委員会会議録

質問文書

平成25年２月定例会くらし環境委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	03/11/2013
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田（好）委員
　大きく５つお聞きしたいと思います。
　まず最初に、説明資料の10ページの第98号議案の中のＮＰＯの関係であります。詳細が20ページに載っておりますので、そちらをちょっと見ていただきたいと思いますが、今回ＮＰＯの活動がさらに進むようにということで、活動基盤の整備ということになります。
　その中で、このＮＰＯ法人を認証したり、あるいは認定、さまざまな指導監督に至るまで、この権限を移譲するということになっております。この資料には、沼津市、富士市に加え、平成25年度から掛川市に権限を移譲するとなっておりますけれども、この主な意味、またこれからの動向についてお聞かせいただければと思います。

　２つ目は、交通事故の関係ですが、説明資料の23ページでございます。
　ここのグラフにもありますけれども、平成24年の交通事故の死亡者は155人で、発生件数が３万6946件と、いずれも前の年からは減少しているわけでございます。そして、高齢者の関係する交通事故の状況が下の表にありますけれども、死亡者が93人、それから発生件数も１万162件と、いずれも平成23年よりもふえてしまっているということでございます。
　今後、高齢者がますますふえてまいります。そういう中で高齢者の関係する交通事故の増加が本当に危惧されるわけですが、このことを踏まえた上で、部として、課としてどのような対応をされているのかを伺いたいと思います。

　そして、残念ながらというか、ことし４回目、今年度で５回目となる交通死亡事故の多発警報が発令されまして、今ちょうどその期間でございます。職員の皆さんが県庁の前のところに立ったり、いろんな形で今、防止活動を行っていただいておりますけれども、これからまた16日まで、またそれ以降も含めて、この活動についてどのように取り組まれていくのか、その部分をお聞きしたいと思います。

　それから３点目ですが、説明資料29ページ、耐震補強の関係です。
　29ページの２番のところに、平成13年度から今年度までのプロジェクト「ＴＯＵＫＡＩ―０」事業を実施した戸数の動きというのが書いてございます。一番最初の年は、やはり２万戸もの無料耐震診断が行われたんですが、耐震補強計画や耐震補強工事を実行されたのが200戸ずつということです。２万戸という非常に膨大な耐震診断をされましたが、どういう理由か、この年は耐震補強計画や耐震補強工事を実行された方が非常に少なかったということでございます。今まで耐震診断をした６万8000戸のうち、耐震補強計画を策定したのは１万8000戸ということで、非常に少ないように見えます。
　しかし実は、単年度ごとに見ていきますと、平成18年度と平成22年度は、耐震補強の計画をした人と実施した人の戸数が逆転しております。ということは、補強計画をした人よりも実行した人が多いということですね。つまり、前年度に補強計画を立てたけどできなくて、でもやっぱりやろうということでこういう結果が出てきているのであって、これは非常にいい傾向だなと。ぜひこれからもこういう逆転現象が起きてくるようにしていっていただければ、加速度的に耐震補強も進んでいくと、当たり前のことですけど、思います。
　そして、説明資料29ページ下に、普及・啓発事業ということで３点大きく書いてありますが、特に来年度、部として、また局として、課として主に力を入れていくことを具体的に教えていただければなと思います。

　それから、次の30ページです。
　今回、私たち公明党も代表質問をさせていただきました。何とか高齢者により実効性のある制度にしていただきたいと、こういうことを訴え続けてきました結果、おかげさまでというか、高齢者のみの世帯における耐震補強計画については無料化していくということでございます。
　本当によかったなと思いますが、当然これは市町の理解、協力が必要になります。今、各市町議会も行われているところで、予算についても審議されておりますので、決定されていないと思いますが、見通しはどうなのか。
　せっかくいい制度を県でこうやって立ち上げても、市町でわかりましたと、うちも協力してやりますと、こうならない限りこの制度は絵に描いた餅になるわけでございます。
　今の情報で結構ですので、どのくらいのところがこれに対して一緒になってやっていこうと考えられているのかわかれば、教えていただければと思います。

