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令和2年10月新型ウイルス等感染症対策特別委員会
株式会社なすび 代表取締役社長 藤田圭亮氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/15/2020 会派名:


○藤田圭亮参考人
 皆さん、こんにちは。
 なすびグループの社長をしております藤田と申します。
 今日は、今の飲食業界の現状を、それから今、取り組んでいることを中心に、皆様にお話しさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、今日はお手元に3部資料がございます。弊社の会社概要、それからコロナ禍におけるなすびグループの戦略、それから弊社の青い表紙の感染防止対策の現場ということで、資料を御用意させていただきましたので、よろしくお願い申し上げます。
 簡単に弊社の紹介をさせていただきますが、現在、静岡県の中部地区を中心に16の飲食店を展開しております。3月、コロナウイルスの感染が拡がり始めてからこの7カ月間、本当に苦しく厳しい状況の中で、今、戦っているところでございます。
 私どもの決算が7月末なんですが、2019年8月から新しい期がスタートをしまして、2月までは本当に順調に売上げも来客数も、過去最高で来ていた状況でございました。しかしながら、3月、ダイヤモンド・プリンセスの船の感染の拡大から、日本にも感染が拡大してくるに当たって、来客数、特に団体客、観光バス、インバウンド、全てキャンセルになっていったという状況でございます。3月は前年の売上げが40%台、要するに6割減まで落ち込みまして、本当に大きな赤字になりました。
 弊社は、4月6日から休業させていただきました。多分、静岡県内の飲食店で一番最初に休業の宣言をさせていただいたのが弊社です。16店舗、中部地区にお店があるということで、業界のオピニオンリーダーとして、感染予防をしっかりと徹底していくと、とにかく何とか、その当時は早く収束をさせて、通常どおりの営業をしたいと思って、いち早く休業の判断に踏み切りました。その後、緊急事態宣言がきて、約2カ月間ほど休業しました。
 その中で、いろんな取組をさせていただいてきたわけなんですが、お手元のこの青い資料を御覧いただきたいんですけれども、まず1枚めくっていただきまして、これはもうお店がやってない、学校も休校になってしまったということで、お店の1店舗を休校中のお子様に対して、とにかく無料で食事を提供すると、お母様方の負担を減らすということなどをやってまいりました。
 また、次のページをめくっていただきまして、今、国も推奨していますSDGs、これと食事をテイクアウトして家に持ち帰って、学びと食をつなげた企画をやりました。飲食業というのは、非常に裾野が広いんですね。魚屋さんと八百屋さんと肉屋さんだけじゃないんです。おしぼり屋さんもあります。あるいは紙パック屋さんもあります。お酒屋さんもあれば、酒蔵さんもあります。本当に今、弊社の取引先業者だけで110社ほどあるわけです。ですので、本当に裾野が広い中で、弊社1社が休業することになると、そこの売上げも急激になくなるというか、ゼロになってしまうということで、業務用の食材の販売、これは1店舗、お店を飲食店としての営業でなくて、休業中のレストランを業務用のスーパーのような形に変えまして、弊社の取引先のロスになってしまうものをこのお店に集めて、一般の方にお買い求めいただく取組をさせていただきました。本当にたくさんの方たちに来ていただきまして、上川大臣にも二度ほどおみえいただいたということでございます。
 これをやるきっかけは、1社の方から、今なすびからの仕入れ、注文が来なくなって本当に困っていると、大きなローンもあると。その方から、これは本当に話を大きくしているわけではなく、もう死にたいと、お金が回らなくて死にたいと。何とか、何でもいいから買ってくれという切実な声があって、これはもしかしたら、ほかにもそういう業者が、特に個人でやっている業者、例えばお味噌屋さんであったり、お醤油屋さんであったり、お酢屋さんだったり、みんな個人でおやりになっているわけですね。1社の仕入れが止まると、もう売上げがゼロになってくる。それを業務用からいきなり今から家庭用に販売を切り替えるって、これはなかなか難しいというところもありまして、そんな声を聞いて、これは何か弊社でやらなくてはいけないということで、1店舗のレストランを休業して、スーパーをやったということです。今、こちらのお店は普通にレストランとして営業を再開させていただいております。
