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委員会会議録

委員会補足文書

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令和4年11月移住・定住等促進特別委員会
沖電気工業株式会社ソリューションシステム事業本部DX事業推進センター 課長 青野英夫氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/16/2022 会派名:


○青野参考人
 改めまして沖電気の青野と申します。本日は、長野県伊那市が地方創生アルカディア構想を打ち立てまして、その中の移住・定住の取組を弊社が行いました。この事例について御説明させていただきます。
 一般的に、今、世の中はネットワークとかDX、AI、いろいろデジタル変革がございますけれども、世界的にもSDGs、日本でいうとSmart−Cなど顕在化する社会課題について取り組んでおります。
 本事業につきましては、伊那市のビジョン策定から参画させていただきまして、いろいろ課題を掘り下げて一緒に考えさせていただきました。移住コーディネーターという移住者の方をつなぐ立場の方がいらっしゃいまして、そういった方から細かいヒアリングもさせていただいた課題など、この課題解決に取り組んだシステムについて御説明させていただきます。
 まず御存じない方もいらっしゃるかもしれないので、我々沖電気のグループの概要です。我々の会社は少し古い会社でございまして、明治14年、1881年に創業し、今ちょうど141年になります。従業員数にすると単独でも5,000名弱、連結で1万5000名でございます。もともとネットワークをやっていた会社ですので、その先進を生かしたところで今もやらせていただいています。
 主要事業ですけれども、創業以来、通信でやらせていただきまして、エベレストに登頂したときの無線機は弊社の製品が乗っていて、そこでトラブルがなかったという評価も昔はあって、ネットワークから光、電波といった技術からセンサー、足回りのデータ分析が我々の強みとなります。それを生かした防災や減災、次世代交通など、道路から空港、駅、旅行代理店などの発券機のシステム、店舗でいいますと現金処理機、工場でいうと生産性の向上のシステム、オフィス、銀行などをやっている会社でございます。
 私事になりますけれども、25年ぐらいずっと金融システムに携わっておりまして、それから自治体のお仕事にも携わらせていただきました。改めて見ると銀行だけではなく、全般的にやっている、社内にいたら見えないところが見えてきたところがありました。そのように幅広くやらせていただいているところでございます。
 社会インフラに目を向けまして、自治体にいろいろと御提供させていただいているシステムの御紹介でございます。
 防災やインフラにつきまして、総合防災とか河川監視というところで、昨今は異常気象で予期せぬところの水位が上がったりなど、そういったところをセンシングさせていただきまして、大きい川、一級河川につけるわけではなくて、一級河川に注ぎ込む支流にセンサーをつけまして、地域の方にもいち早く避難指示が出せるといったことをやっていたり、産業分野につきましては、エネルギーと書いてありますけれども、テレワークが昨今言われていますが、テレワークのシステムを御提供させていただいています。
 交通分野については、今はETC2という新しい取組など、後ほど御紹介させていただきますインテリジェント交通についてもやっているところです。
行政サービスでは、デジタル行政という取組も今させていただいているところと、あと消防、オフィスと幅広く生活を支えるところをテーマにやらせていただいています。
 いよいよ伊那市の取組を御紹介させていただきます。
 こちらは地域創生アルカディア構想というもので、伊那市が令和元年度に公募型のプロポーザルを実施されまして、我々が御提案させていただき取り組んだところです。事業目的につきましては、世の中的に言われている少子高齢化です。そこに歯止めを打ちたいという目的と、歯止めを打った上で人が集まってきたら、地域の皆様と円滑に暮らせるような、活性化できる地域づくりもしたい。それから継続的にやるためにはどういった仕組みをつくるか。移住者には来ていただきたい、人口も増やしたいというところがございましたけれども、やはり結婚とか出産とか子育て、こういった若い世代の方に住んでいただかないと、なかなか人口を支える基盤ができませんので、伊那市としては若い世代をターゲットに移住施策を打ちたいと。もちろんお年寄りの方とか引退された方などを受け入れないわけではないですけれども、力を入れるのはこの施策だというところで、我々はこの地域クラウドというところでチャットボット、スマホからできる簡単なものですけれども、そういった施策に携わらせていただいたところでございます。
