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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成27年9月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:池谷 晴一 議員
質疑・質問日:10/06/2015
会派名:ふじのくに県議団


○池谷委員
 分割質問方式でお願いします。
 まず、委員会資料の13ページですけれども、南伊豆町と杉並区との自治体連携による施設建設です。
 日本版のCCRC構想かなと思うわけですけれども、この特別養護老人ホームに入所される方は、基本的には住所変更されるということでよろしいでしょうか。確認をさせていただきたいと思います。

 この施設建設にかかわります県と南伊豆町の財政負担、都と杉並区の負担がどのくらいかということ、それと運営にかかわります県、南伊豆町、そして都、杉並区の直接負担についてどのくらいあるのかお聞きさせていただきます。

 それで、杉並区から住所を移動してくるということになりますと、当然医療、介護等、社会保障費も増加するというふうになりますけれども、社会保障費の間接的な負担増の見込みをどのくらい立てておられるのか、お聞きをいたします。

 次に委員会資料の41ページです。
 ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ、6番委員からも若干ありましたけれども、医学修学研修資金の貸与を受けて医師となった方は総数でどのくらいおられるのか。

 そして、ここには定着された方の数は出ていますけれども、このうち返還免除を受けないで、この医学修学研修資金を返却して県外の医療機関で勤務されている医師というのはいるのでしょうか。お聞きをいたします。

 それと、ふじのくにイクボス心得帖です。
 この中を見たら非常にいいものができたなと思いますけれども、県庁内でどのように活用されているのか。
 それとあわせまして、県庁の管理職の方のイクボス度はどのくらいでしょうか。お聞きをしたいと思います。

 それと、次に介護保険なんですけれども、2年以上滞納されている高齢者が全国で1万人いるという報道がございます。
 この滞納につきましては、2年以上滞納すると利用者負担が1割から2割に引き上げられるというペナルティーもあるということでございますけれども、これから先を考えますと、当然ながら介護保険料はどんどん上がっていくということですね。
 実年金額がどんどん減少している状況を考えますと、今後ますます滞納者がふえてくるんじゃないかと思います。そうしますと、介護保険の利用自体を控えざるを得ないという方も出てくるんじゃないかと思いますけれども、県内における介護保険料の納付状況と、実際にペナルティーが県内の市町であるのかどうか、お聞きをさせていただきたいと思います。

 認知症対策ですけれども、認知症のグループホームが県内にも幾つかあると思います。その現状と課題につきまして、お聞きをしたいと思います。

 そして、行方不明になってしまう認知症の方も大分おられると思います。先日新聞報道であったように、大阪府でコンビニと協定を結んだり、また名古屋市で消防団とか消防団員とうまく協定を結んだりとか、認知症の方の靴にステッカーを張ってすぐにわかるようにしたりとか、いろいろな試みを全国でやられておりますけれども、本県においてはどのような対策がとられているのかお聞きをいたします。以上よろしくお願いいたします。

○桑原長寿政策課長
 最初に御質問がございました、委員会資料の13ページの自治体間連携による特別養護老人ホーム建設運営に関する御質問です。
 まず、仮に杉並区の方が入所される場合は、住所は変更されます。

 ただし、住所地特例といいまして、既に介護保険料につきましては、その住所地特例が適用されております。今回本県からの要望等に基づきまして、国民健康保険につきましても仮に入所された方が75歳になったときに、今までは住所地が負担しているものを、もともといらっしゃった、今回の場合杉並区から入った方につきましては、杉並区でそれを負担するようになります。
 加えて、今回杉並区と南伊豆町と本県とは、建設に当たりまして、基本合意書、それから条件の覚書とか確認書を締結しております。確認書の中で、例えば生活保護費でありますとか、今お話しした国民健康保険、医療費、それから身寄りのない方の埋葬費とかもろもろの新たに生じるおそれのある地元負担につきましては、もともといらっしゃったところの杉並区で負担するという確認書の締結をしておりますので、新たな地元の負担は生じないものとなっております。