 また、次のページをめくってください。
 この評価が非常に高かったものですから、静岡駅南のお店であったり、清水銀座のアーケードのお店なども、そのような形でロスになってしまう、業者さんが抱えているものを並べて、一般の方に買っていただくことをやっております。
 もし仮に、また第三波が来て、飲食店の営業ができなくなってしまった場合は、もう1回、僕はこれをやろうかなと思って、ある程度、そのノウハウをここに蓄積をしています。今は厳しい状況で営業しておりますが、また飲食店が営業できなくなってしまった場合は、そのようなことを考えておる次第でございます。
 本当に3月は売上げが6割減でした。そして、4月、5月は9割減になりました。9割減というのはお店をもうやっていない状態で、テイクアウトとケータリングしかないという状態ですから、当然、全くの収入源がなくなってしまったということです。
 6月の頭から再開し始めましたが、やはり客足がなかなか戻ってこないまま、6月、7月となり、7月は1回感染者が減ったものですから、お客様が一旦戻ってきたんですね。それでも前年比の大体60%ぐらいまでしか戻りませんでした。そして、8月になったら、また感染者が全国的に増えて、前年比の30%、要するに70%減ぐらい。9月はちょっと伸びて4割ぐらい。10月は多分50%ぐらい。
 本当に新規感染者のグラフと比例して、お客様の数が変わってくるという状況が飲食業でございます。これは、アルコールを主材とした居酒屋さん、例えば料理屋さんだけじゃなくて、郊外のレストラン、例えば吉野家さんだったりとか、そういうファストフード系です。マクドナルドとかケンタッキーのような、持ち帰りが主体のお店はそんなにコロナの影響は受けてないんですが、基本的に店内で食事をする業態については、ほとんどが影響を受けている。
 実際に、大手の上場している企業の決算発表が3月及び6月にあり、6月期なんかを見ていますと、ほぼ9割ぐらいが赤字になっております。ということは、静岡県内の飲食店もほぼ赤字の状況。もともと粗利の額が高い業種ではないものですから、原材料費があって、そこに人件費があって、家賃があって、水道光熱費がある。例えば100万円の売上げがあったら、95万円ぐらいはなくなってしまう。何とか平常時で5万円もうかるかなというぐらいのビジネスモデルなものですから、その売上げが半分になれば、当然大きな赤字に転落する。外食チェーン、外食企業、個人でも今、県の緊急融資の無利子のものを御用意していただいて、ああいったもので何とかつないでいる状況でございます。
 ただし、もう撤退を決め、早々に廃業している店舗もあります。あまり新聞やテレビには出てきませんが、静岡の街なかのスクランブル交差点を中心に、半径大体400メートルぐらい、僅か400メートルの中で、3月から見ますと何軒あったかというと、17軒ほど飲食店がなくなっています。その17軒の特徴は、コロナ前までは普通に営業ができていて、盛業していた。繁盛していた飲食店が、このコロナ禍によって静岡のスクランブル交差点、僅か半径400メートルの中で17軒が、恐らく投資して回収もできないまま、もしくはもう本当に苦しくて、つなぎの融資がもらえないからと、撤退もしくは廃業しており、現実的な数字としてございます。
 GoToイートキャンペーンがスタートいたしました。静岡ではそのクーポンの販売は10月下旬で、まだまだ先なんですが、取りあえずインターネットでグルメサイトから予約をすれば、昼は500円、夜は1,000円のチケットが後からついてくるというものがスタートしましたが、まだその辺についての効果は大きくは出てきていません。