 実際にこれをやる前に、課題を洗い出しまして、伊那市と膝を突き合わせていろいろ考えたのですが、やはり移住に対してのステップとしては、まず情報発信して、それから相談を行って、一遍来て体験してもらって、それから住まい、どこに住みますかというところと、あと仕事はどういうところがいいですかというところ、生活ということで定住と、こういったステップで考えていらっしゃいます。この情報発信の中で、実は伊那市のコンテンツはすごいしっかりされていて、ガイドブックであったり地域紹介冊子、地域の教科書という冊子もつくられてまして、あと動画もコンテンツとしてはあります。
 チャンネルとしては市のホームページやポータルサイト、SNS、ブログなどたくさんやられているんです。ただ、その中で効果があったものは何かというと、実は、いっぱい鉄砲を撃ったところもあって、コンテンツはたくさんあるけれども、伊那市以外の方に伊那市を知ってもらうといったプロモーションが不足しているところがあって、たくさんいいものはあるけれども、宝の持ち腐れになっているというお話を課題として上げさせていただきました。
 それから相談のところでいうと、電話相談が多かったんです。電話で相談をすると、職員はその対応をしないといけないので、移住コーディネーターが電話に出ずっぱりなど負担がすごく大きく、移住者はいろいろな御要望がありますので、メモ起こしが必要です。それを反映するためのバックヤードがないことを課題として上げさせていただきました。
 あと体験から雇用ですけれども、これも施策をたくさん打っているのです。例えば奨学金を借りている方が伊那市に10年間住んでもらったら、半分を伊那市が払います、といった魅力的な施策がたくさんあるのです。でもその施策がホームページのネストを深くまで行かないと情報が取れないといった課題がございました。手続は紙や電話での作業が多くて、移住者も大変だし、受け取る側も大変だといった課題がございました。
 生活についても、ホームページは先ほども申しましたとおり、なかなかネストが深くて、知りたい情報にすぐにたどり着けないといったことがあり、そうなってくると住民の皆さんも市に問い合わせの電話をするんです。そうすると対応が大変だといった課題がございまして、これを一個一個潰していきましょうとプロモーションをかけていきました。
 伊那市の悩みとしまして、伊那市を知ってもらわないといけないということに対して、自治体のアカウント周知は、SNSや市のウェブサイト、紙媒体が現実的な形だと思いました。というのは、メディアであったりウェブ、紙媒体その他ありますが、やはりメディアで露出するのが一番効果は高いわけです。
 伊那市は昔、山手線で中づり広告を出したことがあって、反応は大きかったんだけれども、えらい金がかかった。テレビなどのCMを打ったらものすごい金がかかる。効果はあるんだけれども、これはなかなか自治体ではできない。
 それでウェブについては、キャンペーンやスタンプなど、伊那市は皆さん御存じかと思いますが、King Gnuというバンドがありまして、彼らの出身が伊那市なんです。そういったところとタイアップして、パンフレットをつくったらどうですかと言ったんですが、そこは事務所を通さないといけないという弊害がありました。とすると、SNSから声かけなど地道な作業に対してはコストもかからないし、少しずつやっていくと、SNSも全国に広がって、みんなに知られていきますので、そういうところにまず注力しましょうと進めました。
 SNSを利用するけれども、どんなSNSを使ったらいいかというと、SNSにはツイッター、LINEなどいろいろありまして、まとめてSNSと書かせていただいておりますが、伊那市を知らない人も、伊那市を知っている人も、ハッシュタグとか相互フォローによる拡散は絶対にあるので、そういったところに絞ってやることは、全部を横並びにしても効果はありますよねと。不特定多数への拡散がありますので、これは効果絶大だろう。
 SNSを知ってもらうための周知に対してはどうするか。市のホームページでQRコードでも入れるとすると、市のホームページをそもそも訪問してくれないんだから効果がない。そうしたらSNSを使うけれども、手段として知ってもらうのは別出しで考えて、まず手段としてはSNSを使おうと、そこから絞っていこうという形で掘り下げました。