 それから、施設整備に係る補助でございますが、本県と杉並区ともに施設整備全体に対して、おのおの県の制度に基づき、杉並区は杉並区の制度に基づきまして建設に当たっての補助をすることになっております。
 それから、間接的な負担について仮に杉並区から入所される方の負担がどのくらいかというのは、全体の定員が90床の特別養護老人ホームとなっておりまして、各自治体で介護保険事業計画をつくることになっております。その中で杉並区の計画では、おおむね50名が今回整備されるホームに入ることになっております。
 ということで、賀茂地域でも南伊豆町初め四、五町から大体40名ほどが入る予定になっておりますので、入った方の負担は先ほど申し上げたとおり、余分な経費についてはもといたところで基本的には負担されることになりますので、その辺はまだ計算はしておりません。

○後藤国民健康保険課長
 ただいまの答弁に若干補足させていただきます。
 国民健康保険につきましては、もともと国民健康保険法の中で住所地特例制度がございまして、例えば杉並区の方が南伊豆町の施設に入っても、杉並区で国保の負担をするという制度がございます。
 ところが、今回問題になりますのは、75歳からの後期高齢者医療制度なんですけれども、この中には、例えば74歳で東京から静岡にやってきて、施設の中で75歳を迎えて後期高齢者になった場合、これは住所地特例が効かない、適用されないということで、若干制度の中で十分でない部分があったということでございました。
 しかしながら、これにつきましては、国への要望などを重ねた結果、今回の医療制度改革の中で、平成30年度からこの住所地特例制度が適用されるようになったということでございます。
 また、仮に後期高齢者医療制度の中で50名が入所し、その50名が全員とも住所地特例を受けられずに全部静岡県が負担しなければならないといった場合に、大ざっぱに試算をしてみると、大体県と南伊豆町がそれぞれ300万円弱の負担増になるのではないかという試算をしております。

○酒井医療人材室長
 ふじのくにバーチャルメディカルカレッジの成果のうち、医学修学研修資金を利用してどれくらいの方が医師となられたかということでございます。
 9月現在で757名の方が医学修学研修資金の利用をされてこられました。そのうち260名の方が医師免許をお取りになられた後、現在医師として勤務をされているということでございます。

 それからもう1点、医学修学研修資金を返還して県外で勤務されている方はどうかというお尋ねでございましたけれども、返還後の勤務先については把握をしてございませんので、数字を持っておりません。

○鈴木こども未来課長
 ふじのくにイクボス心得帖の県庁内における活用と、県庁内の管理職のイクボス度についてお答えいたします。
 県職員に対する研修につきましては、経営管理部で職位に応じて研修を実施しているところでございます。その中で部下を持っている職員を対象とする研修に、この心得帖も活用していただくよう働きかけていきたいと思います。
 今年度は、11月に健康福祉部でもこのイクボス心得帖を活用いたしまして、イクボス養成講座を開催する予定としております。午前中に県の幹部職員、そして午後に企業等の管理職を対象としております。
 それから、県庁内の管理職のイクボス度ということでしたけれども、11月の養成講座の中でイクボス度をチェックしていただこうかなと思っております。