 今、見ていますと、動いているお客様の層が、若者、カップル、家族で、ここしかもう動いていない状況なんですね。なぜかというと、これは各企業がリスク管理ということで、とにかく飲みに行ったら駄目だということで、まだその解除まで至っていない。一部、10月に入ってから、大手の企業なんかも、10人までだったらいいよとか、8人までだったらいいよとか、10月から大分緩和はされてきましたが、まだまだ平常時に戻るには程遠い状況です。ビールメーカー4社がまとめた数字によると、この年内12月までやってやめる、撤退するというところが、非常に多くなってくるであろうと。街なかの飲食店の大体15%から20%ぐらいが、もしかしたらなくなるのではないかと。
 ちなみに中国の北京では、35%の飲食店がなくなっているというデータが出ております。
 こういう状況の中でも、やはり社員を守り、取引先を守り、経営していかなきゃならない。農家さんなんかも、今、本当に困っています。この間聞いた、私のところに来た方ですと、酒蔵さんの例があります。今、御自宅で日本酒を飲まれる方ってあんまりいないです。一升瓶が冷蔵庫に入っているという方、あまりいないんです。飲食店で日本酒を飲まれる方が非常に多い中で、本当に今、ロスになってきている。本当に静岡って酒どころなんです。ある酒蔵さんは、来年の酒米の生産の契約を本当にしていいかどうか、そこすら迷っていると。それをしてしまって、そのお米ができちゃうと、お米を買わなきゃならない。買っても、酒造っても売れないとロスになる。そうなると、酒蔵さんもそうですけれども、結果、農家さんも困ってくるということで、冒頭、お話させていただいたとおり、飲食業というのは本当に裾野が広いものですから、いろんな業種が外食産業のダメージによって、二次的、三次的なダメージを受けているところでございます。
 私は家業を継いで20年になります。今年でちょうど創業45年を迎える会社でございます。父も、もう10年前に亡くなっているんですが、社長になって15年たちました。2020年の7月期の決算では、社長になって15年、初めて大赤字を出しました。こんな小さな、静岡で16店舗しかやってない会社でも、約1億円ほどの最終赤字が出てしまったということで、これを何とかしていかなければならないと考えております。
 その中で、やはり今、一番最初にやらなければならないことは、感染予防対策をどれだけしっかりとして、お客様に外食は安心なんだねと、食事に外に行っても大丈夫なんだねという、マインドチェンジをしてもらうことが私は重要なのかなと思っております。
 そのマインドチェンジのために、この資料、なすびグループ新型コロナウイルス感染拡大防止に対するなすびポリシーをつくりました。このなすびポリシーは、弊社が今行っている感染対策を取りまとめたものでございます。
 ページをめくってください。
 ここにいろいろなことが書いてあるんですが、もう分かりやすく、下の写真のほうから御確認いただきたいんですが、まず2つの宴会場があります。弊社の茄子の花無庵なんですけれども、通常40人ほど入るところを、今は20人でしか使っていない。定員の半分でやっております。正面の距離も1メートル50センチ以上空けている。あと席をとにかくジグザグの設営にすることを行っております。
 それから、そのページの右側につきましては、パーティションを新規で設置しまして、飛沫防止のために横のお客様じゃなくて別のグループの後ろのお客様に飛沫が飛ばないように、このようなパーティションを新たに設置いたしました。
 それから、次のページを御覧ください。
 右の写真ですけれども、換気がとれていない店舗については自社で投資して窓が開くようにして、とにかく空気の入れ換えができるようにいたしました。個室を充実させながら、個室の換気もしっかりとれる体制をとっております。
 カウンター席につきましては、調理人とお客様の距離が十分取れない店舗についてはビニールシートをかけることと、隣のお客様との間にクリアガラスやアクリル板を設置して、飛沫が飛ばないように徹底しているということでございます。
 それから、従業員のマスクは当然なんですが、あと手袋の着用、それから店舗ではマスクケースを渡しています。マスクをして、食事をするときは外すんですが、そのマスクの行き場に皆さん困って、ポケットみたいなところだったりします。そのときに、マスクから菌がほかのところに付着しないように、マスクケースをお客様1人ずつにお配りをさせていただいて、そちらにしまっていただくこともやらせていただいております。次のページにマスクケースがございます。