　あわせて、その行の下に記載されております耐震補強にも、市町による上乗せ助成がございます。これも、聞くところによると少しずつ前進しているというお話ですけれども、まだ助成制度のないところもありますし、さまざまな状況の違いがあります。やはり県として大枠――大きな意味で助成制度をしっかりつくっていただいた以上、市町についても、ここは命を守るということでしっかり対応していただきたいと思っております。ここは逆に県から市町に、この助成制度を生かすためにも積極的に拡大してください、しっかり取り組んでくださいということを、予算の大事な時期にもう来てしまいましたけども、言っていく必要があるなと思います。
　そこで、これも先ほどの質問と一緒ですけども、来年度、この耐震補強の助成額をふやす市町が今あるのかどうか。まだ決定しておりません。それはよくわかっておりますけども、その状況確認をさせていただきたいと思います。

　それから、４番目です。プロジェクト「ＴＯＵＫＡＩ―０」総合支援事業について、私は今年度の目標数字と来年度の数字を比べましたところ、わが家の専門家診断事業は、今年度4,500戸、それに対して来年度は4,000戸と、500戸減らすという、こういう計画ですね。これが全くよくわかりません。今から一生懸命やっていこう、高齢者のみの世帯にもやっていただこうというやさきに無料診断を減らすということの真意がわかりません。これの背景となっている考え方をお聞かせいただきたいと思います。

　それから、耐震補強計画については、前年が1,500戸でしたから200戸ふえると。1,700戸ですね。それから、耐震補強工事も今年度が1,800戸ですので、1,900戸を目指すということになっております。ここも100戸ふえるわけでありますけれども、この200戸と100戸の差は、やはり高齢者の方は無償の設計ができるよということでも、やらない人がいるだろうということでの100戸の差なのか、その辺の数字の目標の立て方、これについてもお聞かせいただきたいと思います。

　それから、その表の下にある数字ですが、目標戸数が10戸とか、70棟とか、３棟、５棟。これは木造以外の建物ですので、今までも実績が少ないということもあると思いますが、やはり同じ建物でありますので、ここら辺の目標の立て方は、３棟とか５棟とかという目標でよろしいのかどうか。経験値からそうだということになると思いますが、そうではなくて、やはりこれだけ少ない目標にせざるを得ない課題があると思います。そこを克服していかないと、木造に住んでいる人はよかったね、でもほかの人がねということもありますので、そういうところの検討をされたのか、またこれからどう取り組むのか伺いたいと思います。
　細かい話ですが、ブロック塀等の耐震化なんかも449件とえらい細かい数字ですが、なぜ500件じゃなかったのかとか、1,000件じゃなかったのか。目標が449件と、私にはちょっと理解ができない数字を目標に掲げられておりますので、これもちょっと御意見があれば伺いたいと思います。

　それから、先日また福祉施設の火事がございました。
　２月８日に長崎市でありましたけども、加湿器がショートしたと、こういうお話がありました。ＴＤＫのもので、うちのものを見たら恥ずかしながらテレビに出ているものと同じものがございまして、これは危ないなということになったんです。それは私の認識の不足ですが、実はこういうことが県民に対して広報、情報提供されているかどうかですね。
　そのときは情報提供されます。それから、車なんかはリコールということで大きく取り扱われますので、どこへ行ったかも追っかけてできると思います。しかし加湿器だとか、あるいは瞬間湯沸かし器だとか、一時はテレビでたくさん流しましたが、あっという間にそういうこともなくなって、そういうものが悪さをして、今回火災にまで至って人命を奪ってしまったということです。
　それがないようにするために、各メーカーがいろんな形でたまに発表したりしますが、やはり県として県民の命を守るということであれば、こういう不良なものを長期にわたって訴え続けていくということもひとつ政策的に私は大事じゃないかなと思うんですね。この取り組みについて、県の考え方を伺いたいと思います。

　それから、今回の火災につきましては、やはりスプリンクラーがついていなかったということであります。火災のあった認知症高齢者グループホームの施設は、270.36平米。スプリンクラーをつけるのは275平米以上の施設ですね。
　私も建築の設計をやっていましたからよくわかりますが、お施主さんに喜ばれるのは274.9平米の設計なんですね。極端な話ですけど、275平米を超えると「髙田さん、スプリンクラーをつけなくてはいかん。274.9平米にしてくれるか」と。
　ですから、何を言いたいかというと、やはり面積ではなくて、用途によって小さかろうが大きかろうが、そういう場合はこういう設備が必要ですよと。これは消防法ですから、くらし・環境部とは関係ない話ですけども、そういうことが大事だなと思うんですね。
　そこで、この前も委員会で質問させていただいたんですが、新築に対しては、これは中間検査、竣工検査できちっと県も対応していただいていると思います。市町もそうです。ところが、増築、改築については、なかなか申請が上がってこないという部分があります。
　そして、最終的に介護施設を開くときには、やはりこれは健康福祉部の管轄になりますので、そちらではしっかりした調査が行われていくのかなと思いますけれども、私はやはり建築基準法の目からしっかり見て、防火戸があるとかないとか、面積区画がしっかり行われているかとか、当然やっているのかもしれませんがそういうことをしっかりあわせて見て、そこで許可を出すということにしないと、やはり片手落ちではないかなと。こういう事件事故がいつまでたってもなくなっていかないんではないかなと、こういうふうに思います。
　そこで、そういう取り組みを今までされているのか、またこれから行うことがあるのかというのをちょっとお聞きしたいと思っております。
　それから、全国を調べますと、669の施設について早急に是正をとる必要があるということで、各都道府県にも通知されたと聞いております。これについて、建築基準法上違反ということでありますので、それを受けて県としてこれからどのような対応をしていくのかを伺いたいと思います。

　それから、最後でありますけれども、今回の国会におけます３月８日に耐震基準が強化されて、旧耐震基準で建てられた大規模な建築物に対する耐震改修の義務づけというのがされます。私たち静岡県においても、この法律を適用するわけですけども、そうなった場合、どのようなものがあって、県はこれからどのような対応をされていくのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。以上であります。

○塚本県民生活課長
　まず、ＮＰＯ法に係ります市町に対する権限移譲についてお答えいたします。
　これまで権限移譲に関しましては、住民に身近なサービスは、できるだけ住民に身近な行政が行うという地方分権の基本的な考え方に立って進めてきているところであります。個別には、市町の人口規模やＮＰＯ施策に対する取り組み姿勢等を総合的に勘案しながら進めてまいりました。
　今回、掛川市への権限移譲につきましては、掛川市から掛川市自治基本条例の制定を機に、ＮＰＯ施策に力を入れていくために法人認証の権限移譲を受けたいというお申し出をいただき、協議を進めた結果、権限を移譲することとしたものです。今年度、掛川市の職員１名を当課に受け入れて、認証事務等の実地訓練をしておりまして、ことしの４月から法人の認証権限、指導監督権限を移譲するものであります。
　今後の移譲の考え方ですけれども、従来の方針に変更はございません。しかし、いずれにしましてもＮＰＯ法人の認証事務の取り扱いの水準を維持していくという観点から、移譲を受ける市町のＮＰＯ施策に対する取り組み方針や受け入れ体制などの事情に配慮しつつ、移譲を希望する市町と個別に協議しながら拡大していきたいというふうに考えております。

　次に、リコール対象の製品についてでございます。
　リコールにつきましては、委員がおっしゃるとおり、事故等がありますとその時期には非常に盛り上がりまして、新聞等でも取り上げられますし、私どももいろいろな形で情報提供して県民の皆様にお知らせするわけですけれども、時間がたつに従って徐々にそうした意識が薄れてしまいます。そこで私どもも実は県民に「くらしのめ」という情報紙をつくっております。昨年12月に出されたものは、117万部を全戸配布という形で出しております。
　これは12月に出したんですけれども、やはり年に１回は暮らしの身の回りを安全点検していただくと、そんな趣旨で今回こういったものをつくらせていただいて、その中で消費者庁のリコール情報サイト等を紹介させていただいております。
　あと、携帯メールで配信する「くらしのめール」というものもやっておりまして、2,500名ぐらいの方が加入しております。リコール情報が出た場合には、加入している方に常に情報を流し、その都度そうした暮らしの身の回りの危険についてもう一度思い起こしていただくと。そういった折に触れての情報提供、あるいは啓発というものに今後も努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○夏目くらし交通安全課長
　初めに、高齢者の交通事故防止対策についてお答えさせていただきます。
　委員御指摘のとおり、今後、交通社会全体としての高齢化が進みますことから、高齢者の交通事故は当分の間、増加傾向が続くものと考えております。
　人身事故全体に占めます高齢者の事故の割合が３割弱であるのに対しまして、死者全体に占める高齢者の割合は全国平均の５割を大きく上回ります７割近くになっております。高齢者ほど交通事故に遭うと死亡する割合が高いという、こうした現状を踏まえますと、交通死亡事故の抑止対策の最重要課題は、高齢者の交通事故防止、とりわけ形態として一番多い道路横断中の事故防止ということで考えております。
　したがいまして、昨年に引き続きまして、シミュレーターによる参加体験型の出前講座を開催するほか、自発光式反射材の普及と着用の定着化を促進することを目的といたしました「ピカッと作戦！」につきましても、なお一層取り組んでまいります。
　また、くらし交通安全課では、交通安全情報の提供手段といたしまして、インターネット上にしずおか交通安心ネットを開設しておりますが、この中で交通安全に関する県民の皆さんの基本的な気づきを促したいということで、このたび、新たに「くら交課長のひとりごと」というコンテンツを立ち上げました。今後、この閲覧と掲載資料の活用につきましても、広く県民に呼びかけていきたいと考えております。
　このほか、静岡県遊技業協同組合の協力を得まして、このたび、大手パチンコ店グループにおきまして、今後１年間、屋外の大型電光掲示板において、自発光式反射材の着用や追突事故防止を訴える内容の表示をしていただきますとともに、折り込みチラシの中で交通安全に関する広告を掲載していただくこととしております。こうした交通安全に関する新たな協力団体の開拓にも努めつつ、既存の関係機関・団体とも緊密に連携しながら、高齢者の交通事故防止対策への取り組みを一層強化していきたいと考えております。

　次に、交通死亡事故多発警報への対応でございます。
　警報が発令された場合、県では、市や町、あるいは交通安全対策協議会の実施機関・団体に対しまして、警報が発令された旨と緊急の取り組みをお願いいたしますとともに、広報活動といたしましては、知事談話の発表、ラジオ２局による注意喚起のための放送、道路情報板等による広報、民間交通指導員の皆さんによる街頭広報、県のホームページや庁内放送、あるいは各種会議等による広報、県職員による街頭広報などを実施しております。
　また、市や町では、同報無線や有線放送、広報車等による広報を行っておりますし、交通安全運動の実施機関・団体、事業所等におきましては、傘下団体等を含めた職員や従業員等への交通事故防止の呼びかけを行っていただいております。
　なお、本年の死亡事故の大きな特徴といたしまして、高齢者以外の車両単独による、いわゆる自爆型の事故が大変急増している状況でございます。また個別の事故形態を見ていきますと、形態はさまざまでございますけれども、緊張感に欠ける運転や歩行者の無謀な横断に起因すると思われる事故も散見されるところでございまして、交通事故は、誰がいつ起こしても、いつ遭ってもおかしくないという原点に立ち返りまして、人も車も自転車もお互いが注意し合い、自己防衛に努めていただくと。そうした結果、交通事故を１件でも減らしていこうという意識を改めて醸成することが必要であると考えております。
　そういった意味でも県民の皆さんの交通安全についての基本的な気づきと実践を促すような広報、あるいは啓発に今後努めていきたいと考えております。以上でございます。

○松永建築安全推進課長
　それでは、プロジェクト「ＴＯＵＫＡＩ―０」事業に関する５つの質問についてお答えします。
　まず１つ目に、プロジェクト「ＴＯＵＫＡＩ―０」事業の施行に当たって、来年度は普及啓発活動を含めてどんなことに重点を持ってやっていくかということに関してです。
　これは、来年度からということではございませんが、とにかくやる人を待っていてはだめだということで、直接県民に働きかけていくということが特に必要だという考えから、平成22年度から、まだ耐震診断を実施していないお宅にダイレクトメールを送るということで、去年の実績で１万件実施しております。
　それと戸別訪問ということで、これについても今まで耐震診断を実施していない方を中心に実施してきました。ことしについては一歩進んで、耐震診断をやったが耐震補強計画まで至らない、そういった方を中心にやってみました。こんなことで直接県民に働きかけていくということは、来年度も中心にやっていきたいなと考えております。