○杉山介護保険課長
 介護保険料の滞納のことでございます。
 新聞に報道されました2年以上の滞納は、全国で1万355人に対しまして、本県内は19の市町におきまして247人でございます。
 滞納に対しては、ペナルティーが科せられます。2年以上の滞納者に科せられるサービスの利用負担が1割から3割になりますが、このほかに1年以上滞納し、サービスの費用全額を一旦負担して後になってから申請して9割が給付される方々が120名です。
 1年6カ月以上になりますと、払い戻し申請後、保険給付が一時的に差し止めされ、納付する額から滞納保険料を相殺するというものがあります。これは、まだゼロ人です。この方々は、要介護認定を受けた方となります。
 一般的な保険料の収入でございますけれども、平成25年度の収納状況でいきますと、現年分、1年分が564億円の調定に対しまして557億円の収入、収納率が98.8%になります。ですから、滞納の額としましては単年度1年度でいきますと約3億円出ております。
 その中で、特別徴収というものがありまして、私たち働いている者、また年金が年額18万円以上の方はそのまま天引きされて徴収されますので、特に納付というのはございません。年金からの天引きと給料等の天引きというのもありますが、65歳以上ですので年金から天引きされます。
 滞納者の方々は、いわゆる普通徴収といわれる方で、年金が年額18万円未満の方になります。そういう方々は市町村が個別に徴収することになっておりまして、現在その方々の滞納が出ております。その額が先ほど言いましたように、3億円という額になっております。

○桑原長寿政策課長
 認知症の関係で2つの御質問がございました。認知症グループホームの現状と課題をまずお答えいたします。
 県内でも高齢化の進行とともに、認知症高齢者の増加が非常に見込まれております。その中で、認知症対応型のグループホームの整備状況をまず申し上げます。
 平成27年4月1日現在で366施設、定数としては約5,800名となっております。
 今年度からスタートしました新しい長寿社会安心プランの中で、今後3年間でさらに定員を576名ふやすと、施設数でいうと31カ所で増員をしたり新設をしたりしていく予定となっております。
 今後、地域包括ケアシステムという、住みなれた地域で安心して暮らしていくためには、こういった地域密着型の認知症対応型グループホームなどは今後とも充実を図る必要がございますので、市町とも調整しながら計画的な整備を今後も進めてまいりたいと思っております。

 次に、認知症等の方が行方不明になった場合の捜索ですとか確認についてです。
 8番委員からは、大阪府と名古屋市等で認知症の方の対策をしているということでした。本県におきましては、認知症だけではないのですけれども、ひとり暮らしの高齢者等の見守りを充実させたいということで、ふじのくに安心地域支え合い体制づくり県民会議というものをつくっております。民間企業も含めまして、各種団体も入っていただいて、見守りネットワークづくりをしているところでございます。
 一応全ての市町でそういった見守りネットワーク、例えば宅配業者ですとか、新聞の配達、それから全ての市町ではないのですけれども、コンビニエンスストアと締結しているところもございます。
 それから、牛乳とかガス等のそういったお宅を訪問するような事業者とのネットワークを構築しておりまして、県内全部で2,000を超える団体、企業の参画を得て取り組んでいるところでございます。
 それから、各市町の地域支援事業がございまして、この中で高齢者の見守り事業を展開し、今県内26の市町でいろいろな形でやっております。
 例えば、認知症の方がGPS端末を携帯して見守りをするとか、徘回で行方不明になった際には、見つけた方から警察等への連絡をお願いするとか、あるいは市町の中で鉄道、バス、タクシー、郵便局等々と連携をとって捜索し、いち早く見つけるというような取り組みを、市町によってさまざまなんですけれども、工夫をして取り組んでいただいているところでございます。
 それから、県といたしましては身元不明の方で例えば施設などに長く入所、保護されている方につきまして、既に昨年の6月からインターネットのホームページでその情報を公開しておりまして、既に5名の方がそれによって身元が判明しているところでございます。

○池谷委員
 南伊豆町の関係ですけど、県と南伊豆町で600万円くらいは支出をしなければならないという話だったと思います。これについて杉並区から、南伊豆町へ寄附というのは難しいと思うんですけれども、何らかの形で繰り入れみたいなことはあり得るのでしょうか、お聞きをいたします。

 それと、ふじのくにバーチャルメディカルカレッジですけど、本県以外へ大分出て行っているような感じなのですが、この理由は調べてあるのでしょうか、お聞きをいたします。
 本県に医師がいてもらうことが目的だと思いますから、そこら辺はしっかりと検証していただかなければならないと思いますので、そういう要因、県外へ出て行ってしまう要因についてお聞きをいたします。

