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委員会会議録

質問文書

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平成25年2月定例会企画文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:藤田 寛 議員
質疑・質問日:03/08/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○藤田委員
 私も2つの項目について質問をさせていただきます。あらかじめ、2点ほどお断りを申し上げておきますが、その1は女性であれ、男性であれ、答弁に優しさで格差をつけないようにお願いします。第2は、議会運営改善検討委員会で、複数の部等にまたがる場合には、委員の発言の機会の公平性を保つために、おおむね40分以内ということで各会派合意に至ったということでありますので、私はそれを先取りをして本日は40分以内、おおむね30分を目途に質問したいと思いますので、くれぐれも往復便でございますので、皆様方の答弁次第によっては、私のしゃべる時間が少なくなるということですので、チンと鳴らないように答弁も御留意をいただきたいというふうに思います。
 1つ目は、ふじのくに文化振興基本計画について伺います。現在は、平成25年度を終期とする第2期の計画の途上にあるわけですが、1期計画と現2期計画を比較をしますと、ふじのくに芸術回廊が追加をされました。多分、平成26年度以降の第3期文化振興基本計画においては、待望してやまない富士山の世界文化遺産絡みが追加をされてくるのだろうと私は思います。
 言うまでもないことですが、平成20年3月に第1期基本計画が公表された際、将来の到達する姿として設定されたのは、おおむね10年後でありました。したがって、3年、3年と来ていますので、残余の4年あたりが第3期計画の計画期間になるんだろうなというふうにも想定をしているわけですけども、ホップ・ステップ・ジャンプ、したがって第2期計画について、少々苦言も交えつつ御質問をしたいというふうに思うんです。
 最初に結論を申し上げます。現在の第2期基本計画には、幾つかのふぐあいがあると私は思います。とりわけPDCAサイクルに基づいて進捗管理を円滑に、なおかつ確実に行うために、成果指標、とりわけ数値目標等々の設定がもっとも肝要であるということは、オール県庁の普遍の原則だと承知をしております。にもかかわらず、現在の計画には私が拝見したところによれば、少なくとも3点にわたってふぐあいがあると思います。
 1つ目、現在の県の総合計画の基本計画が発表されたのは平成23年の3月でした。現在の文化振興基本計画が発表されたのは平成23年の2月、つまり1カ月前ほどでした。ほぼ同時期と申し上げていいと思うんですけども、基本計画に盛られていて数値目標の設定がされているのにもかかわらず、文化振興基本計画には同じ成果指標が設定されていて、数値目標が明記をされていないという欠陥がございます。上位計画で数値目標を設定しているわけですから、下位計画で設定をするのは当然のことでありまして、これは1つ目の不備として指摘をしておかなければならないと思います。

 それから2つ目、現状よりも向上という到達目標が約半数ございます。正確に申し上げるならば、現計画における成果指標は全部でほぼ20項目ございます。その中で、目標設定が空欄、なされていないのが7つ。数値目標が設定されているのが2つ。残余の11は現状よりも向上、これが到達目標として記載がされています。
 これは、異論はなかろうと思いますが、文化・観光部に限らず、オール県庁で計画に基づいて施策、事業等を進捗する際に、現状よりも低下などをイメージしているものなどあろうはずがありません。換言して申し上げるならば、どのような事務事業でも施策でも政策でも、現状よりも向上させるというのは、もうこれは言わずもがなのことでありまして、そのことについて御同意いただけるとするならば、現状よりも向上という成果指標の目標設定は看過しがたい、成果指標とは言いがたいと私は思います。

