委員会会議録

質問文書

平成27年６月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	07/07/2015
	会派名：	ふじのくに県議団

○髙田（泰）委員
　それでは何点か、一問一答方式で質問させていただきます。
　まず、説明資料13ページの中央新幹線に関する動きとその対応というところで、交通基盤部が直接この南アルプスのリニア中央新幹線のトンネル工事に関してかかわる所管事務というところはどうなのか。要は本県にとってリスクを回避するということとそれからプラスになる効果というものをより拡大していくという、県としては２つの方向でちゃんとチェックをしていかなきゃいけないと思うんだけれども、その中で交通基盤部は何を担当していくのか。そこをお伺いしたいところです。

○和田政策監
　中央新幹線整備についての県のかかわりということについてお答えいたします。
　交通基盤部といたしましては、中央新幹線の整備推進、それから県全体としても南アルプスの自然環境の保全ということを達成するためにＪＲ東海に対していろんな立場から意見を申し上げているという立場でございまして、具体的に交通基盤部といたしましては、今後中央新幹線の整備計画が具体的になった段階で、工事にかかわる河川等へのかかわりですね、そういう部分について主としてかかわっていくことになると思います。
　ただ、県全体として、ことし６月に中央新幹線の対策本部というものを立ち上げましたので、そこの中で他部と一緒になって連携して対応を考えていきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　河川に係る課題だけではなくて、工事ということになると多くの工事関係者が現地に入ったり、あるいは工事関係の機材、車両等々の出入りもあったりというようなことがあるのではないかということは想定されるし、トンネルから排出される掘削土を現地に捨てるというようなことも聞いているわけですけれども、そのための工事にかかっても非常に大がかりな工事業者等々も出入りをするだろうから、その辺のやはり管理体制、チェック体制ということも交通基盤部が見ていかなきゃならないと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。

○和田政策監
　工事にかかわる工事用車両、宿舎等の影響等につきましては、具体的には例えば林道の管理者である静岡市であるとか、もしくは土地を所有している方々等についての影響が考えられますけれども、直接的に静岡県がそれに対して何らかの権限を持っているわけではないということです。
　ただし、環境保全という観点ではくらし・環境部も含めて静岡県としてそれをチェックしていく必要があると思いますので、そういう意味合いで県と静岡市が連携して、静岡市と情報をよく共有して対応を考えていくというふうに考えております。

○髙田（泰）委員
　リスクを回避していくということでは、特に自然環境の破壊だとか、あるいは危惧されることについては、どちらかというとくらし・環境部主体で自然環境の問題についてはチェックしているところだと思いますけれども、工事に絡んでは特に交通基盤部が主体ではないのかなと思います。
　リスクを回避していくということとあわせて、静岡県としてやはりこの工事に伴って単にＪＲがトンネルを掘ることだけに協力をしていくのではなくて、このトンネル工事というものが逆にプラス効果になっていくということをよく考えていかなきゃいけないのではないのかなと思うわけなんです。
　例えば、工事のために道路整備ということも必要ではないのかなと思うんだけれども、その辺はどのように考えて、道路に関してはどこまでどういう整備が必要なのかということを認識されて、把握をされているのか伺います。

○和田政策監
　１点、工事にかかわって交通基盤部として具体的なその工事の施工方法であるとかそういうものについては、技術的な観点から全庁の対策本部の中で交通基盤部としての考え方というものをしっかり話をして、チェックをしていきたいと思います。
　もう１点、工事にかかわる地元へのメリットというんですか、そういうものについては当然ながらここの地域はユネスコのエコパークに指定されている地域でございまして、その振興等を図っていく上では例えば地域振興というものもエコパークの目的の１つでございますので、道路整備というのがそれに対して重要な役割を果たすという認識でございます。
　そういう観点でいくと、環境保全と両立した適切な道路整備が図れるように、直接の管理者は静岡市が管理する林道ないし県道ということで静岡市でございますけれども、そこに対しては県としてそれがうまく進むような形で助言をしていきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　道路整備ということは、南アルプスがエコパークというものを生かしてこれから観光面だとか自然を愛する多くの方たちが南アルプスに入りやすくするということも非常に経済効果としてのプラス効果になると思います。それから井川地区を中心として地元の皆さんたちも、例えば交通基盤部の所管する森林・林業の整備ということからしても井川地区の森林・林業関連事業者の皆さんたちがより事業がしやすくなる。それにもやっぱりそれなりの道路というものが整備されることが必要でもあるでしょうし、井川地区の観光関係の皆さんたち、あるいは地元で事業をやっている皆さんたちについても道路というものは非常に重要な案件であるので、このリニアのトンネル工事に伴って道路整備というものが必要であるならば、しっかりそこはある面では経済のプラス効果ということをＪＲのほうにもしっかり伝えていく、方向を出していくということは交通基盤部としての仕事ではないかと思いますが、その辺の取り組みについてはいかがでしょうか。