 あと、認知症のグループホームですけれども、認知症の方に対応したグループホームで、医療とか介護サービスというものは、ほかのグループホームと違って何かあるのですか。
 これも新聞で読んだら、認知症の方が球技をしたり音楽を聞くといいという話もありましたし、優しく接する、要するに看護師にちょっと手当を厚くすれば、認知症も進行を極力抑えられるという話も聞いていますので、そういう特別なものがあるのかどうかをお聞きいたします。

○桑原長寿政策課長
 まずは、南伊豆町の特別養護老人ホームの建設に係る地元負担のことです。
 先ほど、仮に国民健康保険を負担するとしたら600万円くらいというお話があったのですけれども、繰り返しで恐縮なんですけれども、県と南伊豆町と杉並区の間で、覚書、確認書を締結しております。仮払いとかも含めて、一切地元で生じる負担については、もともと杉並区が全て生活保護、国民健康保険、それから医療費、介護保険料も含めまして、あと予防接種とか細かな費用その他につきましても、必要に応じてその都度協議の上、項目については追加するということで、地元の負担は生じないということで3者が確認しておりますので、御確認いただきたいと思います。

○酒井医療人材室長
 医学修学研修資金の関係でお答えをいたします。
 本県の医学修学研修資金は、8番委員御指摘のとおり、返還免除のための勤務を本県でしていただき、さらにはそのまま継続して県内で御勤務いただきたいと。県内でお勤めいただく医師をふやすことがこの目的でございます。
 実際には、既に返還免除のための勤務を終了された方が、現在42名いらっしゃいまして、そのうち35名は県内で御勤務いただいています。その差7名でございますけれども、この方々が県外でということでございます。
 その理由といたしまして、7名中5名が出身大学の委託人事によるものでございまして、義務が終了した中で医局へ戻られて、その人事で県外で御勤務をされている方でございます。
 さらに、返還免除のための勤務が終了されていない方のうち24名が、今県外で勤務をされています。この方々も同様に医局の人事という中で動いていらっしゃる中で、県外で勤務といったところが理由でございまして、そこを離れるような形であれば、また県内にとどまっていただければと考えているところでございます。

○竹内地域医療課長
 今の答弁に補足をさせていただきますけれども、8番委員御指摘のとおり、修学資金の意味というのは、やはり県内に多くの医師を呼び込んで、定着させるのが目的になっております。
 そのため、県外の出身の方あるいは県外の医科大学に在学中の方についても積極的に広報して貸与しているのが実際のところではあります。先ほど御質問もございましたけれども、現時点において、卒業して数年の若い奨学金の貸与を受けた医師の方々にリクルーターになっていただいて、実際に県内の病院に勤務をしていただいている現状ですとか、そのときのやりがいですとか、そういうところを県外にも出向いていっていただいて、貸与を受けている医学生の方に魅力を直接伝えていただく。あるいは、交流会のような機会に、非常に和んだ雰囲気の中で伝えていく。
 こういうことで、医師になってからも静岡県で働こうという意欲を学生のうちから持っていただく。そういうところの取り組みも、実際に県としても既に始めているところでございます。
 特に、若い医師の方は大きい病院、小さい病院、それぞれお勤めの中で、それぞれの病院に魅力がありますので、そのようなところで勤務先に限らず、現状の中で非常にやりがいを感じているところを医学生の方あるいは実際に初期臨床研修中で、専門研修という形でこれから県内で本格的に勤務を始めるような若い医師の方々に魅力を伝えていただくことで、少しでも県内への就業、それから定着を図ってまいりたいと考えております。

