本会議会議録
質問文書
平成20年11月臨時会企画空港委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 三ッ谷 金秋 議員 | |
質疑・質問日: | 11/06/2008 | |
会派名: | 平成21 |
○三ッ谷委員
何点か質問をさせていただきますのでよろしくお願いします。
我々はね、部長以下当局の皆さん、静岡空港の設置については、後の次世代つまりこれからの若手も含めた未来の静岡県の県民のために社会資本の整備ということで絶対必要だと、そんな気持ちで今日まで当局を信じ、静岡県のいろいろな発表を信じ行動をしてまいりました。ですから、当局が本会議、委員会の審議で説明することなんていうのは、疑いもなく信用してきたわけですよ。今日までこの静岡空港の問題だけじゃなくて、静岡県の職員の皆さんが精査して頑張ってきたその行動に対して我々は信用を置いていたから、皆さんがいろいろ出す指標についてもあるいは資料についても信頼という2文字の頭をとって我々は疑いもなく賛成をしてきたんです。決してよく言われるような――ある人が言ってましたけども――県議会はうのみにして何でもかんでも賛成をしてきたと言われてますが、そうじゃありません。我々ここにいるメンバーを含めて、将来の静岡県のために静岡空港は必要だと、そのためにはどんな整備をするかということについて質疑、議論をして今日までやってきたのであって、決して知事以下皆さんの言ってることをうのみにして我々は賛成をしてきたんじゃないということを、まず冒頭に申し上げたいと思います。
しかし今回、いよいよ来年3月に開港だよと。いろいろなイベントも踏んできた、あるいはいろいろな届けも出していよいよこれからだというやさきに、制限表面区域の中に支障物件が幾多存在したと。そして結果としては、完成検査までにその撤去もままならないで暫定という言葉を使った運用に方針を変えざるを得なかったということにつきまして、大変残念というよりも、これで今までの努力が水泡に帰したなという気がしています。きょうも午前中の各会派代表者の皆さんの中でも、盛んにそういう意味合いの言葉を使った質疑をしていました。私もそういう意味では県民の代表であって、その説明責任を果たさなきゃいかん議員の一人として情けなく思っています。
こうなると、一般的な新聞を読んでも、あるいはどこかの飲み屋さんでいろいろなお話聞いても、県への信頼というのは本当に地に落ちたと言われているとおりで、知事以下当局の皆さんも今までの苦労が本当に不信というような言葉に置きかえられるような、そんな今、きょうこのごろです。
ですから我々も、きょうも全員協議会から本議会に切りかえをしていただいて、こんなに遅くまで議論をしなきゃいけない、それが議会の務めだという思いでおりますけれども、しかし全体とは言いませんが一部の県民あるいは地権者から、例えば議長の訪問に対しても県議会がこれまで県の空港建設についてチェック機能を果たしてこなかったと言われています。また反省のないままの議会とお話しすることはないというような拒否の文書も、先般新聞を通じて拝見をしました。その地権者の方が昨日議長室を訪問して、その申入書の書面の中で、議会が県の責任を明確にしてほしいこと、また今回の補正予算にも言及をして、余分な県民の負担は納得がいかない、これまでと違った対応がなされれば解決の方法はあるんだと、こんな言葉も述べていると。これは私もテレビでじかに拝聴しました。これに対して、うちの県議会議長も「県民の声をよく考えて議論すれば解決の道は見つかる」と、こう言っています。ですから余り言いたくないような表現や、あるいは推測に基づくような質疑も多くなると思いますが、県民の代弁者として、議会の一員として、県への信頼を回復するために幾つか質問したいなと、そんな気持ちできょうはこの委員会に入ってます。
そこでまず最初に、知事がもう何回も本会議場で県民への信頼の回復につきましても、自分の責任につきましてもお話をしています。私は当局である空港部長以下、これまで頑張ってきたのに、たった支障物件のために今までの皆さんの努力が本当に水泡に帰すようなきょうこのごろを見て、今後県民への信頼回復にどのような努力をしていくのか、まず最初にそのことにつきまして伺ってみたいなと思っています。
