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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和2年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鈴木 節子 議員
質疑・質問日:12/14/2020
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○藤曲委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開いたします。
 傍聴人の方に申し上げます。
傍聴証の裏面の記載事項をよく守って、静粛に傍聴されるようお願い申し上げます。
 これより、質疑等に入ります。
 では、発言願います。

○鈴木(節)委員
 一問一答方式で何点かお聞きしますので、よろしくお願いします。
 午前中に説明頂いた産業委員会提出案件の概要及び報告事項の77ページからお願いします。
 もりづくり県民税による荒廃森林の再生事業についてです。
 議案そのものの税の延長をするかどうかは総務委員会所管ですけれども、こちらは荒廃森林の再生事業で、タウンミーティングでは継続、賛同、それから評価委員会でも荒廃森林の解消に効果があるため引き続き事業の推進を提言しています。1期10年で今2期目5年が過ぎたところで、まだ計画の整備面積が約5,600ヘクタール残っているとのことです。この計画が5年後には終了するとのことですが令和7年の時点でまたさらに整備が必要な面積が増加する可能性があるかお聞きします。また第2期全体計画面積の作成時点をお聞きいたします。

○浅井森林計画課長
 森の力再生事業の第2期計画の作成時点と今後の整備面積増加見込みの2点についてお答えいたします。
 まず1点目、第2期計画は5年前に作成しております。その際に荒廃森林として考えられる木が込み合って真っ暗になっていて下草がなくなっている森林、もしくは今後下草がなくなるおそれがある森林を計算として加え、トータル1万1200ヘクタールが10年間で整備が必要な面積として当初計画に盛り込んだところです。
 現在半分を過ぎておりますが、現時点では計画どおりに整備していければ今後荒廃森林の面積は増加しないと考えております。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
 計画どおりに進んでいるとのことですが、もりづくり県民税が導入される以前は県の独自予算で荒廃森林整備などはやってきたけれども、それでは進まなかったのか。それだけでは遅々として進まない原因があったのかどうかお聞きします。

○浅井森林計画課長
 もりづくり県民税は平成18年度に導入されましたが、それ以前の比較的材価の水準が高い時期には林業生産活動を通じて間伐などで手入れの遅れた森林整備を推進しておりました。しかしその後の材価の低迷等もありまして、林業生産活動が停滞する中で手入れがされなくなってきた森林が増えました。特に林道から遠いなど林業生産になかなか適さないところについては整備は進まず、結果として荒廃森林が顕在した状況を勘案して平成18年度からもりづくり県民税を導入し、森の力再生事業により整備を開始することにしました。

○鈴木(節)委員
 当時の実態はほぼ理解できました。
 もりづくり県民税が延長されるか議案審査の最中ですけれども、それとは別に令和6年から森林環境税が導入されると聞いています。もりづくり県民税と国税の森林環境税の役割は分けていくのか。県税は上層部の深原林や緊急に整備が必要な森林の整備について使うと聞いています。国税は林道作業道や地域の森林整備に使うと聞いていますけれども、役割分担で明確に用途を分けていくのかどうか方針を伺います。

○浅井森林計画課長
 もりづくり県民税と森林環境税の使い道や用途についてお答えいたします。
 2つの税については、使途や役割を明確に分けています。8番委員がおっしゃったとおり、もりづくり県民税については公益性が高い一方で、所有者による整備が困難で地形条件が不利かつ緊急性が高い荒廃森林の整備に使途を限定して実施しております。
 森林環境譲与税については8番委員がおっしゃったとおり地域の実情に応じた森林整備です。具体的には新たな森林経営管理法に基づき森林所有者との仲介役となって意欲のある林業経営者に森林経営を委託するといった市町の取組や幹線道路沿線の景観に配慮した間伐など、市町が抱えている地域の課題に応じた取組に充てています。
 県土の3分の2が森林であることから、県と市町がこの2つの税の使途や役割分担を明確にした上で、車の両輪のような形で森林整備を総合的に推進しています。

