本会議会議録
質問文書
平成28年2月企画くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 山ア 真之輔 議員 | |
質疑・質問日: | 03/08/2016 | |
会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○山ア委員
それでは、一括質問方式で2つだけお伺いしたいと思います。
いずれも環境分野なんですが、まずはPM2.5関係についてお伺いしたいと思います。
今スギ花粉の猛威がだんだんと襲いつつあるんですが、これからPM2.5もだんだんと怖くなってくるということで、委員会説明資料の5ページによりますと来年度は3440万円をかけまして常時監視する自動測定器を整備していくということなんですが、事前に教えていただきまして現在は政令市を除いて県内に11基そういった観測装置があるということなんですが、来年度はこれにプラスしてどの地域にどれだけふやしていくのか。そしてどういった基準でそれらを設置していくのかについてまずは教えてください。
それと、委員会説明資料の49ページになります。
第3次静岡県循環型社会形成計画の策定案についてでございます。
これは、県民総参加による循環型社会の形成を目標にして、「あーす(明日・Earth)のために『もったいない!!』衣・食・住でごみ削減」という非常にセンスのいいキャッチフレーズをかけられているわけなんですが、この(3)の特徴についてお伺いをしたいと思います。
1つ目に数値目標を量的視点から質的視点に転換と書かれているんですが、これはどういったことを意味しているのかについて教えていただきたいのと、それから3つ目に新たな課題や広域的課題対応と書かれていますが、この新たな課題とは具体的にどういったことを指していくのかについて教えてください。
○市川生活環境課長
平成28年度に設置するPM2.5の測定器について御説明いたします。
予定しているのは4台でございます。沼津市、それから富士市、富士宮市、磐田市に設置する予定でございます。
この設置の仕方なんですけれども、人口7万5000人に1基程度を設置という環境省の事務規定がございます。これに基づいて設置箇所を決めております。ただやっぱり人が集まっているところでなければ要らないとかいろんなことを加味しまして順次整備していく予定でございます。
○増田廃棄物リサイクル課長
第3次静岡県循環型社会形成計画の関係でお答えします。
まず1つ目、数値目標を量的視点から質的視点へ転換ということでのこの内容でございますが、第2次計画までは、例えば最終的にごみが廃棄された後にいろんな処理をされて最終処分場に持ち込まれるわけなんですけど、その最終処分量を一応指標として用いていました。今回そこは最終処分率という形へ置きかえを今考えているところでございます。その心は近年の傾向でごみの排出量は若干最近は減少傾向にあるんですけど、どうしても経済の状況を受けやすい指標でございます。リーマンショック以降、特に産業廃棄物については多分経済が減少の要因の大きな部分である状況が多いんじゃないかということで、私どもとしても静岡県はものづくり県ということで特に経済とこの環境の両立を考えたときに、例えば経済がよくなったからごみの排出量がふえてもいいじゃないかということではよろしくないなということで、そこのところは経済動向とか人口の影響を例えば何かあったとしても、根本的な質の部分で3Rの概念が県民に定着してほしいという思いを込めて質的なものを指標と掲げさせていただいております。
あと、新たな課題、広域的な課題という表現をさせていただいているんですけど、最近、今年度も県内で不用品の回収業者が1つの市町だけじゃなくて広域的に無許可で収集する事案がございました。あと例えば水銀廃棄物についても新たに水銀汚染防止法ができたりとか、その根本には水俣条約があったんですけど新たな廃棄物の課題が出てきております。あと災害廃棄物対策ということで、それこそ5年前の東日本大震災のときの教訓になった災害廃棄物の処理について平時から準備をするべきじゃないかということで、県では一応計画昨年3月につくったんですけど、今市町に処理の計画をつくるように働きかけをしております。そういう新たな課題に対しても、よく言うのは一般廃棄物、産業廃棄物という形で県だとか市町だとかいう縦割りでやっていることが多いもんですから、そういうある程度区分にとらわれずに積極的に県から市町にアプローチをしてきたいということで計画に盛り込んでいるところでございます。
○山ア委員
お答えありがとうございました。
それぞれに少しお伺いしたいんですが、まずPM2.5に関して新しく4基設置されるということで、これによって常時監視できる範囲が政令市を含めて広がっていくわけなんですが、県として得られたデータをどのように使っていくかが大事だと思います。考えられるのはその得られたデータを県民に対していかに有効的に周知していくかということと、あと得られたデータをもとにどういった対策をしてその汚染を少なくするかという2点だと思うんですが、県の施策についてお尋ねしたいと思います。
それから、第3次静岡県循環型社会形成計画につきましては、新たな課題、広域的課題につきましてはよくわかりました。最初の量的視点から質的視点への転換ということで、これからは経済動向が変わったとしてもしっかりと理念を達成していくためにやっていくんだという覚悟が見てとれたんですが、この真ん中にあります目標指標の一般廃棄物の最終処分率は現状6.3%あるところを平成32年度には4.2%に減らしていくということです。一方で産業廃棄物は現状1.8%であるものを平成32年度も1.8%で現状維持になっているんですが、この一般廃棄物をおよそ2.1ポイント減らしていくためには具体的にどういったことをやっていったらいいのか。特に県民がかかわってくるところだと思うんですが、どういったことをやってほしいのか。もし具体的にあればお教えください。
