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委員会会議録

質問文書

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平成27年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:岡本 護 議員
質疑・質問日:10/06/2015
会派名:ふじのくに県議団


○岡本委員
 それでは、分割質問方式で何点かお伺いいたします。
 まず最初に、フリースクールについてお伺いしたいと思います。
 このたび国が、これ初めてだそうですが、小中学校の全国のフリースクールと言われるところに通っている子供たちを調査したところ、新聞報道ですが4,196人。まず静岡県はその実態についてどんな状況かお聞かせいただきたいと同時に、今言ったように、4,196人の扱いが、実は国はこれだと定めていないようなので、学校にそれぞれ任せているようですが、要はこれを出席にするかしないかですが、調査の結果56%が出席扱いにしているということです。まず、静岡県の実態とこのことについてどうするか、お聞かせいただきたいと思います。

○林義務教育課長
 9番委員から御指摘がありました、いわゆるフリースクール――不登校児童生徒を対象とした民間の教育施設でございます。
 本年度に文部科学省が調査をいたしました。本県もこの調査に参加をしておりまして、本県の状況でございます。教育委員会として把握をしているところですと17カ所あります。これが設置されている市町は10市になります。沼津市、三島市、富士宮市、富士市、藤枝市、島田市、掛川市、菊川市、それと静岡市、浜松市の計10市で17カ所が設置されています。在籍をしている児童生徒でございますが、こちらは平成26年度の児童生徒の問題行動等生徒指導所の諸問題に関する調査の中の数字でございますが、小学生では32名、中学生は45名となっておりまして、不登校児童生徒約4,000名のうちの約2%程度になります。
 そのほかの子供たちはどこにいるかというと、これら民間のフリースクールのほかにも教育委員会でも適応指導教室ということで、例えば教育センターの1室にそういう子供たちの居場所をつくっていたりとか、同様に公的につくっている空間がございますので、そこに在籍をしている子供のほうが圧倒的に多いということでございます。
 我が国における義務教育は学齢主義をとっておりまして、15歳になると形式的には卒業をさせるということになりますが、課程を修了したかどうかの判断は、これは最終的には今の段階では各学校の校長先生の判断に委ねているところであります。したがいまして、このフリースクールの位置づけを、修学義務の履行とみなすかどうかということについても、各市町、さらには各校長先生に御判断いただいているところであります。
 ただ、一概にフリースクールといっても、しっかりとしたカリキュラムや教育課程を編成しているところもあれば、かなり多様な子供たちが在籍していて、自由に過ごしているようなところもあるので、それと同様に小中学校での課程を修了したとみなせるかどうかは議論が分かれるところです。個別具体にしっかりと見きわめた上で、修学義務を履行しているかどうかを判断していただく必要があろうかと考えています。

○岡本委員
 そうしますと、今の実態は17カ所で、小中合わせるとフリースクールに通っている子供たちが77名ということでいいわけですね。これは全体の不登校と言われる子供たちのうちの2%に相当する。そうすると、大半が今お話しのようにほかのところへ通っている。それぞれは行政というか、公のところが全部運営しているという見方でいいのでしょうかね。この場合には、例えば費用というか、月謝といいますか、そういったものがそこで発生しているかどうか、そこもあわせてお聞かせください。

○林義務教育課長
 不登校は、年間断続的に30日以上の欠席というのが1つの規準になります。30日程度ですので、不登校の子供たちのうち、休んでいる日にフリースクールであるとか適応指導教室に通っていない子も数多くいます。また全く学校に行かないで、学校以外の空間で過ごす子供のうち、適応指導教室といった公的な施設、機関で過ごしている子供を除いた数がこのフリースクールに通っている子供たちということになりますので、その不登校の期間にもよります。不登校の間に行くか、行かないかという子も違いがございますので、そういう点では御紹介しましたこの77名という数字ですが、学校にほぼ行かないという状況の中で、学校のかわりにこのフリースクールに通っている子供たちであると捉えています。
 費用負担についてですが、このフリースクールについては、これは全くの民間の教育機関になりますので、公的な教育費の負担はお出ししていない状況でございます。

○岡本委員
 わかりました。
 大半がそういう意味では、公的な機関に行かれる人が多いということですので、ある意味ではそのほうが安心かなという気がします。
 それで、今言った77名が通っているといわれるフリースクール、民間の施設ですが、大体、この費用が1万円から3万円までが一番多いと。それから3万円から5万円までがその次に多い。平均すると、1カ月に3万3000円ぐらい、親御さんの負担があると思いますね。これがだんだん大変になってきて、ここに少し助成をという声も出始めてきていると書かれている。これを例えば、通常のその要望のように、ここにまた金を出してくれといって、出し始めると、これも1つの負担軽減になるかもしれませんが、学校に行けない子供たち、ここに通っている子はそれで助かるかもしれませんが、そうするとそれがだんだん広がってきて、本来の学校の目的から外れていってしまうような気もするのです。どっちをとればいいか非常に難しいことだと思いますが、その辺はどうお考えでしょうか。

○林義務教育課長
 就学義務のあり方というものも国で議論されています。国でも議員立法のような形でさきの国会では提出するかしないかというところで議論されていたようですが、その多様な修学機会の確保についての法整備についても議論をしています。つまりフリースクールにおいても一定程度の要件を満たすものについては、義務教育の履行する期間として認めるべきではないかという議論であります。今不登校の児童生徒がふえている中で、多様な価値観の中で小中学校に不登校ぎみであったとしても、例えば高等学校でしっかりと学問を修めてその先進学をしていく、しっかり就学をしていくという子供がふえていく中で、義務教育のあり方そのものが問われているのかなと思います。とはいえ、私も義務教育課長という立場を拝命しておりまして、学校教育制度にのっとって教育事務を執行しておりますので、学校教育制度を前提として、あくまで子供たちには居心地のいい楽しい学校づくりをする中で、学校教育を前提とした教育を振興していきたいと考えています。
 また、費用負担についても非常に大きな議論になっています。これも大きな話になりますが、日本国憲法においては、公の支配に属さない団体に関しての公金の支出というものは禁じられています。フリースクールはその自由度というものも1つ特徴かなと思います。公の支配に属さないからこそ自由度の高い教育サービスを提供することができると。これを法的な支援の対象とすることになりますと、一方でその自由度を失うということが考えられますので、それはそれでフリースクールのよさというものがなくなってしまうのかなと思います。相互の補完関係の中で子供たちにとって最適な教育環境が選ばれていくことが重要ではないかと考えております。

○岡本委員
 そろそろ終わりにしたいと思いますが、そのお話のように、公的な機関に通っている子供たちは、公的な施設の中で、いわゆるいじめだとか、そういうトラブルみたいなものはないんでしょうか。

○林義務教育課長
 例えば、適応指導教室であるとか、学校外の機関に通っている子供たちの中にも、それは程度の差はあれ人間関係の小さなトラブルというものはあるかとは思います。そういった中で、やはり学校教育の通常学級の中ではなかなか適応できなかった子供たちが在籍をしているところですので、そこでの支援においては、そういった人間関係のトラブルに常に細心の注意を払って対応していただいているものと認識しています。

○岡本委員
 わかりました。
 いずれにしても、そこに通っていく子供たちは通常の小学校、中学校にいろんな理由があってそこに通えない、登校できないという子供たちだと思いますので、その原因をしっかりつかんだ上でさらに通常の学校通学ができるような、そういう環境を整えるようにまずお願いします。

 それでは、次に移ります。
 2つ目は、全国学力・学習状況調査の状況についてお伺いしたいと思います。
 先ほどの報告書にも、それからまた報告そのものにもございましたけれども、前年度のこの調査の平均が上回った、成績が上回ったということで、これは皆さん方がそれぞれ改善をしたり、努力をしたり、あるいはまたドリル等の学習を繰り返し進めてきた大きな成果だと思います。
 特に、これも特記されていましたけれども中学校3年生は、3年前の小学校6年生のときは全科目が全国平均よりも下だったと。それが今回は全部上であるという、この意味では相当力もついたでしょうし、逆にまた言いかえれば、これは勝手な言い方かもしれませんが、もともとこういう勉強の結果、力がついていた、持っていたという、見方をする人も結構いると思うんです。したがって外部というのは結果的だけ見て勝手なことを言いますので、ある意味で非常に不正確かもしれませんが、こういう状況を見て、皆さん方の御努力やいろんなことが重なって今回の成績だと思いますが、教育委員会としてこういう状況をまずどう捉えているのかお聞かせいただきたいと思います。

