に向けて交流を行っていく事業については、県としても積極的に展開していきたいと思っております。直接運営権者を支えるというよりは、空港の利活用をしてその効果を県下全体に広げるよう、利用促進策について引き続き市町や富士山静岡空港利用促進協議会とも協力しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 地元の私たちとしても、この提案書のように新しい航路も含めていろんなところと就航ができて、またにぎわいも20年目で200万人の非旅行者の方々が行き来してもらうというような空港ということですのでそのようになるように、その就航先云々というところは役割分担として県もまだ対応する部分もあろうかとも思いますので、ぜひ優先交渉権者とも協力していただいて、よりよい発展をしていただきたいなというふうに思います。

 関連なんですが、今、申し上げたとおり旅客が20年で135万人、非旅客が200万人ということで、これがもし順調に達成するような状況になった場合に、今現在でもゴールデンウイークとか人が大分動くときは駐車場がちょっと狭いと、利便性が悪いという声は私のところにも幾つも届いてはおりますけれども、現状でそうだという中で、もしこれが順調に推移していった場合には駐車場なんかの問題が出てくるのではないかと思います。本当は周辺にもたくさんあるにはあるんでしょうけれども、なかなか全部がうまく利用されていないというところもあるんでしょうが、そういった駐車場の面などに対して県がどうかかわれるのか、基本的には県がつくるということになろうかとは思うんですが、そこら辺の考え方、方法論をお伺いしたい。

 あともう1つ、地元の話として今回運営が全く今までと変わるという中で、空港対策協議会が――地元にそれぞれ空港対策協議会がございまして、今までも空対協を通していろんな話を地元と県と話してきた経緯もあります。今度から運営が変わる中で空対協とのかかわり合いがどのように変化するのか、またしないのか、そこをちょっと確認をしたいと思います。以上です。

○板垣空港政策課長
 まず1点目の駐車場の不足の懸念のところでございます。現状においてもゴールデンウィークとか年末年始とか駐車場が不足して、臨時駐車場という場面もございます。
 今回、優先交渉権者からの提案を見ますと、利用者数を伸ばすというところがありますけれども、その方策としまして2次交通の拡充ということもうたわれており、今以上に空港アクセスという利便性を高めていくところでございますので、そちらを御利用される方もいらっしゃるような内容になっています。
 また、優先交渉権者の提案の中では、特に駐車場の拡張等の提案はなされておりませんけれども、にぎわい施設も空港の西側のほうに段階的に行っていくというところでもございますが、そちらにも必要な駐車スペースなどは設けていくものかなというふうに考えています。
 また、これは他の空港の事例でございますけれども、例えば高松空港におきましては、市内の商業施設と連携して、パークアンドライドというような方式も導入されているような事例もございます。このようなさまざまな民間の知恵を出したような取り組みもされるのかなと思っておりますし、駐車場については予約制を取り入れたいという話も出ております。確実に車をおとめできて、飛行機に安心して乗れるというような時間は確保できるような取り組みなんかも提案されておりますので、そこはちょっと利用状況に応じまして民間の知恵を遺憾なく発揮していただいて、利用者に快適な旅を、また空港を楽しんでいただけるような環境を整えていただくように、県としても申し出ていきたいと思います。

○大橋空港運営課長
 運営権移行以降の地元の空港対策協議会との関係について回答いたします。
 現在、私どものほうでは、航空機の騒音調査結果とか道路騒音の結果等について地元のほうに御説明をして、御意見をその場で伺っております。こちらのほうの関係につきましては、従来どおり県が中心となりまして、運営権者の方も出席はされる方もおりますけれども、一緒になりまして地元の対応をしていきたいと思いますので、現状どおり変わらないという御認識でよろしいかと思います。以上でございます。

