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委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


平成29年10月農林水産・観光交流特別委員会
公益社団法人静岡県畜産協会 副会長 加藤雅通氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/06/2017 会派名:


○加藤雅通氏
 はい、よろしくお願いします。
 まず、本日はこのような貴重な機会を県議会の先生方にいただきましたことを心から御礼を申し上げます。
 では早速お話に入らせていただきます。
 事前に先生方のお手元に資料という形で4枚ほどのものを、それとあと私どもの要覧ですけども、これを配付させていただいておりますが、簡単に私どもの組織のさわりだけ、少しお話をさせていただきますと、私ども畜産協会はもともと3つの団体から構成されております。
1つは家畜のワクチンの接種とか、衛生担当しております社団法人静岡県家畜畜産物衛生指導協会、もう1つは、農家さんの経営指導を行います、社団法人静岡県畜産会、そしてもう1つ、畜産経営を支える事業として、価格安定事業という非常に大切な事業がありますが、この事業を担当しております、社団法人静岡県畜産物価格安定基金協会、この3団体が合併して、畜産協会と名を改めて発足をしております。
 ここにもう1つ、団体ではないんですけども、大事な事業といたしまして、県の設置しております天城山にございます牛の家畜共同育成場、よく天城放牧場という名前を呼びますが、この放牧場の管理を指定管理者として管理運営を担当させていただいているということでございます。
 資料の2にございますが、会員が静岡県、あるいは県内全市町村、連合会、農協等、全部で86の団体さんに会員として加わっていただいております。
 基本財産は5億2500万円余ということで、4のところに事業内容ということで、今、冒頭申し上げたような事業を担当しているということで書いてございます。
 資料の1ページの下段に、U、業界の抱える課題、きょう、これが本題になるわけですけども、その課題の部分を1、構造的課題、2ページに移りまして、2、経済的課題、3、社会的課題というふうな3つのくくり、このくくり方が正しいかどうか、これ私の勝手なくくりで、並べ方も順不同でございます。
 こんな形で、整理をさせていただいたんですが、もともといろんな団体が一つになってる関係で、課題が多い、多岐にわたりまして、それ、パッと目をやっていただきますと、数えていただきますと、全部14も、こんな14も課題あったら大変だなということなんですけども、この課題に相対する形で、3ページに、ローマ数字のVといたしまして、行政に求める支援策、要望という形で整理をさせていただきました。これが、13もございます。
もう1つ、W、最後のページに、ちょっと私が説明しやすい形ということで、一番上段にW、県内畜産業の生き残りに必要な対策というふうなくくりをさせていただきました。このWのページをもとにお話をさせていただきますので、できましたら先生方には、例えば3ページに支援要望の話、2ページに課題の話が文章に落としてございますので、ちょっと疑問な点はそちらと見比べていただきますと、わかりやすくしております。
 まず、1の規模拡大、県の生き残りに必要なことはということで、私ども職員、県内の農家さん、業者さんを仕事上渡り歩いて、いろんな情報を集めてくるわけですが、その職員たちから入ってくる情報等をまとめてみますと、今、静岡県で畜産が生き残っていくために、やっぱりどうしても1つの方向性として、規模拡大、これは絶対必要だろうなということでございます。規模拡大に必要な対策ということなんですけども、もう1つ、そのWの中の7に、地域密着型経営対策、地産地消と書いてありますが、これは規模拡大と相対するもので、今の家族経営の中でも、地域で愛されるものをつくって、地域密着型で生き残りもあるよということで、わざわざ7をつけておりますが、これには、実例も書いてあるんですが、この部分はそんなに大きな支援がなくても、経営者の能力、努力でやっていける。あるいは私どものような指導機関の努力でやっていけるということで、一番はやはり規模拡大対策かなと。