○鈴木(節)委員
 県税と国税の役割分担を明確にするとのお答えでした。全国的にはこのような超過課税を課している都道府県は多く存在すると思うのですが、全国が超過課税を課している中で本県事業の特徴があればお答え頂きたいと思います。

○浅井森林計画課長
 県単独の森林整備に関する超過課税について、本県事業の特徴をお答えします。
 全国37府県でもりづくり県民税のような県独自の超過課税制度による森林整備が進められております。全国的には人工林の間伐を主体としつつも木材の利用促進、さらには森林環境教育といったところまで少し幅広の用途に使っている県が多いのですが、本県の特徴としましては既存の施策では対応できない荒廃森林の再生に使途を限定して実施しているところが大きな特徴であると考えております。

○鈴木(節)委員
 お答えありがとうございます。
 先ほど申しましたように、もりづくり県民税は、この議案が通って延長される場合は1人400円、それから令和6年からは森林環境税が新たに1,000円付加されることになります。この2つの税がかかることで県民にとっては負担感があると思いますが、この事業の有益性や効果について県民への周知を図る必要があると思います。大変負担が多いと感じる県民が大勢いらっしゃると思いますけれどもこの事業による効果の周知はどのようにされていくのかお聞きします。

○浅井森林計画課長
 事業の有益性、効果について県民の理解を得るための周知についてお答えします。
 まずは森林の働きや森林整備の重要性とともに、本事業のこれまでの15年間の成果をしっかりと県民に御理解頂く必要があると考えております。このため幅広く県民の皆様にお伝えするために県民だより――10月号にも載りましたが――県のホームページ、SNS、さらには県内1,500店舗のコンビニエンスストアでのポスター掲示等様々な媒体を活用して情報発信をしております。
 また、直接県民の皆様に税の内容なども含めてお伝えするため、駅などの街頭やショッピングセンターでリーフレットを手渡し説明する活動なども行っております。加えて荒廃森林の再生を現場でより実感していただくために、実際整備した箇所で、間伐によって林の中に光が差し込んで下草や広葉樹が再生している状況などを見ていただく体験会を開催しています。
 今後も様々な機会を捉えて効果的な手段を組み合わせ広報活動を展開し、県民の理解を頂きたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 手段として県民だよりやホームページ、SNS、ショッピングセンターを活用するとのことでしたが、県民にとってはいろいろな情報がどんどん流れてくるので、意識して聞こうと思わないと流れてしまいます。
 この荒廃森林の再生は整備対象が個人の持っている私有林と聞いていますので、そこに手がかけられない方にとっては必要な事業だと思います。税金によってこの事業が行われているので、もっと意識的に県民に理解頂くことも積極的にしていくべきではないかと思いますし、一方で負担が重いと思っている県民がいるわけですので、この事業の効果や必要性を知らせていく必要があると思いますのでよろしくお願いします。

 それでは、次の項目です。
 コロナ禍の中小零細事業者への支援について何点かお聞きしていきます。
 今、このコロナの状況下で廃業件数が過去最高となるおそれがあると新聞報道がされています。東京商工リサーチによりますとコロナ関連の経営破綻が9月以降毎月100件連続で、小規模倒産も増加しておりますので負債が1000万円未満の倒産も含めると累計で824件との報道がありました。
 こうした中で、コロナの感染が広がった場合廃業を検討する可能性がある中小企業は約9%、30万社以上が廃業の危機との報道があります。政府の支援はたくさんありますけれども多くがまだ届いていなかったり、持続化給付金も1回のみでは足りないとの声もあります。
 静岡県の状況で言うと、負債1000万円を超えたコロナ関連倒産は31件で全国7位と聞いています。本県の倒産業種の特徴は飲食店やホテル、旅館も多いと思いますが、倒産業種がどういうところに多いのか、その特徴と原因の分析についてまずお伺いいたします。

