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委員会会議録

委員会補足文書

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平成28年10月11日スポーツ振興等特別委員会
公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター 推進戦略部プロジェクトリーダー 金子知史氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/11/2016 会派名:


○金子知史氏
 皆さん、初めまして。日本財団パラリンピックサポートセンターの金子と申します。
 本日は、このような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。座りながら御説明を申し上げさせていただきます。
 本日は、私ども日本財団パラリンピックサポートセンター、略してパラサポと呼んでおりますので、パラサポの事業紹介、特に東京2020年に向けた取り組みというのを御説明をさせていただきます。また、直近行われたリオパラリンピック、また史上最高の成果が出たと言われているロンドンパラリンピックの事例なども踏まえながら御説明をさせていただきます。何か、皆様の活動にとってヒントになればというふうに思ってございます。
 また、本日は映像のほうも幾つか御用意していますので、口頭の説明は少な目で、資料をごらんいただきながらお聞きいただければと思っております。では、どうぞよろしくお願いいたします。
 1枚目のスライドです。簡単に御説明を申し上げますが、パラリンピックの歴史といったところで御存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、もともとはリハビリの手段としてスポーツが導入されたというのが始まりでございます。そして、1964年に東京オリンピックの際に開かれたパラリンピックというのが、初めてパラリンピックという名前を使った大会なんですが、後に、これが第2回目の大会であるというふうに認められたという歴史がございます。
 その後、各地で大会が開催されていったんですが、2000年からオリンピック・パラリンピックの同一都市、同一会場、そして連続開催という決まり事の中で開催することになりまして、今日のようにオリンピック・パラリンピック、セットで覚えられるように至ったわけでございます。
 続いて、パラリンピックの現状でございます。
 パラリンピックは、独自の価値を持つ非常に競技性の高いスポーツに成長していったというふうに書いてございますが、そのパラリンピックの価値というもの、なかなかわかるようでわからないというか、オリンピックとやはり異なる価値があるというふうに各関係者は言っているわけなんですけれども、そういったところ、ちょっと映像をごらんいただきながらそのイメージをお持ちいただければと思いますので、1つ映像をごらんいただきます。
(ビデオ上映)
 こちらの映像は、国際パラリンピック委員会のほうで作成された映像でございます。現在、インクルーシブ社会、共生社会と言われるような言葉が非常に多く聞かれますが、まさにこのパラリンピックというものは、そういった社会につなげていく、障害・健常といった人と人との違いであるかとか壁であるとか、そういったものをスポーツという楽しい魅力あふれたイベントの中で壊していくような、そういった価値にあふれた、まさに社会変革を促す世界一のスポーツイベントというふうに成長してまいりました。
 こちらに書いてあるように、リオパラリンピックがつい先日まで行われておりましたが、観客数は210万人ということで、ロンドンパラリンピックに次ぐ史上2番目に観客数の多い大会となりました。
 それでは、リオパラリンピックのハイライト映像がございますので、ごらんになったシーンもたくさんあるかと思いますが、またごらんいただければと思います。
(ビデオ上映)
 リオデジャネイロのほうでは、私も現地に行って観戦してまいったんですけれども、非常に盛り上がった大会というふうに言えたと思います。ブラジル選手が出てるときが一番、当然盛り上がっているんですけれども、ブラジル選手が出てないときでも多くの観客が詰めかけ、非常に多くの声援を送っていたというのが印象的でした。やはり、スポーツを純粋に楽しむという国民性が非常にあらわれていた大会だったというふうに言えるかもしれません。