先ほど来、特に今回この支障物件のことが、測量ミスがあったから発見したんだよということを中心になってきょうここまで来ています。私は昨日当局から詳しいいろいろな図面をいただきました。きのうね、私これずっと眺めて、図面は何も語ってくれませんけども、夜中の1時までこれとにらめっこをしていましたよ。これ見るとね、これはもう部長、部長のとこから出してもらった書類ですからよく部長もわかると思うのですが、静岡空港の北西に反対地権者の所有地があると。そこが地すべり対策地帯であり、その西側がまた切り土部分になってますよと、こういう図面ですよ。これよく見てみますとね、まことに推論で申しわけないのですが、つまり今はね、何か地すべり対策での同意書が締結されたとか、破棄されたというようなことを各議員の皆さんからも発表があった。あるいはせっかく昨年の7月に締結をしてもらったのだけども、その後破棄されたと、こういうお話も部長からいただいています。一方、航空測量のミスあるいは誤差というような表現でね、事業認定の申請に必要なこういう図面をつくるときの事業でもこういうミスがあったよということ、こう2つ述べてますよね。私は今の状況を2つゆっくり見て、この図面をゆっくり眺めていると、何か頭の中に推論というのか、俗に言ったら本当に小説家になったような気になっていろいろ思いをめぐらせています。
そこで伺うのですが、今は測量ミスとか測量誤差という話を片一方で言ってる、片一方では地すべり対策で失敗したよという話をして、2つが別の案件のような話を今盛んにしている。我々もそれがそうだなと思って別々の議論をして、別々の事項について当局に対して質疑をしている。きょうの各質問者もみんなそうです。しかし、これ図面をずっとゆっくり見てると、まず自分として、何かその先があったのじゃないかなという考えを感じます。つまり当局としては静岡空港を速やかに基本設計どおり2,500メートルで開港させるためにはどこをどうしたほうがいいかというのを、机上で皆さんが作戦をつくったのじゃないかなと思われてもしょうがないと思うのですよ。それは、まず任意に同意していただく、地権者には正攻法でやっぱり土地の提供を受け、あわせて強制執行でいけるところについてはその手法も活用させていただく、しかし、反対が強い方について、このまま正面からぶつかっては得策ではないという静岡県側の考え方、あるいは地権者への思いやりがあったのか、その手法がよかったからそういう机上の作戦をとったのかわかりませんが、片一方は地すべり対策で何とか処理したらどうだろうということを皆さん、部の中でやったのじゃないのでしょうかね。総合的にこれがうまくいけば、無事に2,500メートルの静岡空港は予定どおり来年の3月には開港できたはずでした。しかしこのミスというような一つの誤差というようなことから始まって、何か2,500メートル飛行場がオープンできないのは、収用面積をはかった航空測量の中に誤差があってミスがあったからだと、あるいはその何か2つの理由を県知事が述べていましたけれども、私はそれは逆に、3月までにオープンができない理由として、個々のことを張りつけた中にでき上がった一つの机上の何かな、あれじゃないかと思い始めてしまいました。立木があったり、あるいは高いほかの支障物件があって、これは言いわけで、それは測量ミス・測量誤差、あるいはそのおかげで本来は収用しなきゃいかん土地だったのにそこが外れちゃったからこういう問題になったよと。こんな言いわけを現在、本会議も通じて言ってきました。しかしそうじゃなかったのじゃないのですかね。私は――当局の考え方ですから、それはいいのですよ――正攻法でいくところ、収用でいくところ、そして地すべり対策でいくところ、3つをもって静岡空港を完成したいというのであれば、それはそれでよかったんです。
しかし結果的には今回のようなことになったというのが本当じゃないのかなと、私は今思っています。この点につきまして、私はこれはあくまでもね、自分の考え方ですからどうかなと思いますが、部長以下がこのような考え方というのは考えられませんか。