その中で、土地の確保というのが、これ今、非常に大きな問題なんですよ。私どもいろいろ話をしていて、規模拡大意欲のある畜産農家ってたくさんあります。今度も掛川のほうに、今、乳牛1,200頭規模の経営をつくろうとしている動きが、これ浜名酪農業協同組合さんの流れですが、あると。非常に規模拡大意欲が強い。ところが、なかなか土地が確保できない。土地の確保というのは、既存の場所を広げるんでも周囲が認めてくれない。これ非常に困ってるんですよ。ましてや、手狭になったからどこかに打って出ようと、畜産が来るっていうと、その土地を離してくれない。あるいは土地を手放してくれても、その隣地がそのことを許してくれないという形で、土地の確保ができないということで、特に顕著にあらわれているのが豚です。豚の経営が手狭になってきて、移りたいと言ってるんですけども、豚かよ、あんなのに来られたら、一大事だぞということで。
そこで、3ページのところのV、(8)ということで、私、畜産施設設置区域の確保ということで、混住化に伴う環境問題の発生を回避するため、畜産業に優先的に利用できる地域の設定、こんなことは不可能に近い要望なのかなということも重々承知しているわけですけど、でも、そういうものをもう考えていかないと、畜産がとにかく追いやられる一方、追いやられるだけの話になってしまうということなもんですから、これは必要かなと。それで、(13)のところには、こういう現象が起こる1つの理由には、やはり畜産業に対する理解が一般県民の方にされてないんじゃないか。家畜がいる、必ず家畜はにおいがするんですよ。家畜がいる、必ずふんをするんですよ。これはにおうんですよ。でも、その家畜を、皆さんが食べて生きてるっていうことの理解が、食べるものは食べるもの、家畜を飼うのは飼うものという、全然別個みたいな話になってないかなということで、こういう地道な教育も必要じゃないかなということでございます。
 2つ目に、ふん尿の処理でございます。規模を拡大して、家畜がふえると、必ずふん尿が出てくるわけでして、今このふん尿処理が非常に大きな課題になっているわけです。課題のところにも、あるいは施策、支援のところにも書いてるんですけども、とにかく今、ふん尿の処理がうまくいかなくて困ってる。これは、特に畜産のある地域、一番典型的で言えば富士宮地域って、皆さんすぐイメージに湧かれると思いますけど、あの地域に非常に畜産が発達して、規模拡大が進んでるんですけども、あそこで出てくるふん尿って、畜産経営でやるところの、例えば、エサをつくる装置に還元すると、これ三、四年前、私の計算なんですけども、あの土地に4割ぐらいしか還元できないんですよ。過剰に投与しちゃえば別ですね。4割ぐらいしか還元できないということがあるわけですね。そうなってきますと、当然あとの6割どうするんだよと、金かけて処分しなければいけないということがあるわけですけども、そういうこともあって、ふん詰まり状態で、規模拡大したいんだけど、ふん尿の処理ができないから規模拡大できないということもあるわけでして、3ページの(1)のところを見ていただきますと、畜産地帯から耕種農業地帯へ堆肥流通体制の構築と書いてあるんですけども、こんなのただ運べばいいじゃないかということなんですけども、実を言いますと、ふん尿なんか金かけて運んでると、売るほうも買うほうも採算に合わないわけですよね。ですから、地域を飛び越えての利用というのはなかなか進んでいかない実態がございます。そういう流通体制の整備。
 もう1つその2つ目にございますが、これはあえてちょっと亜流の考え方かもしれません。せっかくのふん尿も資源の1つですので、有効利用しない手はないだろうと、でも、それを行政でも長いこと手を打とうということで活動してくださっているんですけど、なかなかうまくいかない事実、現実のある中では、ふん尿の堆肥利用以外の利用、処理、簡単に言っちゃいますと、エネルギーとして使う。例えば、燃やす燃料、モンゴルとか向こうのほうで、ふんを拾ってきて燃やすとかって話もありますけど、あるいは、やむを得なければ焼却して減量化、量を減らしてしまう。こんなにしてしまうというような処理の仕方。こんな技術も、もう残念だけども取り組まざるを得ないのかなというふうなことを考えております。
 3つ目に労働力の確保ということで、書いてございます。
 労働力の確保、単純にその人的にふやすということだけではなくて、例えば(2)に書いてございます。先端技術を使って、人手をかけないでも、うまくコントロールできるような方法、今、搾乳ロボットなんて、今、機械が搾乳をやるというようなシステムがある。あるいは、(3)の飼料生産体制の整備と書いてありますが、飼料生産を専門にするような集団を育てることによって、外部委託をできるような体制をつくっていく。餌をつくるとき莫大な費用がかかる、機械化が必要なんですね。ですから、農家が1戸1戸やってるんじゃとっても間尺に合わないところがございますので、そんな形でやったらどうかなと。