○大石(裕)委員
 はい、ありがとうございます。
 まず駐車場の関係なんですが、しっかり確保されれば滞りなく、皆さんが使い勝手のよいものになればいいということで承知いたしました。
 1つ要望じゃないですが、提案というか検討いただければなと思うのが、私もちょっと何人かからお話を伺っているのですけど、今無料駐車場がたくさんありまして、無料なのでそれはそれで非常にいい、無料だからいいという面がもちろんあります。ただお金のある人たちもやっぱりいまして、いい車に乗ってらっしゃるんですよね。無料のところだと補償もないし怖いと。だから空港に車を置いとけないという方々もいらっしゃることは事実なんですよ。そういう方々だったら、お金は出すからしっかりしたところでしっかり管理してほしいと。それが民間の方でも何でもいいんですけれども、そういう方々もいらっしゃるので、それが採算が合うかどうかとか、いろいろ検討課題はあろうかと思いますが、そういう皆さんもいらっしゃるので、ちょっと検討いただければなというように思います。
 それと、空港対策協議会のほうは今までどおり変わりないということですので、また地元の皆さん、いろいろ意見、問題等が出た場合にもそこが機能していただけることと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 では、次の質問にいきます。
 駿河湾フェリーの事業撤退の対応について、お伺いをいたします。
 これ今、せんだってもプロジェクトチームを設置したということで、副知事等と皆さんで議論をされたと、PT会議を開催されたというふうに記載があります。このフェリーがなくなること自体は非常に憂いているんですけれども、どうしたもんかというところで、可能性としてどういう支援があり得るのか、今そこでどういう議論がされているのかというのをお聞きしたいのと、あと知事がこの間答弁の中で、防災の観点からしても重要だというようなことをおっしゃっておりました。その意味についてちょっと説明いただければと思います。

○横地観光振興課長
 駿河湾フェリーの継続のスキームについて、お答えいたします。
 まず、6月20日に開催されました第1回駿河湾フェリープロジェクトチーム会議では、継続に向けてのスキームにつきましては主に交通基盤部が、あと航路のすばらしさを県民の皆様に知っていただく、いわゆる利用促進の部分を文化・観光部が役割分担することで合意をいたしました。継続の手法につきましては今後また詰めていくことになりますが、現在のところ調べた限りでは他県の事例によりますと、自治体が運営会社に対して補助を出す財政支援、自治体が運航会社に出資したり株式を取得するなどの経営参画、また自治体が船を所有し運航会社に運航させる公設民営、そして自治体が直接運航事業を行う直営、こういった4つのスキームが考えられると思います。
 次に、知事が発言いたしました防災面ということでございますが、現在駿河湾フェリーの検討につきましては、まずフェリーの利用の8割が観光利用であること、また生活交通や物流に欠かせない交通手段であること、そして有事の際には海上からの緊急輸送が可能になるという防災面、そういう視点が考えられるということでございます。
 今後こうしたことを考慮しながら、存続に向けたスキームについても県民の皆様から理解が得られる最適な手法を検討してまいります。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 はい、わかりました。財政支援、経営参画、公設民営、あと直営というようなところのスキームで、今検討を始めているというところで理解をいたしました。
 ただ、民間の業者の皆様がずっと経営をされてきて、それで難しいという状況が生まれてしまった中で撤退という苦渋の決断をされたわけですので、そういった意味では、なかなかハードルは高い部分があろうかというようには思いますが、ぜひ行政がそこに参画するという意味において、それぞれのスキームもそうですけれども、財政支援というか、とにかくお金、お金ということで垂れ流すような形というのは、やはり県民の税金を使うという意味でなかなか難しいのかなというようには思っております。行政が入ることでどんなメリットが生まれるのか、そこが知恵を絞っていただく必要があるのかなというように思います。この4つのスキームの中で、それが具体的に見えるのかどうかわからないんですけれども、行政がやることで何かしらメリットが生まれてくる、そういう状況が生まれれば、行政が手を差し伸べる中で存続する意味があったということになろうかと、県民の皆さんに対しても説明がつくのかなというように思いますので、ぜひそういった方向性で考えていただきたいなというように思います。