ついでにね、その測量誤差について伺いますが、先ほど来、各委員から測量誤差のいろいろな話が出てきて測量会社のミスであれだこれだと言ってますけども、まず最初に、何で県はことしの2月にアジア航測に対して、平成15年にやった測量のデータをまた提出を求めたんですか。15年――今から約5年前の測量のデータをぜひ出すようにと、県からアジア航測にそんな話がいっています。それでそれを確認したと書いてあります。それでまた、同社は、報道のいろいろな調査に対して、我々は決してミスはしていない、県は誤差と言っていますが、この当局者さんが言ってるには、測量誤差が生じるのは一般的にはありますと、これは認めてます。しかし1メートル以上の違いは誤差の範囲ではないと認識していますと。つまり皆さんが言うと、1メートルぐらいの誤差だからしょうがないよと言ってるんですが、このレーザーではかってる会社は1メートルというのはもう誤差じゃなくて、それは手法の違いとか、はかる機械が傷んでたとかということでなけりゃ、これは誤差とは言わないと、こう言ってるんです。
そこで伺います。先ほど6番議員からこの航空測量についての提出のことが、質問で出てましたので、私は県との業務委託で測量基準がどのような契約で結ばれていたのか。ですから提出のことはいいですよ。だから測量するのに、誤差だというのであれば、県は当時の契約書でどんな測量を実施するように委託契約を結んだのか、ぜひその点についてお伺いをするものであります。
それからね、先ほど9番議員から出ましたから、これはちょっとやめておきますが、もし言ってるように1メートルは誤差じゃないと相手方は言ってるんですから、それが当局が言うように誤差だと言ったら、それは当然損害賠償もやっぱり範疇に入ってくるのではないかと思いますよ、あくまでもそれが誤差だ、ミスだと言うのであれば。ですからこれは、先ほど来相手を信用してという話もありましたので、ここでは伺いませんが、私としてはやっぱり本当に相手のミスだ、誤差だというのであれば、やっぱりこれは損害賠償を請求して、どちらが正しかったということを、しっかりやっぱりこの際情報の公開でオープンにすることが正しいんじゃないかと思います。
次にね、きょうは補正予算を審議していますが、知事もいみじくも最後の答弁のときに言ったし、部長も本委員会でも言っています。私はできることであればやっぱり来年の3月には2,500メートルの滑走路を持つ本来の富士山静岡空港で開港をしたいと願っています。
そこで、先ほど岩瀬部長代理がおっしゃってましたよね、この予算が通ったらもうすぐにも発注をして工事に入りたいよとお話をしていました。私は、知事も部長も2,500メートルでオープンしたいんだということであれば、つまり3月開港の可能性がゼロになるというのはいつですか。いつですかということをまずお尋ねします。
そのゼロになった日が初めて予算執行をする日だと思うんですよ。それでないと、議会は可能性を放棄して、ただただ言われるようなうのみにして賛成をしたと言われかねません。ですから当局としても県税の無駄遣いを防ぐと言われるような新聞論調の議論があるとすれば、私は予算が通ったからすぐ発注を出すんじゃなくて、やっぱり地権者のところにもう一度行く、これだけのリミットがあるのならこれだけのリミットの中で、精いっぱい部長以下努力するのが今回のやはり本会議、委員会の中の議会側の意見じゃないかと思うのですが、この点いかが考えておるのでしょうか。じゃあ一度。
○豊岡委員長
答弁をお願いいたします。
○岩ア空港部長
まず、県の信頼の問題でございます。今般のこういう事態に至りましたけれども、それにつきましては、測量時のミスそれから支障物件の存在、また対応策の内容等につきましての皆様への御報告のおくれ、また開港延期に至らざるを得ないという状況、さらには巨額の県民負担をおかけしていること、いずれにしても、御指摘のとおり県民の方々には非常に申しわけなく思っておりますし、県民の方々の信頼もかなり厳しい状況になっているという認識は持っております。
私としては今回の事態は、非常に厳しい皆様からの御意見を踏まえた上で、その信頼回復に向けた努力というものを一生懸命やっていかないといかんという思いを強く持っております。予定どおりの開港、予定どおりの開港が無理な場合での暫定運用による開港、いずれの道もあるわけでございますけど、いずれも一生懸命やって、この富士山静岡空港がいい形でスタートできるよう最善を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