○和田政策監
　８番委員御指摘のように、地域の産業もしくは地域の方々の暮らしというものをよく考えた上で、全体の方向としてよくなるような形で考えていかなければならないと考えております。
　それについては、やはり静岡市とよく連携するということが大切だと思いますので、いろんな場面で静岡市と情報交換をしながらそれに努めてまいりたいと考えています。

○戸塚道路企画課長
　南アルプスのエコパークを活用した道づくりということで、南アルプスへ向かうルートといたしましては静岡市方面から登っていくルート、それから島田市から川根本町を経由して登っていくルートの２つのルートがございます。
　静岡市側のルートにつきましてはことし２月に静岡市が道づくり計画をつくりまして、その中で葵区の南アルプスの麓、ここをオクシズ地域といいまして、オクシズとの連携を深めるためにオクシズ事業というのを立ち上げて、例えば県道南アルプス公園線の道路改良ですとか県道井川湖御幸線の道路防災事業を進めることとしております。
　県といたしましては、島田のほうには空港があったり新東名のインター等の交流拠点がございますので、これと南アルプスをしっかりつなぐということで、国道473号相良金谷バイパスの整備ですとか、あるいは国道362号の拡幅といった事業を進めまして南アルプスの活用を図っていきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　わかりました。
　要望ですけれども、工事に伴っては多くの工事業者も必要になるでしょうし、例えばその業者選定についてもＪＲから本県の中の事業者を主体として選定してもらうとか、あるいは道路整備についても県、静岡市が直接やるということだけではなくて、リニア中央新幹線のトンネル工事に伴って拡幅等が必要だということであるならば、やはりそれは積極的にＪＲに担当してもらうという、それが結果的な工事中の経済効果それから工事が終了してからの経済効果になろうかと思います。ただリスクだけを受けるということだけじゃなくて、本県にとっては単なるトンネルで通過をするだけのリニア中央新幹線の工事ということになるかもしれませんけれども、この工事が経済的なプラス効果になるように、ぜひつなげていただきたいと思いますし、その取り組みは交通基盤部であるのではないのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

　続いて、説明資料89ページの都市計画区域マスタープランの見直しと、関連しますので110ページの地方分権改革による農地転用許可権限の移譲というところですけれども、総合戦略の中の主力となっているのが人口拡大、それは本県の土地利用のあり方、要は本県にしっかり住んでいただく、あるいは静岡県の中で多くの仕事ができるというような都市計画のあり方、土地利用のあり方ということがこれから問われるんじゃないか。その核になっているのが内陸フロンティア構想であると思うんですけれども、そういう見方からこのマスタープランの見直しとそれから農地転用許可権限の移譲、そしてそれは内陸フロンティア構想をどれだけ進めていくかということに一体としてつながることだと思います。
　内陸フロンティア構想については企画広報部が所管で、交通基盤部は何といいますか、メンバーであっても主力ではないから関係ないというような言い方をされるんだけれども、この総合戦略の中で内陸フロンティア構想を進めていく、そのためのこのマスタープランの見直しあるいはそれに伴う農地転用、権限移譲が進んでいるということの中で、どう一体的に進めていくのか、まず考え方、方向についてお示しいただきたい。