 知事の防災上、必要だとか重要だとかいうようなことがありましたけれども、浜松の新球場の話のときも防災という話で、いろいろいつも後から出てくる面があるんですけれども、何となく防災をくっつけりゃ、何か物が進めやすいみたいな、そんなふうにも感じなくもなくて、その辺は知事がどういう思いで言われたのか、本会議の中では一言それを言っただけで、その説明がほとんどなかったもんですから、はっきりとはわかりませんが、そういう雰囲気があるのかなという思いがあります。その点についてどういうふうにお考えになられるか、どなたか御意見いただければと思います。

○神戸観光交流局長
 先ほど観光振興課長から答弁いたしましたように、この路線は80%以上が観光利用ということになっております。そのほか地域交通も支えていると。有事の際には、防災としても活用できる可能性があるというのが現状だというふうに思っております。
 現時点で、今4つのスキームを申し上げましたけれども、4つのスキームによってどんな目的で、またどんな目的だからどういうスキームをとるかという関連性も出てこようかと思います。
 そういうことについて、ゼロベースであらゆる手法について検討しているというのが現状でございます。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 そうですね。防災についての可能性がもともと高いのであれば、当然この駿河湾フェリーと防災協定なり何かしらが既に結ばれていてしかりだと思うんですよね。ついここ数年で駿河湾フェリーが事業を始めたわけじゃありませんし、県だって地震のこと、防災について力を入れてもう何十年もたつわけですから、そういったのはそうしてない中で、しかもほとんどが観光という中で、そういった言葉だけがぽんと出てくるというのは逆に何かおかしいぞというふうに見られなくもないという思いがございますので、ぜひそこは御注意をいただければなというように思います。

 では、次の質問をしていきます。
 デスティネーションキャンペーンについてお伺いいたします。
 これは来年度4月1日から行われるんですが、全県挙げてJRとインバウンド、もしくは国内の旅行社も含めて非常に盛り上げたいなと思っていますけれども、ただこれどうしても私らの地元なんかでJRの駅がない市町もありまして、もしくは駅があったとしても駅から山のほうまでとか、海岸のほうまで距離が大分あったりとかということで、まだ全県を挙げてというところまでは、なかなかなりにくいのかなという部分があると思っております。そこを全県巻き込んだ形で取り組めるキャンペーンにすることが、その後のオリンピックとかワールドカップとか、そういったものにも当然つながっていくことと思いますので、今そこら辺の取り組みをどのように考えていらっしゃるのかお尋ねいたします。

○横地観光振興課長
 デスティネーションキャンペーンの取り組みについて、お答えいたします。
 デスティネーションキャンペーン――DCと申しますが、これは県と全市町そしてJRグループが協働し、主にJRグループの媒体を最大限活用して全国に本県の魅力の情報発信や旅行商品の造成を促進するものでございまして、鉄道利用だけでなくバスなどの団体向けの旅行商品も多く造成されていると認識しております。鉄道駅から離れた地域でございましても、魅力的な観光企画が提案できれば観光客の増加というものは期待できるものと考えております。
 例えば、7番委員の地元牧之原市で実施しております特別企画、ぶらり田沼の旅、こちらは田沼意次の扮装をいたしました市の学芸員が町歩きを案内するというものでございまして、メディアやSNS、こういったものでかなり取り上げられたということで、県外からの来訪者も含め定員以上の観光客が参加し大いに盛り上がったと伺っております。
 県といたしましても、JR駅があるところ、ないところ、そういったものにかかわらずオール静岡県でDC本番に向けた商品企画づくりの取り組みを支援するとともに、広報、宣伝は9月には東京、名古屋、大阪などでオール静岡県で商談会も行いますので、そういったところを通じたり、静岡ツーリズムコーディネーター、こちらの営業活動を通じて強化することでオール静岡県に誘客拡大につなげてまいりたいと考えております。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 そうですね。田沼意次も重々承知しております。JRの駅がないというのも1つの要素なんですけれども、あとはその地域地域で観光に対する取り組みがどこまで熱心かどうかというのも、やはりあるのかなという感じはしております。ぜひこれはDMOとか、あと民泊とかそういったものと全部がつながって、線と面になっていけば1番いいんだろうというふうに思っておりますので、オリンピックとかが本番ということじゃないですけれども、そこが1つのピークだとすれば、それに向けた入り口、大きなきっかけになるのかなと思いますので、全県挙げていろんなことが取り組めるように、ぜひお願いをしたいというふうに思います。