それから、お答えになっているのかどうか、ちょっとわかりませんけど、強制収用それから地すべりの工事の関係、それから地権者に正面から支障物件の除去をお願いをする、その3点の関係についての御質問かとは思います。なかなかちょっとお答えになるかどうかわかりませんが、時系列的に考えますれば、強制収用の手続の中でこういう事態が生じて、それについてじゃあ地すべり工事でこれをやるとか、正攻法でやるとか、そういう議論なのだと思っておりますけれども、私ども県といたしましては、地すべり工事をお願いをすることと正攻法でお願いをすること、これは私どもとしては同じ方向で取り組んでいた認識でございます。
いろいろ知事も答弁いたしましたけれども、地権者の方は訴訟の原告でもございますし、またこれまで空港の反対運動をされてきた、そういう方にぜひ御理解をいただくためにどういうやり方がいいのかというのも考えなきゃいけませんでした。また実際問題としてあの地域が地すべり防災地域であり地域の皆様方のためにも地すべり工事をやらなければいかんだろうということで、地すべり工事をお願いをするという形で地権者の方と協議を行ってきたのは事実でございます。しかしながら、いろいろな経緯もございまして、地すべり工事という枠内でのお願いというのはなかなかやっぱりうまくいかず、協議は困難をきわめてしまったというのも事実でございます。
そうした中、こういう状況に立ち至ったわけでございますから、私どもとしても――私自身もそうでございますけれども――夏ぐらいからは支障物件の除去をお願いをする、そのために現地の測量をぜひ認めていただけないだろうかというようなお願いに上がったこともございます。結果としてその地すべり工事という枠組みで協議を進めておったということについて、しかし今はうまくいっていないわけでございますので、それについての御批判は受けなきゃいかんという認識は持っております。ちょっとお答えになってるのかどうか、わかりませんけれども。以上です。
○石田地域共生室長
測量誤差の件でございますが、私どもは昨年の9月から11月に先ほど制限表面を超える立木等のA・B・Cという認識をいたしまして、ことし2月に測量業者のほうに事情を聞き合わせをいたしました。4月にその事情についての御報告をいただいておりまして、その中で先ほどの成果品だとかそういったものについての、再度同じデータを出していただいた中で、そういったことが判明をしております。
それから、測量基準につきましてですが、もう一度ちょっと、今確認しておるものですから、後ほど。済みません。
○岩瀬空港部理事(路線就航担当)(空港部部長代理)
100%ゼロになるのはいつの日かという御質問でございます。
きょうにでもですね、御了解いただければ、すぐにそれに向けて手続に入りたいというふうな気持ちではおりますけども、これまでの交渉経過を見て、残念ながら地権者の方からこちらに申し入れ書をいただいて、それを検討してまたうちのほうからも文書で協議をお願いすると、今そういう状況でございまして、まだ交渉を引き続きやっているという状況でございます。
きょう部長からも御答弁を申し上げましたように、これまで3月開港、2,500メートルを大前提にしまして、私どもも一生懸命にやってまいりまして、その結果として今回こういうような状況になっているわけでございます。したがいまして、そういったいろいろな方法を模索する中で今回の暫定運用という案を出させていただきました。当面はやはりこれ以上開港をおくらせることはできないということで、とにかく早く開港につなげることが今の私たちに与えられた使命であるというふうな考え方でおりますので、それに向かって全員努力していきたいと思っております。
○三ッ谷委員
部長、この前の議会のときにはこの委員会でね、島田の大型展示場の話を盛んにしていたんですよね。夢を語る地元の議員さんもいるし、そうかと言ってこの厳しい予算財政の中で本当にそんなものつくっていいのかという議論もここでした。それはあくまでも静岡県を信頼をして、もう3月には当たり前に開港できると思ったから踏み込んだ議論をずっとここでしたわけですよ。ですから、そういうやっぱり我々議会の気持ちと、今部長がおっしゃったような県民に対する不信の念を抱かせたということにつきましてはね、重々反省をして、やっぱり前向きな対応をとっていかなきゃいかんなというのは、ぜひともおわかりをいただきたいと思うところです。