 そうすると、ちょうどLINE社が2019年にLINE Biz−Solutionsという、要は実際に法人と契約して、LINEのインターベースをもらうんですが、結構お金がかかるんです。ところがLINE公式アカウントは地方自治体向けに1個だけ無償化するプランを始められたんです。それではこれにのっかりますかという話で、LINEを使いましょうと。お年寄りの方でも若い方でも使われるツールなので、SNSについてはLINEを使おうと決定させていただきました。資料に書いてありますとおり、これは2019年の6月時点なので、今はLINE社でこの事業をやられているかどうかは分かりませんので、当時の話です。
 LINEだけでしゃべるよりも、チャットボットを入れましょうと、ここで初めてチャットボットというワードが出ました。チャットボットというのは、チャットとロボットを足し合わせた造語で、ユーザーの入力するテキストにロボットが回答するシステムでございます。
 回答が早いとか、一般的に24時間365日対応とか、場所を選ばないといったメリットがありますので、簡単なシステムにしましょうと、利用者がLINEで友達登録してもらって、伊那市の公式アカウントのメニューから自動対応していって、必要であれば職員につなぐといった形で進めさせていただきました。
 LINEには情報発信力と操作性があるので、移住者の情報収集にはこれが使えます。LINEにコンテンツを集約化し、一本化して発信しましょうということで集約していきました。
 人に相談しなくても問題解決できるので、先ほどの1から6のステップ、プロモーションなどもLINE一つでやるということで、イベントの情報やメディアへの掲載情報なども情報発信できる形にして、LINEから発信する。
 それから相談とか住まいにつきましても、適切に選択肢で誘導して、どうしても体験したいとか、こういうところも詳しく聞きたいという上澄みを絞った上で、移住コーディネーターへの電話になるので、見込みが高い形の対応ができる。何も分からないままいきなり電話して来られたんじゃなくて、やはり一旦こうして確度の高い人が電話をすることによって濃密な時間で電話数も減ってきたという効果もございました。
 LINEの手続上で体験などの申込みをすることで楽になるので、雇用についても広告企業への誘導で、伊那市との付き合いのある商工会議所などいろいろなところと連携されている。
 最後に、生活については、対話による質問対応で、ネストをホームページからずっとたどるわけではなくて、子育ての支援は何があるのかと聞いたら、これとこれですとか、ごみ出しで空き缶は燃えるごみなのかといえば燃えないごみですとか、そういったことにすぐに端的に回答ができ、改善されていくので、期待されるメリットがありました。
 移住者と市民向けにしたLINEサービスとして、チャットボットシステムで移住希望者向けと市民向けに情報発信を行う。ライフスタイル提案は昨年度やった取組でございまして、後ほどデモを御覧になっていただこうと思っています。
 続いてチャットボットの導入と成長というところで、どう考えてどうしたかでございます。皆様はLINEをお使いになられていてイメージもわくと思いますが、LINEに入ったところで伊那市とお友達登録してもらいます。そうすると、お友達登録ありがとうございますと、伊那市のゆるキャラのイーナちゃんがしゃべる。すると下側にメニューが出まして、ここからサービスがスタートします。
 移住・定住というボタンを押しますと、チャットボットで聞くのは2パターンあります。利用者の知りたいことへの誘導で、ホームページと同じやり方ですが、要はFAQ、絞り込みをしていきます。伊那市について何を知りたいですかというところで、自然や地理、名所や観光などいろいろ候補を出します。自然や地理を知りたいとボタンを押したら、その中で伊那市の標高を知りたいですかとか、天気や気候を知りたいですかと聞いていきます。伊那市の気候、標高といったら、伊那市は南アルプスの2,000メートルですと回答してくれる。こういった形で、興味があるカテゴリを提案していって、最後にその人が知りたいところに行き着くというやり方が一つです。
 もう1つは、利用者が知りたい情報をダイレクトに聞いて、それを検索し、回答します。例えば伊那市の子育て環境は、と聞いたら、伊那市は子育て世代にぴったりな田舎部門全国3位に5年連続で選ばれましたと紹介して、伊那市の子育て環境についてはこういうところがあると、詳しくはホームページへと誘導する。学校は幾つあるのかと聞くと、伊那市には小学校が何校、中学校が何校と回答して、特に伊那小は通知簿がない小学校ということでメディアにも取り上げられたことを出していく。