 では、2020年の東京なんですけれども、東京ではパラリンピックは22競技、527種目行われます。種目数がオリンピックよりもかなり多いのは、御存じのとおり、障害にはクラス分けというものがありまして、同じ競技の中でも不公平が出ないように、一定程度のクラス分けを行って競技をしています。したがって、メダルの数もそれだけ多いという形になります。
 自転車につきましては、伊豆のベロドロームのほうで実施されるということも決まってございます。
 そして、パラリンピックのいわゆる成績、メダル数なんですけれども、日本の金メダル獲得順位は、リオでは残念ながら金メダルはゼロということで、メダルの総合数としてはロンドンを上回ったんですけれども、金メダルの順位としては64位という順位まで下がってしまいました。
 一方で、このリオパラリンピック、五百数種目ある中でも、世界記録というのが二百数個出たというふうに言われています。当然、金メダルはゼロなので、日本人は世界記録を出していないわけなんですけれども、このように世界のレベルになかなか追いついていけないというのが現状でございます。
 この理由といったところなんですが、たくさん挙げられるんですけれども、幾つかピックアップをしてまいりました。
 1つは、競技対象者が少ないといったところです。スポーツを行うに当たっては、やはり中途障害者のほうが有利な状況がございます。身体能力が残っているというところで、先天性よりも中途の方のほうが有利と言われています。ただ、日本は戦争がない、また交通事故等も少ない、安全な国、医療も発達しているということもありまして、なかなか中途障害者がふえづらい環境にあると。これは、もちろんいいことなんですけれども、ふえづらい環境でございます。
 その結果、選手はそのまま年をとっていって、新しい選手が生まれていかないという形になるので、平均年齢が高齢化をしています。ロンドン、リオの間では、そこまで大きな年齢の上昇はないんですけれども、バルセロナから比べると、3歳以上上がっているということで、東京のときも何歳になるかというのが一つ注目をされております。
 また、選手の競技環境ですけれども、最近はアスリート雇用ということで、企業がアスリートを雇用して、その競技環境も面倒を見るというのが大分ふえてまいりましたが、いわゆるトップ選手に限られているというところもありまして、なかなか競技に専念できる環境がなく、経済的な負担も大きいと言われていまして、日本パラリンピアンズ協会が調査した結果によりますと、平均140万円を年間自己負担しているという調査結果も出ております。
 また、赤くハイライトをさせていただいておりますが、身近に競技に取り組める環境がなかなかないというのが非常に大きな要因となっていると思います。幾らパラリンピックという言葉が知れていても、例えば、障害者の方がスポーツをやってみようと思ったときに、じゃ、どこでやれるのかというと、なかなかその情報を得られる場所もなければ、練習会場であるとか、またそれを指導してくれる指導者、場合によっては介助者といった方も必要となりますが、そういった環境がまだまだ整っていないというのが現状でおります。このままでは、2020年が終わった後も、本当にただのお祭りで終わってしまうんじゃないかというような危惧もされております。
 そして最後に、競技団体の組織基盤が脆弱というところがございます。2020年の22競技の運営を行うのは、約28団体のパラリンピック競技団体になるわけなんですけれども、まだまだ法人化したばかりであったり、専従職員がいなく、もともとボランティアベースでずっと運営してきたということもあって、非常に組織基盤が脆弱であります。このままでは、大会のホストもままならぬし、また、先ほどのメダルの数にも触れましたが、選手強化を行うのもこの競技団体でありますので、その強化がうまく進まなければ、東京ではさらにメダル数が減ってしまうんじゃないかというふうに危惧がなされております。
 また一方、国民のほうに目を向けてみますと、これは2015年のデータなので改善はなされているとは思いますが、パラリンピックへの関心というのは余り多くないというのが現状でございます。今は、報道数もかなりふえてきているんですけれども、なかなか国民の心を変えることができないのは、やはりまだまだアンテナが立っていない中に、報道、情報が行き交っているという状況なのかなと思ってございまして、後ほど御説明しますが、国民のアンテナを立てるといったところにも我々は取り組んでございます。