特にね、先ほどもこの3つの事案を含めてね、部長にお伺いしました。私は、確かに地すべり対策は後で出てきた対策かもしれませんが、やっぱり土地収用にあるいは計測にミスがあったから支障物件が起きちゃったよというんじゃないと思うんですよね。それは今になって、たまたま誤差が生じたということがあったからそうしたのでしょうけれども、全体の中でやっぱり静岡県の机上のそろばんの中に目が抜けてたというようなことで、今回のようなことになったんじゃないかなというのが、私個人のやっぱり思いです。
そんなこと言っててもしょうがありませんが、しかしせっかく延々20年かけて滑走路ができてるわけですからね、やっぱり岩瀬さん、2,500メートルでいける努力もやっぱりしてもらわなきゃいかん。それが逆に言えば、静岡県知事、空港部が県民に対して、あるいはせめてもの信頼回復のやっぱり大きな手段だと思いますよ。ですからその点をね、やっぱり肝に銘じていただいて、ただ補正が通ったからあるいは暫定運用のために予算がついたからという気持ちだけはないように、これはぜひお願いをしなきゃいかんという気持ちでおりますので、ぜひその点はもう一度くどくなりますがお願いをするところです。
それでね、この地権者から県議会議長あてに来た申し入れ書を、これもゆっくり読ませていただきました。7項目、ほとんどの委員の皆さんも知ってると思います。知らない方があったらまたコピーをいただいてぜひ眺めていただけばわかりますが、この7項目の中で一番問題は、この地権者がその経緯と原因については事実と異なる説明がなされ、問題の責任を測量業者や土地所有者あるいは訴訟との関連などに振って県は言っていますよと、こういう文字が使われています。
ですから、きょう午前中の本会議でも先ほど来私の質問の中でも、同僚の委員方の質問の中でも同じようなことを質問してますので、この7項目について一つ一つどうだこうだということはやめておきますが、総論としてね、部長、聞かせていただきたいなと思うんです。この申し入れ書の彼は――皆さん御存じのとおり大井さんでありまして――一番大きな問題の土地を所有している方でありますが、大井さんにこの申し入れ書の内容を確認するわけにはいきませんが、どうでしょうね、せっかくの機会ですから、部長、大井さんと会った担当者が何人かいるじゃないですか。知事は会えなかったと言ったし、部長が会えたのかどうか詳しく私も存じていません。岩瀬理事を含めて何人かは直接大井さんと会ってるんじゃないかと思うんですよ。できたら、そのときのやりとりをこの委員会でぜひ紹介してもらいたいと思うんですよね。ただただお互いに不信の念を抱いてて、県は県で相手方についてなかなか思うように伝わらないという話はするでしょうし、向こう側は向こう側でなかなか県はおれの言うことを聞いてくれないと。多分こんなのが今回のその象徴だろうと思うんですが、できましたら忌憚のないやりとりがあったのであれば、こう言ったよと1つぐらい聞かせてもらってもいいんじゃないかと思うんですよ。無理なものは無理でいいんですよ、我々だってそれは無理だとやっぱり必ず言いますよ。でも、それがやっぱり出てこないと、きょう一日の臨時議会の公開にはやっぱりつながっていかないんじゃないかなという気がしますが、何かありましたら、このやりとりのすべてをぜひ開示していただけないでしょうか、伺います。
それともう1つ、これは広報の段階か情報の公開の段階かわかりませんが、この地すべり対策でせっかく協定を結んだのに破棄された。これは県は、地すべり対策で誠心誠意やったとおっしゃるのであれば、なぜこの段階で委員会なりあるいは静岡空港の関連問題の中で当局としては事実を公表しなかったのでしょうか。今になってこの委員会でも――前回の時の委員会資料にもありますが――昨年の7月にどうのこうのという区分書が載ってきましたけども、私はそのときに拒否されたということを伺ってないものですから、なぜそんな日付の公表が遅くなったのか、その点についてお伺いをします。