○橋福祉長寿局長
 認知症高齢者グループホームのサービスについてお答えをいたします。
 介護保険における認知症高齢者グループホームの介護サービスにつきましては、認知症高齢者グループホームは24時間365日の包括報酬でのサービスでございますので、全て介護サービスはグループホームで提供をされる、内包されているものでございます。医療サービスは、必要なものは医療保険で受診していただく形になっております。
 また、球技や音楽を聞いたりということを取り組まれているかどうかでございますけれども、それぞれの運営する事業者の創意工夫によって、例えば音楽療法を取り入れているところ、音楽を聞いたり楽器を弾いたりということも講師を招いてやっているところもございます。また球技をされているところ、農園を借りて農業を楽しまれている、親しまれているところと、いろいろそれぞれの創意工夫に基づいて認知症が進行しないようなサービスを提供されているところは県内にもございます。

○東堂委員長
 質問の途中ですが、ここで休憩をいたします。
 再開は、午後3時5分といたします。

( 休 憩 )

○東堂委員長
 それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。

○池谷委員
 よろしくお願いします。
 所沢市でちょっと問題になっているんですけれども、保護者が子供を出産して休業を取得した場合に、保育所に行かれている上の子供が退園になるという育休退園です。
 さいたま地方裁判所では、この母親の訴えを認めたということでありますけれども、県内の市町での育休退園の取り扱いの状況、課題、県としての考え方をお伺いいたします。

 次に、裾野市で認可外保育施設を支援する認証保育所制度が始まったということです。これは施設整備費に加えまして、職員人件費など、運営費についても補助をするということですけれども、県内のこういう認可外保育所、あるいは一時預かりとかベビーホテル等々の認可外保育施設について、現状と課題。そして、認可外保育そのものに対する県の考え方、対応につきましてお伺いをいたします。

 それと、厚生労働省では地方自治体が独自に実施をしておりますこども医療費助成制度につきまして、あり方を検討する、見直しをするということでございます。
 このこども医療費につきましては、皆さん御存じのとおり各市町で独自の助成基準で上乗せをして助成をしているわけですけれども、こういう自治体には、例えば国庫補助金を減額支給するというようなペナルティーが厚生労働省で課せられているということも聞いております。これについては少子化対策に逆行するという指摘が当然ながらあるわけですね。県として、こういう厚生労働省の考え方について所見をお伺いいたします。

 また、県内の市町でやっているこども医療費の上乗せ助成と実際の出生率の相関関係について、どう捉えているのかお考えをお聞きいたします。以上よろしくお願いします。

○鈴木こども未来課長
 所沢市の育休退園についてですけれども、静岡県内の全ての市町におきまして、今何らかの条件つきで継続入所を認めております。
 その中で、17の市町が年齢制限を設けております。市や町では保護者の職場復帰までの期間でありますとか、保育所の空き状況、それから待機児童の発生状況などによりまして、継続入所か一旦退園か判断をしていると聞いております。
 県といたしましては、保育ニーズに的確に対応できますよう、受け入れに十分な施設の確保に向けて各市町と連携して取り組んでいきたいと思っております。

 それから、2点目の認可外保育施設の関係です。
 県内の認可外保育施設は、平成27年3月末現在で344カ所の運営が確認され、7,124人が通所していると聞いております。その内訳は、ベビーホテルが55カ所で638人、事業所内保育施設が53カ所で607人、それから院内保育施設が82カ所で1,296人、一般認可外保育施設が154カ所で4,583人となっております。これは政令市も含んでおります。
 課題といたしましては、利用者からの保育料で運営していることから、運営基盤がやはり脆弱で職員が不足しがち、そして施設整備を行う資金も不十分という施設が多いことが挙げられます。
 それから、施設によって施設整備や保育従事者等について保育環境の格差が大きいなど、認可保育所に比べまして児童の処遇に適正を欠く可能性が高いということが考えられます。
 県では、認可外保育施設に対しまして、良好な施設に対する事業費助成を実施し、保育環境の向上を図っております。そして指導監督の実施によりまして、良好な保育環境と施設の育成を図るとともに、指導監督に従わない施設に対しましては、公表及び改善勧告の処分なども行っております。
 こういう方針に基づき対応しているところでありまして、これは実施主体である市町の考えによりますけれども、適正な運営が期待される事業者につきましては、市町が行う認可保育所への移行等、小規模保育事業所等への移行を支援して、待機児童の解消に県としては取り組んでいきたいと考えております。