 それから3点目、この数値目標、あるいは百歩譲って現状より向上というふうにしたとしても、調査面の限界があるがゆえに、3カ年の計画の進捗状況を評価検証したくてもできないというものがあります。
 具体的にということについては差し控えますけれども、例えば国の国税調査の結果でそのバックデータが判明するというのもあります。文化振興基本計画の中の1つは、直近のデータは平成17年度分というのがあります。平成17年度から今日に至る間に数値があらわれなければ、判然としなければ、これ評価のしようがないです。もちろん、予算の制約があるでしょう。それから、調査主体が県ばかりではありません。市町に頼むこともあるでしょう、国の調査を引用することもあるでしょうけれども、そういう調査面のスパンを考えたときに、成果指標の設定にいささかの難があると私は思います。
 そういう意味では、現計画の56ページに目からうろこの記述がありました。文化振興は成果が発揮されるまでに長い時間を要する。よって、文化振興施策を効果的に実施するためには、施策推進の目標を明確にした上で、定期的に目標の達成度や効果を検証して評価することが重要と文化振興基本計画の56ページに明々白々記載がされています。大変心強く思います。ただ、現実、実態は有名無実化しているといおうか、少々乱暴な言い方をさせてもらえれれば、空文化している嫌いはないか、よくよく足元を見つめ直す必要があるのではないかなというふうに私には思えてなりません。
 文化政策課の平成25年度の当初予算の計上額、ざらっと見たらおおむね20億円です。文化振興基本計画の二重の成果指標が下支えをして、基本計画の2つの文化指標の達成に貢献、寄与するという樹木構造になっています。
 そうしたことも考え合わせると、第2期計画、現計画の成果指標の設定の現状について、改めて部としての課題、問題認識等について伺いたいと思います。

 それから2つ目は、1つ目の設問がベースになるわけですが、平成25年度は現計画の最終年度であり、第3期ふじのくに文化振興基本計画策定年度にもなるわけです。したがって、この第3期の計画を策定する新年度、どのような基本的な方針のもとで、どのような進捗、進行管理を図っていくおつもりなのか、2点目に伺いたいと思います。

 それから、2項目は天浜線の利活用の促進についてであります。思い起こしてみますと、あの不幸な川下り事故を契機として、存廃も含めた議論がPT――プロジェクトチーム――の場で行われてきたと聞き及んでいます。
 そうしたPTの議論に私どもも呼応するがように、委員長の取り計らいで現地視察も行わせていただきました。そういう意味では、会社の平成26年度からの新経営計画、これを策定するのが平成25年度でもありますので、文字どおり天浜線の利活用に向かって、新年度はリセットの年になるんだろうなというふうに私は思いました。
 ただし、非常に残念ですけれども、この主要事業概要、そうした視点で54ページ、55ページの天浜線の利用者の増加を図るための事業費500万円の中身について、一読をさせていただきました。文字数が少ないとか、分量が多い、少ないとかということを言うつもりはありません。ただ、この55ページの最下段の自己評価をごらんいただきたいと思うんですが、他の課の事業の自己評価に比べると、いささかあっさりし過ぎで、空欄はあるし、自己評価をどこまで緻密に、綿密にされているのか、少々私には心もとなく感じざるを得ないわけです。
 このことをもって、全体を評価するつもりはありませんけれども、そういう意味で私はPTの面々の真摯な議論、そしてすばらしい報告書をまさに先ほども話がありましたけども、そこに魂を入れるためにも、県として、最大株主として、社長等の幹部を送り込んでいる公共団体としても、この問題についてしっかりとした押さえをしておく必要があると私は思います。
 そこで伺いたいわけですが、PTの結論は3点だろうと思います。1つは、天浜線の社会的便益は公的支援額をはるかに上回っているということです。2つ目、会社は自助努力として収益構造を改革をし、収益を増大させて公的支援額の削減を目指すべきだ、これが2つ目でしょう。3点目は、会社の自助努力だけに任せるのではなくて、沿線市町等もお金の支援だけにとどまらない利用者増加に取り組むべきだと、この3点に集約可能だと私は思いますが、このPTの委員として参画された下山文化・観光部長、そして会社の経営陣の一員でもございます。PTでどのようなところに議論が白熱したのか、あるいはPTの全体の雰囲気はどうだったんでしょうか。もう既に報告書は提出されていますので、委員として参画された下山文化・観光部長さんのPTでの雰囲気と感想等についてお聞かせいただきたいし、あわせて経営陣の一角にも参画をされているわけですので、今後会社は新経営計画の策定はもとよりですが、このPTの報告書をどのように新年度具現化、具体化をする、言うならば工程等を想定されているのか、1つ目に伺いたいと思います。