○高橋商工振興課長
 本県のコロナ関連の倒産は、東京商工リサーチでその数字を基に分析がされておりまして、外出自粛や来店客の減少により影響を受けた飲食業や食料品製造業、サービス産業などが多い傾向にあります。ただ今年11月までのコロナ関連を含めた全倒産件数で見ますと、昨年や一昨年を下回っている状況です。
 内容を分析しますと、大半の企業が新型コロナウイルス感染症が発生する以前から債務超過や赤字決算、売上減少といった経営難の状況に置かれており、新型コロナが最後の引き金になったことは間違いないのですが主な要因にまでは至っていません。しかしながら今後コロナの感染収束まで相当時間を要すると考えられますので、体力の乏しい企業を中心に倒産が増える可能性ももちろんあります。引き続きその状況を注視していきたいと考えています。

○鈴木(節)委員
 まだコロナ感染症の収束には程遠いと見受けられる中で、体力が乏しい業者にとってはまだまだこれから予断を許さないとの分析を頂きました。
 政府の成長戦略会議では、日本の中小企業は今の半数でいいと乱暴な言い方をして中小企業の集約化の検討を始めています。しかしながら中小企業は日本企業の99.7%を占めていますし従業員も約7割を占めていますので、日本の地域経済と雇用の根幹をなすと位置づけるべきだと思うのです。
 中小企業なしには日本の経済は成り立たないとの位置づけをお持ちだと思いますが、中小企業が果たしている役割をどのようにお考えなのか。政府が成長戦略会議でやろうとしている中小企業の集約化に対して、静岡県としては中小企業の存在はどうあるべきか、そのお考えをお聞きします。

○高橋商工振興課長
 政府の一定数の中小企業を再編集約し、中小企業から中堅企業へ規模を拡大することによって生産性の向上を図ることは重要な視点だと思いますが、一方で8番委員がおっしゃったとおり本県を含めて日本の産業は中小企業に支えられています。大企業の下請けではなく、中小企業が固有の技術や先端的な技術を持って産業全体の下支えをしています。経営体力を増し強靱化を図る、さらにデジタル化などで今の形のままでも生産性向上を図ることは非常に重要だと思っております。中小企業は今申しましたとおり日本のあるいは本県の産業の根幹を支えている存在だと認識しております。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
 日本の産業の根幹は中小企業が支えているとの心強いお答えも頂きましたので具体的な内容でお聞きします。
 静岡の商工会議所のコメントがあり、売上げが激減しているが給付金の要件を満たせなくて利用できなかった業者もいる。来年以降コロナの影響がさらに深刻だろうとか今後の支援がまず必要とのコメントもあります。必ずしも支援が行き届いているわけではないから影響の長期化を見据えた支援が必要だ。これは新聞に載っていました。商工会議所のこうした声に対して、制度融資や国の給付金制度もありますけれども、県として何をこれから強化すべきだとお考えなのかお伺いします。

○高橋商工振興課長
 我々といたしましては3つの策を組み合わせて考えております。
 まず1点目は、今までもお答えしましたがこれまでの新型コロナウイルス感染症感染拡大を踏まえ、金融機関や信用保証協会などと県内中小企業への迅速な資金供給に努めた結果、コロナ関連の倒産や廃業を一定程度抑制できたのではないかと考えております。今後追加的な借入れの必要性を感じる企業は多くなってくると思いますので、それに備え県制度融資による資金繰り支援をまずは継続していきます。
 2点目は、コロナ禍で事業環境が激変する中、新たな収益確保に向けたビジネスモデルの再構築や業態転換に挑戦する企業を支援するためにチャレンジ補助金制度も創設しており、既存の補助制度の拡充も行っていきます。
 それから、経営改善に取り組む中小企業が商工団体にいろいろ経営相談したいとの要望が強いので、商工団体を通じた専門家派遣事業も強化しています。
 これらの金融支援と経営支援を組み合わせ、県内の企業が今後倒産や廃業に至らないように努めており、今後とも努めていきたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 今の3つの支援策は重要なので今後も強化していただきたいと思います。店舗や事務所を構えている方にとっては売上げが激減し収入がないけれども固定費はどんどん出ていってしまうんですね。家賃補助については国の制度がありますが、固定費や維持管理費への補助もしてほしいとの声が業者からかなり聞こえてきています。例えば水道、電気代などの維持費やリース代の補助。具体的には水道料金の減免や雇用している方たちの社会保険料の補助など考えられることはいろいろありますし、このままでは年越しできない方たちもいらっしゃいます。例えば年越し給付金とか、考えればいろいろな項目が出てくると思うのです。この補助については他県では県独自の家賃支援策などいろいろなメニューを実施していると思いますが、県として固定費に対する補助、支援は検討されていないのか、今後検討するのかその必要性についてもお伺いいたします。