 そのマスクケースの横に、鉛筆が置いてある紙があるんですが、これは何かといいますと、まず店舗に入っていただいて、弊社では検温をさせていただきます。37.5度以上のお客様については、入店をお断りさせてもらっています。それ以下のお客様については、入店していただいて、お名前とお電話番号を全てのお客様に記入してもらいます。例えば8人とか10人のグループのお客様であれば、その代表者の方に名簿を頂くですとか、あるいはそのときにその幹事様に書いていただいて、いつ、何時に、何人、その店舗に、どういうお客様が来ていたのかを把握するようにしています。もし仮に、店舗に感染者が来てしまった場合、同じ日に来てしまったお客様にすぐ連絡ができる、あるいは保健所にすぐに対応ができる形です。正直、名前を書くのも煩わしいと、面倒くさいというお客様もいらっしゃるんですけれども、これはもうこういう時期ですので、御理解をいただき、名前を書いていただくことをしております。
 下の写真なんですが、これは真ん中に換気扇が写っていまして、コロナウイルスが流行し始めてから、各お店の個室の換気扇の威力を全部強めております。とにかくその部屋の空気を入れ換えることがしっかりできるように、個室については換気扇を設置して、換気の威力をとにかく強める取組をしておる次第でございます。
 次に、先ほどお話しさせていただきました店内の出入口では、健康同意書にサインしていただく、あるいはテーブル席、カウンター席のルールを設けさせていただいて、ソーシャルディスタンスを保った席の配置をさせていただいております。
 それから、今、店舗ではお客様に何か味気ないねと言われるんですが、全ての店舗で、紙袋に入った割り箸に変えました。今までは、例えば木製のちょっとおしゃれなお箸を箸置きに置いていましたけれども、もう完全に袋に入った割り箸に変えて、使い捨ての状況に変えさせてもらっています。おしぼりについても、今までは温かいものを従業員がお客様にお疲れさまでしたと手渡ししていましたけれども、今それもスタッフとお客様の非接触を保つために、最初からテーブルの上に置かせていただくことをさせていただいております。
 あとは、ここに書いてあります共有スペースのルールにもあるんですが、常に換気をするということです。30分に1回、1時間に1回、窓を開けさせてもらって換気をする。あと、エレベーターがついている店舗については、基本的に1名しか乗らない、他の人は乗ってもらわないということをしております。
 店舗厨房バックヤードの扉、取っ手、手すり、水道の蛇口など、多人数が触れる箇所については、30分に1回消毒でのふき取りをしています。共有スペースについてはこのようにやっております。
 ここに、バックヤードのルールが書いてあるんですが、これは食材のストックであったり、納入業者さんに対してもそうなんですが、納入業者さんが商品を配達に来るときに、これも場所を決めて、何時に誰が来たのか、併せて検温もさせてもらってチェックさせてもらう。これは、お客様だけじゃなくて、外部から来る人に対しては、全てそのような形で、健康同意書へのサインと検温をさせていただいております。
 それと、やはり従業員の管理です。社員だけでも今80人、パート、アルバイトまで入れれば200人を超す人数がいる中で、社員、スタッフの管理が非常に重要になってくると思っています。当然、出勤前の検温もそうなんですが、感染者の数によって、県の県境をまたぐ移動制限も変わってくると思うんです。移動制限が出る場合は、そこの地域には絶対に行かないと。行った場合については、2週間出勤を停止するというルールをつくっています。また同居する家族で37.5度以上の発熱者が出た場合も、出勤を停止する。あと、社内では基本的に握手であったり、ハイタッチなども禁止しております。そして、就業前、就業中、30分に1度の手洗いと消毒、あとユニフォームについても毎日の消毒を義務づけています。社員に対してのルールの徹底を行いながら、お客様に対してこちらからお願いできる健康同意書へのサイン、検温であったり、あとお店側でできることとしての様々な感染対策を行っているところでございます。