 最初は、候補を出しながら質問に回答する。慣れてきたらキーワード検索でやるといった方法で会話を進めるのがチャットボットでございます。
 役割分担ですが、伊那市には先ほど申し上げましたLINE社との契約をやっていただきまして、LINEとの接続については弊社がやらせていただきました。APサーバー基盤とはクラウドです。AWSといってアマゾンの基盤を使いまして、既存のホームページやヒアリング情報を取り込んで、チャットボットをつくりました。
 これは3年計画でやっておりまして、令和元年度からやらせていただいた取組でございます。令和元年度には、LINEとチャットボットの基盤を入れまして、移住希望者との対話を始めました。次の年が市民との対話ということで、各種手続の支援であったり、先ほど言ったごみ出しであったり、よく市民課や税務課、福祉課などに問合せが来る内容を全部詰め込みまして、市民の方にも使っていただくようにしております。
 令和3年度にやったのが移住ライフデザインです。移住者に対するライフデザインの提案ということで、質問を幾つか受けて、要は、保険に入るときに、あなたは独身ですかとか、あなたは病気を持っていますかとか、あなたの体重は何キロですかといった問診があって、あなたにお勧めなのはこういう保険ですよといったものです。そういったアンケート形式にしてお勧めを提案するというものがありますが、それと同じようなイメージです。今はどこに住んでいますか、質問はありますかと聞きながら、あなたにお勧めなのは伊那市で、住むのはこういうところです、といった御提案をする。ちょっと遊び感覚のところもありますが、そういったことを令和3年度にやらせていただきました。
 こちらはLINEだけではなくてウェブでもできるようになっておりまして、本日はウェブを使ったデモを見ていただこうと思っています。
 令和元年度に一番困ったのが、LINEを導入するのはいいのですが、先ほど申し上げましたとおり、伊那市を知ってもらわないといけない。伊那市の施策として、VRやARなどを撮って映像化していますが、映像を流すのもどこで流したらいいのかという課題もございました。銀座NAGANOというところがありまして、そこで伊那市のQRコードを入れさせてもらったりとか、あと新宿のバスターミナルである新宿バスタから伊那市直通のバスがあります。そこで伊那市の映像を流してもらって知ってもらうといった地道な活動もございまして、移住者の方に知ってもらう取組を行いました。
 我々としましては、AIで自動対話を実現しましょうということで、ワンストップ情報収集の仕組みを令和元年度に入れさせていただきました。次の年は、市民、定住者です。安心して暮らせる生活サービスの向上ということで、制度の話であったりとか、移住後の家賃補助なども含めて定住者に向けての項目と、市民のごみ出しとか日常の問合せを追加させていただきまして、簡単にイメージがつきやすいように最後に移住ライフデザインを入れさせていただきました。
 資料に地元企業との連携と書いています。システムを入れるのはいいのですが、サステナブルに使い続けるには保守や保障が必要です。令和4年度はログの取り方なども一緒にやらせていただきながら、来年度から伊那市で実施する予定で進めさせていただいております。
 事業のサイクルを回していくために、まずはLINEを活用することは決まりました。先ほど申しました銀座NAGANOでPRするなどして認知度を広める。AIを入れて、職員の問合せ対応の負荷を軽減することや、移住体験の希望者を面談に誘導するなど、見込みがある移住希望者を取り込んでいく。そうすると対話のレベルアップはやはり大事なところでございまして、チャットボットを使っていても御不満があったりとか、こういったところをやってほしいとかいう要望がいろいろあるわけです。
 具体的に言うと、LINEのチャットボットに伊那市に住んでいて出会いがないという意見がありましたが、チャットボット自体にはそのような項目がなく回答できませんでした。そこで、伊那市の施策として若者が出会いを広げる場をつくるといった新たな施策も立案できます。利用されている方の御要望がヒントになって施策も上がっていきますので、ログを取っていって、どうしても回答できなかったものについては、やはりFAQという知能部分を直していくとか、地道なところがあるんですけれども、こつこつ対応してサイクルを回していきました。