 次に、静岡県立大学、静岡文化芸術大学における新たな教育課程の設置ということについてお尋ねをいたします。
 この中に、匠領域をデザイン学部内に設置をして新たに10名増というようなことで教育課程の説明等がございました。この匠コースをつくることになった経緯とその意味、目的みたいなものをちょっと御説明いただきたいと思います。

○室伏大学課長
 静岡文化芸術大学の匠領域について御答弁いたします。
 文芸大学のデザイン学部における匠領域につきましては、伝統建築ですとか伝統工芸、この技の継承がなかなか後継者不足によって非常に難しいといった業界の方々の声を受け、人材育成の必要性があるということで文化芸術大学において設置をすることに決めたものでございます。
 現在、文化芸術大学のデザイン学部においては、プロダクトデザイン、いわゆる製品のデザインでありますとか、あるいはビジュアル、サウンド、建築環境デザインといった5つの領域で構成をしておりますけれども、比較的どちらかというと現代的なデザインの要素が非常に強いということで、日本古来の伝統建築あるいは伝統工芸について専門的に学ぶコースがなかったということから、大学といたしましても匠領域という領域を新たに設置をいたしまして、デザインに伝統技術を調和させて、新たな価値を創造できるような人材育成をしていきたいということで設置をしたものでございます。
 また県としましても、こういった伝統工芸、伝統建築の匠の技を理解する人材を育てられるというメリットがあることはもちろんのこと、新たな地域の産業を創出できるような人材の育成を期待しているものでございます。

○大石(裕)委員
 はい、ありがとうございます。
 わかります。ただ、今ある建築とか環境とかというような領域もあります。そういった中でやることはできない、したくないからこういったところで出てきているんだとは思うんですが、そもそもこの文化芸術大学の学生も、芸術大学ですからプロになりたいという思いで多分入学されているんじゃないかと思うんですよ。私も芸大なんでわかるんですけれども、入学したときはほぼみんなプロになりたいと思って入学するんですよね。でも結局その間にいろいろ諦めたり、淘汰されたり、自分の能力のなさがわかって諦めるという、私なんかそうだったんですけれども、そういう人も出てくるという中で、この匠領域に入れば卒業したら匠になれるという話じゃ当然ないわけですよね。4年やそこらで匠になれるわけがないということで言うと、ほかのコースなんかでも非常にそういう意味では匠とほかのコースがダブるというか、何て言うのかな、境界線が、言葉だけが踊っているような気が私は非常にしているんですよ。本来ほかのコースでも、そういった哲学としてはそもそも匠なんですよ、ほかの領域でも。それがわざわざここだけ匠というふうに出てくるということが、じゃあここに来ることで、どう本当の匠になれるのか。プロじゃなくて匠なんですよね。そういうところの道筋みたいなものは、どのように立てられているのか。このコースはほかのコースと違ってそこの匠にどう近づけるのか。その制度というか、卒業してからの部分もあろうかと思うんですけれども、もしそこら辺があるようなら御説明をいただきたいと思います。

