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委員会会議録

質問文書

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令和2年9月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鈴木 澄美 議員
質疑・質問日:10/05/2020
会派名:自民改革会議


○鈴木(澄)委員
 一問一答方式でお願いいたします。
 先日の日本記者クラブでの副知事の質疑応答の資料を読ませていただきました。今までやってきたことの集約的なものであり、一番の目的であった県民及び県外の皆様にも十分その思いとか、理論的なところも含めて伝えられたんじゃないかなと。それは記者の皆さんの御質問であったり、その感想を聞いた中で十分感じておりますので、今回の取組は非常に――ある意味で私たち自身も――理解するのに大きく前進したかなとまず申し上げたいと思います。
 その中で幾つか質問させていただきたいと思いますが、先ほどの質問者の皆さんからも出ているんですけれども、改めてお聞きしたいのは、このリニアの水に関しての問題は、全量を戻すとか一滴たりともとか言葉が独り歩きしていることがまず前提にあります。
 そして、今回の本会議の中でも、あるいは記者会見の中でも難波副知事からはゼロリスクについてのお話がありました。どちらかというと、何でも100%やり遂げなければといったイメージが、最初に申し上げた全量戻すといったところが強くて、多くの皆さんがそういった認識を持ってこのリニアの問題を見ているんじゃないかと思っています。
 先ほど答弁の中にもありましたけれども、ゼロリスクの考え方、そして補償という言葉が出ましたが――補償にいくまでの間にまだやらなきゃいけないことがあると説明もされていますので、それを承知しながらも――改めてその考え方についてお聞きしたいと思います。

○難波副知事
 まず、ゼロリスクについてですけれども、非常に難工事で、地質状況も分かっていない場所ですのでゼロリスクはないと、むしろ県の側が言っております。どちらかというとJRのほうがゼロリスクのような言い方をしていると、国の有識者会議である委員がおっしゃいましたけれども、これは非常に不思議な構造だと。通常は県といいますか影響を受ける側がゼロリスクを求めることを言って、事業者側はゼロリスクはないので何とかこのあたりでといった話をするのに、今回のケースは県がゼロリスクはないといった前提の下に話をしていて、JR東海は水への影響はないとはっきり言うわけで、それは変ではないかとの指摘がありました。まず根本的にそこに問題があると思っております。
 例えば、地質調査を完璧にやったとしても、どのくらいの水が出てくるのかは必ず掘ってみないと分からない状況にあります。したがって物を考える前提は、完全な情報はなくて、不確実な情報でどうやって水への影響を回避、低減するのかが極めて大事だということであります。
 その上で、全量を戻すことを前提にいろんなことをこれからやっていくわけですけれども、仮に工事をやったときに大出水があって全量を戻せないことはあり得ると思うんです。それまであらかじめゼロにしろといった話はしないということです。トンネルの中で出た量を戻そうと思えば戻せるわけです。今工事中の問題は出ていますけれども、少なくとも工事が終わった後はトンネルの中に出た水はそのまま川に戻せばいいわけですから、全量戻せない理由がないわけではないですね。それはしっかりやってほしいと。
 ただ、工事の中で予期しないことがあって、何かあったときまで全部という話にはいきようがない。そのようなときには、その影響がどうなったのかをしっかり検証して、その上で必要に応じて影響が出れば補償すると。そういったルールなりを初めから決めておいてもらえれば、県民あるいは利水関係者の安心も確保できると思いますので、やっていただきたいとお願いしております。

○鈴木(澄)委員
 今の御説明で私たちも理解できるんですけれども、冒頭で申し上げた言葉の独り歩きの部分で、反対を中心に考える立場からすれば何も聞かないといったこともあるかもしれませんが、そこは県としては冷静に伝えていくことが必要だと思います。ここまで進んだ中での反省点の1つとして、情報提供の仕方も原点のところで何かボタンの掛け違いのようなものがJRだけではなくて県民にもないかなといったことを一旦確認していただいて、対応を取っていただくことは要望したいと思います。

 次でありますけれども、環境影響評価法と県の環境影響条例、いずれにしても法に基づくものとのことです。一番不思議なのは環境影響評価なんですけれども、今回別紙で御用意頂いた資料の中に参考として、なぜ対話が進まないのかは立っている基準の違いとかあるいは認識と見解の違いとのことなんですが、本来法でしっかりそういったものが示されていれば、認識の違いの部分は一部あったにしても根本的に大きなところでボタンの掛け違いのようなことは起きていないはずで、よく理解できないんです。
 本当ならば、さっき言ったように法も条例もしっかり仕組みとしてできているわけですから、科学的な根拠を示すことも含めてお互いにルールとして決められたものに沿って展開できるはずです。なぜそこの溝が埋まらないのか。そしてもう1つ、だからこそ国の有識者会議が関わってきたこととの関連を説明していただきたいと思います。

