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委員会会議録

委員会補足文書

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平成24年10月産業育成支援特別委員会
参考人の意見陳述 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 総務企画部 主幹 吉田剛氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/12/2012 会派名:


○吉田剛氏
 おはようございます。御紹介あずかりましたNEDOの吉田でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 非常に簡単ですけど、私のまず紹介をさせていただきたいと思いますけれども、総務企画部企画業務課というところにございまして、NEDO全般を見ております。
 今回いただいた事項は、新エネルギーを含む再生可能エネルギーの導入普及の現状、それからNEDOの全般の技術開発、そして市場化推進、こういった広い事項をいただいていますので、私にお声がかかった次第でございます。
 新エネルギーにつきましては、本来ですと新エネルギー部というのがNEDOにもございますので、そちらの者が大変詳しいのでありますけれども、言ってみれば広く浅くお話しさせていただきたいというふうに思っております。御期待に沿えるかどうか非常に不安でございますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、僭越ながら座ってやらせていただきたいと思います。
 まず、本日ですけれども、再生可能エネルギーの導入普及と技術開発の現状、そしてエネルギーの使用の話ですね。そして、NEDOの技術開発を広くやっておりますので、環境、ロボット、電子・材料、バイオ、そして市場化推進に向けた取り組みという柱でお話をしたいと思います。
 まず、再生可能エネルギーでございますが、何と申しましても太陽電池が非常に伸びているという現状でございます。
 今、2011年度の総発電量は約500万キロワットでございますけれども、昨日報道もございましたが、これに加えるところ、約150万キロワットほど追加される予定になっております。今ちょうど500のあたりにグラフがありますので、ここの上に、さらに、このぐらいのところに、今この瞬間来ているという状況だと御理解いただければと思います。
 歴史を振り返りますと、補助金の実施期間というのがございまして、93年から補助制度というのがございます。なかなか当初は非常に、そのシステムの価格も大変高うございまして、導入が非常に進まなかったところが、やはりその補助金によって数がふえてきますと、徐々にコストが下がってきますので、そういった形で少しずつふえる。さらには、2003年に国のほうでRPS(Renewable Portfolio Standard)という制度が導入されまして、電力会社が一定の比率を義務づけられて、そうした中で徐々に伸びてきたというところでございます。
 そして、一旦、その導入の補助金が打ち切られると、やはり若干このカーブの伸び率が下がるということがごらんいただけるかと思います。
 再開をしましたということと、それから余剰電力買い取り制度ですね。これが開始されたことによって非常に高く伸びて、そして、ことしからさらに固定価格買い取り制度ができましたものですから、さらに、このジャンプアップをしているというような動きになってございます。
 続きまして、風力のほうをごらんいただければと思いますが、風力については、約256万キロワットということでございます。こちらもNEDOのほうで地域新エネルギー導入促進事業といったような形で導入補助金をかつて出しておったんですけれども、こういったものが非常に市場の拡大に寄与したということと思います。
 こちら5ページ目でございますが、導入された再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度ですね。この買い取り制度によりまして、今現在伸びている状況がごらんいただけるかと思います。
 従前、2011年度の時点では約2000万キロワット、この中でも、まず太陽光でいいますと、先ほども言いましたが、住宅用が中心というのが日本の特徴でございます。それから風力とか中小水力、そういったものがございまして、全体で2000万キロワット。そして、これに8月までに認定を受けた設備容量というのが約130万キロワットございます。こうした形で、さらに年度末までにプラス250万キロワットということで、全体の1割強を伸ばしていく予定というふうになっております。