○室伏大学課長
 匠コースの内容についてということでございます。
 まず匠という言葉を辞書で引きますと、すぐれた技術を有する職人ということで、確かに先生おっしゃるとおり、職人をイメージされるのかなというふうに考えております。しかしここで言葉の使い方がどうかということがございますけれども、文化芸術大学のほうで想定しておる育成する人材というのは、先ほども少し申し上げましたが、伝統建築ですとか伝統工芸、こういったものの知識あるいは技能を理解して現代にふさわしい空間のデザインであるとか工芸品を提案できる、またこのような企画ですとか設計をできるような人間を育成しようというものでございます。
 そのために、大学のカリキュラム、内容といたしまして1、2年次はほかのデザインの領域とほぼ同じでございますけれども、2年次の後期あたりからは、例えば文化財の保存、修理、活用といった科目でありますとか、あるいは伝統建築、工芸の技法を学ぶ、またさらには文化財の実際の調査の演習でありますとか、陶芸とか染色などの造形の演習、このような演習も含めて専門性を高めていきたいというふうに考えております。
 また、卒業後につきましては、いわゆるデザイナーを目指すという者はもちろんおりますけれども、恐らく建築士でありますとか、あるいはその町並みを再生するようなプランナー、こういったものの育成も目指してまいりたいというふうに考えております。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 ぜひ、卒業されたときに、この伝統建築とか伝統工芸等のお弟子さんの道が開けるようなものが、このコースというか領域にあると非常にいいんじゃないかなというふうに思うんですよ。現在匠でやっていらっしゃる方たちは、お弟子さん自体とりたくないという方もいらっしゃるのかもしれませんけれども、やはり誰か伝える人がいなくて弟子をとりたいよという方もいらっしゃるというふうに聞いてもおりますしね。そういった情報なり関係性をしっかり集約していただいて、この学部でそれなりの勉強がしっかりできれば、そういった弟子にもなれるというような道をぜひつくっていただきたいというように思います。その点について、ちょっと一言いただきたいと思います。

○室伏大学課長
 現在大学のほうでは、この匠領域のカリキュラムにつきまして学内で詳細な検討をしているところでございます。具体的な各学年における科目でありますとか、実践、演習の中身こういったものを今学内で内容を詰めているところでございますので、例えば3年次、4年次における演習において、インターンシップではないですけれども、実際に匠のところに具体的に弟子入りできるようなメニューができないか、大学等に対しても提案をしてみたいというふうに考えております。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 ぜひ、できれば県内でやっていただければ一番いいんですけれども、こういう伝統建築とか伝統工芸に関しては、もう県内だけじゃなくて日本国内でというような視野でも仕方ないのかなと思うところもありますので、ぜひそういったところも含めて検討していただければなというように思います。

 では、次の質問に移ります。
 ジャポニスム2018SPAC公演における静岡の魅力発信についてお尋ねいたします。
 これは、パリで11月19日から25日にSPACの公演を行うと、本県の魅力を世界に向けて発信するという目的で行われると、海外誘客や県産品の販路拡大を目指すということでございます。この静岡の文化の発信というところで、SPACが向こうで演じられる演目が、「マハーバーラタ」という演目でございまして――これはちょっと調べますと古代インドの宗教的、哲学的、神話的叙事詩と、多分これを脚本にされていると思うんですが、これを今力を入れてやっているというのは、わからんでもないんですけれども、せっかく静岡の文化の魅力を発信ということで言うと、かぐや姫とか静岡県のそういった上演演目もSPACさんは持っていらっしゃいますし、そういったもののほうがいいんじゃないのかと、何でこれなんだろうというふうに、私は直感的に思ったんですけれども、この演目に決まった理由とか経緯があれば、教えていただきたいと思います。

○紅野文化政策課長
 ジャポニスムのSPAC公演について、御質問にお答えいたします。
 ジャポニスム2018の公式企画として、SPACが招聘されてフランスで演じるということは非常に誇らしいことだと思っております。上演する演目につきましては、今7番委員がおっしゃったようにかぐや姫等、我が国に関係する演目もありますが、この宮城芸術総監督につきましては、海外での公演経験が豊富で海外の状況を熟知しているということで海外の方が理解しやすい、なじみやすい観点から選定していると考えております。