 (6)、(7)と書いてあるんですけども、ここのところ、何をおまえ書いてんだって言われそうなところなんですけど、(6)再生産可能な所得確保、これは人を入れたいんだけど、所得が安定しないと、小さな法人、家族経営を法人化したような方々は、人を雇い入れるということに非常に臆病になっている方もいらっしゃるということでございます。
 (7)は新規参入者、今度は逆に入る側の方、若い農林大学校の学生さん何かに話を聞きますと、畜産の現場で働きたい、せっかく畜産を勉強したから働きたいんだけども、ああいう家族経営に毛の生えたような法人に就職して、60歳までいられないというんですよね。当然、技術を勉強して、身につけたら、自分が次のステップとして経営者になっていきたいというふうな希望。もしもそれができるんなら、小さな法人でもどんどん飛び込んでいって、10年、15年とお手伝い、勉強させていただいて、自分がひとり立ちをするような形でやりたいということを、もう学生さんがおっしゃっているもんですから、そういう方々に対して、安心してそういうことに飛び込んでいけるような環境が整えられたらなということも考えております。これが、規模拡大対策ということでございます。
 2点目といたしまして、生産物の差別化対策ということです。もう今、EUとEPA、大筋合意だと、最近のニュースではTPP、アメリカ抜きで頑張るぞとか、けさの農業新聞、アメリカとのFTAでしたっけ、自由貿易協定、圧力かかってきてると、本当どうなっていくかわからない中で、我々が生産現場に今、一生懸命お願いしているのは、とにかく、準備段階として、差別化できるものをつくる工夫をしましょうよということを一生懸命申し上げております。
そのためには、ブランドの確立ということになるわけですけども、(4)から(12)まで、ぐずぐず書いてあるわけですけども、例えば(4)とか(5)のとこですと、ブランド化をするためにはそれなりの素材がないといけないわけですね。ところが今、牛なんかは、静岡県が誇る、共進会5連覇をしたなんていうすごい技術があるにもかかわらず、素材となる牛がいないんですよ。九州に行っても買えない。高い。質のいいものは出さない。地元で抑えちゃう。それ技術だけで今、静岡は勝負してるんですけど、それでも、中部地区の、近畿・東海地区の共進会で5連覇してるとかっていう実績があるわけですけども、そういう素材をやはり供給できる、県内で確保できる体制もやっぱり考えていかなければいけないのかなというふうなことを考えたり、今、乳牛がものすごく値上がりしております。北海道から買ってくる乳牛、今から四、五年ぐらい前、大体50万円から55万円ぐらいで1頭買えてきたのが、今年度入ってからの数字で、ほぼ90万円という状態が続いております。そうなりますと、乳牛の確保も思うに任せないところがあるということで、こういった牛の確保をぜひともやっていただきたい。特に私どもがお預かりしている公共牧場がございますので、こういうところをいかようにも使って、やりようがあるんですね。1年間にお乳を出すばっかの妊娠した牛を大体260頭ぐらい、農家さんに私どもお預かりした牛を返すんですけど、そのおなかの中に、非常にいい乳牛、純粋な黒牛、今そういう受精卵移植って技術ございますので、少なくとも260頭はいい牛が静岡県内で産まれてくると。たった260頭ですよ、しかし。でも、利用の仕方かなということを考えております。
 次の(5)のところは、系統豚と書いてありますが、豚肉で差を出すために、いい豚を育てようということでの取り組みをやってくれて、静岡県の独自の豚を持ってるわけですけども、豚は3種類、大ヨークシャー種、ランドレース種、デュロック種という、この3つの豚を交配して、豚ってつくるんですけど、これはもう世界全部共通なんですよ。そうすると、もうほとんど差がないんですよ。その中から、こんな差を見つけて、系統豚というのをつくってるんですけども、実を言いますと、静岡には金華豚という豚があるのは御存じですよね。これは、この3種類の豚に、全く問題にならないぐらいいい豚、ただこんな小さいんですよ。肉量が出ないんですよ。ですから、それは技術を使って、交配技術を使って、大きなおいしい豚をつくる。こういう素材もあるもんですから、ぜひともうまく使っていただきたい。
 あとは、2つ目に、安全・安心ということを書いてございます。これは本当に今どうしても安全・安心は避けて通れないもんですから、(9)、(10)、(11)のところに書いてございますが、伝染病をしっかり防御していただく。あるいは、処理をする食肉センター、これ、皆さんお気づきにならないかもしれませんけど、と畜している食肉センターのレベルって差があるんですよ。これを内部の人間が言っちゃ、本当はちょっとうまくないところもあるかもしれませんけど、やはり、輸出対応型というのは、非常にレベルの高い処理をする。そういうのに対応してないところは、レベルが低いということは申し上げません。もちろん基準に合致しているわけですので、ただ、そこに差があるという感覚なんですけども、やはり安全な処理をできるような施設が必要かなということでございます。