 これを日本国全体で、電力ベースではあるんですが、どのような割合になっているかというのを示しているのがこちらのグラフでございます。
 発電設備容量の3.8%を占めているというのが実態でございます。
 これに対しまして発電の電力量ですね。実際に、この設備から発生する電力量というのは1.4%という形になっております。
 これは、書いておりますけれども、設備利用率が低いということが原因でございます。例えば、太陽光発電であれば約12%、風力は陸上ですと20%程度であります。それに対しまして火力ですと設備の利用率が約70%、そういった高い設備利用率ですので、発電量は、この設備容量に対しての発電量の割合というのが当然高くなってくるというものでございます。
 こちら最新の2011年の実績で示しておりますので、原子力が非常に落ちておりますけれども、従前ですと、この原子力が非常に大きな稼働率を占めておりまして、ほぼ4分の1を占めていたところが、やはり原子力の事故によりまして非常に下がっているというところでございます。
 それから、水力につきましては再生可能エネルギーの分類になっておるんですけれども、今回は便宜上、水力を除いて計算をしております。
 それから、これの前にごらんいただいたグラフとの比較で申し上げますと、なかなか直近の数字ですので少しずれがございますけれども、この中では、いろいろ統計データをもとにしまして計算しておるところでございます。
 そして、この2030年に向けての国の政策がこの9月に設定されました。もう御案内のとおりでありますけれども、1番目には、とにかく原発に依存しない社会、そして2番目には、このグリーンエネルギー革命の実現ということでございまして、節電では1100億キロワットアワー以上の削減、省エネで7200万キロリッター、再生可能エネルギーで3000億キロワットアワーという非常に高い、現在の3倍以上の開発をするという非常に高い目標が掲げられているところでございます。NEDOとしましては技術開発を担っている機関として、このミッションに応えるべく技術開発を進めておるところでございます。
 NEDOのミッションと申しましたけれども、従前は、こちらでごらんいただいたような、こういう導入補助金を実施しておりましたけれども、2年前の事業仕分けによりまして、こういう導入事業はNEDOから切り離されまして、NEDOは技術開発に特化することとなっているところでございます。
 続きまして、NEDOがやっておる技術開発につきましてお話をしたいと思いますけど、その前に太陽電池の世界の状況についてお話し申し上げます。
 このグラフで特徴的なところは、2011年にイタリアが非常に伸びておるというところでございます。イタリアでは、2010年ごろから再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が導入されたわけでございますが、その価格が非常に高かったために、2011年に一気に導入が進んだと。逆に、進み過ぎまして予算が底をつきまして、2012年、今年度につきましては、下期の支援制度がないというような状況になっております。
 対するドイツは、その固定価格買い取り制度を順調にと申しますか、徐々にと申しますか伸ばしてきておりますので、このような右肩上がりの美しいグラフになっているというところかと思います。
 世界全体でも非常にシェアが伸びているというところであります。
 こちらも同じように全体での導入量でございますが、日本は4.7ギガワット導入されているという状況です。しかし、世界でいいますと非常にまだまだ低い状況ということですね。ちなみに、ドイツにしてもイタリアにしましても住宅というよりは平置きの、平地に太陽電池を並べる形が非常に多くなっているところであります。
 それでNEDOにつきましては、太陽電池の高性能技術開発ということで発電コスト14円とかですね、あるいは変換効率を高めていく、そういうことを通じて性能向上、そして信頼性を向上させるといった取り組みをやっているところでございます。
 例えば、結晶シリコンの太陽電池でいいますと低コストシリコン製造プロセスですね。わかりやすく申し上げますと、シリコンを切っていくわけですが、その切ったかすをなるべく、かすが出ないようにするであるとか、あるいは、そのかすも使っていくであるとか、そういったことを含めて開発をしておる。あるいは有機系太陽電池というものがございますけれども、こういったものでフレキシブルな曲がるようなものがございます。こういったもので、従前使われてこなかったような場所で使われるようにしていくという対応等をやっていくと。あるいは、共通基盤技術とか評価技術とかですね。そういったことで信頼性を向上させるということを目標としてやっているところでございます。