 こういった課題を見ながら、日本財団は、日本財団パラリンピックサポートセンターを設立するに至りました。一番初めは、2014年の6月にさかのぼるんですが、日本財団の内部に研究会というものを発足して、どういった課題があり、どういった支援が求められているのかということを研究してまいりました。そして、約1年後の昨年5月に、一般財団法人日本財団パラリンピックサポートセンターを設立し、ことしから公益財団法人に移行してございます。2021年度までの期間限定の活動ということで、日本財団から100億円の助成金を得て活動をしているという団体でございます。私は、日本財団から、このパラリンピックサポートセンターのほうに出向して、今、活動してございます。
 関係団体との関係性なんですけれども、主に2020年の大会を運営していく組織委員会、そして選手強化を行う日本パラリンピック委員会、主にこの2つの団体と協力関係を特に結びながら実施をしてございます。日本パラリンピック委員会――JPCは、国からの強化費を受けながら、パラリンピック競技団体を通じて選手強化を行っております。一方、我々は、選手強化ではなく、その競技団体の団体そのものの基盤を強化するという活動を行っておりますのと、それから広く国民に普及活動を行っているといった役割分担がございます。
 我々の活動のビジョン・ミッション、そして事業の領域というものをまとめたものが、こちらのスライドになります。
 我々パラサポは、「誰もが生き生きと過ごせる社会の実現のために、人々が気づき、考え、行動できるようになる」ということで、あくまで2020年の東京パラリンピックをそのための1つのきっかけとして、このような社会づくりを行っていこうと考えております。特に、「行動できるようになる」というアクションを起こすところまでというのが非常に難しいところであり、必ず達成したいことであるというふうに考えてございます。そのために、1つ大事なことと考えているのが、健常者が何かを行うというような目線だけでなく、障害者・健常者ともにお互いに行動を起こすということが非常に大事なのかなというふうに考えてございます。
 事業領域は、7つに分かれているんですけれども、本日は主に2つお話をさせていただきます。
 1つ目は、先ほどから申し上げているパラリンピック競技団体の基盤整備というところ、もう1つは、国民に向けた活動ということで、パラリンピックを通じたインクルーシブ社会実現に向けた教育・啓発といったものでございます。
 まず、1つ目の競技団体でございますが、競技団体の課題、これを昨年の夏にヒアリング調査してまいりました。その結果、多くの団体がまずオフィスをほとんど持っていないと。自宅を事務所がわりにしている団体、また専用オフィスを持っていてもワンルームマンションなどということで、外部の方との打ち合わせの環境などはないという団体がほとんどでございました。
 また、非常に重要なところですが、専従スタッフというのがゼロ人という団体が、非常に多かったです。これは、まさにボランティアベースで、もともとパラリンピック競技の運営は、全くお金にならないところでございましたので、そのまま2020年が決まってもボランティアベースで運営を続けているという団体が非常に多くございました。
 その結果でもありますが、年間の予算というものは非常に少ない状況です。これを見ると、一見多く感じられるかもしれないんですけれども、これのほとんどが国からの助成金といった内訳になってございまして、自己資金が全くないという団体、あっても競技者の会員からの会費ということで、年間数万円、数十万円といった自己資金しかないという団体も非常に多くございました。
 そのほかにも、たくさんの課題がヒアリングの中で出てまいりました。詳しくは、ぜひお読みいただければと思うんですが、当然、専従スタッフがいないんですが、国からのお金の処理はしないといけないということで、その経理処理というのが非常に課題となっている。また、そういったところにも時間がとられているので、当然外向けの広報活動などはできない状況。その結果、自己資金がないんですが、自己資金を確保するためのスポンサーの営業活動などもできないという状況でございました。
 また、国の助成金は、いわゆるトップ選手、強化指定選手と言われる選手にしかお金が使えないものですから、若手の育成であるとか、これから若手や新しい競技者をもっともっとふやしていこうというような普及活動もでき切らないという状況でもありました。その結果、こういった団体を将来にわたって担っていこうというような若い人材というのも確保できず、長年務めていた役員の方が、今でもずっとボランティアベースでかかわってというようなケースも非常に多くございました。
 そこで、私どもパラサポでは日本財団ビルのワンフロアを使って、共同オフィスというものを準備しました。それから、活動資金がないといったところは、助成金という形で人の雇用、事務局の人材の雇用であるとか、ガバナンスを整えるための費用、またはホームページやチラシ、パンフレットなどをつくるような広報・普及活動などにも活用ができる助成金というものを昨年からスタートをいたしました。