 おいしい畜産物の生産、これは(4)、(5)というブランド化のところで説明をさせていただきました。
 そして、非生産部門の負担軽減と書いてあるんですけども、例えば乳牛を例にとりますと、乳牛ってオギャーと生まれて、働き出すまでに2年以上かかります。大きくなって、妊娠をして、子を産んで、乳を出す。そうすると2年間というのは、先行投資で、労力も場所もかけてるわけですね。そういったところを私どもとしては、実際にもう稼ぎ出す牛を全部使ってもらって、じゃあその非生産部門のところを、例えば天城の牧場なんか使って、そこで我々が大きくして、あと1カ月したら子を産んで、乳出しますよという状態でお返しをして使うというふうなすみ分けができれば、非常に現場での効率が高まっていくんではないかと。私どもの牧場、400頭規模の牧場で、先ほど申し上げましたように、そうはいっても1年間で返す牛がせいぜい260頭程度ということなもんですから、ただここの使い方も、いろいろありますよということで、書かせていただいております。
 もう1つ、2つ目にあるのは、系統豚、先ほど、金華豚を使っていい豚をということなんですけども、そういういい豚のもとを維持していくのは農家じゃ無理なんですよね。農家の庭先じゃ無理なもんですから、やっぱり研究所でそのもとになる豚を公的な機関、あるいは民間の経済連さんみたいなところでもいいんですけど、つくっていただいて、そういったところでもとは維持していただいて、最終的にお肉にするところを現場でやっていただく。そういうことで、この2つ目の、系統豚等の種畜の安定的な確保。今、静岡型銘柄豚と言われる、静岡でつくった系統豚を維持していただいてるんですけども、それを一生懸命育てて、今、非常に人気を博して、飼ってる方々もいらっしゃるわけですけども、この系統豚ももしも供給ができなくなると、もうそれでパーになってしまって、経営が維持できなくなる可能性もありますので、こんなこともお願いをしたい。あるいはふん尿処理は、非生産部門ですよね。出てきた、ごみ処理みたいなところですから、でもこれもできれば何か外部の方に力をかりて、うまく処理できる形ができればいいなということです。
 そこで、書いてあるんですけども、お時間の関係で、(6)を飛ばしていただいて、先生方に情報提供という形になるんですけども、新規参入受け入れ体制の整備と書いてあるんですけども、この畜産業って3K職業で、嫌われてる感があるですけども、今、農林大学校さんのほうに畜産学科というのがございまして、これ定員10名という非常に少ないキャパなんですが、ここ5年間をさかのぼってみても、平均受験者が十六、七人、多い年は20人ぐらい受験してくれてます。それを10人、実際には十一、二人、ちょっと許容範囲があるもんですからとってるわけですけども、来てくれているという現実がございます。若い、18歳の方々。その中で、非農家の方が8割なんですよ。これもう10年ぐらいさかのぼってもずっと一緒なんですね。大体十五、六人の受験者がいて、8割。そうしますと、非農家でも畜産をやりたいという方々が飛び込んで来てくださってるんですけど、うちへ帰っても畜産できないんですよ。でも、卒業生に聞きますと、畜産の仕事につきたい、将来は経営をやりたい、こういうその世の中としては動きがあるということを、先生方にもぜひとも頭の中に置いていただいて、3K職場って長いこと言われたんですけども、やはり生き物を飼うことに対して非常に憧れを持っていてくださる若い方が一方ではあるということ、大学校の定員がずっとオーバーするぐらい、ふるいにかけて落とすぐらいいらっしゃるということを御承知いただきますようお願いをしたいと思います。
 もう1つ、5の指導機関の体質強化と書かせていただいたのは、これどういうことかといいますと、まさしくうちの協会の話でございます。
 私ども協会は事業を請け負って、その事業費についてくる人件費で人を雇い入れて事業を推進してるんですけども、もともとはやはり経営指導っていうのは無料でやるもんですから、金が稼げない。こういうことに対して、地方競馬の益金で、補助金をいただく、それに、協調助成という形で県からも補助金をいただく。
また、これは事業目的があるんですけども、5億円余の基金を積んで、運用益で、当時は多分利率6%とか7%でこれをやってる。ところが今、20年前の私どもの総会資料を見ましたら、地方競馬と県からいただいてる人件費補助が二千百二、三十万円あったのが、ことし、あるいはここ二、三年を見ますと、大体、700万円ぐらいに減ってきております。こういう中で、事業をやってかなきゃいかん。