 国のほうで、この4月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が入ったことで、従前、中国製の太陽電池がたくさん入ってくるのではないかという危惧がございましたが、現在、約2割ほど中国製が入ってきておるというところでございますけれども、その2割にとどまっておるところは、やはり信頼性ですね。長期にわたって安定的な太陽電池の発電ができるのか否かというところが保証されていない。したがって、2割にとどまっていると。逆を申せば、日本製の高い信頼性がしっかり市場をとっていくということで、重要なポイントかと思っております。
 それから、こちら12ページにつきましては、NEDOにおきまして、山梨県の北杜市でメガソーラーの設置をいたしました。また、北海道でも設置したんですけれども、こういったメガソーラーをいち早く手がけまして、ここで得られたノウハウを手引書としてまとめまして、また、その検討支援ツールとして、この中に場所でありますとか、あるいは何キロワットを導入したいであるとか、そういった数値を入れますと、大体何キロワットアワー発電できるかとか、そういったシミュレーションができる。そういったツールも開発してございます。こちらNEDOのホームページで入手可能となっておりますので、御参照いただければ幸いでございます。
 続いて、風力でございますけれども、風力につきましては累積で19万7000ギガワットですね。前年比24%増ということで非常に伸びておりますけれども、特徴的なのが、中国は非常に高く伸びております。こちらは2010年の単年度の新規導入量ですけれども、中国が世界の半分ほどふやしておるということでありまして、その結果、世界の市場シェアをごらんいただきますと、これは風力発電機の世界市場シェアですけれども、実は、ここのDONGFANG、GOLDEIN、SINOVELですね、この3つが実は中国のブランドでございます。したがって、この3つを合わせますと12%ほどでございまして、この辺に位置してくるということでございます。
 他方、日本につきましては三菱重工が世界の中では最大なんですけれども、わずか2%というのが実態でございます。
 朗報といたしましては、この三菱重工、VESTASと戦略業務提携をするというアナウンスがこの8月にあったところでございまして、これが合わさりますと非常に有望になって、日本もビジネスチャンスが大きくなるのではないかと期待しておるところでございます。
 こちらは洋上風力でございますが、洋上風車ですね。これは非常に市場が寡占化しているという状況が見てとれます。したがいまして、日本としましては、この洋上風車も狙っていきたいということで、NEDOとしても洋上風車の実証研究を現在、千葉県の銚子沖と北九州市の沖でやっているところでございます。また、風車の大型化も非常に世界の趨勢としまして進んでおりますので、7メガワットを目標といたしまして、開発をしているというところでございます。
 続きまして、日本のバイオマス資源でございますけれども、こちらでは、この黄色の部分が未利用部分ということになります。この黄色の部分がどれほど多いかというところで見ていきますと、紙、あるいは農作物の非食用のもの、あるいは林地の残材、こういったものが非常にこれから使われるべきところかと思います。
 しかしながら、課題がございまして、バイオマスは非常に分散して存在する。あるいは過疎地域にある。そういったことで、これをいかにして集めるのか。そういったことが非常に大きな課題となっております。
 そして、バイオマスのエネルギー転換技術でございますけれども、直接燃やすでありますとか、いろいろ変換ですね、ガス化であるとかそういったものがございますけれども、技術開発としましては、合成ガスにする、液体燃料にする、それから発酵させる、こういったプロセスがございます。
 NEDOの中では非常に力を入れておりますのが、この液体燃料というところでございます。
 こちらが、NEDOが実施しておる技術開発の様子でございますけれども、いずれも燃料の開発、エタノールの開発に関する技術開発でございます。
 エタノールと申しますと、ブラジルのサトウキビ、あるいはアメリカのトウモロコシ由来というものが市場に多いのでございますが、そういった食料に関係してくるものは非常に食糧危機、あるいは食料価格と連動してしまいますので、NEDOとしては、この第二世代と言われる非食料ですね。例えばイネ科のものでありますとか、そういったものから燃料をつくっていくと、こういう技術開発を進めているところでございます。
 それから、さらには藻類ですね。微細藻類、藻の類いから油を取り出すという。これもアメリカが非常にリーディングで開発を進めておりますけれども、日本としてもしっかりやっていこうということで取り組んでおるところでございます。
