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委員会会議録

委員会補足文書

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平成25年11月富士山保全・活用特別委員会
参考人の意見陳述 公益社団法人静岡県観光協会 専務理事 太田忠四郎氏、しずおかツーリズムコーディネーター チーフ 今井利昭氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/26/2013 会派名:


○太田忠四郎氏
 皆さん、おはようございます。観光協会専務理事の太田です。私はこの4月から、就任いたしましたが、まだ不慣れですので、私なりの考え方と言いますか、富士山を生かした観光施策についての基本的な考え方を述べさせていただいて、詳しくはしずおかツーリズムコーディネーターの今井からお話させていただきます。
 まず、1つ目は「富士山いきいき」についてお話しさせていただきますが、私は考え方で基本的に、今までもそうですが、「四つのいき」という考え方を打ち出しております。その中にいろいろな事業を展開してまいりました。
 まず、「生かされ生きる」ということですが、先週の土曜日、今週の日曜日、私は駿河湾フェリーの船に乗りまして伊豆へ行ってまいりました。けさも富士山がしっかりと見えましたので、これもありがたいなというふうに思っております。
 経歴にも書かせていただきましたが、袋井市観光協会の会長を9年間やらせていただいてまいりました。袋井駅の前に、御存じの方もあろうかと思いますが、正岡子規の句「冬枯の中に家居や村一つ」という句があります。それが縁で、司馬遼太郎の坂の上の雲の朗読会の交流がありまして、愛媛県から8名の、私と大体同じぐらいの年齢の方がおみえになりまして、御婦人方ですが、袋井で朗読会を終わり、袋井に家康ゆかりの可睡斎というお寺があります。そこにお泊まりいただいて、次の朝にどこに行きたいですかと聞きましたら、富士山を見たいということでしたので、小笠山総合運動公園の架線のない空間があります。そこにお連れしまして、一緒に富士山を見ました。可睡斎を出るときには雲がちょっとあったのですが、そこに行ったら見事に富士山が見えまして、彼女たちは涙をぼろぼろ流しました。私、何か失礼をしてしまったかなと思いましたら、私たちは松山から来ましたが、今まで富士山は飛行機から、それから新幹線の中、列車の中等からしか見たことがないと。自分の足をつけて、この日本の象徴である富士山を見させてもらったのは初めてだということで、非常に感動しておりました。私は袋井の生まれですので、富士山を小さいころから見ております。富士山好きでしたので、通るたびに写真を撮らせてもらったり、拝ませていただいたりしておりました。そういう中で、第一に、この静岡県の人たちは富士山と対面できるということは、これすばらしいことだと私は思います。そういう中で松山の人たちが涙を流したということです。
 そして、「わたしの富士山」ですが、先生方皆さん、静岡県の御出身の方と思いますが、子どものころから富士山の、「わたしの富士山」「ぼくの富士山」というのは恐らく描いておられたと思います。当協会のメンバーに、描いてもらいました。佐野の出身は富士宮です。私は袋井ですので西なのですね。西からは、ここに宝永山が入っています。あと2人は静岡の出身の富士山です。議会事務局へ「わたしの富士山」の白紙が渡してあるので、それを描いていただけると大変ありがたいと、このように思います。
 それでおもしろいのは、リンというこの台湾出身の女性が私どもの中におりますが、これ三角なのです。ピラミッド型なのですが、私どもはこう裾野の広がった、海越しの富士というか、こちらから見る富士山、非常にきれいですね。そういうことで、それぞれこれで、静岡県のどこの出身かというのが大体推測できるわけです。子どもたちもぜひ描いていただいたらなと思っております。
 それで、「生かされ生きる」ということですが、これは私ども静岡県に生まれて静岡県で育ってきました。私も両親があって生まれてきましたが、生まれてきたことに、ことし70歳になりますが、生んでいただいたことには感謝しております。その中で、もし私に何かお役に立てることがあったら、生かされて生きていきたいなということで、私は40歳のときに強く感じましたので、今、観光の世界へ入りましたが、ものづくりの世界からこの世界へ入りましたので、発想は同じかなというふうに思って、今、やらせていただいております。
 それから、2つ目は「持ち味を活かす」。先生方もそれぞれ、大変失礼ですが、それぞれ持ち味があろうかと思います。これは、「わたしのまちの富士山」ということで、1つの案ですが、静岡県は23市12町、それから県がありますので、全部で36になりますので、「富獄三十六景」というか、「わたしのまちの富士山」ということで、それぞれの町で生かして、富士山を生かしていただければいいのかなということです。地図を見ていただくと、富士山ここにありますが、ほとんど、全部の市町と言っていいと思いますが、富士山が見えます。ここが富士山ですが、それぞれ緑に塗ってあるところは1,000メートル以上の山がありますので、例えば私の近くの森町では、大日山の上から見えますし、特にこの近いとこですね、下田ですと、この寝姿山から見えるということです。大体この全部の市町から富士山見えますので、これを生かして、絵にしても写真にしても、それぞれ文化や伝統やいろいろなものがありますが、そういう中でいろいろな生かし方があるのかなというふうに私は思っています。観光協会がどういうことをやっているかということは、今井のほうから説明させますので、先に進ませていただきます。