それからもう1つ、これは肝心かなめのことですがね、部長。部長にこんなことを聞いても酷だなと思いますよ。この地権者は本当に木を切る気があるのでしょうかというお話を一度心情的に聞いてみたいと思うんですよ。私は決していい話ばかりを聞いてません。ですから悪い話も聞きたい。我々同僚議員の中では千載一遇のチャンスだと、きょうの本議会で言った方もいますが、でもね、彼に言わせると、きっと感じが千載一遇のチャンスなんですよ。だからよっぽど信頼関係が厚いんじゃないかなと思いますが、当局としては、この地権者とこれからも頑張ってもらわないかん、できれば2,500メートルで開港したいという我々お互いの夢があるんですから、こういうことを質問しても答弁できないと思いますが、心情あるいはそういうものについて、部長どうお考えか。これはきょう、傍聴席の中に委員外議員がいまして我々の議論を聞いてるんですよ。筒抜けできっと入っていくでしょうから、逆にいい機会だと思うんですよ。だからいいことも悪いことも含めて、お互いにやっぱり胸襟を開くと、きょう本会議の中でもお話出ていましたから、そういうことをね、やっぱり聞きたいなと思うのですが、いかがでしょうか。
(発言する者あり)
簡潔に、はい。時間も遅くなりましたので簡潔にね。
それからね、部長。国への報告についてお伺いをします。我々もルートを通じて国土交通省の担当官からお話をいただきました。支障物件の概要の報告は正式には本年6月に国土交通省が承ったと説明されています。しかし一方で、実際には1月ごろ支障物件の有無とその対応について、静岡空港にはこんな問題がありますということを承ったと、担当官が我々の仲間の議員に報告をしています。
そこでお伺いするのですが、暫定運用になるかならないかという話は、先ほど来うちの9番議員が盛んにやっていますが、これが10月29日にいただいた国土交通省の議員あての説明文です。これは皆さんからいただいた委員会報告書を一番頭だけ変えて「富士山静岡空港の暫定運用方策について」という書類に書き直して参議院・衆議院議員に国土交通省から配付されたそうです。これは当局からいただいた資料と全然変わりませんし、上だけが違っているだけで日付も入ってます。それで、国は多分暫定運用についてこれだけの書面を出してるんでしょうけども、前向きな姿勢を示しているんじゃないかと思われます。
そこで伺いたいことは、今日までいろいろな報告がなされた原因の中に、部長は訴訟に係ることだから、なるべく、本当はここまで言いたいけども言えないんですよというお話を本会議でも委員会の席でもそんな答弁を繰り返してまいりました。これは知事も同じような答弁です。しかし国土交通省も例えばですよ、金子国土交通大臣は24日の記者会見で、「開港、運用について全く県民に知らせていないというのはちょっと解せないな」と、こう述べてます。その後で、「静岡県には支障物を取り除く最大限の努力をしてもらいたい、そして予定どおりの開港を強く求めたい。地元の判断を聞き、国としても最終判断をしますよ」と言ってるから、一方で、もう既に富士山静岡空港暫定運用方針というのが、静岡県の地元の意見としてつながっているのではないかなと思うんですよ。
つまり部長も知事もその訴訟に関して重大な影響があるからなかなか公表ができなかったよという話を盛んにしてまいりましたが、国土交通省の役人さんは、別に記者会見じゃありませんが、全くそういうものは問題にはならないだろうと、そして何でもっと早くこういうことを知らせないんだよということを番記者に話してるんですよね。そうなってくると、部長が訴訟に影響が出るからと、気にして言いたいこともがまんをして今日まできたことで、逆に静岡県の信用をなくして、あげくに国土交通省のほうから何て言われてるかというと、静岡県の信頼はゼロに等しいと、こんなことを担当官が述べたと言ってます。こういうことを聞くとね、何か部長が相手の気持ちになってかばってやったことが裏目に出て、国土交通省の大臣、次官は「訴訟には影響があったとは考えづらい、国に責任を転嫁していないか」と、逆に静岡県を悪く言う表現で疑念を持っていると、こう述べています。そうすると今まで委員会や本会議で、当局である皆さんが我々に教えてくれたのと違う方向に行ってるんじゃないかなと思いますが、この点はいかが思いますか、お伺いをします。
もう1つは、やっぱり部長、考えないかんのは、国への信義も第一です、予算もらうんですからそれも大事です、しかし皆さんは静岡県の代表としてあるいは静岡県の職員として県民側に向いていただかなきゃいかんというのもあわせ持っているんです。
どうも人に言わせれば、これは裏切り行為じゃないのかと、こんな言葉も使うような記事もここにあるんですよ。私はこれには余り賛同はしませんけれども、結果的にはそういうふうにとらえられてるということも一方で事実でありますので、その点につきましてもお伺いをします。