○林義務教育課長
 全国学力・学習状況調査の結果について御質問いただきました。御用意しております説明資料の4ページ、5ページをごらんいただければと思います。
 今回の結果でございますが、平成26年度の調査で、いわゆるV字回復をしたことが大きく報じられました。今年度においても、昨年同様の高い水準の成果が得られたと考えています。
 成果の1つ目としては、毎年行われている小学校の国語のA、B、算数のA、Bの4教科全てで全国の平均正答率を上回っています。また9番委員からも御指摘がありましたように、平成24年度の小学校6年生がほぼ同じ集団でことし中学校3年生として調査を受けているわけですが、この結果も非常に大きな伸びがあったということで、小学校6年から中学校1、2年にかけて学力の定着に向けた取り組みが着実に行われてきたのかなと思います。平成25年度に授業改善の視点、押さえる、仕掛ける、確かめるということを合い言葉に本県、オール静岡の体制で授業改善に取り組んでまいりました。その成果が着実にあらわれているものと思います。
 また、学習状況調査もあわせて行うわけですが、その中で本県においては自己肯定感の高い子供たちが全国平均よりも多いということ。また本県においては地域の行事に参加する子供たちが多かったり、また御家庭の保護者も学校行事などに積極的に参加していただいていることも要因として考えられます。こうした学校関係者だけでなく、保護者も地域の方も含めたトータルの力で着実な成果ができたのかなと思います。
 多くの関係者が、今回の結果に安堵という感想を持ったと思うんですが、次年度以降は安堵を自信に、本県の本当の実力はこの2年で出てきたものだと考えておりますので、安堵を自信に変えていくような取り組みを県教育委員会としては進めていきたいと考えております。

○岡本委員
 状況はよくわかりました。
 それで今、それぞれお答えいただきましたけれども、皆様方それぞれの機関での御努力があっての結果だと思います。逆に先ほど言いましたように反復を繰り返すドリルなんかを繰り返してきた、つまり学力調査用の勉強といいますか、訓練といいますか、そんなものをやってきた結果じゃないかと、本当に力がついたのかという反論みたいなものがあることも事実なんです。ですから、本当に力を見せるのはこれからのことだと思いますが、これについて、今のやり方が逆に妨げにならないかどうか、これからの力をつけていくことに対して、この辺ちょっと心配の向きがありますが、何か特別な策があったら教えていただきたいと思います。

○林義務教育課長
 全国学力・学習状況調査の特に教科に関する学力に関する問題は、ただの調査問題というだけでなく、教材としてもしっかりと使えるように、さらには家庭学習にも活用できるようにという制度設計のもとでつくられたものです。これを十分に活用いただくことは意義のあることだと思います。
 一方で、9番委員御指摘のように、特定の調査問題のトレーニングをするということは本末転倒だと思いますので、あくまでこの活用は子供たちの学力の状況をつぶさに把握するためのもの、また学習指導要領の子供たちへの定着度をはかるための調査問題ですので、当該学年の先生だけでなく学校全体でこれを共有していただくことも1つ意義のあることだと思います。先生方の中でも小学校6年、あるいは中学校3年だけでなく、学校全体でこれを共有していただくような取り組みを促していきたいと思います。
 さらに、今年度も後半に入ってまいりましたが、今後は授業改善の取り組みを家庭学習にぜひつなげていきたいと思います。社会教育課とも連携いたしまして、昨年度ですが県議会の御尽力で家庭教育支援条例も制定されました。家庭教育の振興についても追い風が吹いていると認識しておりますので、ぜひこの授業改善の取り組み、また学力向上に向けた県民の意識の高まりを家庭教育の振興を中心につなげていきたいと考えています。