○白鳥都市計画課長
　内陸フロンティア構想と都市計画区域マスタープランの見直しとの関連性についてお答えいたします。
　内陸のフロンティアを拓く取り組みにつきましては、それぞれのインターチェンジ周辺で物流拠点等、また新しい産業の創出に努めて進めている区域でありまして、県としましては平成27年度、平成28年度に見直しを予定している都市計画区域マスタープランの中でそれぞれの地区の内陸フロンティア構想を反映させて新たな産業拠点、地域の発展を支えるまちづくりとして位置づけることを考えております。
　既に、その内陸フロンティア構想の途中構想の実現に向けてそれぞれの地区で推進協議会が設置されており、それぞれ産業拠点の実現に向けて情報を共有しながら土地利用の作成について取り組んでいるところでございます。
　したがいまして、県としましてもそれぞれの地域が進める構想の実現にあたり、一体的な土地利用が図れるように取り組んでまいりたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　具体的に、きょうは委員の中には曳田委員長を初め杉山盛雄委員、それから私。新東名の長泉沼津インターチェンジ周辺は長泉町と沼津市の行政境でもあり、その地域は総合特区としての指定を受け県下の中でも早い段階で既にイオンの物流センターがほぼ工事が終わり、この秋には営業を始めるという状況になっていますけれども、その地域の東名・新東名インターチェンジ周辺土地利用構想検討会で前へ進めてきた。その構想案がこの３月までにできました。しかしそれから前へ進んでいない。
　私が昨年12月の本会議の中で質問をしたことに対して、どう前へ進めていくのかということに対して、知事とそれから企画広報部長から答弁がありました。ちょっとその知事からの答弁のところを確認しますけど、「静岡県では、長泉町が内陸のフロンティアを拓く取り組みとして進める物流産業等を集積する先導的取り組みを東部地域全体の発展へつなげるため、沼津市にも呼びかけまして東名・新東名インターチェンジ周辺土地利用構想検討会を立ち上げたわけであります。この検討会では魅力ある地域資源や自然環境、景観との調和を失わないことを大原則として、地域づくりを具体化するための指針となる土地利用構想を策定するものです。この構想がスピード感を持って具体化できるように県が効果的で経済的な開発整備手法を提案するとともに、土地利用関係法令の協議手続の迅速化に向けた調整を行うなど、両市町と連携して地域づくりへの道筋をつけてまいります。まさに長泉町、沼津市、この２つの市町を積極的に支援するのは東部地域の新しい玄関口だと捉えているからであります」というふうに知事は答えています。
　それから、白井企画広報部長は私の再質問に対して、「対象区域は約200ヘクタールです」と。それから「当該地域に導入が期待されます機能とか保全すべき農地や業務区域等のゾーニングを一体となって行うということでの検討を進めています。今後とも方向性を取りまとめた後、具体化に向け両市町とも連携協力しながら積極的に推進をしていきます」と答えているんです。
　確かに構想案は３月までにできました。しかしそれから全く前へ進んでいない。そこはやはり都市計画の観点、土地利用の観点、それと当該地域には非常に農振地域が多いところもありますから、農地転用をこれからどうしていくのかということでは、この権限移譲ということも含めて交通基盤部が大きな役割を持っていると思うんですけれども、県が主導して両市町とあわせて具体化をしていく。あわせてその結果そこに新たな雇用の場が生まれたり、事前復興というか取り組みの中で新しい土地利用のあり方というのが生まれて、景観も配慮した、自然を配慮したような新しいまちづくりができていくということを県が主導して持って行かなければいけないのではないかと思うんだけれども、そこの取り組みをやっぱり交通基盤部がしっかり主導権を持ってやっていただかないと、両市町にお任せですよでは前へ進まないと思うんですけれども、その辺の取り組みについてどう進めていかれるか具体的に答弁をいただきたい。

○白鳥都市計画課長
　まず、都市計画の取り組みについてお答えいたします。
　長泉沼津インターチェンジ周辺につきましては、８番委員のおっしゃるように内陸フロンティアを拓く取り組みでまさにこれから可能性のある玄関口として位置づけられているところでございまして、今後、先ほど申したように都市計画区域マスタープランに位置づけて具体化を図っていくことは間違いないところでございます。
　ただ、周辺が200ヘクタールという広大な土地でございますので、多面的な土地利用が今、農業的にもまた林業的にもされていますので、多面的な土地利用を一挙に都市的土地利用にすることは非常に難しいものですから、長泉町が地元の合意形成または進出企業の誘致が確実になった、それら条件が整ったところから、間に合ったところから民間開発により順次進めていくところで、現在一部が3.2ヘクタールという開発許可により物流施設が建築されているところです。
　今後も、今回のマスタープランの調整も含めてそういった物流拠点としての構想を具体的な土地利用の設計図にして協議をしていく考え方でございますが、それぞれ間に合わない場合においても個別の開発が出たときに長泉町と適切な土地利用が図れるように支援してまいりたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　この構想案がマスタープランに反映していかないと、なかなかやっぱり200ヘクタール――沼津からは10ヘクタールをプラスしてくれよということの中でトータル210ヘクタールの地域を６次産業化、農業振興地域あるいは物流の区域等々、ゾーン分けをして方向性をより具体的に出していく。そうしたこれから青写真をしっかりつくった中でマスタープランの中に反映していかなければいけないのではないかと思います。
　説明資料の中でもマスタープランの見直しについては今年度――平成27年度と、当該地域については平成28年度――来年度には見直しをしていかないと、５年単位ということですから、さらに５年先になってしまうのではないのかなということを私は危惧をしているわけなんです。マスタープランへの反映ということに関して、内陸フロンティア構想を前へ進めていく上での重要性といいますか、マスタープランの中での重要性というものはどうなのか、そこをあわせて伺います。