 対応のレベルアップ手法ですが、資料には改良点を見つけますと書いていますが、実際にはいい結果も悪い結果も全部ログを残しますので、その中で悪い結果はやはり回答できなかったものです。それで不満があるとか、要望があるとか、そういったところを拾って、オントロジーと言っています知の部分、AIの知の部分でして、正体はエクセルです。このエクセルの中で、答えられなかった意見はこう改良しましょうとか、こういった御要望があったところは別の施策でやりましょうと、そういう振り分けを市役所でやられまして、チャットボットは答えられなかったものを中心に直していくといった、地道なところがあります。
 AIにつきましてもいろいろなAIがありまして、ビックデータから取ってきて自動で生成するところもあるんですけれども、自治体のオフィシャルのところで、例えば世の中に悪いやつは絶対にいまして、伊那市は嫌だ、伊那市はろくなところじゃないとアタックするやつがいるんです。それがある程度の基準値、水位を超えましたら、自動生成するAIだったら伊那市はろくなところじゃないと学習するんです。そうすると伊那市に行きたいと言ったら、いやいや来ないほうがいいよと回答してしまい、非常に信頼を失します。だからそういうことには配慮していかないといけません。配慮の仕方というと、受信していたら1つ1つ見て、これは無視しようとか対応していくことが、このオントロジーの特性でございます。ややこしく考えることではなくて、エクセルで簡単に集積、解析、生成できるところはプログラムを作ってオントロジーに落とすんですけれども、入り口はエクセルで誰でも直せる形にしております。直しやすい形のAIを選定して、弊社のLadadie(ラダディ)というAIを使って実施したところでございます。
 チャットボットシステムの効果ですが、住民への情報発信力があります。コロナ禍において地元出身で都会に行かれている大学生向けに、伊那市で有名な伊那米5キロと野菜各種の生活支援をしますといった学生を支援する政策があって、これを市民報や市のホームページで呼びかけました。しかし、反応が薄くて、いつまでやっても来ない。市のホームページなどは多分見ないんです。ところがチャットボットの友達登録をしている方にこの情報を発信したら、大学生で友達登録している人もいたかもしれないですが、その親であったり友達であったり、あるいは後輩や先輩などが今こんなのをやってるぞといって、自分が知っている人に別の手段で教えてあげる。そうするとその対象者はこんな得があるんだったら欲しいと友達登録して、それで支援をお願いしますということになる。そうしたら反響が大きくて、やはり市役所としたら、大学生の方たちの父兄や親などからありがとうと、やって得することはやはりうれしい。そういったところでやはり市役所や自治体の皆さんもそうだと思いますけれども、住民からありがとうという声があったらやはり励みになるので、とても満足しているという御評価をいただきました。
 それからやはりコロナワクチンです。接種会場が伊那地区の人はここ、この地区の人はここ、何時から何時まで、これを持ってきてくださいという案内をかけました。そうすると早めに段取りができ、いつ行ったらいいかが分かるし予定も立つということで、効果がありました。
 移住者に対しては、銀座NAGANOなどでいろいろな施策をしたんですが、令和元年の友達数が移住希望者だけだったので、300人から400人でした。やはり少ないと思っていたら、ちょうど令和2年4月にコロナがあり、市役所にコロナの問合せが激増したんです。これは大変だなということで、LINEを市民の方にも周知して、ここで問合せができますといったら一気に4,000人ぐらいになりまして、人口7万人弱のうち4,000人ぐらいが友達、ほとんどが市民の方と思うんですが、今は多分5,000人近くになっていると思います。友達数が増えて、そこから広がっていきました。
 他人に相談しなくても問題解決が図れる。これがチャットボットの特性と申しますか、AIの特性でもございますけれども、引っ越しされた方や移住者の方など知り合いが乏しい方、移住者の方ももともとチャットボットを知っていて手続の案内などを誰かに聞くこともなく、知り合いはいないけれども負担なく情報が取れたので、これは楽だったという御評価をいただいたようです。そういったところはチャットボットの特性としてすごくいい効果が現れたと思っています。
 小さい文字で申し訳ありませんが、令和2年3月に伊那市と共同でプレスリリースさせていただいたもので、チャットボットの実証実験を開始しましたというものでございます。これまで見ていただいたところを報道関係にプレスを打ちました。
