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委員会会議録

質問文書

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平成26年11月次世代人材育成特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田口 章 議員
質疑・質問日:11/17/2014
会派名:ふじのくに県議団


○田口委員
 どうもありがとうございます。
 7年半ほど、私も多文化共生、いろいろ教わりながらやっていますけれども、きょうこうして先生を県議会にお迎えをしてお話を聞けるというのは、大変意義深いなと思っています。
 次世代人材育成特別委員会という観点なので、きょうは2つサジェスチョンをいただいたかなと思っています。
 1つは、実はきょうまで何回か議論をしてきているんですけれども、日本人の子供を中心に議論をしてきていまして、定住外国人の子供たちも静岡の子供であり、彼らも次世代人材育成として育てなきゃいけないのだというのも、1つ教えてもらったと思っています。
 それから、もう1つは、これまでもグローバル人材を育成していかなければいけないというのを、この場で議論をしていたんですけれども、外へ出ていくばかりではなくて、この静岡の中でもう既にグローバル化、人材を育成できる組織があるのだなということを、改めて感じたんですね。
 その2つの点から、簡単に質問したいと思うんですけれども、1つは、定住外国人の子供たちです。ロールモデルをつくって引っ張っていこうと、トップランナー方式でやっていこうというのはわかるんですけれども、現場でいろいろ声を聞いていると、中には発達障害の子供がいたりとか、本当に定住外国人の子供って幅が広いと思うのですよね。それに対して、今の進学率なんかも、本当はデータがあるとわかりやすいんでしょうけれども、それぞれに応じて、どういうサポートをしていかなきゃいけないのかというのを、もう一回、再認識する必要があるなと思いました。これだけでも、恐らく数時間、先生はお話になると思うので大変かと思うのですけれども、もしポイントがあればお聞かせいただきたいなと思います。

○池上重弘氏
 文字どおり今、ピラミットのような状況なのだろうと思うんですね。話を単純にするために、ブラジル人の子供たちというように限定しますけれども、私はしばしばハイエンドという言葉を使いますが、そのハイエンドの子供たちは、まさに日本の学校で卒業して、大学に入っていると。例えば本学の学生たちは、あの世代の子供が、ハリーポッター、あの分厚い全巻を日本語とポルトガル語と英語で読んでいます。留学した学生は中国語もできて、イギリスでルームメートの中国人と中国語で話をしています。こういう人材がいます。でもこれはやはりハイエンド。日本に来てポルトガル語を母語としながら日本語をマスターすれば、中国語も恐らくその延長線上でいくし、ポルトガル語ができるのでイタリア語やフランス語も、少し本気でやればしゃべれるようになってくると。
 私が、きょうロールモデルにかなりスポットライトを当てましたけど、それはやっぱり私たちの大学にそういう人材が多々いて、その学生たちが、先ほどの絵本プロジェクトなり多文化子供教育フォーラムなりで発信している状況というのは、本当に日本でもごくまれだと思います。集住地域のど真ん中にある公立大学で、10人近いそういう学生がいて、そういう学生たちが連携しながら地域に日本語でポルトガル語で発信している大学は、恐らく日本で静岡文化芸術大学だけです。
 その姿を日本のコミュニティーやブラジル人コミュニティーに見てもらうことで、このピラミット的にいうと、真ん中の層で進学したい日本で頑張って生きていきたいという子たちやその保護者に、大きな夢と希望を与えるだろうと、私は確信しています。それがいわばボトムアップではないけれども、ミドルのところをうんと上げていくことになるだろう。
 それは単にその子たちだけではなくて、そういう子たちが仲間にいることによって、日本人の学生にも物すごく大きな刺激を与えるわけです。例えば、先ほど来言っているのは、外国人学生たちの存在を私は授業で紹介するんです。例えば、きょう皆さんにお届けした2人の学生がしゃべっている、グローバルフェアの動画を15分ぐらい見てもらうと、日本人の学生たちは負けてられないなというふうに思うんです。この波及効果たるや、次世代育成という観点で物すごく大きいと思います。
 一方で、なかなか義務教育すらしんどい、あるいは発達障害を抱えて、なかなか教育の場で頑張るのが苦しいという子たちもいるのは事実です。そして、その数が決して少なくないということもよくわかっています。ですから、それは、2つ違う種類の支援になってくるのかなと思うんです。
 きょう、私はハイエンドの子たちの存在にスポットライトを当てて紹介して、そういう子たちになりたい、あるいは子供をそういうふうに育てていきたいという保護者に、今、静岡県内にこういう新しい動きが出ているんだということを、県議会の先生にお話させていただいた。
 一方で、発達障害、義務教育についていくのがなかなかしんどい子たちには、やはり発達障害の子供たちへのケアの多言語版、あるいはソーシャルワークの多言語、多文化対応のようなものが、静岡県下でも求められていると思います。
 実は、愛知県では、多文化ソーシャルワーカーという制度がもう数年前にできていて、研修を積んだ多文化ソーシャルワーカーというのが、かなり各地で活躍しています。静岡県も今そういう動きがありますけれども、まだまだ質と量の充実というにはほど遠い。
 今、ちょうど日本で教育を受けたような世代が、学校に行って専門的な仕事にもつき始めています。例えば看護学校に行って看護師になるとか、そういう日本で学ぶということをみずからの体験として知りながら、日本語とポルトガル語の両方でコミュニケーションできるという世代が、これからあと5年ぐらいでどんどんふえていきますので、そういう人材を活用していくというのが、1つ重要なことだろうなと私は思っています。きょうはブラジルに限定していますけれども、ペルーでもフィリピンでも、そういう動きが少しずつですけれども出てきてはいます。
 ちなみに、きょう御案内したこの12月6日の会のジュリアナ・バッホスさんという人は、県が受け入れているんですけれども、この方、小学校のとき日本の埼玉県かどこかにいたんです。つまり御自身が外国人児童として日本の小学校にいて、いじめにも遭ったと聞きました。その立場でやってきて、ブラジルの学校を出て、磐田市の学校、それから在浜松の領事館で、子供たちや保護者の心理カウンセリングをして、その成果を御発表いただくと。コメンテーターの近田由紀子さんという人は、浜松市内の小学校で、特に外国人の多い学校で支援の現場をよく知っていて、今、研究者として博士課程に行っているという人です。よろしければぜひ。まさにその課題に対する、1つの答えが出てくると思います。