○岡本委員
 よくわかりました。
 今のお話で大変安心をしていますが、要は今、保護者も含めて、場合によっては点数だけに一喜一憂するというようなことがあり、本来の本当の教育というものから少し横道にそれてしまう感じもありますのでそうならないように、ぜひこれは強力に、そしてまた自信を持ってお進めをいただきたいと思います。

 それで、3つ目の質問に移りますが、教員のICT指導についてお伺いをしたいと思います。
 県内で今、6つの学校でこの事業が実践をされているということですが、まずはこの事業そのものの概要、中身について少しお聞かせいただきたいと思いますし、これからこれをさらに広げていくのかどうなのかを含めてお聞かせをいただきたいと思います。

○中川情報化推進室長
 教員のICT指導力の御質問をいただきました。
 今年度、県教育委員会では、国の委託事業のICTを活用した学びの推進事業を実施をしているところでございます。これは全国で8団体が指定をされております。県内の小学校1校、中学校1校、県立の中等部2校、高校2校の合わせて6校を実証校といたしまして、教員養成課程を有する静岡大学と連携をいたしまして、教員のICT活用指導力向上のための教員の研修プログラムを平成27年度、28年度の2年間をかけて作成しようというものでございます。これは文部科学省の委託事業でございますので、この研修の成果を全国に発信していきたいと考えております。
 この事業の成果としては、今後この研修プログラムを用いまして、校内研修リーダーの養成研修を小中高特、全校種にわたって実施をしたいと考えています。これは平成29年度から実施を考えておりますけれども、校内研修リーダーをしっかり育てることによって、その校内研修リーダーが各学校において教員のICT活用指導力を向上させていきたいと考えております。

○岡本委員
 本県の限られたところだと思いますが、本県のこの活用が全国よりも低いとも報道されていると思うんですが、その辺はどんなことなのか。

 それと同時に、これは事業費が各事業400万円ということなので、例えばこれから活用を広げていくのに、県独自でさらにこれをプラスしてもっと広げていくということもあり得るのかどうなのか。その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○中川情報化推進室長
 本県の教員のICT活用指導力の実態についてお話をいたします。
 文部科学省が毎年度調査をしております。平成27年3月1日現在の文部科学省の実態調査では、本県の教員がICTを活用して指導する能力については、教員が割にできる、あるいはややできると回答した割合は、全校種の平均が66.0%で、全国平均が71.4%でございますので、全国平均には少し足りないという状況であります。
 ただし、この調査は平成19年から実施をしておりますけれども、毎年右肩上がりで、徐々にではありますけれども全校種においてICT活用指導力は向上しているところであります。

 この事業の全国展開ということでありますけれども、この事業自体は平成27年度と28年度ということで、国も全国8地域、2年間で実施しておりますので、国でもこの全国8地域の研究成果を全国的に広めていくと、そのように事業展開としては考えているところです。

○岡本委員
 徐々に指導力が上がってきているということですから、先ほどの子供たちの学力調査のように大きく上がっていくことを期待したいと思います。これはぜひ拡大するなり、広がるように御努力をいただきたいと思います。

 最後に要望になりますが、教育長、前回もちょっと申し上げましたけども、けさ方の6番委員の質問の中にもありましたように、教員の不祥事が結構出ているんですが、やっぱり先生方も日常かなりいろんな悩みもあると思うんです。これを聞いてもらう、聞いてあげるという機会が非常に少ないと思うんです。
 そこで、前回申し上げたのは学校の管理職、例えば校長先生や副校長が先生方の家庭訪問をしたらどうですかという提案をしました。先生方が子供たちの家庭訪問をするということは、学校で見られない姿を見るという、そこで課題があればそこでやっていくという。教育長もこうやって就任されて、それぞれの施設を直接回っている。それもまた同じように意味があると思うんです。だから、やっぱりそれは通常の範囲ではなかなか見出せない、あるいは言いにくいこともあるでしょうから、ぜひそういう不祥事を発生させない1つの防衛として、やっぱり皆さん方の悩みを聞いたり、状況を見ていくことは大事だと思いますので、できるならばそんなこともぜひ御検討いただきたいと、こんなことを要望して質問を終わりにしたいと思います。

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