 最後に移住ライフデザインです。先ほど概要は少しお話しさせていただいたのですが、これは移住希望者に対して簡単な問診を行って、その方に伊那市で住むのにはこんなプランがいいですよとAIが自動診断して提案するものでございます。
 質問項目は簡単で、6項目つくっておりまして、年齢は幾つですか。家族構成を教えてください。この2つは選択式で打ってもらいます。3番の現在の生活で不満はありますかというところに対しては自由記述で書いてもらいまして、伊那市での暮らしや希望、イメージはありますか。お子さんがいらっしゃる方には子育てはありますかと聞いています。もちろんイメージはあるんでしょうけれども、何を答えたらいいのか分からないところもありますので、記入例として、おいしい水とか食べ物、空気の中で過ごしたい、伸び伸びと学ばせたいなど、誘導するような例を出して自由記述してもらいます。
 それからやはり住まいです。どんな住まいがお望みですかというところで、空き家を利用したいとか、安いところに住みたいなど。伊那市で希望する仕事はありますかといえば、起業もしたいし農業もしたい。今の仕事も続けたいなど自由記述していただきます。するとお勧めプランを出す。もちろん何もない方についてはお勧めプランがないので一般的なことを回答して、キーワードが拾ったところに対しては、あなたへのお勧めはこうですとAIが選定するものでございます。
 プランの例としまして、アルプスを眺めながら景観のいいところで暮らせますよと、伊那市は南アルプス、中央アルプスに囲まれていますので、自分の市の特性とかプロフィールも言いながら、こういったところはどうですかと提案します。あとは住まいです。大きく暮らしと住まいと仕事と子育てという4つのカテゴリに分けて回答するようにしています。リノベーションとかDIYを楽しみたい方はこういったところがお勧めですとか、仕事に対しては、今あるスキルを生かしたいというところがありましたら、そのスキルを生かして、伊那市にはワーキングスペースも何カ所かあって、そこを拠点にすることもできますとか、ワーケーションをやられている移住者の体験談のリンクを貼っていく。
 子育てについては、こういったところに住むのはどうですかといった形で4つのカテゴリを出して、お勧めするものでございます。
ここからは、どんな感じなのかをお見せしたいと思います。これは伊那市のホームページでございまして、移住というボタンを押して、ネストが少し深くなってしまったのですが、ここに移住ライフデザインがございまして、ここでボタンを押したら診断が始まります。
 まず試しに入れて見ます。あなたの年齢は何歳ですか、僕のパターンで入れさせてもらって50代ですと入力します。どのような家族構成ですか、子供はいますが大きくなって、15歳未満の子供はいませんと書きます。今はどんなところが不満ですか、例えば今の環境では自然が少ないと入力しまして、もし伊那市に住めたらどんなことをしたいですか、私は趣味として魚釣りが好きなので、釣りをしたいですと書きます。どんなところに住みたいですか、古民家もあるけど空き家を利用してみたい。もし伊那市にしたらどんな仕事をしたいですか、ラーメン屋をしたい。
すると、どのように診断するかというと、まず暮らしについてはアウトドアを勧められました。これは何かというと、自然が少ないというところと魚釣りがしたいというところで、この人は外でアクティブに遊びたい人なんだなと判断したものです。アウトドアのスポーツはここだったらこんなことができるんだというところでボタンを押したら、アウトドアが好きな移住者がどんな暮らしなのか、遊び心で生活できるという体験談が見えて、山遊びではこんなのができるとか、誰かが助けてくれるとか、写真もあってイメージできます。
 住まいについては、ダイレクトに空き家と言ったので、空き家にも古民家もたくさんあるので、古民家の空き家もありますよと回答しています。年月を重ねた木のぬくもりとか、本当の古民家が多くて100年、200年たった家とかもあるんです。それと空き家バンクに頼むんだったらここですよとか、古民家をリノベーションしたIターンした方とかが紹介されています。
 伊那市で生活するきっかけはこうですよ。実家との環境の違いはこうですよ。今大切に思ったことはこうですよ。働き方もこのようにやっていて、古民家についてはこのように再生しましたとお見せする。この方の本当の生活スタイルが出て、動画も掲載して紹介していく。
 次は仕事です。ラーメン屋と入れましたので、起業はどうですかとお勧めする。
 子育てはなかったので、一般的なところを回答する。