○大石(裕)委員
 そこら辺、私らはわかりませんけれども、でも我々静岡県民の静岡県で活動しているSPACという意味で言えば、しかも静岡の文化の発信のためにやるものですから、ここをもう少し考えていただく必要があったんじゃないのかと本当に私は思います。逆にこういうものを演目としてどうしてもやるんだと、それが目的なんだということになっているんだとすれば、それはもうSPACのものなんですよね。SPACの宣伝をしたいということになっていってしまうんじゃないかと思うんですよ。SPACがやってるんだけど、静岡の文化の発信のためにSPACがやってるわけですから、静岡の文化の発信というのが最大目的だと思うんですよね。そういう意味で言うと、もちろんそこで検討していただかなきゃいけないんでしょうけれども、私はそこのところはもう少し熟慮が必要だったんじゃないかなというふうに思っておりますので、また今後に生かしていただければというように思います。

 では、最後に民泊のことをお伺いいたします。
 先ほど8番委員のほうからも民泊の話がございましたけれども、この民泊は健康福祉部が許可を出しておりますので、当然向こうが数値等を把握しているんですが、民泊自体をもっと普及啓発ということの活動自体は健康福祉部では一切やってはおりませんし、今後ともやる必要はないというふうに聞いております。向こうは許可を出すか出さないか、あと安全なものであるかどうかという判断をされる部署ということで言えばそのとおりだろうと思います。そうなりますと、やはりこの普及啓発というのは、文化・観光部の仕事であろうというように思っているんですけれども、今回非常に低調な届け出の数だったということもあります。今まで民泊に対する普及啓発の取り組みはどんなことをされたのか、またされていなかったのか、そして今後の取り組みをどうされるのかお尋ねいたします。

○永井観光政策課長
 民泊に関しまして、これまでの取り組み、今後どのようにやっていくのかということにつきましてです。
 先ほども民泊の関係では少しお答えいたしましたけれども、何分実際に6月15日から施行されたということでございまして、それまでの間は制度の周知というようなことを重点的にやってきております。具体的には県のホームページ――これは健康福祉部と協力して民泊に関する概要であるとか、どういうふうにしたら手続できるとか、そういったことをかなりわかりやすく掲載したホームページをつくり、国からの情報等を追加したりして発信してきたところでございます。
 今後は引き続きこうした周知を行ってまいりますとともに、宿泊の形態としましては、やはり旅館もあれば、ホテルもあれば、民宿等もある。その中でも民泊と、幾つか選択肢がある中の1つでございますので、どれがということではございませんが、適法な民泊につきましては、我々としてもぜひ普及していきたいというふうに思っておりますので、これから始めたいという方に対する説明会であるとか、スキルアップの研修会とか、まずはそういったところから取りかかっていこうというふうに考えております。

○大石(裕)委員
 ありがとうございます。
 確かにおっしゃるとおりだと私も思いまして、いろんな宿泊形態の中の1つだというのはそのとおりだと思うんです。それぞれ条件がやっぱりあるわけですよね。民泊だと、例えば食事が出せないといった部分があって、でもそれは逆に言うと地域に対して出ていってもらって、食事してもらうことでのいろんな経済活動も含めたプラスの面もあるよというようなこととか、民宿であったりと、いろいろハードルがそれぞれ違うんですけれども、そのとおりだからこそ、また新たなそういう選択肢がふえたんだと。今事業をやられている方、やられていない方も含めてぜひ取り組んでほしいよと、これが新しい1つの形態ですから。ほかのものは皆民宿って言えばわかるわけですけれども、これはその中身もわからない方も多いでしょうから、それがもし中身がわかればやってみたいよという方も出てくると思いますので、全体というよりも民泊という部分を取り上げてPRすることもやはり必要なんじゃないのかなというふうに思っております。全体の中での1つとしての捉え方しかされていない、そういう形でやっているというような御答弁ではございましたけれども、状況によってというか、ぜひ部分部分では民泊というのはこうでという1つの売り出し方というか、告知の仕方というか、そういったところをまた力を入れてやっていただければというふうに思います。以上で質問を終わります。

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