○難波副知事
 法律と条例に基づいた環境影響評価ですけれども、こういうことをやるべきだといった項目はありますが、こういうレベルでやらなければいけないとは書いていないんです。社会的に見てこのレベルはやらないといけないことをやるのは基本だと思いますから、細かくは書いていないんです。特に環境影響評価の場合はそのあたりを書いていないと思います。ほかの法律ではこういう場合は許可しなければいけないとか書いているケースがありますけれども、環境影響評価はどの程度までかは書かれておりません。
 そして、その影響の程度は場所場所で違いますから、南アルプスのようなところとそうじゃない普通の平地のところでは、影響の程度とか、あるいは先ほど申しました不確実性は全然違いますので、その場所場所に応じた環境影響評価のレベルが必要だと思います。
 そこが、県は最低限これだけやってほしいと思っていますし、JR東海はそれは過剰だと思っていますので、これを埋めようといろんな努力をしてきたんですけれども、なかなか埋まらないと。それを見かねて国土交通省は乗り出したんだろうと思います。
 したがって、国土交通省が第三者で中立の立場で、この程度やるべきではないか、この程度やれば十分じゃないか、あるいは科学的根拠もこういうことでしょうとしっかり示していただくのが非常に大きな役割だと思っております。そういった点ではこの問題について当事者同士ではなかなか溝が埋まらないところがありますので、国土交通省には大いに期待していると思っております。

○鈴木(澄)委員
 まさに国土交通省の存在感はそこなのかなと私たちも感じているんですけれども、県の専門部会が47項目を課題として挙げていて、国の有識者会議は全体を見た中でどの程度までその47項目を見ているのか。例えば限られたところなのか。あるいは国の有識者会議の基準といいますか、考え方があってその中でやっているのか。そうすると県の専門部会の47項目から漏れてしまうものもきっとあるでしょう。そうすると今度は県の専門部会でそこの部分についてまた議論しなきゃいけないんですけれども、さっき言ったように国はどこまでJRと県の間に入って調整を図るのか、残される課題があるのかないのかについてお聞きします。

○難波副知事
 47項目については全て国土交通省の有識者会議の中で議論していただくのがお願いですし、県と国との間の合意事項でもあります。
 現在どの程度やられているかですけれども、いろんな見方がありますが、47項目のうちの6項目ぐらいのところが議論されると思っております。そこだけで後はやらないのではなくて、国も全て評価しようとしていると思います。思いのほか時間がかかっているといいますか、最初の水の問題は――先ほどの5番委員のお話のように想像とか、思いとか、自分の主観で言ってしまうのは良くないかもしれませんが――もっと早く結論が出るのではないかと思っておられたんじゃないかと思います。
 それで、それが済んだら次、次と進んで47項目やるということだったと思うんですが、国土交通省は47項目やる姿勢は変わっていないと思います。ただ今のところ、最初のところは意外に時間がかかって、進みにくいところがあって、本当に全部やれるのか御懸念はあり得ると思いますけれども、47項目やっていただけると私は思っております。

○鈴木(澄)委員
 JRは大きな企業なので県の思いもしっかり真摯に受け止めてくれる、環境影響評価をやってくれていると思ったのはある意味性善説に立つ話になってしまいまして、少し話はずれるかもしれませんが、環境影響評価の今後の在り方も含めて、県としてもこういった大きな課題については何か教訓があろうかと思うんです。
 つまり、影響を与える側と受ける側との表現をされましたけれども、例えば県側が何か物理的にプラスになる話ではなくて受ける側なので、その問題を解消していくとのことでありますが、どちらにとっても将来に向かって問題を残さないという考え方からすれば、環境影響評価は非常に大事なものだと思っています。今まさに苦しんでいるところは教訓として次に生かせることを考えていただきたいなと要望したいと思います。
 それから、今日頂いた資料の中に、また先ほど答弁の中にもありましたけれども、今後対話が進むために様々な提案をしていくとのことで、これまでも多分されてきたと思うんです。今後も生物多様性の件については、本会議の答弁の中では国では組織的にまだそこまでできていないようなので県から提案していくとのことで、ぜひとも国と共有していただけるように。今JRと共有する立場が原則ですけれども、国が中に入っている立場であれば、先ほどの質問で国の有識者会議で47項目を受け止めてくれているとの話だったものですから、ぜひともそこは3者で共有できるようにしていただきたいと思うし、その結果を分かりやすく県民にも伝えていただくことはお願いしたいと思います。
 最後になりますけれども、非常に真摯に分かりやすく副知事から説明を頂いた中で、この頂いた資料の中にJRに対する不信感の話がありました。なぜ議論、対話が進まないのかの分析の中にJR東海トップ、幹部の累次の発言がとあったんですが、よくよく考えてみますと、県の中でもそういったことは起きていないかなと感じています。
 そこの部分は御答弁を求めるつもりはありませんが、少し発言が過ぎているのではないかなといったことも、本会議の私どもの会派の代表質問の中でも意見の形でお伝えしました。それは双方にある課題だと考えておりまして、一つ一つ積み重ねるようにいろんな対話をしながら結果を出そうとみんなで同じ努力をしている。特に現場の皆さんといいますか担当する皆さんの思いを受け止めたときに、それが外に出ていったときに一瞬にして崩れてしまう状況、その言葉の発し方はやはり考えるべきではないかなと思っております。
 特定の人を指すつもりはありませんが、県もJR側も同じような課題があることを改めて認識していただきたいと申し上げて、私からの質問を終わります。

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