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令和4年10月28日逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:西原 明美 議員
質疑・質問日:10/28/2022
会派名:自民改革会議


○西原委員
 今の関連ですけれども、今、難波理事のほうで2011年以降、あの盛土は壊れないという認識の中、県は何もしてこなかったとお話いただきましたけれども、土砂対策法でしたっけ。

○難波県理事
 土砂災害警戒ですか。

○西原委員
 そうです。指定をしていますよね。

○難波県理事
 はい。

○西原委員
 それが2012年になるんですけども、壊れなかったりすれば、何もここを警戒区域にする必要はなかったのではないかと思うんですけれども、その時点で指定したということは、ここがそういう警戒すべき区域であると、今おっしゃった、何もしてこなかった、危険だと思わなかったということと矛盾すると思うんですが、その点についてお伺いします。

○難波県理事
 土砂災害警戒区域の指定については、その時点で2012年になっておりますか。やられていますけれども、調査は、正確なところはわかりませんが、もう恐らく10年近くやっていたのではないかなと思います。

○杉本交通基盤部参事兼砂防課長
 平成17年です。

○難波県理事
 平成17年だから2005年ですね。7年ぐらい調査をやった上で指定されることになります。警戒区域は、盛土があることを前提にやるのではなくて、自然斜面の状態で、今の自然の状態で崩壊するかを検討しています。もともと砂防法も土砂法もそうですけれども、自然斜面を大体相手にしています。ただ、盛土を規制するとか盛土の存在があるから、それを防ぐために何か対策を取るようには、もともとの法律の趣旨はなっていません。じゃあ盛土を無視していいのかというとそういうことはありませんが。したがって、土砂災害警戒区域の指定は、自然斜面の崩壊で検討しています。危険があったのかどうかは、それを踏まえて砂防堰堤が入っていることは当然で、その捕捉量が4,000立方メートルから5,000立方メートルぐらいです。計画では4,000立方メートルになっていますが、4,000立方メートルぐらいの土砂が落ちてくる可能性はまず考えているから、そこに砂防堰堤を造っています。それ以上のものが上から落ちてくる可能性もあるので、土砂災害警戒区域を作っていますが、たまたまですけど、土砂災害警戒区域で指定した範囲と今回の土石流の流下した範囲は、ほぼ一致しています。それはなぜかというと、この土砂災害警戒区域の設定方法は、上から落ちてくる土砂量とは無関係に、土砂量が小さいときはこういう形で土砂災害警戒区域を設定をしなさいと、やり方が決められています。例えば、体積が5立法メートルの範囲内は全部入れなさいというようなのがあるとすれば、地形を見て上からどのぐらい落ちてくるかではなくて、下の地形を見てどのくらいのところで土砂災害が起きる可能性があるのかで指定します。
 したがって、今回の土砂災害警戒区域は、上から落ちてくる量で計算したのではなくて、後者の、下の地形で設定しています。
 もう1つだけ申し上げると、その土砂災害警戒区域で十分やったのかに対しては、やはりあの場所は、そんなに土砂が落ちるところとは皆さん認識されていません。非常に安定した場所だと思っているので、土砂災害警戒区域は非常に大きく設定していますが、恐らく現実感として受け止められていないと思います。こんな量が落ちてくるはずないと思っていたと皆さんも。だから避難が遅れたという状況もあります。そこは少し余分だったかもしれませんが、いずれにしても、土砂災害警戒区域の設定方法は、今のような方法でされています。

○西原委員
 今のお話ですと、2005年あたりからの調査結果だというお話ですけども、2005年というと問題の会社が土地を取得するちょうど1年前、盛土をする前から、この下流区で被害があった場合を想定して、結果2012年にかけられたということです。とすると、その場所は土砂が盛られようが盛られまいが、下流においては、危険を察知しなければいけない地域だったということの確認ですけど、よろしいですか。

○難波県理事
 それはそのとおりであります。
 したがって、土砂災害警戒区域を指定しているということは、その範囲内は土砂が流下する可能性があることを示すために作った区域指定ですから、それがその範囲に落ちることの表示にはなっていることになります。