 それから、3つ目は「粋を形に」ですが、私はものづくり人ですので、約55年ぐらいものづくりをしてきましたが、静岡県にはいっぱいすばらしいものがあります。先ほど言いましたように、伊豆は私も、今月2回行かせていただきましたが、よく見てみますと私の知らない、いいところがたくさんあります。やはり、ないものねだりではなくて、あるものをもう一度しっかり見ると、しっかり知るというところから、その地域をもう一度見直すというところから、やはり私どもの観光はやっていかなくてはいけないのかなということです。地域を知るということで私どもの観光をやって、新しい発見をしていきたいと思っています。そういう中で、観光商品の造成と書きましたが、これはいいものあるなというだけでは何もなりませんので、これをやはり形にしていくと、商品にしていくと、観光商品の造成をしてそして知らせるということで、知っていただくということです。知っていただかないとなかなか来ていただけませんので、私も観光キャンペーンで北海道へ何回か行かせていただいたことがありますが、北海道の方、それからいろいろな就航先の方、静岡県はまだ御存じありません。こちらでそれなりの商品をつくってしっかり発信する、やはりそれが大事なことだなと思います。
 まずは、いい本物の商品をつくって、知らせるということが大事かなと。そして皆さんに来ていただいたら、オリンピックのこの前のではありませんが、おもてなしということです。私はホット観光と言っているのですが、「ほ」は本物で感動させると。「つ」は積み重ねて後継者を育成すると。「と」は徳を積んで健全経営というか、経営する人たちがやはり黒字になっていただいて数字が合うように、それを仕掛けるということが大事かなというふうに思っています。
 そして、来ていただいた方におもてなしをしっかりすると、いいなと、これは五感と心で感じていただいて、また静岡へ行こうと、またあの人に会いたい、あれをいただこうという、そういうことを感動を与えてそして来ていただくと。これは合っているかどうかわかりませんが、私は最終的にはファンとリピーターをつくる、これしかないかなというふうに思っていますので、そういう積み重ねを県の観光部局の人も、私もやっていきたいなというふうに思っています。もう1つは少子化ですので、やはり繰り返し来ていただく。そのためには本物のいい商品を発信すると。これは富士山も全く同じですが、そういう富士山の持っているものをやはり生かさせていただいて、しっかり発信するということかなというふうに私は思います。
 それで具体的に、事例と書きましたが、これはもう先生方御存じだと思いますが、NHK共催の富士山の写真展をやらせていただきました。そして写真のカレンダーもつくりました。
 それから、郵便局で富士山の切手オリジナルパックをつくっていただきました。こういう切手が発行されました。これは私どもの観光協会の写真を提供して、つくっていただきました。
 それから、富士山の日に、これは実際私がやった事例ですけれども、「親子観光名所めぐり」というのをもう15年ぐらいやってきました。その中で、ことしは2月23日に「僕と私の富士山貯金箱づくり」というのをやって、子どもたちがつくった富士山が、こういうことで私たちは静岡県の子どもなのだ、私の富士山というのを、そんな体験を一緒にやらせていただいて、自分の色を塗ったり、チラシを張ったりしてつくっていただきました。楽しみながら親子で体験していただきました。
 それから、就航先の先ほど言ったキャンペーン、それからハローナビ静岡、これは観光協会のホームページですが、これにも富士山をテーマにしたものを幾つか載せて、発信しております。
 それから、各種イベントにも参加して、たすきをつけて、富士山のPRをさせていただいております。
 それから、海外セールス活動や商談会。ファムトリップですが、11月21日の静岡新聞ですが、自然体験型旅行の商品化をさせていただいて、観光協会で立案して観光協会で商品化した初めての商品ですが、やはりいいものを生かして、その地域の人たちと一緒になって商品化をしていくということを、これは具体的に先日やらせていただきました。
 その次のページに、韓国市場アウトドアー商品造成、一例ですが、これは観光協会で全体的な音頭をとって、旅行商品をつくっていくときに、それぞれの体験、提供する施設とか、それから飲食、宿泊、NPO、通訳士の方、それから地元の観光協会の方と連携して、1つの町だけで何かをつくっていくというだけではなくて、今回の場合は富士山のふもとと、それから伊豆の狩野川を下るカヤック、そういうものをやらせていただきました。
 これからの観光のあり方と、富士山を生かしていくにも、それぞれの町の商品化も大事なのですけれども、エリアとして、地域としてやはり観光をつくっていくということが、これからのやり方の1つかなというふうに思って、こういう試みをやっています。
 それから、富士山のPRグッズの活用ですが、これもいろいろなものをつくらせていただいておりますので、あとで商品のほうをごらんになっていただければというふうに思います。
 それから、観光商品造成については、今井のほうであとで説明させます。
 実例の一部ですけれども、そういうことを積み重ねながら商品をつくり、発信をしていくということを積み重ねて今やっておるところです。
 そして最後に、「意気に感じ意気を注ぐ」ですが、これはちょっと乱暴な形で大変恐縮ですが、私も遠州人ですので、やらまいかというか、県民の皆さんで富士山の保全と活用をやはりやっていかなくてはいけないなという中で、これはふじさん部というのが民間の新聞社と一体となって、今、「まなぼう!まもろう!いかそう!」ということで、子どもたちに、富士山の大切さ、富士山をどうやって生かしていくか、大事なことは富士山を学ぶということですね。そういうことから始めて進めていきたいなというふうに思って、今、一緒に取り組んでいるところです。
 ちょっと長くなりましたが、これで終わらせていただきますが、いずれにしても世界遺産の登録はゴールではなくて、やはり富士山を守って生かしていくということの私どもはスタートと思いまして、今お話ししましたような形の基本的な考え方で進めてまいりたいと、どうもありがとうございました。