 続きまして、燃料電池でございます。
 燃料電池につきましては、定置用電池システム、それから燃料電池自動車、そして水素ステーションとございます。これを多様なプレーヤー、国主導で進めていく。こういったステーション、あるいは自動車メーカーが中心となって開発を進めている自動車そのもの、あるいは燃料電池システムも機械とユーザーであるところのガス会社、こういった多様なプレーヤーを一まとめにしてコーディネーションをしているというのがNEDOの役割でございます。
 こちらは、その家庭用燃料電池エネファームですね。これが2009年に世界初の商品化をされまして、現在までに約3万台販売されてございます。しかしながら、やはり価格はまだ高くて、消費者は約130万円ほど払わないと導入できないというものでございますけれども、昨年の東日本大震災を受けまして、国としましても補助金を用意して、普及に邁進しているところでありまして、2012年のものにつきましても、おかげさまで、1万2000台ほど補助金の用意をしておりましたけれども、これが十分使われそうだという状況でございます。
 こちら水素ステーションでございますけれども、燃料電池を導入しようと、車を導入しようとしますと、ガソリンスタンドに相当するところの水素ステーションが必要になってまいります。この水素ステーションを導入するための取り組みをやっているということでございます。
 こちらが、その水素ステーションの実証実験ですね。都内を中心としたところ、それから愛知ですね。こういったところで水素ステーションを設置しまして、実際に実証実験をやっているところであります。
 しかしながら、実際、今後伸ばしていくためには、この水素ステーションの価格、コストというものが問題になります。現在、約6億円ほどしておりまして、普通のガソリンスタンドが約7000万から1億円ほどでございますので、6分の1には下げなければいけないということで、これも例えばガスの充填の技術でありますとか、そういった技術開発を進めているところでございます。
 それから、使用に関する取り組みということで、スマートコミュニティについて御説明いたします。
 昨今、非常にスマートコミュニティが話題になっておりますけれども、何と申してもポイントは、やはり太陽電池など、あるいは燃料電池などもそうなんですけれども、従前、電力会社から一方的に電気が来ていたという世界から、これからは家庭、あるいは分散型電源で電気を出していく、双方向の世界になっていくということであります。
 双方向になりますと、これをきちんと制御をしないといけないということで、その制御をコンピューター、あるいはネットワークですね。ITテクノロジーで制御していくというところがスマートコミュニティの絵姿になっております。
 それは、したがいまして、いろんな地域の特性に応じて変化していくという姿をこのポンチ絵で示しているところであります。
 こちら、スマートコミュニティの狙いとしまして、再生可能エネルギーの大幅導入の実現ですね。それから一層の省エネ、そのためには信頼性の高い情報ネットワークが必要である。そして電気自動車の普及ですね。日産の電気自動車でいろいろ宣伝もやっておりますけれども、電気自動車が家庭に電気を供給する時代、そういったものも近くなっております。
 それから、そういったことを通じて、雇用と新サービスが創出されていくということを期待しておりますし、また現実そういったマーケット、サービスが提供されつつあるところであります。
 こちらは国内の先導的なプロジェクト例としまして、経済産業省が直接実行しているものでございますが、横浜市、あるいは北九州、豊田市、それから京都、大阪、奈良、こういったところでそれぞれの社会の形に応じて、どんなスマートコミュニティがあるかという実証実験が進められております。
 そして、これはNEDOが海外でいろいろなスマートコミュニティの実証をやっておるんですけれども、その一例といたしまして、フランスのリヨンで進めているものの一例であります。これも次世代自動車の普及と再生可能エネルギーの大量導入、これを組み合わせて、どういうことになるかという実証実験をやっているところです。
 それから、これはNEDOが過去に実施した事例の紹介ですけれども、仙台市において2004年から2007年度実施いたしました。これが東日本大震災におきまして電力が停電になったところで、その震災の翌日からガスエンジンと太陽電池が電力を供給いたしまして、このせんだんホスピタルのバックアップ電源として十分活躍をしたという事例でございます。
 そして、先ほどの燃料電池と並びまして、今後、電気自動車が非常に伸びてくるであろうというふうに考えられております。リチウムイオン電池、リチウムイオンバッテリーでリブと書いてございますけれども、このリチウムイオンバッテリーの自動車がこの2012年、ことしを元年といたしまして、これからどんどん伸びていくのではないかということで見ているところであります。