○白鳥都市計画課長
　マスタープランの重要性及び今後５年ごとに見直されるマスタープランにおいて内陸フロンティア構想はどう位置づけるかということにお答えいたします。
　マスタープランは５年ごとにそれぞれ基礎調査で分析して確実な開発が可能となったものについて、具体的に調整を行い記述していくことになります。
　したがいまして、今現在の段階では長泉沼津インター周辺地区につきましては構想はあっても具体的な地元調整や、どの開発主体がどういった基盤整備をしていくかという具体的な設計図等については今後調整して図っていかなきゃならない区域で、それが今年度調整が図られた場所から具体的に地名等を入れて位置づけることになります。
　ただ、５年ごとにマスタープランを見直したからその機会しか、５年しかチャンスがないというわけではなくて、今回内陸フロンティア区域について大きな構想は位置づけますので、それぞれ５年間の中に随時変更という形で、その構想が具現化したとき、開発が具現化したときにはそれぞれ協議が可能となっておりますので、まずは全体の大きな構想について位置づけてまいりたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　はい、ありがとうございます。
　当該地域については県道の大岡元長窪線も整備され、沼津側についても池田片浜線という形の中でこれから道路計画も進んでいく。東側については既に県が主体となった池田柊線等々がかなりのスピードで道路整備ができているわけなので、やはりインター周辺をまさに知事が言われているような東部の玄関口として理想的な開発構想を持ってそれを青写真にして、それでできるところから開発をしていくという手法をとっていかないと、この農地転用の権限移譲の中で長泉町２ヘクタール、それから沼津市は４ヘクタール以下ということで権限が移譲されていくということで、２ヘクタール以下ならば町が単独で小規模開発をしていけばいい、あるいは沼津市は４ヘクタールまではできるというような形の中で小口で開発をしていくというふうな形が進んでしまうと、まさに東部の玄関口としての理想的な将来構想というものが何の野心もなしに進んでしまう、乱開発とは言えないかもしれないけれどもばらばらな開発になってしまう懸念もされるわけなので、そこをやっぱり交通基盤部がしっかり方向性を出してもらって、内陸フロンティアを拓く取り組みだから関係ないということではなくて、市町と一体となって県がリードしていかなきゃいけないと思うんですが、農地転用の権限移譲のあり方とそれから都市計画ということに関しては、小口での開発の懸念ということではどういうふうに考えるか、そこをちょっとお答え願いたいと思います。

○糟屋農地利用課長
　農地転用権限の移譲についてお答えをさせていただきます。
　８番委員がおっしゃったように長泉町には２ヘクタール、沼津市には４ヘクタール以下の農地転用権限が移譲されているわけでございます。
　基本的に農地転用権限が移譲されておりますけれども、全国一律の農地転用許可基準――法令に規定されたものがございますので、両市町におきましてもその転用許可基準に基づいて転用していただくということになります。
　当然、農地法の観点から優良農地を確保していくということもございますので、農地転用は農業上の利用に支障が少ない土地に誘導するなど、そういったことで両市町にも働きかけ、当然十分認知しておると思いますので、そういった形で転用をしていただくということになろうかと思います。