○鈴木こども家庭課長
 こども医療費の関係についてお答えします。
 まず、厚生労働省の見直しの関係でございます。
 こども医療費等の地方単独医療費助成事業で、現物給付方式を採用している場合、国は保険医療機関へ受診しやすくなるという、いわゆるコンビニ受診等の安易な受診を予想し、医療費総額が増額するということから、国民健康保険医療給付費負担額を減額措置としておりますけれども、今日の少子化の問題を考えたときに、国庫負担の減額は少子化対策の観点に逆行して、また国保会計も圧迫するということで、県として独自に、また全国知事会等も通じまして、この国民健康保険の給付費の負担金の減額措置の廃止を強く要望してまいりました。
 今回、厚生労働省が子どもの医療制度の在り方等に関する検討会を設置して、この検討を始めたことは、本県を初めとする地方公共団体の要望活動の一定の成果であると考えております。
 9月に第1回の検討会が開催されたばかりでありますので、国として、今後どのような方向性を出していくのかにつきまして、県としても検討会の推移を注視してまいります。

 それから、こども医療費の市町の上乗せ助成と人口増等の出生率との相関関係についてであります。
 まず、こども医療費助成制度は、子育て家庭の経済的な負担の軽減と子供の疾病の早期治療、重症化を防ぐことを目的として展開してきた事業です。その意味で、県が市町を助成する中で、県内の全市町において入院、通院とも中学校3年生までという全国的に見ても高い水準で統一的に助成制度が確立できているということは、一定の成果であると考えております。
 その中で、市町がさらに単独の上乗せ助成というお話がありましたけれども、例えば上乗せ助成をしている項目として医療費の自己負担分を無料としている市町と、そうでないところとの合計特殊出生率との相関を調べましたけれども、統計的に相関は認められませんでした。
 ただ、県といたしましては、各自治体によってその助成を拡充した時期に違いがあるとか、あるいは他の子育て支援策との関係とか、さまざまな要因が影響しているものと考えております。またそれらの効果も含めて各市町が独自の政策判断として展開していると認識をしております。

○池谷委員
 ありがとうございます。
 最後に、何点かお伺いいたします。
 混合診療ですけれども、患者申出療養が来年4月から実施されるということでございます。実施医療機関は、総合病院が中心という報道がありましたけれども、県内でこれに該当する病院はあるのかどうか。そして、この患者が申し出る相談をするにはどうするのかを、まずお伺いいたします。

 それと、子宮頸がんワクチン接種が全国で大きな問題になっておりますけれども、県内におきまして、このワクチンの接種による健康被害者、被害が出た患者がおられるのかどうか。そして、もしおられればどんな対応をとられたのかお聞きをいたします。

 それと、ジェネリック医薬品です。
 TPP交渉で、大分問題になりましたが、一応決着したということで、厚生労働省は2020年までに普及率80%以上に引き上げるという目標を掲げているということでございます。このジェネリック医薬品の使用についての拡大の趣旨、背景、そしてまた課題についてお伺いをいたします。

 そして、マイナンバー制度ですけれども、これも2020年に本格運用ということで、もう通知は送られ始めているということでございます。このマイナンバーについて社会保障、医療とか介護にかかわる分野について、どのようにこの制度が活用されるのかをお伺いしますとともに、県は、どういうふうに県民に対して対応していくのかお聞きをいたします。以上、よろしくお願いします。

