• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成25年10月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:曳田 卓 議員
質疑・質問日:10/11/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○曳田委員
 私は、この子どもの人権擁護特別委員会の委員になりましてから、学校の先生の何人かの方々とお会いをする機会があって懇談をしました。今まさに、先生がおっしゃった教員の多忙化、これがいじめにおいてかなりの意味で重きをなしている。校長先生をやられた方が、恐らく15年ぐらい前からか、先生が忙しくなったという話をするんですね。例えば、いろんな報告書、統計、生徒の評価も、手書きでやってほしいという教育委員会もあるのだそうで――中にはパソコン対応して、なるだけ事務量を減らすということもあるんですけれども――そういうことが1点ありました。
 それから、多忙化の問題は、先生方の中でも多忙化対策委員会というのがあって、そのやりとりを県教委としているらしいんですね。そういう過程を見ますと、まさに多忙化しているのかなと。
 もう1つ先生が言っているのは、いじめは休み時間に起こると。ただそのときに、今言ったような形で先生が多忙だと、なかなか目につきにくいという発言があったのですが、まず1点は、私が話した内容が、武田理事が実際に見られている現場とギャップがあるのか、それとも大体そんな感じなのか、お聞きしたいのですけれども。

○武田さち子氏
 先生方はやはり非常に忙しくなっていると思います。私たちは研修のためにいろいろなやりとりを電話でするんですが、夜9時、10時でもまだ学校に先生がいらしたりするんですね。生徒指導に熱心な先生ほど、なかなか定時にはとても帰れないということがあると思います。やはり事務仕事が非常に多い。また、生徒指導をすると一々報告書を上げなければいけない。文章が得意な先生だったらすぐに書けるのかもしれないのですが、例えば国語の先生は得意でしょうが、中にはそうでない先生もいると思うんですね。そうするとその報告書に非常に時間がかかる。何のための報告書なのかということが本末転倒になっているのではないかというふうに思います。
 また、いじめは休み時間に起きるということで、中には自分のクラスにいじめがあると、自分のお昼も食べることもほとんどできずに、ずっと教室に張りついてなければならないという小学校の先生の話も聞きました。やはり担任が全て押しつけられてしまって、会議はするのですが、結局担任がやりなさいということで、ほかの先生方はみんな、もう少し様子を見ましょうとか、結局具体的な役割分担はないんですね。ただ、担任がやらなきゃいけないということをみんなで了承するような形の形骸化した会議になって、会議がまた多忙化に拍車をかけているという悪循環が生まれているような気がします。

○曳田委員
 やはりそうしますと、先ほど、正職員の教師をふやしてほしい、あるいは事務専門の職員を配置してほしい、先生方が指導に集中できるような体制をという話がありましたが、これも1つの大きな方策であるというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。

○武田さち子氏
 私はそれは非常に大きいと思います。そのためにはやはり予算が必要だと思うんですね。ただ、何にお金を使わなければいけないかと考えたときに、子供の成長というのはこの国の未来ですので、やはり教育にお金は使うべきだと私は思っています。先生たちの忙しさを解消することで、また先生方同士のコミュニケーションの場も生まれますし、やはり人間は忙し過ぎてゆとりがないとコミュニケーションも生まれませんし、どうしても小さいことに目をつぶりがちです。いじめは小さいSOSの発見から始まりますが、わかっていても忙しいと見過ごしてしまうということが起こります。また勉強するにも時間がないと勉強できませんから、やはり先生方をふやしていただきたい。少子化で、やろうと思えばゆとりができる時代のはずなんですね。昔みたいに1クラス50人もいるわけではありませんので。ただやっぱり対応の難しい子供は非常にふえていますので、やはりそこは手厚く、正職員の先生方、もしくは養護の先生も今めちゃめちゃ忙しくて、自分のお昼御飯も食べられない状態ということをよく聞きます。ですので、そういったところも複数配置にするなどの対応をお願いできればと思います。

○曳田委員
 あと2点ほど。
 もう1点が、先ほどのお話の中で、教員の評価の話がございましたね。いじめはなくて当たり前だと。先生の評価が学力テストなり、部活の成績だということになりますと、私は今、学校の評議員やっていて、会話をしていると何となくいじめを隠そうというのではないのだけれども、ありませんよ、ありませんよという話をするのです。そうすると、いじめはないということをかなり強調しようとしているなという印象を受けるわけです。ところが、以前、教育委員会の学校教育課長さんに、減点主義なんですかという質問をしましたら減点主義はありません、必ずいろんなことを出してくださいという話があったのですけれども、そういう点について先生はどういうふうに感じられていますか。

○武田さち子氏
 よく減点主義ではないというふうに言われるのですが、実際には先生方のほうでは自分の何を評価されているのか見えないという話をよく聞きます。校長先生が各クラスの授業状況を見に来るわけではありませんので、そうすると、むしろいじめがあるなしよりも、例えばいじめの加害者とされる親からクレームがくる、特にそのクレームが学校長や教育委員会に来る、そうすると、当然やはり評価に影響するのではないかと思うんですね。そのあたりでやっぱり隠したいというのはあると思いますし、また研修で私たちを呼ぶと、保護者の方からいじめがあるから研修を行うのですかというふうに聞かれてしまうということもあります。
 学校によって、校長先生がうちには一切いじめはありませんと、最初から一生懸命おっしゃる先生もいるんですが、むしろうちにはこういう問題があります、いじめがありますというふうに正直におっしゃってくださるところのほうが、生徒も生き生きしていますし、相談もしやすい。でも、いじめはありませんと言ってしまった学校というのは、かえって相談もきちんと対応してもらえてないという話を聞いています。

○曳田委員
 もう1点だけ。
これはさっき6番委員も触れたんですけれども、学校での勉強とかいろんなことがございますけれども、私はやっぱりいじめの問題というのは、道徳教育のあり方にも多分に影響されるんではないかという話をしたら、ある先生が――これ、全員じゃないですよ――道徳で何を教えたらいいかわからないと、こういう発言があったので、今の学校の先生方の質の問題と言ったら失礼ですけれども、私は非常にショックでした。優秀な方はいらっしゃると思うのですけれども。やっぱり道徳教育のあり方というのが、どうしても何かちょっと抜け落ちている気がするんですけれども、先生の御感想をお伺いしたいと思います。

○武田さち子氏
 大津は道徳教育のモデル校だったということをよく言われるんですが、やはり子供たちはいじめがいけないということはわかってるんですね。建前的なことはちゃんとわかっているんです。大人に対してこういうふうに見せれば、大人はこう評価するとか、そういったことは特にいじめをしている子供というのは、非常によく大人の反応を見ています。ですので、これがいい例だよみたいな表面的な道徳教育をやっても余り意味がないと思うんですね。子供が自分の頭と心で感じて、考えて答えを出す、そういった授業でなければ、これが正解です、これは間違いですというような教え方をしても、教科は教科、現実生活とまた結びつかないということがあると思います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp