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委員会会議録

質問文書

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平成25年11月富士山保全・活用特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:野澤 義雄 議員
質疑・質問日:11/26/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○野澤委員
 構成資産について少し伺いたいと思います。
 指定されたことは大きな喜びということでいっぱいだと思うのですけれども、ここにも劣化の調査というようなことが記載されておりますけれども、主に構造物においてそれはもう劣化することを前提として考えなければならないとは思います。今のところそこまでは恐らく視野には入れていない現状ではないかなと思うのですけれども、これはやはりそれぞれの構成資産、独自の努力で劣化を防ぐということが前提になろうかと思いますが、全体として調査も含めて、そういったものもどういう方向性が一番よろしいのか、お尋ねしたいと思います。

○渡辺豊博氏
 浅間大社などは結構お賽銭もありますし、自己責任として、政教分離の問題もございますので、きちっと保全していくというのは何となく理解するのですが、行政が支援するのはなかなか難しいと思うのです。山梨側のほうにつきましては、特に北口本宮冨士浅間神社を中心にしたいわゆる船津口という旧道があるのです。これもほとんど今破壊されてしまいまして、何がもともとの旧道かもはっきりしない。
 それから佐藤小屋に向かって旧道が、上り道路があるのです。これもはっきりわからない。さらにその途中に御師といいまして宿泊施設があったのです。これは富士参詣曼荼羅図という今回の富士山が富士講としての宗教性があったという証拠書類としての、これは富士山本宮浅間大社と北口本宮冨士浅間神社の両方にあるわけですけれども、富士参詣曼荼羅図にその御師の建物が建っている絵があります。その建物をまことに残念ながら、手をつけられない、所有者もわからないものということで一部残っていますけれども、富士吉田市長は壊してしまいました。本来は、これは富士参詣曼荼羅図に書いてある建物なのです。ですから、富士講というお賽銭を中心にして保たれていた宗教が登山者にないわけですから、宗教性のもとでの登山者ではありませんから、観光的な登山者ですから、お賽銭が集まらない。そして維持ができなくて壊れて風化してしまっている。ということで、一部壊されてしまったということです。私はやはりそれは、きちんと富士参詣曼荼羅図で建物の絵の証拠書類があるのです。それがそのまま今壊れているといえど残っているものを復元すべきだと。そのためにはやはり、県や国のお金を使って元に戻すのが本流だと思っています。
 実は、リバプールという町を御存じだと思うのですが、リバプールの海岸線は世界文化遺産に指定されたのですが、海岸線の古い建物は、全て一旦破壊されたのです。これを絵描きが物すごく緻密に建物を描写していて、その記録が残っておりまして、リバプール市、イギリス政府は、この建物をその絵と全く同じように復元したのです。そのことによって、リバプールの海岸線は世界文化遺産として登録されたという地区もございまして、私はそのリバプール方式ですね。旧道も復活、そしてその御師の建物も元に戻し、それにやや不確かな歴史性はあるにしても、静岡の先ほどの村山浅間神社の旧道も一部復活して、その絵もあるわけですから、それを復元していったら、先ほどの森先生のお話のようなとてつもない文化的な観光資源が歴史的な背景のもとでよみがえる。
これはヨーロッパ流のやり方だと私は思っているのですけれども、そういう意味では、その文化財を保護するという意味合いだけではなくて、保護を超えて、新しく復元して再生して、いろいろな基金の中をうまく使いながら活用していくという、そういう新しい観光地づくり、いわゆる拠点がなければ何もできませんので、訪れる場所、点がなければ何も人は来ませんので、そういう形で新しい観光客を誘導し、新しい観光地をつくっていくという、そういう戦略も必要ではないかと。これは保護というものと利用というのか、経済的な利用というものが相反していないと思うのです。共生していると。何もおかしくないと私は思っているのですけれども。そういう意味では、静岡県側にも可能性もあるし、それから山梨県側にも大いに可能性もある。まことに残念ながら一部壊されてしまったという悲劇的な現状、私も朝日新聞さんに書いて訴えたのですが、一部壊されて本当に悔しい思いをしています。もったいないです。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 もう1点、景観にかかわることを伺いたいと思います。そこにも電線の地中化の延長だとか、さまざま書いてございますけれども、では電線の地中化も、やはり制度によって決められたところが優先的にやるというようなことの部分があります。それから景観で言うと、屋外広告物条例と県の条例もありますけれども、やはり現実的なのは指定のされた市町が指定のエリアの中をどうするということで、そこで条例をつくってもらうというのが一番効果があるということ。実際に県の行政ということになると、では何ができるのかなというのが、自問自答しているところもあるのですけれども。何かその辺で県の行政マンでしたから、あえてお尋ねしますけれども、県としてそういったものに対して、どのような形でかかわっていくのが一番効果的なのか、何か御示唆いただければありがたいと思います。

○渡辺豊博氏
 2つ議論があると思うのです。今あるもの、景観阻害と言いますか、それをどうしていくかという議論と、これからも、どうしても景観阻害のものをつくっていきますので、そういうものに対してどう抑止するのかという2つの議論だと思うのです。
 私は世界文化遺産になったので、これからのものを先に対策としてやるべきで、なるべく景観に阻害しないものをまずつくっていくというためのやはり1つの制約を法律として、つくっていかざるを得ないし、全体としてなかなかやることはこれ難しいと思うのです。ですから、例えば、ある範囲で一定の開発業者が富士山の裾野で団地をつくったり、というようなところも地区的にあると思うので、そういうところで少し補助金も出しながら、独自のいわゆる建物の協定をつくっていただきながらという方向で、1つずつ、モデル地区と言うのでしょうか、そういうものをつくって、そうするとやはりどこでも富士山が見えるとか、その土地の付加価値も上がってくるし、ある意味では安全性というか、地価に反映されますからね。そういうものも保証されるとか、違う意味での社会的な評価が上がってくれば、だんだん動きがそういう方向にいくのかなというような気もするのです。ですから、一遍にはなかなか難しいなと。でも、規範として、例えば富士山がワイド的に見えるビューポイントがあります。これをやはり重要な場所からワイドに見える範囲のものは、やはり可視的に制限をして、段階的にその処理をしていくというか、電信柱を移動させたり、今、部分的に地中化をしたりという、そういう方法をその電線のラインをちょっと工夫して、違うラインのほうに集中させるとか、すぐ制約をするという一元的なものではない、その現場現場での工夫があるのではないかなというふうに考えています。
 ちょっと事例ですけれども、イギリスの湖水地方、もう御存じだと思いますが、電柱は全て地中化されているわけです。しかし、石炭火力発電所をつくって、非常にきれいな場所を高圧鉄塔が実は横断していたのです。それを2、3年前に、その場所に行ったら、全部その景観が見えるワイドの可視の部分だけ全て地中化してあり、その上でまた鉄塔が出ている。これに約60億円かかったと言っていました。当然国が全てお金を出して、その部分を、高圧鉄塔を地中化したと。もう本当に当たり前のような雰囲気で説明をしていました。ですから、やはりその景観が安心する景観というか、安定する景観というのは、先ほどのお話があった観光資源なのです。やはりそのようなものがあるということは、観光資源にはなり得ないというふうに思っていただいていいのではないかと思います。そういう意味で、世界の観光地と競争しているということですし、看板のお話も出ますが、1回ぜひ湖水地方に行ってください。看板は、主要なところにちょっとある程度のものがあるだけです。
 それから、ホテルは電気はきていますが、全部ランプです。そして温かいお湯も出ますが、沢から水を引いた沢の水でシャワーです。電気は来ているのですが、パブに行っても全部ランプでろうそくです。街路灯は全部スイッチ方式で1本1本、電気を消せるようになっているのです。何で消しているのですかと聞いたら、きょうは星がきれいだから電気を消しているとこう言うのです。これが、何も宣伝しなくても1500万人から1800万人の人を呼ぶイギリスの湖水地方の観光地の実態なのです。宣伝もしていません。全部インターネットで予約が入ってくるという、そういう場所もありますので、ぜひそのきらびやかな、何でも人を呼んで何かやるようなことばかりではない、森厳なる奥深き魅力みたいなものも大事なのかなと思います。ですから、場所場所でぜひ、少しずつできる方法での景観阻害の検討をやっていただきたいと思うのです。

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