それからね、先ほど補助金の返還の話が出ました。これは先ほどの国土交通省へ行ったときに調べたことを、きょう午前中でもある会派の代表がそれを利用して質問しています。国土交通省からの補助金というのは、2,500メートルに対して225億2000万円の補助金をいただいています。国土交通省ではね、先ほど暫定という話が出ましたが、午前中の本会議でも出ました。暫定という言葉は――知事もおっしゃってましたけど余り使いたくはない。暫定ということに対しての許認可も与えたくはないよと。しかし部長も関係の省庁から来てるし、うちの部下がいることだからという気持ちもあるだろうし、静岡県の皆さんの熱情にほれてね、成田でさんざん苦労してきたから余り法律どおりのことはやりたくはないけれどもというところで……
○豊岡委員長
手短に。
○三ッ谷委員
はい。許可したと言ってますよ。しかし、部長。暫定がいつまで続くかという話になると、話は別なんですよね。ですから、先ほど来言ってる、対地権者の問題は大事だよということを結びつけたいから、冒頭にいろいろなことを推測を交えて部長にお伺いしてるんです。つまり2,500メートルで225億2000万円を割ると補助金の返還額は約30億円余になります。これは国土交通省からいただいてます。そうするといつまでたっても暫定。暫定で滑走路は2,500メートルもできてますけどもということ考えたら、やっぱり2,500メートルができるようにするためには、この際7項目を含めた地権者からのやっぱりいろいろな申し入れについてもね、県も地権者もお互いにやっぱり胸襟を開いて、詰め寄るところは詰め寄ってもらって、できることであれば地元が一番望ましい2,500メートルでぜひ開港させていただきたいと願っています。
この点につきまして、最後には地権者なんですよ。これが崩れてくると暫定という言葉がなくなって、国は補助金の返還を求めないかんということも担当官がはっきり言ってるんです。ただ2,500メートルあるから、しばらくの間は静岡県が運用したいと言うから認めるけども、それが1年、2年、3年と言ったらそれはもう暫定じゃないと、こう言われてますから、ぜひね、こういうことを考えると、選択肢は一つしかないということになるんじゃないかということを結びつけて、最後に部長以下皆さんの答弁を聞きたいと思います。
○岩ア空港部長
支障物件の存在につきましては、国のほうには私の記憶ではことしの1月、支障物件が存在することを報告させていただいたというふうに記憶をしております。
大臣のお言葉等々、御紹介がございました。これまでおわびを申し上げたとおり、県民に対する説明責任というものは、いろいろな事情はあったにしても、それについて十分に果たしてないという厳しいおしかりであると思っております。
私どもといたしましても、先ほどのまさしく県政の信頼回復ということのためにもしっかりと説明責任を今後果たしていく、そういう取り組みというのをしっかりやっていきたいと思っております。
なお私は国から出向している身ではございますけど、県庁の空港部長でございますので、そこについては御理解をいただければと思います。
それから、補助金の返還でございます。具体的に国のほうからそういう話は伺ってはおりませんけれども、委員御指摘のとおり一般論として暫定が暫定のままというのであれば、そういう議論が起こることも当然だというふうに思っております。この空港は――繰り返しになりますが――2,500メートルの滑走路でしっかり開港することが非常に求められている空港だという認識は強く持っております。今後、地権者との交渉を誠心誠意やらせていただきますとともに、何とかできるだけ、それをできるように1日でも早く進めまして、支障物件を除去した上での完全運用、開港というものを引き続き目指していきたいと思っております。
○三ッ谷委員
もう、今の部長のお話で全部わかりました。ぜひ暫定も視野に入れながら、あくまでも部長今おっしゃった2,500メートルが第一主義でありますので、意味はもう十分部長にも伝わっていると思いますから、まだあと2人ほど質問者が残っているようでありますからこの辺でやめておきますが、ぜひとももう一層の頑張りをお願いして質問を終わります。
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