○高橋商工振興課長
 固定費につきましては従前から非常に議論になっていて、8番委員のおっしゃったとおり国が固定費を含んで事業全般に広く活用できる持続化給付金を給付しています。さらに家賃支援給付金により、売上げが大幅に減少した企業の家賃支援をしています。
 県としては、コロナの感染収束が見通せない中、経営状況が厳しい事業者に対する支援として資金手当てをしっかりと行うため、引き続きまずは県制度融資によって県内企業の事業継続を支えていきたいと考えております。
 固定費につきまして他県で実施とのお話もありました。他県の状況も調べましたが、国の家賃支援給付金に連動あるいは補完するため県レベルで制度を設けるところはそれほど多くありません。家賃は都市部、地方部で全然状況が違ったりオーナーとの関係もありますので、それぞれ各市町レベルで独自の支援があるのは承知しておりますが、県となると幅広く状況を全て踏まえるのは難しいため、いろいろな資金の手当てとして使える制度融資を中心に今後もきちんと支えていきたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 国の直接の給付があることと、県は3つの支援を中心に支援していきたいとの答弁でしたけれども、全国的には県レベルでも独自の支援策をやっているところがゼロではないので、鋭意研究や調査もしていただければと思います。まだこれから長引くと思いますから、今後も研究する必要があると思いますのでよろしくお願いしたいと思います。

 次に、高齢化による後継者不足に対する支援です。
 説明資料46ページになりますが、帝国データバンク静岡支店の調査によりますと事業継承を経営上の問題と意識している企業が約7割あり、経営者が60代以上で事業継承の計画がない企業は廃業予備軍となる可能性があります。県内企業の3割が後継者が決まっておらず1割強が廃業の可能性があるとの指摘がありまして、このままだと最大で5万人の雇用が失われるおそれがあるとのことです。後継者がもともといない中、コロナ禍で収入が激減して後継者不足が加速したり代表者の高齢化などいろいろな要素があるとは思いますけれども、県が行っている事業継承推進事業の成果と課題についてお伺いします。

○影山経営支援課長
 県の事業承継のこれまでの取組の成果と課題についてお答えします。
 現在、事業承継ネットワークにより事業承継について相談を受けています。それから商工会議所、商工会、金融機関、市町及び士業の方々と一緒に事業承継診断に取り組んでいます。これまでに累計2万1000件の事業承継の診断を行ってまいりました。これは全国有数の数字と感じておりますが、普及啓発も含めて実施しており専門機関への橋渡しの点で一定の成果があったものと考えております。
 ただ、事業承継診断の実施後具体的にうまくいくところはいいのですが、悩み事があるとかまだこの先であるとかいろいろありますので個別支援にも力を入れておりますが、さらに力を入れていかなければならないのが課題だと感じております。

○鈴木(節)委員
 説明資料の金融機関との連携強化のところで、親族内承継はもとより第三者承継やM&Aなどを促進するとあります。M&Aとは合併や買収ですよね。そうすると成長する企業だけを中心に支援して結局は廃業、転業、淘汰を進めることになると思うのです。先ほど地域経済を支えるために中小業者は地域経済の根幹だとの認識をお答え頂きましたけれども、このコロナ禍の中でも懸命に営業し事業を続けようとしている中小事業の応援が必要だと思います。
 M&Aについて、静岡県は東京都、首都圏、愛知県の間にあって大手企業が入り込む地理的条件がある。そうすると大企業からM&Aにより静岡県の中小業者が標的にされている地域だと思うんですが、M&Aが進むと静岡県の地域経済がこのままでよいのかお聞きしたいと思います。