　２つ目、今回の高齢者に対する補強計画の無料化についての市町の理解とその見通しで、どのくらいのところがやれるかという実効性についてですが、一応、制度化に当たりましては、市町に対して制度改正前に意見を聞いております。そういった中、多くの市町で基本的に制度の改正には賛成であるというような回答をいただいております。
　ただし、制度を改正したとしても、新たに市町で県に倣って制度化をしなければならない。それと、今後、補助金交付要綱の変更が必要だということと、あともう１つ、予算措置が必要になります。こういったことから、市町によっては、年度当初から実施できるところもありますが、やはり補正予算を待って実施しなければならないというところが幾つかございます。そんなこともありますので、我々としては、できるだけ早い段階で改正していただきたいということを市町のほうにトップセールスに歩きたいと考えております。

　それと、耐震補強工事に関して助成額を拡大する市町はあるのかということです。
　これまで県は、耐震補強工事費に30万円の補助をしておりまして、市町に対しては、その30万円に幾らかの上乗せをしてほしいというお願いをしてきております。その結果、33の市町において10万円から60万円の市単独の上乗せ補助をしておりましたが、残り２市町であります伊東市と東伊豆町においても来年度から20万円の上乗せをしていただけるということを聞いております。
　これにより、プロジェクト「ＴＯＵＫＡＩ―０」事業は、開始から10年を経ましてようやく全ての市町で上乗せ補助ができるようになったということで、非常に期待しているというところでございます。

　それと、来年度のプロジェクト「ＴＯＵＫＡＩ―０」事業の予算件数の関係です。
　まず、耐震診断の予算件数について、平成25年度が平成24年度より少なくなっているという件に関しましては、一般的に次年度の予算件数は、当該年度の実績をもって、仮に何らかの補正要因があれば、その補正要因を加えるというような形で今まで件数を要求してきております。
　平成25年度は、過去４年間の実績の平均が約3,500戸ということであったため、500戸を上乗せして4,000戸という数字を要求しております。

　それと、耐震補強計画と耐震補強工事費のほうなんですけど、近年の実績から、高齢者の耐震診断の件数は年間大体1,400戸、補強計画は800戸くらいと推計されます。このため、今回制度改正する高齢者の耐震補強計画の数は、1,400戸と800戸の差の600戸が最大の目標値になります。
　ただし、先ほど言いましたように、市町の制度化とか予算措置、そういったこともございますので、おおむね来年度はその半分ぐらいを目標とするということで、耐震補強計画については、政令市分も含めまして300戸、耐震補強工事につきましては250戸ぐらいを当面の目標値として予算に増加分として計上しているという状況です。

　それと、木造住宅の建てかえ助成、建築物等への補助、あとブロック塀の除去の補助実績、建築物の補助実績が上がっていないがということです。
　これについては、それぞれこの１月末現在で、木造住宅の建てかえ助成が４件、建築物の補助で耐震診断が55件、耐震補強計画、耐震補強工事の実績はございません。あと、ブロック塀の除去は380件という数字になっております。
　来年度の予算は、建てかえ助成以外は件数、予算とも少ないため本年度と同じ件数としており、ブロック塀の除去のみは市町からの実績見合いの要望件数を数字に上げております。委員御指摘のように、449件というのは、ちょっとやはり細かい数字かなと今思っております。