○松下文化政策課長
 文化振興基本計画についてお答えいたします。
 確かに来年度は第2期計画の評価、あわせて、4カ年になりますけれども、第3期の計画づくりという大変重要な年であるということは認識しております。
 まず1点目の第2期の成果指標の設定の課題、問題認識はどうだという御質問だと思いますけれども、確かに私どもも指標を調べたところ、国勢調査など5年に一度数字が出てくるものを使っていたり、また3年スパンで調査しているものもございます。確かに5年の間には計画が変わってしまうわけですから、こういうものはやっぱり外していかなければならないじゃないかと考えております。また、毎年お金をかけなくても、市町を呼んだ会議だとか、公共ホールを呼んだ会議もございます。このときに合わせて数値をいただくということも工夫すればできる話でありますので、この辺は工夫をして確認できることはすぐに対応していきたいというふうに考えております。

 2番目として、第3期の策定に向けた取り組み、進捗管理でございます。“ふじのくに”づくり白書というものが平成25年2月にできて、この中で総合計画の評価をしております。私も読ませていただいたんですけども、AからBプラス、Bマイナスだとかという評価をしておって、また折れ線グラフなどでも多用しておって、非常に見やすい白書になっております。こういった白書、上位計画の白書の評価、これを参考にしながら、委員言われるように上位計画である総合計画と第3期のこの基本計画、それと課の仕事をあらわしている施策展開表、この辺を調整をとりながら第3期の計画づくりはしていきたいと考えております。以上です。

○下山文化・観光部長
 天浜線についてお答えをいたします。
 私もプロジェクトチームに参加し、進行役なども務めさせていただきましたが、このプロジェクトチームでの結論、議員御指摘のまさにその3点に尽きるものだというふうに考えておりました。
 当初は、毎年、毎年公的支援がないことには運営されない鉄道というのは、本当に必要なのかというところからの議論があったわけです。御指摘のとおり社会的便益について、便益というのは全てを数字であらわすことはできないわけですが、その中で特に数値にあらわしやすい部分のみを見ても26項目であると。その分析についても、かなり精緻にやっているということについての説明をしたあたりから、大分その辺の雰囲気は変わってきて、その社会的便益を守っていくにはどうしたらいいのかという議論に進んだというのが1つの局面だったかなと思います。
 また、存続する場合についても、社会的便益があるんだから、今までのとおりの公的支援でいいのかということについては、これは全体を通して大変厳しい議論になっておりました。そういう中で、会社としても何は置いても収益の増を図るという、それから収益の増加を図るに対しては、会社だけには任せておくわけにはいかない、その周辺市町が一緒になってやっていくべきであるし、まさに議員御指摘のとおり、お金を出せばそれで周辺市町、あるいは県の責任が終わるものではないということについても議論の中で出たところであります。
 私は一番印象に残りましたのは、最後の議論の局面の中で、株式会社を経営するからには、経営目標、それには数値が必要であるということ、それについても実行計画があり、それは検証されねばならない、これはある意味当然のことなんですが、市や町の支援についても、頑張りましょうと言うだけではだめだと、具体的な数値をもって、なおかつ進捗管理をし、それを検証する機会をつくっていくというのは非常に大事だということを市町のほうから参加いただいた委員の方から御発言があり、そのとおりであるという結論に導かれたということについては、大変印象的であり、心強く思った次第であります。
 会社経営について、この天浜線の経営については、会社、周辺市町、県が目標数値をきちんと持って進捗管理をしていく中で、全体としてお客様がふえ収益が上がり、安定的な経営をし、さらに公的支援額が減っていくという状況を招いていくことを考えております。
 それから、今後の会社の工程でございます。会社について言いますと、この会社の基本的な構造と言いますのは、今回の議論の中でも公的支援なしにこれを運営していけということはなかなか難しい、それを望むのは無理だろうという、減っていくべきであるけど、ゼロだということは無理なんだろうということがございますので、会社のみで今後経営計画を立てることはできませんが、周辺市町の市町会議での議論、そういったものを踏まえながら、株式会社が平成26年度からの新経営計画をつくってございます。なるべく早い時期に形あるものにし、それについて株式会社内での議論、あるいは周辺市町の皆さんの御意見を伺って、具体的な経営計画にし、平成26年度新しい計画に移行していくと、このように考えております。以上でございます。