○影山経営支援課長
 M&Aにつきましては、必ずしも大企業が全てということではありません。静岡商工会議所内にあります県の事業引継ぎ支援センターでマッチングしているM&Aについては、県内の企業同士で事業そのものはそのまま続けられる形でやっております。どうしても外から入ってきてしまうのを完全に防ぐことはできないのですが、県としてはM&Aも県内中小企業の振興という中で続けていきたいと思っております。

○鈴木(節)委員
 今、中小業者の代表者が高齢化しており、このままでは息子も後を継がないし自分の代で終わるしかない方が大分増えている声を聞いておりますので、その方たちの御要望も聞きながら丁寧に対応していただきたいと思います。

 コロナ禍での解雇と雇い止めの問題です。
 解雇、雇い止めは無権利の非正規やパートの方たちが真っ先に対象にされると思うんですけれども、コロナに起因する解雇、雇い止めは全国で6万人、非正規労働者は前年同月比で85万人減ったとの資料もありました。経営が悪化しているから人員削減や新規の雇用を抑制する企業が増えていると思いますし、就業を諦めてしまう労働者も増えていると思います。解雇、雇い止めは本県では1,662人とありますが、この数字は表面に出ていないだけでもっと多くの方たちが解雇されていることもあると思うんです。
 それと就業についてですが、本県の実態は全国の有効求人倍率よりも低いんですね。今後どのように就労を促進していくのかと解雇、雇い止めを食い止めるための施策、総合的な取組、今後の方針を伺います。

○宮崎労働雇用政策課長
 8番委員御指摘のとおり、10月の労働力調査におきましては非正規労働者が前年同月に比べて85万人減少している厳しい状況になっております。雇用の調整弁と言われる非正規労働者は企業の業績悪化の影響を受けやすく、非常に厳しい状況にあると再認識されております。
 他方、巣籠もりの需要の拡大やそれにより業績を伸ばして人手を必要としている企業や従来から建設、福祉、介護といった人手不足分野の企業も多いので、まだ求人のある企業とマッチング支援をしていくことが非常に重要であると考えております。
 県では、早期の再就職支援ができるように、離職者向けの職業訓練の定員数を県内全体でリーマンショック時の約2,400人を超える約2,800人まで拡大して離転職者訓練を行っております。また県内3か所のしずおかジョブステーションにおける就職相談員を10人から19人に拡大し、相談体制を強化しています。
 また、県内企業の採用活動を支援するために、県内9か所にしずおか人材マッチングサポートデスクを設置し、コーディネーター9人を配置しております。このコーディネーター9人の活動は10月末現在で支援企業数は706社、採用人数707人につなげております。このようにマッチング支援をきめ細かく対応し、求職者の就職に向けて支援してまいりたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 この事業によって706社、707人の支援につながったとのお答えもありましたけれども、先の見えない中で解雇や雇い止めにあった方たちはどこに相談していいのか、どこかに相談すればまた道が開けるのか悩んでいる方も多いと思います。個別の方に寄り添った支援が必要だと思うんですがどのようにされているのかお伺いします。

○宮崎労働雇用政策課長
 先ほど御説明させていただきましたしずおかジョブステーションの体制を10人から19人に拡大して取り組んでおります。しずおかジョブステーションにおきましては静岡労働局、各ハローワークと連携して就職困難な方のきめ細かな支援、伴走型の支援に取り組んでおります。
 しずおかジョブステーションの活用を県民に知っていただくため、1月の県民だよりでしずおかジョブステーションの広報をする予定になっております。ハローワークにきめ細かな支援が必要な求職者が来た場合には、しずおかジョブステーションに相談を回すようにしていただいております。ここの連携を密にしてこれからも支援に努めてまいりたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございました。
 ぜひきめ細かく対応頂きたいと思います。

 違う項目の質問です。
 国会で種苗法の改正がありました。施行期日は令和4年4月1日と聞いておりますけれども、それに基づいて本県の取組や今後の方針を何点か確認させていただきたいと思います。
 この種苗法改正は、優良品種の海外流出を防ぐことが狙いと説明がありますけれども、併せて農家の自家増殖を原則禁止することにもなりますので農家にとってこれが受け入れられるものなのかどうか。生産者に及ぼす影響と県の対応についてお聞きします。