 そして、キャパシティビルディングと書いてございますが、各競技団体で共通で行っているような機能というものを一挙に集約をして行っていくことで、いわゆる管理部門的なところは効率的に回せるような形。そして今後は、事業部門、普及活動であるとか、スポンサーの獲得であるとか、そういったところも全団体共通とまではいかないかもしれないんですけれども、例えば、車椅子競技としての普及活動であるとか、脳性マヒの競技としての普及活動であるとか、支援したいと思われる方も支援しやすいような形というのを、こうやって皆が集まることで実現をさせていきながら、将来的な運営資金をしっかりと蓄える体制を整えて、自立に向けた基盤強化というものを進めてございます。
 その結果、オフィスの入居としましては、9割の団体が入居をいたしまして、専従スタッフのほうも大分ふえてまいりました。ここでゼロ人という団体が11団体ございますが、実際にはアルバイトの雇用などはスタートしておりますので、全くボランティアベースで運営されている団体というのは、もう数えるほどに減少をいたしました。
 そして、年間の予算も拡大傾向にございます。ただ、まだまだ自己資金というのは不足をしているので、専従スタッフをきちんと育成、確保をした上で、スポンサー営業などもしながら将来の自立を目指していくということが、今の課題として残っているという状況でございます。
 なお、日本パラサイクリング協会さんは、今回、伊豆のほうが試合会場となっているということで、我々のオフィスには入居はしてございませんが、助成金は活用をしていただきながら、ともに活動を進めているという状況でございます。
 続いて、もう2つ目の我々のメーンの事業となりますパラリンピックを通じたインクルーシブ社会実現に向けた教育・啓発活動というものです。
 ここに書いてあるように、健常者・障害者ともにパラリンピックに関心を持つ人をふやす、または障害理解の促進を進めることで、大会本番に多くの観客を集めるということもそうですし、その前からパラリンピックムーブメントというものを起こしていくということのために、主に3つの活動を行ってございます。
 1つはパラリンピックのプロモーション、そしてイベントの実施、それから子供たち、大人も含めていますが、教育・啓発プロジェクトといったものを実施をしています。
 少し、自治体の皆様にポイントとしてぜひお考えいただきたいなと思うのが、先ほどの課題にも挙げさせていただきましたが、身近な競技環境がないといったところ。我々は全国的に活動を行っておりますが、やはり地域地域でそういったものはつくっていくべきだというふうに私は思ってございまして、障害者も健常者も誰もがスポーツを楽しむことができる環境づくり、特に身近な環境づくりというのはやっぱり地域の活性化にもつながってくる大きなポイントになるのかなというふうに思ってございます。
 これは、何も全競技、全ての競技を身近に体験、実施できるような環境づくりというのは求められていないと思っております。例えば、サイクリングのように2020年の会場があるので、そういった競技に絞るということも1つかもしれないですし、隣県との協力の中で、例えば、この競技はこの県には環境がないけれども、隣の県まで行けば十分に練習できる環境があるというような、そういった連携も通じながら、実際に競技をやりたいというふうに思った人がすぐにでも取り組める環境づくりというのが、2020年の大会のレガシーとして残っていくべきだというふうに考えております。
 ちょっとそういった観点も考えていただきつつ、ごらんいただければと思います。パラリンピックのプロモーション活動です。
 私どもが行っているのは、1つはウエブサイトを運営しておりまして、各競技の紹介であるとか、注目選手の紹介なども行っています。特に、ことしはリオパラリンピックがございましたので、特設ページというものを設けまして、幾つかの競技についてはプロモーションビデオというものも作成してごらんいただきました。
 また、ゴールボールという競技のスマホゲームアプリというものも開発をいたしました。これは、ちょっと特徴がありまして、視覚障害の方が行う競技でもありますので、画面が真っ暗になってもイヤホンで音を聞きながらプレーができる、視覚障害の方もプレーができるような工夫を凝らしたゲームになっております。イヤホンが左右で音の違いをステレオで聞くことができますので、ボールが行った方向のほうに音が大きく聞こえて、そちらのほうをブロックするというような、そういった操作もあったりとかして、非常に新感覚なゲームとして多くの方に親しんでいただこうということでこういったものも開発をいたしました。