 これは非常に細かい表で大変恐縮でありますが、ポイントを申し上げたかったのは、それぞれにバッテリーと申しましてもいろいろな個性がございます。電池の個性は、ここに出力密度とエネルギー密度重視という形で書いてございますけれども、簡単に申せば、こちらの出力密度側が、ダッシュ力が強いと申しましょうか、そういうような電池でございます。そして、こちらのエネルギー密度というのが、自給力が強いということでお考えいただければと思います。
 したがいまして、そのダッシュ力が強いものはハイブリッドの車、こちらはコミューター用ですね。より長距離とか、そういった形で墨分けをして、電池の開発を進めているという状況です。
 こちらは新たなビジネスモデルの可能性として提示しておりますけれども、先ほどもお話し申し上げましたとおり、電気自動車が発電も可能になってくる。あるいは再生可能エネルギーと組み合わせまして、非常に効率的に電気を使っていくという姿を描いている。あるいは、もっと大きなポイントで考えますと、ガソリンエンジンから徐々にモーターに切りかわっていくということでは、産業構造の変化ということになろうかと思います。
 こちら静岡県も非常に四輪・二輪につきましては大きな産業集積があろうかと思いますけれども、そういったエンジンをベースとしたサプライチェーンといいますか、そういったものが徐々にモーターをベースとした車にかわっていく。それが2030年、あるいは2050年、非常に長いスパンではございますが、考えていかなければいけないということかと思っております。
 そして、こちらがスマートコミュニティを支える電池技術開発ですけれども、定置用の蓄電池、あるいは自動車用の蓄電池、先ほど申し上げましたけれども、こういったものも、その特性に応じて技術開発を進めているところであります。
 こちらNEDOが取り組んでいる技術開発の姿でありますが、いろいろやっておるんですけれども、非常に特筆して申し上げたいのが基礎・基盤の技術開発ということで、革新型蓄電池の開発ですね。RISINGと私ども通称で申し上げておりますけれども、皆様もスプリングエイトの設備をごらんに行かれたと伺いましたが、NEDOもこのスプリングエイトの中の1つのラインをこの電池用に使わせて、専用で用意いたしまして、その中で、電池の中のイオンの移動でありますとか、そういった基礎・基盤の状況を調べておるところであります。そういった基礎的な電池の反応を解析いたしまして、今後の開発に生かしていこうと、そういうような技術開発もやっているところであります。
 続きまして、NEDOが非常に広く取り組んでいるものを簡単に説明させていただきたいと思いますけれども、環境分野で申し上げますと、主に5つの分野ですね。水循環、それからフロンの対策、クリーン・コール・テクノロジー、それから環境化学、そしてリサイクル、この5つの分野につきまして、NEDOは力を入れて技術開発を進めているところであります。
 それから、こちらはロボット分野であります。非常に細かい文字で非常に恐縮ですけれども、個別のロボットにつきましては民間企業が開発を進めておりますので、NEDOとしては安全性の検証でありますとか、あるいは海外への展開でありますとか、そういったNEDOとしての役割に応じて開発を進めているところであります。
 こちらの1つ、この画像がございますけれども、これQuinceと呼ばれておりますが、NEDOが開発を助成していた事業でございまして、震災現場、福島第一原発にいち早く入っていきまして、第一原発の中を調査してきたと、そういう実績のあるロボットでございます。
 それから、右半分にはMEMSとございますが、これはマイクロ・エレクトロニクス・マシーンズでございまして、非常に微細な加工をする機械ですね。そういった機械の開発をやっているということでございます。あるいは、下のほうにありますけれどもMRJですね。これは三菱重工の中小型の飛行機でございますが、こういったものの開発にもNEDOは支援をしているというところでございます。
 そして、こちらは電子・材料分野でございます。非常にエレクトロニクスは広範な分野を支えるものでありますが、例えばディスプレーでありますとか、あるいは半導体の微細化そういった開発、あるいは材料分野で申し上げますと、非常に重要なのがレアメタルでございます。レアメタルの開発を私どもNEDOは平成21年からずっと続けておりますけれども、今般の尖閣騒動でもそうですし、2年前でもそうですが、2年前は特に、非常に話題になりましたけれども、その前からNEDOが取り組んでいたことによりまして、今般のレアメタルにつきましては特定国から金融措置を受けなかったと。それは、ひとえには、この削減技術・代替技術が進んだという実績がございます。こういった開発もやっているところであります。