○後藤国民健康保険課長
 まず、混合診療の患者申出療養についてお答えいたします。
 この患者申出療養でございますけれども、まずは患者がかかりつけ医など身近な医療機関に申し出ていただくという形で進められると、今制度がつくられております。ただ、これはこの10月以降に省令の改正が行われるということで、詳細については、まだ明確にはなっておりません。また新聞報道等で全国で400病院に拡大するといった報道もございました。これにつきましては、がん診療の連携拠点病院がまず指定されるということで、その400という数字が出てきております。
 今まで混合診療が認められている医療機関は、本県では県立静岡がんセンター、浜松医科大学附属病院、県立総合病院、県立こども病院しか認められておりません。しかしながら今度これが拡大されることになりますと、例えばですけれども、順天堂大学医学部附属静岡病院でありますとか、沼津市立病院、静岡市立病院、藤枝市立総合病院といった幾つかの病院が本県でもふえてくるのではないかと考えられております。

 続きまして、ジェネリック医薬品についてお答えいたします。
 ジェネリック医薬品につきましては、やはり患者の負担の軽減、それから医療保険者の保険財政の改善に資するために、ジェネリック医薬品を普及しようということで進められております。その背景にございますのは、やはり国民医療費が増大を続けておりまして、今後もますます高齢化が進むということで、医療費が増大してくる。そういった中で、医療保険者の財政を圧迫しないように、特に国民皆保険制度の最後のとりでであります国民健康保険に影響のないようにということで、ジェネリック医薬品の普及を進めているところでございます。
 しかしながら、課題といたしましては、ジェネリック医薬品をつくっている企業はある程度の売り上げがないとすぐに撤退してしまうという部分もありますので、安定的な供給がまず1つの課題。それからもう1つは有効性の問題。中に入っている成分は同じであっても、それを例えばカプセルに入れたにしても、胃で溶けるべきものが腸で溶けたりしますと、その薬の有効性に問題があるということを医師会で指摘する声も上がっております。そういったところが課題だと考えております。

○奈良疾病対策課長
 子宮頸がんワクチン接種におきます健康被害等に関してお答えいたします。
 県内では、全国と同じようなことでございますが、平成25年4月から市町が実施者となりまして予防接種が開始されております。その後、定期接種化から特にはっきりしたことでございますが、ワクチン接種との因果関係を否定できない持続的な疼痛が見られたことによりまして、2カ月ぐらいたった平成25年6月14日から厚生労働省は積極的な接種勧奨を控えている状況で、現状もこの状況は続いております。ただ定期接種化というのは法律的な話ではございませんので、接種は現在も続いております。実際には激減しておりますが。
 その中で、副反応がどれくらいあったかという御質問でございますが、平成25年4月から県が把握しているだけで26件報告がございまして、うち15件が未回復となっています。
 未回復の定義はどういうことかというと、その前の状況に戻っていないということでございまして、代表的なもので言いますと、例えば高次脳機能障害が二、三件。起立性調節障害あるいは意識消失といったものも見られます。それらを全部含めまして、未回復が15件となっております。
 健康被害が発生した場合どういう対応をするかでございますけれど、市町、県を経由いたしまして、接種された方が――親になると思いますけれど、厚生労働大臣に申請を出しまして、健康被害と予防接種の因果関係が認められた場合には、医療費等の給付が行われることになっております。ただ、今問題になっていますのは、審査がなかなか進んでいないことがありましたので、国が今後審査を始めるという話を聞いております。
 この制度は、実際には予防接種健康被害救済制度ということでございますが、先ほど申しましたとおり、国がこの審査をまだあまり進めていない段階でございます。その関係もあるかもしれませんけれど、県内では健康被害救済制度の申請はまだ出ておりません。また今後、審査が活発化されると出てくることが予想されます。
 定期予防接種の実施とその救済は、あくまで市町が実施者でございますが、県といたしましては市町が設置いたします調査委員会への医師の推薦――これは調査委員会をやって、その後市が認めた上で、県を通して国に上げることになりますが――その手続に協力するほか、申請があった場合には速やかに国に対して進達を行いまして、迅速な判断を求めたいと考えております。
 また、副反応が生じた患者に対しまして、より身近な地域で適当な診療を提供するために、県内では、浜松医科大学附属病院と順天堂大学医学部附属静岡病院が協力医療機関ということで選定してございます。それらの病院に数件の相談があると聞いており、それはまたいずれ国に上がってくる可能性がございますので、こちらに関しても協力してやっていきたいと思います。