　それと最後、福祉施設のスプリンクラーの件に関して、新築に対しては検査が行われるが、増築、改築については上がってないと。建築の目から見る必要があるんじゃないかということであります。
　新築、増築、改築も含めて、工事を行う場合は確認申請が必要になります。それに伴って確認検査を行って、中間検査、完了検査と行うわけなんですけど、用途変更なんかがありますと、その件についても同じように確認検査が必要になってきます。
　ただし、用途変更につきましては、確認まで実際にやるかといったところが、どうも一部の業者において徹底されていないということもございます。平成22年度に271件の既設の施設の検査を行ったところなんですけど、その際、８件が用途変更の手続をしていなかったということもありまして、その後、是正指導等を行っております。
　ということで、やはり用途変更があった場合になかなか施設の是非を確認できないということもありますので、委員御指摘のように、福祉部局への許可が出てきた段階で我々も一緒に見るというような措置が必要じゃないかと考えております。以上です。

○中沢（公）委員長
　ここでしばらく休憩します。
　再開は13時15分とします。

（　休　憩　）

○中沢（公）委員長
　再開に先立ち申し上げます。
　２年前のきょう、東日本大震災がありました。
　震災において犠牲となられた全ての方々に対して哀悼の意を表するとともに、御冥福をお祈りするため、黙禱を捧げたいと思いますので、お願いします。
　全員、御起立願います。黙禱。
（　黙　禱　）
　お直りください。
　では、御着席ください。
　休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
　質疑等を継続します。
　では、発言願います。

○松永建築安全推進課長
　先ほどの答弁の中で答弁漏れがございましたので、その点について説明させていただきます。
　まず、国の制度改正に伴う旧耐震基準の大規模な建築物に対する改修の義務づけとその内容と今後の県の対応ということですが、まず耐震改修促進法の改正は、今国会で５月中を目途に成立して、秋口ごろ、施行を予定しているということです。
　改正の概要につきましては、まず全ての建築物、住宅建築物に対して耐震診断と耐震改修の努力義務を課すということで、従前は一定規模以上の特定建築物に限定して努力義務がありましたが、改正後は全ての建築物ということです。
　２つ目に、ここが大きなポイントなんですけど、特に多数の者が利用する大規模な特定建築物や地震対策上、特に重要な建築物――これは避難路沿道の建築物とか、防災拠点の施設といったものになりますが――そういったものについて所有者に対し耐震診断を義務づけて、その結果を所管行政庁が表するという旨になっております。
　法律でそのまま義務づけられる建物としては、病院とか百貨店、あと学校、危険物の貯蔵場といった施設になりまして、おおむね5,000平米以上の施設を対象にするということです。
　もう１つが、地方自治体の裁量によって指定して耐震診断を義務づけるものがありまして、これは避難路沿いの建築物とか、庁舎、避難所等の防災施設、そういったものが対象になるということです。それと所管行政庁によって、これらの施設について耐震改修の指導助言、指示をすると。最終最悪、指示に従わない場合は、公表といったところまで義務づけるということです。
　３つ目の改正が、耐震性を表示する制度を設けるということです。これまでも耐震改修をした建築物については、マーク表示をするという制度がございましたが、今回は新築の建物を含めて、全ての建物について建築に際してこの表示制度を設けるといった内容です。
　法律の改正は以上なんですけど、あわせてこれらの義務づけられる耐震診断、耐震改修の支援制度の充実を図るということです。例えば従来、耐震診断は補助率３分の２で実施しましたが、６分の１を追加して６分の５にする。それと耐震補強につきましては、工事費の23％を予定しておったんですけど、改正後は44.8％にするということで、支援制度の大きな拡充がされているということです。
　これらを受けまして、おおむね県の対応としましては、まずはこれら耐震診断の義務づけとなる建築物を把握する必要があるということで、その把握をしっかりやっていかなきゃならんと。最終的には公表ということにも至りますので、漏れがあってはいけないといったところで把握をしっかりやっていくと。
　それと、耐震診断の義務を果たすべき防災拠点の選定については、我々だけではできませんので、危機管理部と市町等と協議していく必要があろうと。それと国で設けます支援策につきましては、地方の負担も必要になるということで、必要であれば県の予算化、制度化、それと市町へのそれらの制度化の依頼が必要になると考えております。