 それからバイオテクノロジー・医療技術分野でございますが、創薬関連、それから医療機器関連ですね。開発をしております。山中先生のiPS細胞、非常に話題になっておりますけれども、NEDOのほうでもそういった幹細胞のプロジェクトを主に進めております。
 創薬関連につきましては厚生労働省との分担というものもございますので、NEDOにつきましてはベーシックなと申しますか、基盤的な技術開発、例えば分析技術・解析技術、そういったものを開発いたしまして、その産業基盤となろうということを意図しているところであります。
 続きまして、市場化推進に向けた取り組みでございます。
 今まで申し上げてまいりましたのは、簡単に申せば国のプロジェクト、国の政策に基づいて実施していく技術開発でございます。したがいまして、個別のテーマにつきまして国の予算要求プロセスを経まして、プロジェクト化されていくという形であります。それに対しまして、これから説明申し上げますのは、制度として枠組みをとっておりますので、予算をとっておりますので、いわゆる補助金と申しますか、そういった形で技術開発を支援していくというものであります。とりわけ中小企業、そういった皆様にも御提案をしやすいものとして、この4つを今掲げてございます。
 現在公募がされているものというのは、残念ながら、このCの福祉用具、これが2回目を公募中でございまして、10月22日締め切りではございますが、現在公募中のものは、この1件ございます。
 それから、こちらの4件とも平成25年度の概算要求、これは経済産業省のほうで予算要求をしておりまして、国の予算が12月に成立をしますと、そこから具体的に中身を詰めまして、来年の公募に入っていくという形になります。
 まず、@でございますが、新エネルギーベンチャー技術革新事業でございます。
 もうこの字のとおり、新エネルギーのベンチャー、もしくは、中小企業も最近は含んでおるんですが、こういった中小企業の皆様、そういった皆様が新しいエネルギーを開発すると。そういったものに対して補助金を打っているという制度でございます。
 こちら産学官連携ですね。産学官連携が義務にはなっておりますけれども、そういった連携を通じまして中小企業が自分の技術とそれから大学の技術、そういったものをマッチングしながら開発を進めていただきたいということで進めているものでございます。
 これ25年度の概算要求額は16億円でありますので、括弧になっていますのが、これは24年度の予算でございます。24年度の実績で申し上げますと、102件の応募がありまして、そのうち35件採択、倍率で申し上げますと約2.9倍、3倍ほどですね。そういった倍率になっております。
 48ページ目、こちらは、その新エネルギーベンチャーでの優良事例の紹介でございます。
 1つは、クリーンベンチャー21と申しまして、球状シリコン、通常シリコンはフラットになっておりますけれども、こういうふうにして丸くいたしまして、丸くいたしますと下のほうからの反射も光を拾うという技術であります。
 それから、こちら吸着技術工業というところで、バイオガスの高効率輸送ですね。こういうメタンの回収・精製、こういった技術にも補助金を出しております。これはバイオマスのチップを、このショベルの頭のところにアタッチメントとしてくっつけまして、それで、その現場でチップをつくってしまおうと、そういう技術でございます。
 続きまして、Aはイノベーション実用化助成事業というものでございます。
 これは今年度、24年度は28.3億円とございますが、実は、24年度は新規事業がございませんで、24年度は、特に公募はしませんでした。したがいまして、競争率という意味で23年度を参考に申し上げますと、23年度は128件応募がございまして、そのうち39件採択いたしまして、これも約3倍、正確に言うと3.3倍ですが、そういう競争率でございました。
 来年につきましてはベンチャーを非常に重視していきたいという考えでございますので、補助先も、こちらはベンチャーに限定するような形で、今検討中でございます。こちらにつきましては、特に25年度の要求で検討中の案件ではございますけれども、こういった予算がついているというところであります。
 簡単に申せば、補助額年間1億円以内で、補助率が3分の2、補助期間2年間という形でございますが、こういう中でNEDOが助成をしまして、それから進捗管理とか専門家による知財の戦略策定とか、あるいは販路の開拓支援、こういったものもハンズオンで実施していきたいというものでございます。