○髙田（泰）委員
　はい、ありがとうございます。
　要は構想案として210ヘクタールにも及ぶ当該地域の案ができたわけですから、それを具体的に前へ進めていく。その中には当該地域が農業を中心とした地場の特産品もいろいろ生産をされる地域でもあるわけで、あしたか牛だとかあるいは駿河柿だとか長ネギだとか愛鷹茶だとか、いろいろ特産品として生産される地域であるわけだから、ゾーン分けがもうしっかり案ができている――農業を中心とした６次産業化を含めた地域としてより具体的に前へ進めていこうという地域と、新しくできた道路沿線については物流あるいはファルマバレープロジェクトの関係等々も含めた新たな市街化地域への編入を目指した土地利用のあり方ということで、大枠のゾーン分けもできているわけですから、全て農業をやめちゃおうとかということではなくて、その土地利用のあり方というものをしっかり色分けをした中で、理想的な地域づくり、まちづくり、土地利用のあり方、都市計画というものを目指していかなきゃならない。そのためのたたき台をつくったということだと思うんだよね。それを具体化するにはやはり皆さん方が前に進めていかなきゃいけないし、リーダーシップをとっていかなければいけないと思うので、これ以上ここで細かいことをやりとりはしませんけれども、ぜひステップアップをするということで一つ一つを具体化につなげる、それも先延ばしではなくて前倒しの中で進めていただくということで、また個別にお伺いをしたいと思いますので、ぜひ具体的にステップアップ、前へ進めていただくことを要望したいと思います。

　次に、ふじのくに森林・林業再生プロジェクトの推進ということで、説明資料111ページですけれども、これまで本県の森林・林業を進めていく、また利用間伐をしていくということで今の目標は生産量50万立米という目標を掲げていただいています。
　受け皿としての株式会社ノダの製材工場の建築も進んで、ほぼできたと聞いていますけれども、生産現場というものがちゃんとノダへ材料の提供ができる状況になっているのか、その辺の生産体制のところについてまずは現状をお伺いいたします。

○菅沼森林整備課長
　ふじのくに森林・林業再生プロジェクトの中で、生産現場の状況ということでお答えします。
　このふじのくに森林・林業再生プロジェクトはこれまで第１ステージとしまして、例えば低コストで安定的な木材生産に必要な森林経営計画の策定、作業道の整備もしくは輸送料の削減、中間土場といったものに取り組んできて、今生産現場ではそういった効率的な木材生産という部分については相当進んできております。
　ただ、今後木材を50万立米の受け入れ体制ができた製材工場等にしっかり安定的に、計画的に出すことにつきましては、生産側である森林組合とそれから受け入れる側の工場とがしっかり情報等を連携し合いましてスムーズに木材が工場に送れるようにということで、安全供給のための連絡会、こういったものを開催して木材をしっかりと県内の工場に供給できる仕組みを今整えているところでございます。

○髙田（泰）委員
　具体的に物流を含めた、要は静岡県も非常に東西に距離のある県ですので、森林・林業が進んでいる天竜のほうからも富士まで運ぶということも必要になってくるでしょうし、県下各地の比較的先導的に進んでいるような、何ていいますか、森林組合あたりが中心となって進めている地域から切り出された材を富士まで運ぶその辺の手段。それからそれをよりコストを下げていかなければいけないと思うんだけれども、生産現場での路網整備等々も進めなきゃいけないということを聞いてきましたけれども、その辺の取り組み体制というものが県下全域の中でどう進められているのか、現状についてお伺いします。

○菅沼森林整備課長
　今の生産現場からしっかりと、例えば新しくできました株式会社ノダへの陸送。これは確かに本県は非常に東西に長いものですから輸送が非常に重要な課題です。
　例えば、県内に中間土場というものを多数つくっております。伊豆から北駿、富士、中東遠まで、今我々のほうで把握している中では５カ所ぐらい。小さいトラックで１つ運んでは輸送コストもかかりますしロットも必要ということで、大きなトレーラーに積みかえてそこから一挙に持っていくこういった中間土場を県内に設置しておりまして、さらにこういった土場を遠隔地等を中心にふやしまして速やかに木材が運べるように、低コストになるように、こういった仕組みを今後もつくっていきたいと考えています。

○高田（泰）委員
　ありがとうございます。
　生産体制のところから利用まで一貫した流れとしてちゃんと整備が進んでいかないと、片方だけが整備されてもなかなかこの50万立米というものは――優良木材をそのまま材として使う、それから加工に回す、あるいは端材はバイオマスなりに生かしていくというふうなことにしても――全体の流れがしっかりできていかないと机上の目標だけではなかなか進まないと思うので、一つ一つの整備をぜひお願いをしたいと思います。