○田口委員
 また勉強して、これから反映していきたいと思います。
 もう1点は、日本人の子供の内なる国際化を進めていくという考え方なのですが、さっきからお話を伺っていると、やっぱり学校もさることながら、地域というのが大事なのかなという気がしてならないわけなのですけれども、その辺の学校ではどういうことを注意すればよいのかというのも、ポイントを絞ってお話いただければと思います。

○池上重弘氏
 国際理解教育というのが、学校なんかでよく言われているんですけれども、それは日本が海外の社会、文化を学びましょうという枠組みなんです。例えばインドネシアの社会を学んでみましょうとか、ブラジルの社会を学んでみましょうとかという話なんですけれども、やっぱり、もっと多様性に対するまなざしを持つことが大事だなと私は感じていて、ブラジルから来ている人たちにも日系人がいて、そうでない人もいて。あるいは日本では余り触れてないことなんですけど、宗教の多様性というのもありますよね。1つの国に1つの宗教を信じる人がいて、1つの文化を生きていてというのではない、いわゆる多民族国家、多宗教国家というのが当たり前なので、多様性に対するまなざしを、しっかりと学校の中で持てるように教えていくというのが大事だと思います。
 それから、日本に来ているブラジル人、さっき言ったパウロ君ブラジル人だからサンバ踊ってよ、僕盆踊りしか踊ったことないと、これ半ば冗談なんですけど本当の話で、そういう仲間としている違う背景を持った人たちの多様性みたいなことについても、その歴史を学ぶと同時に、その多様性についてのまなざしを持つということも、とても大事なのだろうなと思います。学校としてはわかりやすくて、ブラジルというのはこういう国で、ここにあって、こんなものが特産品でという項目を教え込むというのはわかりやすいんだけれども、そこでできてしまうある種の色眼鏡というので、すぐ隣にいるパウロ君を見てしまうと、それはそれで危険なんです。ですからブラジルについての理解も大事だ、だけど隣のパウロ君はどうやって日本に来て、どんな暮らしをして、今どんなことを考えているのだろうというような、まなざしを持てるような子に育ってほしいなと私は思っています。

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