○松下文化政策課長
 第3期文化振興基本計画の評価指標の件について、今まで現状より向上ということを確かに計画の中に多く使っておりました。ただ、文化に関しては、心の豊かさだとか、数値ではあらわしにくい部分があることは事実なんですけれども、評価チェックにつきましても、できるだけ数値で表すようにしていきたいと考えております。以上です。

○藤田委員
 議論を進めますけれども、文化振興基本計画については、おおむね認識が一致できたものと受けとめております。我が静岡県庁の中で文化を語らせたら右に出る者がいない宇佐美文化・観光部理事のアドバイス等もいただきながら、すばらしい3期計画に仕上げてくれるように期待をしておきたいと思います。

 天浜線のお話は、部長に概略解説をしていただきました。ポイントとして、これはもう言わずもがなでもありますが、PTのメンバーには、湖西市においては首長みずから、他の沿線市長は副市長等が参画をしている席において、報告書はまとめられているということですので、存廃という見地から申し上げると、沿線市町会議の決定を待つまでもなく、私は事実上天竜浜名湖鉄道の存続が報告書を介して明記されたというふうに受けとめております。
 そういう前提で、今後存続する上でポイントになるであろう3点を伺いたいと思います。
 1つは運賃の値上げに関してであります。報告書の45ページ、運賃の改定の可否を鉄道事業の収益構造改善のために検討すべきという言及があります。それから48ページを見ると、これは単なる意見の紹介ですが、先ほど来言われている社会的便益の1割以上を運賃還元するという意見があったという紹介もございます。
 そこで検討すべきということですので、これ会社任せ、沿線市町会議任せというわけにはいかないと思います。なぜならば、最大株主は静岡県であり、繰り返しになりますが、社長は前交通政策課長等々の周辺の関係をみても、静岡県としての主体的な方針が私は求められていると思うからであります。
 そこで、天浜線の運賃改定の経過、経緯少々申し上げると、1987年、昭和62年国鉄二俣線から天浜線に衣がえをしたわけですが、平成元年と平成9年に消費税の導入及び消費税の改定に伴って2回運賃改定がされました。天浜線固有の判断での運賃改定は平成6年の平均10%、これ1回限りなんですね。それ以降はありません。
 もう1つ、現経営計画の中でも、平成22年4月に平均10%の値上げが計画がされていました。しかし、値上げは回避され、なおかつ経常損失の圧縮目標も前倒しで達成がされました。これが過去の経過と申し上げていいでしょう。
 いま一つ、つけ加えますが、評価は即断はできないにしても、円安、株高、アベノミクス、これは市場が好反応を示しています。アベノミクスとは何か、デフレスパイラルからの脱却というのが目標です。デフレ経済の中で、深く深く日本経済が沈んじゃっている、それを何とかしようというのが、今の言われているアベノミクスということだと私は思います。
 そういう社会経済環境の中で、値上げという3文字はいささか社会全体、利用者はもとよりのこと、地に着いた問題提起とは受けとめられないと私には思えてなりません。したがって、値上げというと私も職員でありましたから、もしかしたら責任の一端があるのかもしれないけれども、国鉄は経営努力をせずに安直な値上げに逃げ込んでついぞ破綻をしました。この轍を踏んではいけないと思います。
 報告書では、可否という言葉が私には少々ひっかかります。値上げの適否だと思います。運賃の値上げについて、どのようにお考えなのか、御見解を承りたい。