　あわせて、県森連からも陳情がされている森の力再生事業というものが平行して森林・林業の整備ということでは重要なことだと思うので、本県の森林・林業の活性化ということではこの森の力再生事業というものも大きく貢献をしてきたと思うんです。
　ちょっと質問の方向が変わっちゃいますけれども、このもりづくり県民税の継続ということでは交通基盤部としてはどのように今考えているのか伺います。

○田島森林計画課長
　現在のところタウンミーティングを県内27カ所で開催しまして、その中で県民意見をいろいろ聞いてございます。
　会場のアンケートでは、事業に対する評価として継続ということで93％の方が継続をしてほしいというようなことをいただいております。
　また、インターネットモニターでも、引き続き荒廃森林の再生に事業を実施してほしいというようなことが80％程度の方からいただいております。
　今後、市町の首長さんたちにもそういった御意見についてお聞きしたり関係団体等にも意見聴取をしたりということで、そういったことを総合的に踏まえて継続等について検討を進めたいと思っております。

○高田（泰）委員
　このもりづくり県民税のあり方についても当然議会の中でしっかり審議をしなければいけないと思いますけれども、私としては非常に重要な事業の財源でもあると思っておりますので、県民の皆さんに理解をいただけるようにいろいろな取り組み、方向づけというものをお願いをしたいと思います。

　次に移ります。
　ため池の関係で、この間の本会議では宮城県議から防災対策等々の質問がありましたけれども、その中での答弁には触れられていなかったと思いますが、大阪府で平成27年度よりため池をスマートフォンで監視をするシステムを導入したということが報じられていますけれども、本県ではコストを下げた監視システムということに対してどのように考えられるか、考え方があったらお伺いいたします。

○望月農地保全課長
　スマートフォンを活用しましたため池の観測システムについてお答えいたします。
　ただいま８番委員から御紹介のありました大阪府のシステムでございますけれども、このシステムはため池の水位等の状況をスマートフォンなどの携帯端末を使いましてリアルタイムに把握することができるようなシステムでございます。
　これによりまして迅速で的確な管理業務、操作が行えますことから、ため池の防災対策に活用できるのではないかと考えております。
　県としましては、本会議の一般質問で答弁しましたが、今年度農林水産省から提供されますため池の貯水予測システムを用いてため池の豪雨対策を検討していきますことから、これとあわせましてため池管理者であります市町と調整を図りながら、この大阪府等の観測システムの有効性について検討していきたいと考えております。

○高田（泰）委員
　ぜひ前向きに取り組みをお願いしたいと思います。
　もう１問だけ質問します。県管理の河川の整備の関係ですけれども、本会議でもいろいろ質問が出ていますけれども、直接的なことで長泉町の桃沢川の雑木とか雑草の除去の取り組みをしていただいていますが、ぜひこれを地元からの要望もありますので上下流の全域について前へ進めていただくということ。それと定期的な対応策ということを取り組んでいただきたいと思いますが、その辺の考え方や取り組み事情についてお伺いいたします。

○石垣河川海岸整備課長
　河川の整備の進め方についてお答えいたします。
　今、８番委員がおっしゃいました桃沢川につきましては、昭和59年に一応河川の改修は完了しております。しかしながら近年土砂の堆積だとか河床の土砂のたまるところに雑草が生えるという状況が見受けられます。そういうことも踏まえまして、今年度地元からの要望のありました箇所の一部を河床掘削を実施させてもらっております。
　桃沢川のように改修が完了している、あるいは暫定改修も完了しておりまして当面改修事業等がないような県管理河川の適切な維持的な整備についてでございますが、地元あるいは市町と連携しながら必要性が高いところから順に実施していくというふうな考え方でおります。
　県内では500近いリバーフレンド制度を提携している団体もございます。こういった住民の方々と協働した河川愛護の活動によりまして適切な維持管理に努めておるところでございますけれども、例えば河床の土砂の撤去ですとか河床に生えている雑草等、住民の方々では難しいところ、あるいは住民の方々が行うと危険が伴うようなところにつきましては、河川管理者がしっかり実施するというふうな役割分担を決めまして、住民の方々としっかり協働しながら進めていきたいと考えております。

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