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委員会会議録

質問文書

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平成26年10月次世代人材育成特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:渥美 泰一 議員
質疑・質問日:10/21/2014
会派名:自民改革会議


○渥美委員長
 私から1点いいですか。
 先生は、お茶に関する民俗的な研究ということで、中国、東南アジアも研究されたとのことですが、もちろん静岡県はお茶の産業、あるいはお茶にかかわる文化、そういったものを生かした県づくりを今やってきているんですが、先生から見まして、中国、東南アジアとの違い、そういった地域における茶の位置づけみたいな、例えば、人づくり的な要素も含めて、何か違いみたいなものはあるのでしょうか。静岡県というより、日本との違いといったほうがよろしいでしょうか。

○中村羊一郎氏
 お茶については、しゃべり出すと、きょう夜までかかってしまうので、ごく簡単にお話しさせていただきますと、要するに将来的なことを考えると、まさに緑茶の時代になりつつあるんですよ。緑茶の時代に。ただし、日本の緑茶は非常に特殊でありまして、蒸製なんです。
 世界中に流通している緑茶というのは、基本的に釜炒りなんです。香りも色も全然違います。ですから、日本の蒸製の緑茶を世界に売り込むというのは、なかなか難しい場面があると。
 今、盛んに輸出、輸出ということをやっておりまして、それなりの実績が上がりつつありますけれども、やっぱりこれは、急速な伸びというものを期待することはできないと。
 一方、御茶屋さんたちが一緒になって、私は急須で飲むなんていう宣伝をしておりますが、僕はこれを幾らやってもだめだというふうにはっきり思います。
 それは、なぜかと申しますと、今我々が急須で飲んでいるお茶というのは、せいぜい300年の歴史しかないんです。つまり、江戸時代にきれいに澄んだ、自然の香りのするお茶が欲しいという社会的な需要というものが生まれていて、その需要に答える形で、最初から商品として開発をされて普及していったのが、今の急須で飲むお茶なんです。ですから、逆に言うと、この急須で飲むお茶ももうそろそろ制度疲労というか、時代的な要求に答えられなくなってきていると。
 ペットボトルが出始めた段階で、何だあれはって、みんながけなしたわけです。しかし、いまや静岡県のお茶の相場は、伊藤園が握っているわけですよね。
 そういうことを考えると、やっぱり時代に対応した形で、お茶のつくり方とか飲み方というものが大きく変わっているわけですから、そこで静岡県の産業として、茶業というものをどういうふうに捉えていくかということを考えていくときに、少なくともコストの上で競争したら、絶対に東南アジアには勝てない。ベトナムのお茶の生産量は、年間18万トンです。日本が、わずか8万トンです。中国は、100万トン以上緑茶を生産しています。我々が日常的に急須で飲んでいるようなお茶の将来というのは、必ずしも明るくないと。
 でもその中で、どうやって特徴を出していくかといえば、これは高級品志向しかないと。それから、先ほどの地域活性化の問題と絡んでくるんですが、本当にいいお茶を手づくりでつくったところに、よそからお客様をお招きして、心を込めたおもてなしで本当にうまいお茶を飲んでもらうということしか、静岡の特に中山間地の茶業が生き残る道はないだろうと思います。
 平地ではどうしていったらいいかと言うと、これは、原料用になっていく部分が非常に多くなってきて、今は盛んに、CTCで緑茶の生産をしたら、簡単に成分を抽出できるからコストもはるかに安いと、そんな動きを大分見せておりますし、これもやっぱり時代に対応した形での茶産業のあり方という問題が出ています。
 そうなってきますと、どこかで旧来の補助金政策みたいな考え方をきっぱりと変えて、基盤整備云々ということを幾らやったって、コストの意味で東南アジアに絶対勝てません。発想の転換というものをすることによって、茶業そのものを新しく生まれ変わらせていくことが必要になるだろうし、茶業に関係する就業人口もはっきり言ってしまえば、あるところまで減っていかないと、全員一連託生でつぶれてしまうということがあります。
 ですから、県の施策等を見ていきますと、全体的に行き渡るようにということを考えざるを得ないんでしょうけれども、どこかで敵役が出てこないと、しがらみは断ち切れないと思うので、そこら辺で政策的にもある程度の転換を図っていかないと、非常に厳しいのではないかなという気がいたします。
 しかし、お茶というのは、必ず必要なものですし、生き延びる道はあると思います。それは今言ったように、静岡県の場合だったら、高級茶、あるいは、すごく単価の安い抽出用のお茶、それから、もう1つは、お茶というものを軸にした新たな食品加工技術の開発とか、そういった時代の流れに合った形での展開というものを考えていかないといけないと大変強く思います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

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