　次に、先ほどの５つ目の質問で、建築物の耐震化の目標の立て方の中で、特定建築物について課題はどんなことがあるんですか、県としてどのようなことを検討しているのかというような質問がありました。
　これについては、前にお話ししておりますが、特定建築物そのものの全体的な耐震化率の上昇はありますが、やはりホテル・旅館とか百貨店、そういったところでなかなか思ったとおりに耐震化が進まないというような実態もございます。
　こういったことを受けまして、先ほど説明しました国の制度改正で、支援策の充実を図るということになっておりますので、これらをきっかけに特定建築物についても耐震化を進めていきたいと考えております。そのためには、まず耐震診断につきまして、どうしてもすぐに進めなきゃならんということで、特に現在、耐震診断への補助制度を27の市町で持っておりますが……
（発言する者あり）

○中沢（公）委員長
　答弁は、簡潔明瞭にお願いします。

○松永建築安全推進課長
　失礼しました。27市町で持っておりますが、残りの７市町につきましても、制度をつくってもらえるようにお願いしていくことが必要と考えております。以上です。

○髙田（好）委員
　ありがとうございました。
　１つは、今のプロジェクトですけど、わかりました。第４次地震被害想定を６月をめどに今から立てていくわけですけれども、今も黙禱させていただきました三・一一の関係で、津波の被害というのがきのうもメディアで流されておりました。
　やはり静岡県はどこまで行っても揺れに対する備え、これがない限り津波からの避難もできないという地域柄がございます。ぜひ今回の設計の無償化も含めて一歩前進はしましたけども、先ほど言いましたように、目標の立て方なんかも前回までこうだったからというのじゃなくて、やはり時代が変わったと思います。当然、予算を伴うわけですから大変なことだと思いますけども、何がポイントになるのかというところをしっかり見据えた対応をしていただいて、目標はもう立ててしまいましたので、これは何としても完遂して、あるいはこれを超えるような事業を展開していただきたいなと思っております。
　先ほど言いましたように、いい傾向として、平成18年度、平成22年度なんかは設計よりも施工した人の方が多い。ですから、これを繰り返していくことが早急に必要だなと思いますので、ぜひ戸別訪問なんかも丁寧にやっていただいて、事業を進めていっていただきたいなと、このように思います。これはお話だけさせていただきます。

　それから、リコールの件ですけども、「くらしのめ」に出していただいているというのは承知しました。ただ、そこを見てすぐにそのことをよく理解できるかというと、なかなかそこから次のステップがあったりして自分で調べなきゃならないというのもあります。写真を出すのかどうかわかりませんが、できたらもう少しわかりやすいような紙面構成にしていただいて、そういえばうちも忘れていたけど、似ているのがあるねというようなこととか、思い出すことによって初期の段階での防災ができると思いますので、ぜひそれもお願いしたいと思います。

　もう１つですが、交通事故の関係で、自発光式の反射材についてです。
　この前に、近隣の自治体で出前講座をやっていただきたいということで、静岡中央警察署にお願いしてやってもらったんですが、自発光式の反射材を買わなきゃならないと。当たり前かもしれませんが、何となく買わなきゃならないというところに非常に抵抗感があります。そこに集った方々は40人いらっしゃったんですが、街角で配っている風景があったもんですから、もらいたいよという話もあったそうでございます。
　この辺は当然、県警との関連になると思いますけども、自発光式反射材は、どこから見ても歩行者が見えますので非常にすばらしい。これが本当にキーワードになるというか、車あるいは自転車に対しては非常に視認性がいいもんですから、この辺の普及をどういうふうにしていくのか。無償だけがいいわけじゃありませんけども、できればそういう補助を自治体単位にやるとか、ちょっといろんなことを考えていただければと思いますが、いかがでしょうか。１点だけお聞きします。

○夏目くらし交通安全課長
　委員御指摘のとおり、自発光式反射材は、昨年からずっと普及を図っておりますけども、大変いいものだということは、お配りした方々からも御意見をいただいているところでございます。中には自治体単位で買おうかと言っていただいているところもございます。県のほうでもトラック協会さんを初め、交通安全に非常に多大なる協力をいただいている団体等もございまして、こういうところから御寄附をいただいたものをさまざまな場面で配布させていただいたりしております。
　今後もなるべく御協力いただける機関をふやしていきまして、そういうところからの御協力もいただきながら、なるべく配布できる形を考えていきたいと考えております。以上です。

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