 こういったプロモーション活動を私ども幾つかしているんですけれども、史上最も成功したパラリンピックと言われたロンドンのときのプロモーション活動を少しごらんいただければと思います。ごらんいただいた方もいらっしゃるかもしれませんが、これがロンドンパラリンピックのときにイギリス国内で放送されていたチャンネル4というテレビ局がつくったCMでございます。
(ビデオ上映)
 こちらは、「ミート・ザ・スーパーヒューマンズ」ということで、超人に会いに行こうというプロモーション活動でした。これと、教育プログラムもロンドン市内じゅうでたくさん開かれたこともあって、多くの観客が試合観戦に行ったということで、史上最大の成果があった大会と言われてございます。
 一方で、ロンドンパラリンピックが終わった後、このプロモーション映像は、少し批判もございました。批判というのは、余りにヒーロー扱いし過ぎたといった批判で、障害者の方の中には、このように本当に輝くために努力を重ねて表舞台に出られる人もいれば、そうでない人もいるということも現実であるということでした。
 それでは、このチャンネル4がつくったリオパラリンピックでのプロモーションの映像もごらんいただければと思います。
(ビデオ上映)
 といった形で、スポーツ以外の場面がある、音楽の場面が多いですが、というところと、あと日常生活の場面があるというのが非常に印象的かと思いました。ヒーロー扱いといったところが少し薄れていって、身近な環境というのも意識させるようなつくりになっていたと思っています。
 また、もう1つ印象的だったのが、手話を行う方というのが非常に明るくやっていらっしゃいました。日本のテレビ番組でも手話の場面が当然ありますけれども、何か楽しく手話を見ていられるというところも、雰囲気は非常に世の中の方に伝わりやすいのかなというふうにも思いました。
 続いて、プロモーションの次になりますが、私ども行っているイベントであるとか、教育・啓発プロジェクトについても御紹介させていただきます。
 昨年行った私ども主催のスポーツイベントがございましたので、こちらもちょっと映像をごらんいただきたいと思います。
(ビデオ上映)
 こちらは、昨年の11月に開催したものなんですけれども、2つ目的がございまして、1つ目は、多くの方にパラスポーツを見ていただこうということで、SMAPの皆様にお呼びかけをさせていただいて、御出演を快諾していただきまして、SMAP、そしてまた宝塚歌劇団の方々もゲストとして来ていただいて開催いたしました。その結果、1万4000人を超える方々が見ていただきました。
 非常によかったなと思うのは、SMAPファンの方々、言い方はあれなんですが、大人というか、民度が高いというか、年齢層も高く、お子さまを連れてきていただいたりであるとか、またこのSMAP見たさに正直来てるんですけれども、SMAPはランナーを応援しに出演しているんだから、ファンの人たちもランナーを応援しようというようなことがツイッターで事前に回ったらしくて、ふたをあけてみたら、例えば、うちわを持ってジャニーズファンの方が応援するみたいな感じは全然なく、皆さん純粋にランナーの方を応援するといった雰囲気に包まれて、非常に成果もありました。
 もう1つの目的としては、いろんな障害の種別の方、そして健常者も含めて、1つのチームを組んで行うという点でございまして、これは関東甲信越、静岡県も含めて、地域でチームを組んで出場していただきました。この狙いというのは、今、マラソンブームがございますので、いろんなところにランナーズクラブというものが存在しておりますし、地域でこうやってチームを組むことで、例えば、視覚障害の方だったら伴走者が一人つけば十分に走ることもできますので、地域のそういったランナーズクラブのようなところで、いろんな障害の方が一緒に取り組めるような環境づくりになればということで、これも身近にスポーツに取り組める環境づくりにつながればということで実施をしたものでございます。
 最後になりますが、私どもが行っている教育・啓発プロジェクトというものの1つをごらんいただければと思います。
(ビデオ上映)
 こちらは、ことしから始まったプログラムになってございまして、パラスポーツを通じて障害者理解を深めていこうというプログラムになっています。スタッフの根木がシドニーパラリンピックで日本代表キャプテンを務めていた人物なんですが、こういった講演活動を長年行っていたということもございまして、まずパフォーマンスを見せ、そして一緒にこのパラスポーツを楽しみ、その後講演という形で障害について語るといったプログラムになっています。