○福島政策監
 マイナンバー制度についてお答えいたします。
 マイナンバー制度につきましては、国民、県民に、今御自分のマイナンバーがぼちぼち通知されるという手順になっています。実際には平成28年1月以降に利用が開始されることになります。
 利用される分野につきましては、社会保障分野、税務分野、防災分野の3つの分野になりまして、このうち社会保障分野については、年金、労働、福祉・医療等の3つの分野に分けられます。この福祉・医療等について、医療と介護がどのようになるかということでございますが、医療の分野におきましては、健康保険法とか、国民健康保険法などの医療保険の保険給付の支給、それから保険料の徴収に関する事務で利用されます。それから介護の分野につきましては、介護保険法による保険給付の支給、保険料の徴収に関する事務に利用されます。具体的には医療や介護の窓口におきまして、申請や給付等の手続をする際に、御自分のマイナンバーを記載していただくということになります。
 具体的に県民がこのようなマイナンバーを記載した書類等の関係データにつきまして、各地方公共団体内部において、そのマイナンバーが適正に運用できるかどうかという管理システムの運用テストを行い、さらには地方公共団体、例えば都道府県と市町村、国との連携の運用テストをこれからやっていきまして、平成29年7月から本格運用となります。
 ですから、県民にとっては平成29年7月以降の申請給付手続について、マイナンバーさえ申請すれば住民票とか所得関係の書類とかいろんな関係書類を省略できることになります。その意味では、平成29年7月から本格的に県民の皆様の利便性が格段に向上すると思っています。
 現時点における県の事務といたしましては、健康福祉センター、保健所におきまして、県民と密着する生活保護、介護保険、医療の関係の事務を各種対応しておりますが、そのシステムに対応するために、昨年度と今年度にかけてこの健康福祉部内のネットワークシステムの改修作業をしております。平成28年1月以降の運用に関するシステムの改修に対して、間に合わせるように準備をしている最中でございます。

○池谷委員
 マイナンバー制度について、ちょっとお聞きをいたします。
 医療機関相互で電子カルテの利用とか、あるいは患者の医療情報の共有により重複受診とか重複検査、あるいは薬の重複投与の防止など、医療機関と薬局で情報が共有できればそういうところにも発展していくと思うんですけれども、そういうことは想定しているんですか。

○福島政策監
 マイナンバー制度につきましては、基本的に行政機関が利用するという前提で制度設計、法制化されてございます。
 8番委員御指摘の医療機関同士の相互の連携とか、病院と例えば薬局の連携につきましては、現在国におきまして、医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会で検討されています。この研究会は、既に平成26年12月の中間まとめによりまして、医療機関において情報連携する場合どういう形にするか。例えば個人の方の医療について情報連携するときに、個人の病歴を知られたくない、もしくは服薬の履歴を知られたくない、いろんな個人のプライバシーの関係もある。医療施設の問題、課題がある。
 そもそも、行政機関が利用するためのマイナンバーでございますが、医療機関がもし利用するということになると、医療機関にマイナンバーとは違った仮番号を付して対応するであるとか、いろいろな社会システムの変革もしくは対応を検討する必要があるということでございます。現在、国で検討されておりますのでその検討の結果を踏まえて、制度化された暁には国民生活は格段に向上していくと思っています。

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