 こちらのイノベーション推進事業での優良事例でございますが、1つはゼファーという会社でございまして、小型の風力発電ですね。1キロワットほどの家庭で使えるような、そういったものの開発、あるいはファイ・マイクロテックというのがございますけれども、これは光ケーブルテレビ用の半導体ですね。それからイーベックというところで、がんや感染症などに役立つような完全ヒト抗体の製造技術開発、こういったものを助成してまいりました。
 それから3番目でございますが、戦略的省エネルギー技術革新プログラム、これは大変予算額が多うございまして約100億円、予算がついておるところでございます。
 こちらにつきまして、省エネルギーのテーマですね。省エネルギーというテーマは非常に広いものですから、実際の応募に当たりましては国とNEDOで省エネルギー技術戦略というものを設定しておるんですが、その省エネルギー技術戦略で重点化している分野につきまして応募いただくというふうにしておるところであります。
 こちらも開発として製品化された事例が幾つかございますが、特に、100超の省エネディスプレーは非常に大型でございますが、このように軽く薄く曲がるような、こういったディスプレーをこの中小企業、篠田プラズマというところが開発をいたしまして、東京駅で実際に使われたり、あるいは兵庫県の天文科学館に常設、使用されている。あるいは関西空港に設置されているという状況でございます。
 それから、こちらは福祉用具の実用化でございますが、これは1億円という予算でありますけれども、これも非常に活用されているものでございます。
 こちらの競争率でございますが、何分予算が非常に少ないものですから、33件の応募がございまして、そのうち2件の採択ですから、競争率は約16.5倍という形になっております。福祉用具の24年度の採択の実施社の一覧がこちらに出ておりますけれども、福祉用具は中小企業を中心として、いろいろ応募いただいているところでございます。
 ここまで御説明申し上げました案件につきましては、例えば福祉用具でありますとお手元に、この福祉用具の実用化助成という形でパンフレットを配らせていただいております。
 こちらの中でも非常にいろんな実例が写真とともに書いてございますので、御参考いただければと思います。
 それから、過去の倍率につきましては、6ページに応募状況の推移というのがございまして、ごらんいただきますと、直近16.5倍となっておりますが、23年度2.6倍とか、年々に応じてちょっと変化があろうかということかと思います。
 あるいは、もう1つごらんいただければと思いますのが、分野横断的公募の御案内というものがございます。こちらが先ほど、いろいろな制度を御説明申し上げましたけれども、例えば戦略省エネルギー技術、あるいは新エネルギーベンチャー、福祉用具実用化もこの中に含まれておりますが、こういった公募の御案内になっております。
 いずれも24年度をベースとした御説明になっておりますので、補助金額、あるいは、その補助率といったものが具体的に記載されておりますけれども、25年度につきましては、これから検討するということですので、このとおりになるか否かはちょっとまた日を追ってという形になりますけれども、そういったことを御認識いただければと思います。
 最後、NEDOの御紹介でございますが、1980年、第二次石油ショックの後に新エネルギーをつくることが大事ということでできた法人であります。
 非常に多様な部署がございまして、今、エネルギー関係ということでは、本日は新エネルギーを中心に御説明を申し上げましたけれども、新エネルギー、あるいはスマートコミュニティ、省エネルギーですね。そして環境部と、それから京都メカニズムの事業ということで国のクレジットの取得事業もやっております。それから産業技術という意味では、バイオテクノロジー、電子・材料、技術開発推進、ここが機械とかロボット、そういった類いをやっているところでございます。
 NEDOのミッションといたしましては、エネルギー・地球環境問題の解決と産業競争力の強化というミッションを掲げまして、経産省の政策を実施し、具体化していく機関。そして、産学官の英知を結集する。そういった役割を担っておるところであります。
 プレゼンテーションとしましては、こちらでおしまいなのですけれども、もう1つ続きで、産業育成についての課題につきましてというお話がございましたので、お手元に研究開発小委員会という国の産業構造審議会というのがございますけれども、こちらのレポートから抜粋してまいりました。こちら参考資料として提示しているものでございます。
 ベンチャーと申しますと、やはり特に研究開発型のベンチャーは、創業から最初の製品を提供するまでに3年以上かかるという、やはり最初の3年をいかに、これは赤字になるわけですが、この赤字のところをどうやって頑張るかということが1つ重要です。