○石川農業戦略課長
 8番委員の御説明があったとおり、今回の臨時国会において育成権の意思に反してその品種の苗や種子が海外に流出することを防止するための措置として種苗法が改正されました。
 今回の種苗法の改正は登録品種のみが対象で、多くを占める一般品種――例えば米であれば84%、ミカンであれば98%が一般品種になります――は対象外であり、全てが対象になるものではありません。
今回の登録品種の種苗の自家増殖の許諾については、確かに事務的な手続や許諾料が生じるなど生産者の負担増になる可能性がありますが、県としては海外流出を防止するという観点では、法改正の趣旨どおり育成者の許諾を得ることは必要であると考えております。このため県では、開発した品種についてその産地の振興と県有財産の保護の観点から許諾の方法や許諾料について今後検討してまいりますが、現在農林水産省が検討中で後ほど示されると思われる簡易な許諾方法のモデルを参考に、生産者の負担が極力増えないよう関係団体と対応方針を検討してまいりたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
 県としては許諾料を負担増にならないように検討していくとの力強いお答えもありましたけれども、2点お聞きします。
 登録品種についてですけれども、米は16%しかないので影響がないとの説明でしたが、実際総生産量に占める登録品種は33%にもなるとの数字もありますし、登録品種数は僅かでも実際の作付割合は地域の特産品では5割以上もあるとのデータもあります。ですので僅かしかこの対象にならないとの説明でしたが、それがそうなのかが1点と、県はこれから許諾料が高価にならないよう検討されますけれども、民間の企業が参入し開発した新品種について許諾料が高騰し歯止めが利くのかどうか。政府がどのように歯止めの仕組みをつくっているのか確認されているのであればお聞きします。

○石川農業戦略課長
 まずは、品目ごとの登録品種と一般品種の御説明をします。
 例えば、お米であれば先ほど86%と言いましたが、静岡県で言えば生産される品種のおおむね半分がコシヒカリになります。コシヒカリは一般品種になりますので今回の種苗法改正の影響はありませんが、例えば静岡県が育成した「誉富士」は登録品種になりますので影響があります。またイチゴは「紅ほっぺ」や「きらぴ香」が生産されており、それらは多くが登録品種になります。作物ごとに影響の差はありますが、先ほどお話しした数字は品種の数の全体ですので御了解頂ければと思います。
 民間品種の許諾料が高額になる懸念についての国の対応は把握しておりません。

○鈴木(節)委員
 お答えありがとうございます。
 政府の動きですが、許諾料高騰の歯止めは政府はまだ用意してないそうです。ですのでこれが農家の皆さんにとっては大変不安材料にもなっていると思うんです。
 お聞きしますが、県には公的種苗制度を守ることが求められておりますので、県としてはこれからどのように対応していくのか。
 それと、流出した種苗の生産をやめさせるためには海外で県が品種登録するしかないんですが、開発者である県としては県内特産品の品種登録はどのように行っているのかお聞きします。

○石川農業戦略課長
 許諾料高騰の歯止めの件ですが、県登録品種の許諾料につきましては品種の登録を維持するために必要な最低限の費用を基に設定しておりますので、決して過剰な許諾料になることはないと考えています。
 民間の許諾料について高騰の懸念があるのであれば今後検討したいと思いますが、基本的には市場原理が働くと思いますので必要以上に高額になることはないと考えます。
 それから、海外流出の件ですが現在静岡県ではイチゴ産地の育成を品種開発によって進めております。具体的には「きらぴ香」の品種ですし、「紅ほっぺ」につきましては中国等への流出も非常に問題視されております。このため静岡県では平成28年度から県育成品種の海外における無断増殖を防止するため、無断栽培等が行われる可能性が高い国や地域で登録出願手続を進めております。
 具体的には中国、韓国、台湾3国への登録手続を行い、無断増殖等の侵害が発生した場合差止め請求などの法に基づいた権利行使ができるよう準備しております。先般10月15日に韓国で「きらぴ香」が品種登録されたところです。

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