 これ以上やれないだろうというところまでやろうと弊社では今、やっております。感染対策については、国からの補助金などもあって、そちらのほうも、今、県のマーケティング課が窓口になってくれているんですが、国に出すものが複雑で多いものですから、とても我々だけではできないところに対しても、マーケティング課のほうで親身になって企業を守ろうと、返信メールの時刻を見ると、ああこんな遅くまで資料作成やってくれているんだなということが分かるぐらいでありがたいなと思っております。
 しかしながら、本当にまだまだ厳しい状況が続いており、普通にコロナが収束するのを待っているのも、ただ単純に延命にしか過ぎない。やっぱりきちんと止血をする、赤字を止めることをしないと、ただ今あるキャッシュがどんどん出ていく、それで終わってしまうので、いろいろな取組をしているところでございます。
 次に、弊社でやっている感染予防のビデオがあるものですから、御覧ください。
(ビデオ上映)
 これも、本当に感染者の数によって、その感染防止策も変えていっています。たしか5月、6月の段階では、従業員みんなフェイスシールドをして対応しておりました。今はマスクの対応に変えさせていただいておるということです。また感染者が増えたときは、そのときに応じていろいろと変更していくということでございます。
 続いて、じゃあこういった中で何をしていくのかということで、コロナ禍におけるなすびグループの戦略を御説明させていただきます。
 とにかく今は本当に、経費の削減をどこまでできるかが鍵になっています。もう出血を止めるためには、どこまでできるかということでやっています。あとは、iPadを使った非接触サービスの提案です。お店、マグロ料理の専門店があったり、おでん屋さんもやっていたり、あとお刺身が中心のお店があったりするんですが、とにかくお客様に来てもらうために、ここで何が食べられるのかを明確化するために、専門店ではその商品の磨き上げ、あと名物料理の明確化をしております。
 あとは、弊社は非常に大きな店舗が多いものですから、先ほどもお話したとおり、今まで40人で使っていたところを20人で使ったりとか、50%ぐらいの席の使用率にしながら、それを1つの武器にしています。ただ、要するに今まで40人で使えたところを20人で使うとなると、そこの部屋だけで考えた場合、売上げが半分になるんですね。このコロナ禍では厳しい経営を強いられながら、止血をどうするかを考えていかなきゃならないと思っています。
 それから、ワークシェアと雇用調整助成金の活用。この制度は12月まで今現在あるんですが、我々のようなサービス業では、本当にこれは助かっております。これがなかったら、もっと悲惨な大出血をしていたと思いますし、これによって救われている企業もたくさんあるのではないのかなと思っております。
 続きまして、1枚めくってください。
 弊社、公共施設も何件かやらせていただいております。グランシップは今工事中で、来年の9月まで屋根の葺き替え工事のために、そもそもが休業になっています。あと、清水テルサ内のレストランも弊社がやらせてもらっています。あと、富士ロゼシアターの中のレストランもやっておりますが、要するに今、イベント事が全くない。コンサートも定員の半分ですが、その半分も埋まらない。
 先日、静岡市民文化会館に市川海老蔵さんがおみえになって、50%でおやりになったようですが、その50%のチケットも売れないぐらい、お客様がイベント事に対しての感染の防止というか、危機、リスクを感じていらっしゃるということです。公共施設については、今、そこの御担当の方とお話をしながら、定員の解除などがあった段階、あるいは今までグランシップでやっていたようなお茶の大会であったり、国体大会だったり、学会であったり、そういったものが来年なのか、再来年なのか分かりませんが、戻ってきたタイミングでまた再開することを考えております。
 あとは、やはり撤退。僕らも赤字の店舗を持っていてもしょうがないというところもあり、やはり2021年、来年の3月あるいは6月ぐらいまで状況を見ながら、2019年度と比較して、売上げがよくても7割、8割しか戻らないであろうと見ております。その水準で赤字の店舗は撤退もしくはもうリニューアルをする。リニューアルするにしても投資がかかりますので、これはもう大きな経営判断になってくるところでございます。