そうなりますと何をやるかっていうと、事業を引っ張ってきて、それにくっついてくる人件費を寄せ集めて人を抱えてるんですけども、今すごい辛いのが、全部区分経理しております。事業内容については、先生のお手元にございます。この中に事業たくさん書いてあります。これ全部、区分経理でやるんですけども、人が1人動くんでも、この事業で東京へ行く、この事業で浜松へ行くって、全部やるんですけども、到底その事業に割り振れない仕事っていうのもたくさんある。
でも、それは今、実際問題動けないっていう現状がある中で、例えば今、認証制度でGAPなんていう、ちょっと耳なれない言葉がありますけど、畜産協会はGAPを推進する事業費ってないんですよ。ところがうちの職員はどんどん東京へ1泊、2泊の研修に出して、やっぱり現場で指導しなきゃいけないから。ところが、おまえそれなんで行くんだって話ですけど、そんなこと言ってる場合じゃねえと、動かすわけですけれども。こういったことが現実としてあるということなものですから、すごく端的なお願いの形になりますけど、人件費及び運営費に充てる補助、補助事業がないかと。もうこれは切実な問題で、本当に私今の協会お預かりして、つくづく感じるのが、やらなきゃいけないことがこうやってあるんですよね。でもそれは事業があるのか、事業がないのかみたいな話は非常に足かせが辛うございます。
 あと、お時間かかってしまって申しわけないんですけど、資料4ページの最後、Xとして、その他と書いてあります。畜産業の果たす多面的な役割の評価。畜産業は食糧生産、動物性たんぱく源を供給していくという、これはもう一番大きな根幹であることは、これは揺るぎないものでございます。ところが、それ以外にも畜産って役目を果たしてるんじゃないのという中で、これは農業全般にも言えることなんですけども、土地を広く使って、国土の保全をしてますよと。特に農業の中でも違うのは、例えば、現在これが生かされてないんですけども、森林地帯があって、耕種農家さん、あるいは生活者がある地域が接してるもので野生動物どんどん入ってくるんですけども、そこの中間を緩衝帯として畜産が使う。例えば、林間放牧、例えば耕作地、あるいは人家の間に、家畜のいる地帯をつくると、野生動物が来づらいっていう、正式な研究報告が出ておりますね。そういう使い方をすることによって、非常に国土の保全にもなっていくだろうし、土地の有効利用になっていくだろうし、畜産が生き残る、少し人家から離れた、森林に近いほうに行くというやり方も少しいいのかなということ。あとは、自然豊かな、動物のいる景観が創出できる。子供の情操教育とかいろんなことを考えますと、とても大事な景観ではないかなというふうに思っております。
 そして、4つ目、最後ですが、医学、薬学分野等への貢献、私、獣医師なので、実験動物といいますと、すぐ出てくるのは、犬、ネズミ、ウサギ、それで、余り先生方御存じないかもしれませんけど猿。今この猿って研究者が使うことをすごく嫌がるんですけどね。そうしますと、犬は今、ペットブームの中で、使っちゃいかんよと。ウサギ、ネズミ、これは人間とすごく生理学的に違う動物なんですね。
ところが、豚というのは家畜の中で最も人間に生理学的に近いと言われています。女性用の化粧品の試験に、豚の皮膚を使ってもいいっていうぐらい近いって言われてるんで。こういう特性があるもんですから、ただ、今まで豚が実験動物として使われてこなかったのは、豚は200キロぐらいなんです。研究者が扱えないです。200キロとか300キロ。ミニ豚って五、六十キロになります。1人の人間ぐらい。とっても実験動物として、ひっくり返して血を採ってってやれないですよね。だから、今まで使われてこなかったですけども。今研究所のほうでつくっていただいている極小ミニ豚何かがあるもんですから、畜産業が役立てる一場面ではないかなというふうなことを考えておるものでございます。
 資料、できましたらお目通しだけいただいて、もしも御興味の湧くことがございましたら、質問をお寄せいただけると、いつでも私、参じて御説明をさせていただきます。いただいた時間ちょっとぎりぎりになってしまいましたけど、申しわけございません。よろしくお願いいたします。

○鈴木(利)委員長
 ありがとうございました。
 以上で、加藤様からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方々にお願いします。
 質問はまとめてするのではなく、一問一答方式でお願いします。要点を簡潔にして、お願いしたいと思います。
 それでは、御質問、御意見等がございましたら、御発言願います。

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