○西原委員
 そうすると、この指定は、県がすると認識していますけれども、県のどの部署がこれを長い間かけて指定に至ったんですか。

○杉本交通基盤部参事兼砂防課長
 この基礎調査は、今申しましたように2005年にやっております。これは熱海土木事務所で委託を出して、それで範囲を設定しておりますが、指定については2012年、これも指定は県がやっておりまして、最終的には砂防課で調書を見た上で、問題なければ指定していくという形になります。

○西原委員
 熱海土木事務所は、この場所を指定するかしないか、調査委託をかけていたということは、この地域が安全でないかもしれないことを認識していたと思うんですけれども、その点はいかがですか。

○難波県理事
 安全でないというのは、レベルの問題だと思います。5.5万立方メートルのものが落ちてくるという認識ではなくて、自然斜面が崩壊すれば、ある程度のものが落ちてくる認識はありました。しかし、盛土が落ちてくる認識はなかったと思います。
 そもそも、調査のときに盛土が破壊したところはありませんでしたが、その後、盛土がされているので、厳密に言えば、その盛土を考慮することもあり得たとは思いますが、もともとこの土砂災害警戒区域は、盛土のような人工物を対象としている法律ではなくて、あくまで自然斜面が落ちてくることを防ぐために指定するようなものになっておりますので、その認識は十分ではなかったと思っております。

○西原委員
 ここはそのことをどうこう言う場所ではないと思っているので言いませんけれども、ただ、この警戒区域自体の流域界と言うんですか。ここがちょうど盛られるところに当たったと思うんですが、その場所自体に自然の斜面が崩れるかもしれないと考えているところに、2007年以降申請があってから盛られていくわけですよね。そうすると、普通に考えても、自然の斜面が滑って落ちてくるかもしれない。そこにまた盛られたら、とても危険だということは、十分、熱海土木事務所では理解できていたのではないかと私は思います。何でそんな話をしたかと言いますと、今回の調査委員会において、この辺まで本当は問題にするべきではなかったのか。要するに1.1ヘクタールの境で、これが市だから、これが県だからという話ではなくて、本来もう少し大きな視点で物事を見るべきでなかったかと思いますけれども、その点はいかがお考えですか。

○難波県理事
 5番委員のおっしゃるとおりだと思います。申し上げましたように、自分たちの法律の射程ではないわけですけれども、そうではなくて、やはり河川管理者、あるいは砂防管理者は、流域の人々の安全について極めて重要な役割を果たしているわけですから、自分の法律の問題ではなくて、これがあるのであれば、除去しないといけないとしっかり認識した上で対応すべきだったと思います。ただ、崩壊の可能性は熱海土木事務所も認識しておりました。ただし、全部が崩壊すると思っていなくて、部分的な崩壊をするとしか見ていなかったところに大きな甘さがあったと思っております。

○西原委員
 再度伺いますけれども、今回の調査委員会の中に、こういった大きな視点での調査をされずに、盛った土のところだけを問題にするように、調査委員会の資料が提供されている。例えば、県の職員の聴取にしても、ある一定期間の担当の方しか聴取していない。そういった調査する部分の資料提供の範囲の狭さ、このことに対してどのようにお考えですか。

○難波県理事
 今の点については、私は全く違う見解を持っております。
 それはなぜかと申しますと、検証委員会の中で、先ほど申しましたように自分たちの法律の射程以外のものをしっかりとやりなさいよと言っているわけです。
 したがって、なぜそういうことがありながら、部分的なものになるのかがよく分からないわけであります。
 それから、いろいろな資料だとかヒアリングについてもです。