 続いて、こういった中でも企業を成長させるために、あるいは雇用を守るために、新規事業も行っていかなきゃならない中では、飲食業でない業種の企業と業務提携を結ぶ。エーエフシー、これは静岡市に本社を置く、ジャスダックに上場している健康食品、通販の企業ですが、弊社の持っていないノウハウをたくさん持っています。弊社はエーエフシーに対して外食業のノウハウを与える。一方で、エーエフシーからは、うちに通販だったり健康食品のノウハウを与える。もうお互いにその情報を交換しながら、ウィン・ウィンの関係を築くということで、静岡県内の企業同士がいい形で、お互いの強味を出しながら、成長していくことを考えています。
 あとやはり、テイクアウト、これにも力を入れていかなきゃならないだろうと。
 あと、これは今、営業していない時間帯をどう売上げにつなげていくかで、ランチからディナーに移るこの時間帯に営業して、カフェとしてオープンさせ、数字をつくっていくことも考えております。
 それから、ゴーストレストランというものが今、実は外食産業ではブームでございます。このゴーストレストランって何かというと、店舗を持たないレストランです。基本的にはデリバリー専門のレストラン。弊社では和食が中心なんですが、全然違うタイ料理のゴーストレストランを11月の上旬に立ち上げることを考えております。
 それから、やはりオンラインショップですね。店舗を持たずにいろいろなプロフェッショナルを呼んで、1つの商品を開発して、それをホームページ上、オンライン上で販売していくことをしながら、既存の今の飲食事業の売上げがへこんでいるところを、少しでも穴埋めする作業をしていくということでございます。
 また、状況を見ながらですけれども、時代に合わせた店舗展開もしていかなければならないということで、本当に今、守る、攻める、お店を撤退、捨てるというこの3つの選択を同時に進めていきながら、会社を守っていかなければならない、雇用を守っていかなくてはならないという本当に苦しく厳しく難しい経営判断の中でやらさせてもらっています。
 感染予防対策をしっかりやっているからといって、決してお客さんがすぐ戻ってきてくれるというわけではない中で、一番最後のページに、大阪府の事例で、この間静岡新聞に載っていた記事でございます。10月8日から大阪府では宴会などを知事が積極的にやっていこうよということで、多人数の自粛を今日終了という記事です。私の友人が大阪で料理屋をやっているんですが、府の職員さんたちが、3月、4月にできなかった歓送迎会を今、やり始めてきてくれていて、非常に助かっていると。それを知った一般の企業たちが動いてきてくれているという中では、まずやっぱり行政からで、行政がストップしちゃうと企業が動いてくれないんです。100人で宴会をやってくれとは言わないです。もう本当に、5人でも6人でも、少人数でも街に出てきていただいて、なすびグループじゃなくてもいいので、どこでもいいですから、とにかく県の職員さんたちが、もう1回昔のように、昔のような人数には戻らないかもしれないけれども、そう動いてくれることによって、僕は少しずつマインドチェンジしていって、企業も動いていって、最終的には裾野の広い、この静岡県の産業が助かってくると思っております。
 静岡県の中部地区は、ふじのくに食の都づくりということで、食に力を入れて県で方針を立てておりますが、本当に今何もやらずに、ただ感染拡大の収束を待っていたら、食の都がただの焼け野原に、僕はなってしまうんじゃないのかなというぐらい、危機を感じております。それは先ほどもお話ししたとおり、今、この時点でスクランブル交差点から半径400メートルの中で17軒の廃業がある、倒産があるということだけ、ぜひとも先生方に御理解いただいて、行政を動かして、何とかこの経済を回していただきたい。感染予防対策をしっかりとした上で経済を回すことにお力添えをいただきたいと切にお願い申し上げます。今日はありがとうございました。

○藪田委員長
 ありがとうございました。
 以上で、藤田様からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にお願いいたしますが、先ほど同様、質問は一問一答方式でお願いいたします。
 それでは、御質問、御意見等がありましたら、御発言願います。

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