そして、産業廃棄物は現状維持となっていますが、この理由についてお答えください。
○市川生活環境課長
まずデータの使い方でございますけれども、これはホームページにオキシダントや窒素酸化物なんかをあわせて公表しております。これは速報値ですから多少その後に修正が入る場合もございますが、過去1週間分については全て残っておりますので見ていただければと思います。年間集めますとまた年間集計としてデータを公表いたします。
それから、これからどう使っていくかでございますけれども、PM2.5の環境基準は位置平均で見るか年間平均で見るかの2ポイントでございます。時間値で評価しているわけではございません。ある意味で非常に細かい調査をしていますので、なかなかそこまでの精度がないと考えております。ですので分析についてはそういうデータであることを御承知いただきたいと思います。
それから今後どう使っていくかでございますけれども、かつては偏西風に乗って冬場に中国からやってくるのではないかと言われていましたけれども、その後の調査によりまして夏場にも発生する。それは風に乗ってくるものと、もう1つ二次生成物質――オキシダントと同じように光とかいろんな影響で新たに生成される。PM2.5の成分としてはイオン物質、炭素物質、それから無機物が考えられております。まだ平成21年度に環境基準を定められたところでして、国もまだ研究が緒についたところです。とったサンプルによって3つのうち何が多いのか、そして中国から来ているのか、生成がどのようにされているのか、これからまだまだ研究が必要だと思っております。先ほども環境衛生科学研究所でもPM2.5に対する期待も話されておりましたので、そういうところで研究が続けられていけばよりだんだん解明していくと思っております。
○増田廃棄物リサイクル課長
数値目標のうち一般廃棄物の最終処分率をどう達成していくのかというお尋ねです。
この最終処分率を下げるための方程式がなかなかあるわけではないものですから、今でき得るあらゆる取り組みを県民に声かけをして取り組んでいただくことを考えております。その取り組みをお願いするに当たり、先ほど特徴のところにちょっと書かせていただいていた、身近な衣食住の場面に分けて2Rの推進をキャッチフレーズに、計画の中で例えば衣につきましては衣類ごみの削減で、最近県内の市町でもいわゆる衣類をそのままごみに捨てるんではなくて、行政回収だとか集団回収の取り組みを徐々に始めている自治体もふえてきました。ただ回収した後の持って行く先もなかなか難しいという話もあるもんですから、なかなか一足飛びには進まないんですけど、県内での成功事例なんかを各市町で情報共有しながら、県内全体で例えば衣類ごみの削減もある程度数値目標を持った形で進めていければと思っております。
食についてはきょうも議論がございました食品ロスの削減について働きかけをしていきたい。あと住については、暮らしの無駄削減という形で割と広い概念で呼びかけをする予定なんですけれど、今までもやってきておりますが、マイバッグとかマイボトルの普及を引き続き定着するように、環境基本計画でもうたっていますライフスタイルに定着するような形で県民に呼びかけをしていきたいと考えております。
産業廃棄物につきましては、現状の数値が1.8%で目標値も1.8%ということで、目標値としてどうかなということかと思います。実はこの1.8%は全国的にもかなりすぐれた数字で、国で今掲げている平成32年度の目標は同じ産業廃棄物の最終処分率の数字が出ていないんですけど、試算をしますと国は3.3%を目標に置いています。今現在静岡県はもうその半分ぐらいのところにあります。
その中で、昨年度県で今後のごみの排出量なんかもシミュレーションの委託を出してみたんですけど、やはり景気の回復とともに排出量が増加するんじゃないかとか、そうするとあわせて最終処分量も増加するんじゃないかというシミュレーション結果も出てきました。ただそれじゃあ先ほどの話で経済状況に左右されている形で仕方がないなということで、数字だけ見ると消極的に見えるかもしれませんけど、1.8%はかなり高いレベルでの維持目標だと理解していただければありがたいと思います。
○山ア委員
ありがとうございました。
要望にしたいと思いますが、PM2.5は当然静岡県内だけで起こっている問題ではなくて、他県それから他国にもまたがる問題というのは承知していますので、私たちは基本的には静岡県のホームページからその数値を見るんですが、ぜひ当局の皆さんにおかれましては周辺の近隣の県がどういった状況にあるのかもチェックしていただきながら、ぜひ先手を打った対策を常に意識をしていただければと思います。
それから、第3次静岡県廃棄物循環型社会形成計画なんですが、やっぱり午前中もお話がありましたように食べ切りプロジェクトですか、池谷くらし・環境部長がおっしゃっておられるように話題にしていく、それから楽しくやっていく、身近でやっていくのが大事なポイントだと思います。やっぱり低炭素、低炭素と言って二酸化炭素を出さないことだけ意識しちゃうとどうしても発想が貧困になっちゃうんですけれども、プラスの側面で政策を推進していくといい効果があらわれるように思いますので、ぜひそういった目線でこれから循環型社会を形成していかれるように御期待申し上げまして以上といたしたいと思います。ありがとうございます。
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