委員会会議録

質問文書

平成21年10月障害者雇用促進特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	奥之山　隆議員
	質疑・質問日：	10/28/2009
	会派名：	自由民主党県議団

○奥之山委員
　鈴木修という偉い人がいるんだなと、本当に大したもんだなと思って聞いておったんです。例えばこの国は豊かになったということもあったりして、ニートと呼ばれる人が数十万人いるわけですね。働かないし、働く気持ちもないし、職業訓練も受けないと、そういう人がたくさんいる。
　それは、先ほどちらっと何か言っていたと思うんですが、きのうまでの学生がいきなり先生になっちゃうと。同じように、働くということは、ある程度小さいときから、障害を持っていようが、持っていまいが、何か働く喜びとか、何かやったことによって感謝されたりとか、そういうものが与えられずして、いきなり「あしたからおまえ一生懸命働け」なんて言ったって無理だというようなことがあります。あるいはもっと話を聞いておって、障害を持っている子供を、ある意味では福祉とかいろんな形で、大切に扱わないといかんぞというようなこともあります。逆に私は聞いていて、障害を持っている子が将来自立するということになると、そういう子こそ、子供のときから「頑張らないとあかんぞ」「将来は働かないとあかんぞ」みたいな、そういうのは逆に必要なのかなということと、この労働の大切さを子供のときから教えていくということを社会全体としてやらないといかんと。
　私なんかは農家の長男ですから、昔は手作業で田植えをやるとかなんとかで、田植えするんじゃなくて、田んぼに入っているんですね、子供でも。あるいは学校が休みなって、農休みと言って、そのときだけは家で百姓を手伝えというようなことがあって、あるいは我々はこの中では古い方になるのかもしれませんけれども、家が農家ですから、昔は農耕で牛を飼っていたわけですね。えさをくれるのに、藁を切ったり、草切ったりなんかして、くれてやる、そういう作業なんかは自然にやらされたみたいなことがあった。
　ですから、職場と働くことと生活の場が一緒だったけれども、今じゃあサラリーマンの方が多くなって、お父さん、お母さんの働いている場所も見たことがないとか、そういうような形の中で、働くことに対する喜びだとか必要だとかというようことがちょっと生活から離れているので、労働の大切さを子供のころから教えていくということに対する考えをちょっと教えていただければと。

○鈴木修氏
　障害者が先に来るのではなくて、人は一定の年齢になったら働く、当たり前だと、そこがベースではないのかというふうに思います。人は働く、人とかかわっていく。
　ですから、私たちも現場の支援などに入っていったときに一番大変なのは、やはり今質問があったように、小さいころから、知的障害の人たちが理解が何となくわからないけれども、でもこれは大事だぞというようなことが体の中にある。だから、「おまえ、働けなくなるよ」という言葉が落ちるか落ちないか、「それは大変なことなんだ」「私はここで働きたいです」という思いがどこまで、小さいころからの、18歳になったりとか20歳になったからといって、その年齢になったからいきなり働けるようになるもんではないと思います。
　ですから、働くというのは、そのために働くに当たっては、特に必要な手当て――人的なサポートとか、サポートは何かというときに、サポート体制は２番目だと。ですから、そういう意味で言うと、特別支援学校とか、そういうところでの教育とか、また特別支援学校だけではないですよね、学校教育とか、人を育てるということに自体に対して、人とかかわり合いを持つこと、人は働き、そして支え合っていくもんなんだという、そこが大きな課題になると思います。
　それは、働くということ、生活の中に働く場所が、家事の分担であるとか、そういう労働というものがどんどんどんどん消えていくという、その実情ももちろん大きな要因であると思います。また、親もその中で、この子は無理だろうという、親自身が最初から守るというような形になってしまったら、それは大変だろうと、そんなふうに思います。

○藤田委員長
　そのほかはよろしいですか。
（「なし」と言う者あり）
　それでは、質問等も出尽くしたようですので、このあたりでＮＰＯ法人くらしえん・しごとえん代表理事であられる鈴木修さんへの質疑を終了したいと思いますが、御異議はございませんか。
（「異議なし」と言う者あり）
　御異議もございませんので、これをもって質疑を終了いたします。
　鈴木さん、水野さんには、大変お忙しい中を当委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございました。その上、大変貴重なお話を伺うことができまして、今まで断片的にしか見えなかったものが、少しなりですけれども、私どもも外観を知って、総合的に見えたような気がいたします。その上、我々の質問等に対しましても御丁寧に説明・御答弁をいただきましたことも、あわせて御礼を申し上げます。
　この上は、鈴木様のお話を今後の委員会の審議に生かしてまいることをお約束を申し上げまして、本日御出席をいただいたお礼とさせていただきます。ありがとうございました。
　それでは、ここでしばらく休憩といたします。
　午後の再開は、午後１時といたします。
　御苦労さまでした。

(　休　憩　)

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