 もうひとつ違う例でやってみます。あなたは何歳ですか、30代です。子供もいますと入力します。現在の生活で不満はありますか、自然がないと先ほどと同じように回答します。伊那市はどういうイメージですか、いい景色を眺めながら暮らしたいという希望を書きまして、どんなところに住みたいですか、広い土地を買って庭つきの家を建てたいと希望を出します。それで仕事は農業としたら、今度はどういう診断になるかというと、先ほど1回目は今の生活の不満は自然がないと、それで魚釣りがしたいですというキーワードを拾って、アウトドアだったんですけれども、今回の場合はいい景色を眺めながら暮らしたいという希望があるので、この方には同じ自然がないという不満はあるけれども、雄大な山が眺められる生活はいかがでしょうと提案する形に少し変わっています。
 AIもデータがたまりますので、今あるデータだったら、その回答のパターンは、昨日はこうだったから今日は必ずこうということはないんです。
 さきの自然の雄大な眺めというところで、豊かな住まいについては家庭菜園、庭つきと書いてますので、家庭菜園を楽しみながら暮らしたいという形はどうですかと提案しています。
 あと米づくりと書いたので就農されませんかといった御提案を出して、就農サイトがありますので、ここを詳しく見ていただいたら、施策が出ています。冒頭で申し上げましたいろいろな施策はあるけれども、ホームページの何層のネストまで行かないとここにたどり着けないのが、就農に興味を持っている方にぽんと回答して、就農の支援はこうですよとぽんと押したらすぐそこに行けるようになったので、回答してもらいたいところからすぐに回答がある、自分が知りたい情報が得られる形になりました。
 最後にこちらです。今年7月20日に移住ライフデザインの運用開始という記者会見を市長がされまして、弊社が報道機関宛てにプレスしたものでございます。
 もう1つ、インテリジェント交通という交通についても伊那市と一緒にやっていますので、簡単に御紹介させていただきます。
 高速バスと路線バスにLocoMobi(ロコモビ)という車載器を載せまして、今どこを走っているかが分かるようにするものです。
 高速バスは、コロナのときは2時間に1本、大体は1時間に1本帰ってきました。帰省される方が東京へ行ってよく使われる路線でございまして、何が困りごとかというと、若干到着時刻が狂うときがあるんです。早めに着いたりとか遅く着いたりとか。そうするとやはり帰省されている大学生の方などは家の方が車で迎えにいくと、えらく早く着いたからまだ迎えに来なかったとか、遅く帰ったからずっと待っていたとかいうことがあるので、そういった方にも、今どこを走っていて、何時ぐらいにこのバス停に着きますよという情報を出すものでございます。これが高速バスのほうです。
 それでもう1つの路線バスにつきましては、イーナちゃんバスというバスが市街をぐるっと40分ぐらいかけて1周していて、20分に一遍ぐらい内回りと外回りと出ています。1時間に2本から3本出ていて、昔みたいにここがバス停ですということじゃなくて、ただ民家の前にバス停があります。バス停まで行くときに、早くなる時はどこかで調整するんでしょうが、少し遅れることもあります。なので買い物に行くとか、病院へ通院する方が使うときに、バス停の前で10分ぐらい待たされたとか。バス停もかちっとしたバス停ではないところもあるので、どんどんと車が通るようなところだったら危ないので、今内回りはどこを走っています、外回りはどこを走っています、バス停へ行ったら何分ぐらいの到着ですとすぐ分かるようになる実証実験でございます。
 これはQRコードを市民の方にも配布しているんですけれども、簡単にQRコードから取って、それでロコモビにバスの運行状況が出ていて、高速バスの場合は今は下りしかないので、下りのところで今何時何分に三鷹を出ましたとか、箕輪出ましたとか、伊那バスターミナルには何分着ですと出してあげる。市街地の循環バスにつきましては、先ほど言った内回り、外回りで、今はどこを走ってますというのが視覚的に出せるようにする。そういった形の実験を今やっております。
 私の説明としては以上でございます。御清聴ありがとうございました。

○盛月委員長
 青野様、ありがとうございました。
 以上で、青野様からの御説明は終わりました。
 これより、質疑に入ります。
 委員の皆様にお願いいたします。質問は一問一答方式でお願いいたします。
 それでは、御質問、御意見等がございます方は挙手をいただき御発言願います。

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