 それから、もう1つには、そういう研究内容とか資金面以上に顧客、それから業務提携先の紹介とかですね、経営人材や営業販売、そういった研究自体ではない要素、特に人材・ノウハウ面というのがありますけれども、こういった部分への支援の充実を求める傾向というのが非常に強い。一言で申せばハンズオンと申しますか、手厚い支援と申しますか、そういったものが必要ということが経済産業省の調査で明らかになっているところであります。
 もう少し整理いたしますと、ベンチャーにとっては研究開発段階終了時点では、開発した製品、サービスを国内はもちろん、海外市場にも提供していくための具体的プランが必要です。お客さんに売らなければいけないわけですけれども、そのために行われるあらゆる経営資源の投入に対して、政府としても必要な支援を行うべきというところであります。
 それから、ベンチャー支援などを研究成果の迅速かつ円滑な事業化・実用化の視点から見直し、必要に応じ、その拡充等を図っていくべきという。これは提言としてこういうふうになっておるところでありますけれども、課題としては、「ヒト」、人材が不足している。あるいは「カネ」、事業化・実用化のための資金が不足している。「モノ」、研究開発拠点が、空洞化が懸念されている。それから基盤整備でいえば、大企業の有する各種リソース、こういったものが未利用・未活用になっている。
 そういったものに対して具体的な施策として、やはり人材育成、派遣機能が重要ではないか。具体的には、民間ベンチャーキャピタル等の目ききの機能、あるいはハンズオン・ノウハウの活用、シニアのノウハウ活用、それから、現下の厳しい財政制約のもとでは、やはりベンチャーキャピタル、民間資金をもっと活用したらいいのではないかとか、海外市場開拓のための支援をしたらどうか、研究開発税制の拡充ですね。それから「懸賞金型研究開発制度」の検討、こういったところも国のほうで検討しているというところでございます。
 「モノ」のほうでも、これも税制の拡充でありますとか、公的研究機関の設備に係る共同利用ということで、こういったものも進めているところでありまして、特に民間ベンチャーキャピタルとか、こういうことにつきましては中小基盤整備機構、こういった国の機関もいろんなメニューを取りそろえてございます。
 調べましたところ、浜松にイノベーションキューブという、そういった組織が置かれておりまして、そういった組織なども、こういうベンチャーに対するハンズオンのノウハウを提供しているというようなサービスもあるやに伺いました。
 それから実態、NEDOの経験で申せばやはりハンズオン、具体的にコーディネートしていくという機能が非常に重要ということをベンチャーの皆様もおっしゃっているところであります。
 1つの事例として、私どもNEDOは川崎市に所在していますので、川崎市の事例を御紹介申し上げますと、川崎市は2名ほどコーディネーターという方を雇い入れているそうでございまして、そのコーディネーターの方が実際にベンチャーのテクノロジーを学んで、そのテクノロジーを使ってくれそうな、いわゆるユーザーと申しましょうか、ニーズと申しましょうか、そういった人のところに営業に行っていただいている。それが単に、コーディネーターという市の雇った人が行くと、お客様のほうも余り対応を熱心にしていただけないということもあって、川崎市としては金融機関に口ききをお願いしているということです。中小企業はやはり、かなり金融機関と密接につながっておりますので、そういった金融機関に実際に口ききをしていただいて、ユーザーのほうに例えば、こういう技術を持った者が行くのでよろしくお願いします、あるいは、その金融機関が実際に同行したり、そういったことを通じて具体的にコーディネーションをしているということが有効になっているというお話を伺ったところであります。
 やはりテクノロジー、技術と、実際にそれを市場に出していく、使ってもらうという市場、マーケティングと申しますか、こういったところはきちんとその間に立つ人、ハンズオンと申しますか、コーディネーターと申しますか、そういったサービスが非常に重要であるということかと思います。
 非常に雑駁、広く浅くではございましたけれども、私からのプレゼンテーションは以上でございます。ありがとうございました。

○吉川委員長
 ありがとうございました。
 以上で、吉田様からの意見陳述は終わりました。
 これより、質疑に入りたいと思います。
 委員の方にお願いをいたします。
 質問は、まとめてするのではなく、なるべく一問一答方式でお願いをいたします。
 それでは、御質問・御意見等がありましたら、御発言願います。

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静岡県議会事務局議事課

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