 それから2点目、上下分離方式の採用です。これも報告書は極めて前向きに書かれている。47ページ、上下分離方式を採用する鉄道がふえる中で、国も上下分離方式の鉄道への支援を強化している。存続する場合は検討することが必要だと、これが報告書の論旨ですね。
 そのほか周辺のことについて少し思いをはせますと、内陸のフロンティアを拓く構想、これ抜きにしては語れないと思います。天浜線は内陸フロンティアの都市部と高台部を結ぶ連携軸の有力な1つの交通インフラ、社会インフラと申し上げていいでしょう。
 それから、もう1つ付言しますが、いまだ私は答えが見つからない。バスが走る道路は、これは全て公費で建設されます。飛行機が離着陸する空港も公費です。船が接岸する港も公費で建造、建設されてます。鉄道が走る鉄路だけが会社の負担です。全て社会インフラ、交通インフラだと思いますが、そういうことに思いをはせても、天浜線における実質的なあるいはみなしでも上下分離比方式を採用した方が会社も本来の企業努力が及ぶ上部の運営、ここに力を集中させることができると私は思いますが、上下分離方式の採用についてどうお考えか伺いたい。

 それから最後に、報告書を受けての県の新たな役割です。市町については遠足の天浜線の利用を含めて行動計画をつくりなさい。会社に対しては、経営計画を実のあるものにするための行動計画をつくりなさい、こう述べている。
 県だって私はアクションを起こすべきだと思います。なぜならば、小中学生の遠足に天浜線を使うというならば、天浜線の沿線には北遠地区に県立高校があります。県立高校の再編で多分天浜線の利用客の増が私は見込めると思います。通学定期利用者、それから予算でも計上されていますが、基金に毎年度1億2500万円拠出しています。金を出すだけじゃだめだと報告書は言っている。それから、小学生の遠足を言うならば、県立高校の生徒の通学定期化も促進する必要がある。
 報告書を受けて会社も市町もやることがありますが、県もやることがあるんじゃないでしょうか。県の新たな役割についてどのようにお考えなのか伺いたいと思います。

○池谷交流企画局長
 天浜線の件について、運賃の関係と県の役割についてお答えいたします。
 まず運賃につきましては、まさにおっしゃるように平成9年度に運賃値上げをしてから、天浜線については15年間運賃はそのままでございます。ほかの鉄道会社についても第三セクター、地方民鉄も非常に厳しい状況の中で110社のうち62社は同じような状況で運賃値上げを抑えている。特にここ3年間、平成22年度から24年度までを見ますと、値上げしている会社は1社もないということで、そういう意味では、かつてのように経営が苦しいから値上げをしようということは、やはり今の状況では受け入れられないし、まして今お話がございましたようにまだまだデフレの状況の中で、運賃値上げというのは決して得策と言うのでしょうか、これだけが切り札ではないと思います。
 まずは、やはり利用者を拡大していく。そこでの増収を図っていくということが一義的ではないかというふうに私も個人的にはそう思っております。ただ、これにつきましては、やはり経営陣あるいは会社のほうでの考えもございますので、これから議論していかなければいけませんけれども、現在の中期計画の中でも、5カ年計画の中でも値上げのことについて計画をしておりましたけど、実際には実施に移してないという、そういうやはり社会環境を踏まえた上での検討あるいは決断になっていくんだろうと思っております。