 やはり、スポーツを通じて、障害者イコールかわいそうな人という認識ではなく、1つの工夫だったりとか、何かの手助けだったりとか、簡単なことで、ともに楽しむことができる人たちだというような意識に変わっていきますので、こういった活動を子供の時代に経験することで、その後の成長にも生きてくるのかなというふうな思いで展開をしてございます。
 このあすチャレ!スクールは、今年度全国100校を目標にスタートをしまして、半分少し終わったところなんですけれども、6月までの募集の中で250校ぐらいの応募をいただいてしまったので、ちょっとお断りをせざるを得ない学校さんも出てきているんですけれども、今は根木以外の講師もふやしていきながら、2020年までには全国で1000校を目標に実施をする予定でございます。
 このあすチャレ!スクールのほかにも、あすチャレ!運動会というものをただいま準備をしているところでございます。もう1つ、あすチャレ!アカデミーというものも準備をしてございます。運動会、アカデミー、それぞれ大人向けのプログラムというふうに思っていただければと思います。スクールは子供向けに対して、そちらのほうは大人向けということで、企業、自治体、大学生も含めて行うプログラムもつくってございます。
 運動会のほうは、パラスポーツであったりとか、パラスポーツ要素を取り入れた運動会のようなプログラムをやることによって、楽しみながら障害者を理解するといったところを前面に押し出したものになっていまして、社内運動会みたいなものにこのパラスポーツを取り入れていただくことで、例えば、社内でも若い社員もいれば、お年を召した社員の方もいらっしゃいますし、場合によっては車椅子の方もいらっしゃるかもしれないんですが、皆さんが全員で楽しめるような環境にもなりますし、障害者理解にもつながるといったものになります。
 アカデミーと言われるものは、まだ画像はないんですけれども、スポーツの要素も取り入れながら、すぐにでも、あしたにでも、障害者の方々とともに生活するためのコミュニケーションを学べるといったプログラムになっています。大人の方は、町なかであるとか、職場であるとか、いろんな場面で障害者の方ともお会いする機会もあるだろうということで、すぐにでも使えるようなコミュニケーションを学べるといった内容になってございます。
 といったところでございまして、私どもパラサポとしては、限られた予算の中ではあるんですが、国民に向けて今のようなプログラムを実施をしてまいっております。障害者の方イコールハードを何か変えていかないといけないというような意識というのはやはり常にあると思いますし、それは大事なことでもあるし、お金のかかることでもあるんですけれども、私どもはハートから変えることで多くのことを解決できるんではないかなということも一方で考えてございます。
 実際に、リオパラリンピックでは、そのような場面をたくさん見てまいりました。ハード面というと、施設の状況であるとか、仮設の競技場があったりとか、テントがサブアリーナになっていて練習環境が余りよくないみたいな話もありましたけれども、ボランティア、スタッフの方、組織委員会のスタッフの方も含めて、リオで出会った方々は非常にフレンドリーで、誰にも分け隔てなく対応をしてくださる優しさにあふれていたなというようなことが印象的でした。
 また、競技を純粋に楽しんで応援してくださる関係の方もたくさんいて、選手たちは非常に力になったというような声もたくさん聞こえております。やはり、ハード面のところで多少の課題があっても、ハートの部分の、ソフトの部分でそういったものを乗り越え、インクルーシブな社会をつくっていけるというふうに非常に思ってございますので、ぜひこういったことをお考えいただければなというふうに思ってございます。
 東京2020年に向けて、何かしらのヒントになればということで、私どもの活動を御紹介をさせていただきました。以上でございます。御清聴いただき、ありがとうございました。

○山田委員長
 ありがとうございました。以上で、金子様からの説明は終わりました。
 これより、質疑に入りたいと思います。
 委員の方々にお願いをしたいと思います。質問はまとめてするのではなく、なるべく一問一答方式で、なおかつ簡潔に、時間も限られておりますので、お願いをいたします。
 それでは、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。

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