○竹内委員長
 難波理事、今言ったことをもう一度、分かりにくいものですから。

○難波県理事
 分かりにくいですか。
 検証結果がある部分に偏っているではないのかということですけども、全体を見て議論されているわけですね。ただ、森林法や土採取条例、河川法、砂防法がそれぞれの法令がどのように適用されるべきかを考えて、その上で、どの法令で対応するのが適切であったのかという視点で見られています。
 したがって、全体の議論はされているわけです。
 今回の資料で申しましたように、委員会の基本的な前提は、土採取条例で対応できたでしょ、あるいは森林法でも対応できる可能性があったですねと。それをしっかりとやっていなかったことがまず問題じゃないですかというところが入っていますけれども、したがって、そこが非常に目立つ形にはなっていますが、全法令を見ているわけです。全法令を見た上で、これをやるべきだったのではないかという視点になってますので、検証結果の範囲が狭いことはないと思っております。
 ヒアリングについてですけれども、これは十分ヒアリング対象者にはヒアリングをしているつもりであります。2011年、2012年、その後、全部引継ぎをされました。2011年から2012年への人、2012年から2013年の人を見ると、2011年から2012年の間で引継ぎが切れています。2011年から2012年は引継ぎはされていますが、2012年の担当の人はほとんど引継ぎをされた内容を覚えていません。それはなぜかというと、そこであそこの盛土についての危険性の存在の認識すらなくなっているのが問題です。熱海土木事務所は、あそこにああいう盛土がされている存在すら知らないという状況に、正確に言うと2013年以降かもしれませんが、なっています。したがって、現場に誰も行っていないという状況です。
 盛土の存在すら知らない人にヒアリングをしても何にも分からないですから、それ以降は全くヒアリングをしておりません。
 それから、盛土がされる前も、これは当然ヒアリング対象になりますから、盛土を始めてからそこの盛土の存在が全く消えてしまうところまでは全員やっています。全員と言いますか対象者にはやっていますので、ヒアリング対象に漏れはないと確信しております。

○西原委員
 難波理事のお言葉でもう1つ疑問に思ったんですけれども、私たちこの特別委員会は、記者発表の映像を一応、最初から最後まで拝見したんですけれども、その中で、調査委員会の委員長が、私たちは与えられた資料の中でしか判断できなかったということ、そこにそれ以外の資料はなかったとおっしゃられたんですね。となると、難波理事が調査委員会に依頼した内容と調査委員会がされたことの差が出てきてしまうと思うんですけれども、資料がなかったから、それに関しては詳しくやらなかったという発言に対しては、難波理事はどのようにお考えですか。

○難波県理事
 委員長がどういう意図でおっしゃったのか分かりませんが、そこは表現の問題ではないかと思います。もともとこの検証は、まずは公文書は全部開示されていることを前提にものを考えています。私たちは、公文書は隠すことなく全部開示していますので、まずそこが前提で、公文書は全部開示しているからそれを基に検証すれば、つまり公文書というのは、文書で書かれていますから、真実でないことが書かれる可能性はありますが、残っているので、言った言わないの話はないですね。ヒアリングの場合は、そこで言いますから、都合の悪いことは言わない可能性は必ずあります。
 したがって、検証の公平性、中立性、適切性を保つために一番何が大事かというと、文書が大量に開示されているからそれを読み取って何が起きたのかと調べ上げるのが一番いいということでそうなっています。
 もう1つ、委員長の発言として想像できるのは、当初、熱海市から文書が出てきませんでした。開示されたのはありますけれども、十分な見解等が熱海市から出てきませんでしたので、委員長は大変お困りになりました。後ほど御質問があるのかは分かりませんが、3月の時点で中間発表を検証委員会はしていますけれども、そこは県が出してきた資料を中心に検証しています。その後、熱海市から追加の資料が出てきていますので、それを基に検証している状況になっています。
 したがって、委員長は3月までにかなりの検証をしたかったんですけれども、熱海市の資料が十分でなかったので、十分な検証ができてなくて、後ほど熱海市が出てきたので、それを一緒になって議論して、それが5月になったので十分な時間がなかったとか資料がなかったとおっしゃっている可能性はありますが、いずれにしても、これは委員長の御発言ですので、委員長に御確認いただくほうがいいと思います。

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