 それからもう1点、県の役割でございますけれども、確かに今回のPTにつきましては、市町の方々に単に精神的な支援ではなくて実質的に人を乗せていただくような具体的な行動をとってほしいということを強く訴えました。やはり、これはまず天竜浜名湖鉄道が生活交通路線であるということで、やはり地元の人に支えていただくということ、そのためには一義的には沿線の市町がもう少しこれまで以上に、あるいは第三セクターになった当初の熱意を改めて思い起こしてやっていただきたいということで、ここに関してはかなり強く書いておりますけれども、今お話しのように、やはり県としても当然やらなければいけないことがあります。
 瑣末的なことであれば、今度の3月16日にうちの部で天浜線の貸し切り列車を行います。35人定員ですけど、まだ余裕がありますので、ぜひ御参加をいただければと思いますけれども、そうしたこととは別に、県立高校とかそういうアプローチもありますが、もう1つ県としての役割として重要なものは、天浜線の便益の中で観光面での便益が非常に多くございます。そういう意味で言うと、観光というのは個別の市町がやるというよりも、やはり県という広域的な組織がいろんな地域と連携する中でやっていくとことが非常に重要であると思いますので、ここはまさに文化・観光部でございますので、天浜線の観光資源を活用するようないろんな旅行商品の造成とかプロモーションについての具体的な活動についてのアクションプランを一緒につくってやっていくということもこれからやっていかなければいけないと思っております。以上でございます。

○宮崎交通政策課長
 天浜線への上下分離の導入について県としてどう考えるのかという御質問でございます。
 御承知のとおり、鉄道における上下分離とは公共性の強い鉄道線路、下部を公共が運営し、列車の運行、それからマーケティングを鉄道会社が運営する形であります。
 でも実際の仕組みとしては、実際に鉄道線路等を所有してしまう完全型のものであるとか、群馬で行われているような所有までせずに、所有したとしてその経費等を払うみなし型といろいろございます。
 実際に上下分離のメリットでございますけども、鉄道事業者については、これまでかけてきた設備投資、それから修繕費など費用負担が軽減されると、もう1つはそういったことが軽減されることから、地域のニーズに基づいたサービスの向上、列車の運行こういった経営に専念できるというところがございます。ただ、デメリットといたしましては、実際お持ちになっていた資産がなくなってしまうという点。
 自治体としては、外に向かって鉄道を存続させるんだという決意を広く知らしめることができる。それから、その鉄道を核にした地域づくりを進めることができるということが考えられるかと思います。
 それに対しまして、自治体のデメリットといたしましては、長期的に鉄道資産を道路と同じように面倒みるわけですから、長期的な費用の負担が発生するということがございます。
 もう1つ例えば、若桜鉄道も上下分離をしておりますけども、ここは市町が実際に鉄道事業者として鉄道線路等を所有しております。そうしますと鉄道の安全についても責任を持つということになってまいります。したがいまして、この上下分離を天浜線に導入するかいかんについては地元の自治体、それから鉄道会社の運営の考え方、それらも含めまして会社の中、あるいは市町会議の中での検討を進めていく必要があると考えております。以上でございます。

○藤田委員
 1点だけ提案めいたことを申し上げたい。それは、新たな県の役割です。総合交通計画、これがちょうど平成25年度改定をする、平成26年度からの文化振興基本計画と同時期のスタートになることになります。2つ私は着眼点を持つべきだと思います。1つは先ほど少々申し上げた内陸のフロンティアを意識した交通軸の形成、これはもう欠くことはできないと思います。2つ目が公共交通の活用、利活用です。現計画を一読して少々バランスを欠いているなと私が思うのは、前段の現状と課題、後段がこういうことをやりますという政策展開になってます。前段の現状と課題のところでは、随分詳細に静岡県の車依存度が全国平均より高い、地球環境問題、交通事故、交通渋滞による時間の損失、したがって鉄道、バスにシフトすることが必要だということが前段では力説されているわけですが、後段に行くと広域ネットワークと県内のローカルネットワークとそれから環境というこの3本柱に収れんされてしまっている。
 少々わがままな言い方をさせていただくならば、地域編を用意してるというのはすばらしい。あわせて公共交通編というものも別立てて用意をして、天浜線に限らず、鉄道に限らず、バスも含めた静岡県の交通計画を立案したらいかがでしょうか。

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