○小長井委員長
 ありがとうございました。
 以上で太田様からの意見陳述は終わりました。
 引き続きまして、今井様、よろしくお願いいたします。

○今井利昭氏
 皆様、こんにちは。
 静岡県観光協会でしずおかツーリズムコーディネーターをしております今井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
 皆さんのところに資料を一応おつくりして、パワーポイントを使わなくてもいいように一応してございますので、資料と両方見ながら、見ていただきたいと思います。
 私の仕事は国内就航先及び大都市圏の旅行会社のセールスプロモーションを業務としております。お手元に資料をお配りしておりますが、日ごろより行っております本県の誘客活動を中心に、当委員会の調査事項につきまして御提案をさせていただきたいと思います。
 先生方も御存じのとおり、世界遺産登録後の静岡経済研究所の調査資料により、世界遺産の効果は限定的だと報告されています。6月から8月の短期間で富士山を語ることは難しいことではありますが、周辺の経済波及効果は大きなものがあり、さらに富士山の潜在的な価値観の非経済的効果は100億円以上というふうに記されています。まことにそのとおりだと思います。今後は環境保全と観光振興の両立が求められるということが記されております。
 これ新聞記事の切り抜きでございますけれども、旅行のウェブ販売をしておりますネット販売の楽天トラベル予約サイト情報記事では、世界遺産登録直前と5カ月後の予約状況が変化していると、こういう状況がわかっております。登録直後は富士山周辺の予約が一気に伸びまして、一部の観光事業者は全部山梨県にお客さんが行ってしまうのではないかというような発言がございましたが、確かに旅行会社のツアー内容を見ますと、山梨県に宿泊するケースがたくさんございました。夏山登山を含め、本県は富士山周辺に宿泊施設が圧倒的に少ないことが理由でございますが、秋の旅行シーズンを迎えますと、富士山周辺より県中部や西伊豆への宿泊プランが随分伸びてまいりました。構成資産の三保松原効果とともに、駿河湾フェリーの半額キャンペーンの効果も大きく、西伊豆と県中部を結ぶルートは好調な状況でございます。先週、ここのフェリー会社の顧問と会いましたけれども、10月1カ月の貸切バスの実績がなんと800台も乗ったそうでございます。また、関西地方の方はとにかく富士山が大好きでございまして、JTBを初め多くの旅行会社が本県向けのツアーを手がけているところでございます。
 今、ごらんいただいておりますのは、皆様のお手元にもJTB日本の旬富士のくにというパンフレットが1部お手元にございますので、後でごらんいただきたいと思いますが、10月以降の旅行各社の富士山特集で本県を紹介しております。JTBは、10月から来年の3月まで6カ月間、全国の支店でこういうキャンペーンを展開中でございます。
 それから、右上のほうにあるクラブツーリズムでございますが、約30万人の会員誌を発行している会社でございまして、ここには静岡県をくまなく紹介しております。このところをちょっとごらんいただけないかと思いますけれども、左下のほうには旅行プランが載っておりまして、土肥温泉へ宿泊するプランを提案しております。さらにその下はJR九州旅三昧の会員誌用のチラシ、パンフレットでございまして、ここにも日本平ホテルに宿泊するというような旬の旅行を掲載して、お客様を静岡県に連れてこようというような内容になっております。
 そちらのほうに黄色いファイルをつくりまして、全国から、あるいはこの県外から、静岡県へお客様を連れてこようという旅行会社のパンフレットをとじてございます。皆さん全員にセットすればよろしいのですけれども、とても資料が集まりませんでしたので、後でまたどんなツアーがあるのか、ごらんいただきたいと思います。
 それから、皆さんの手元の資料ページ34から後ろのページ4ページにわたりまして、6月に開かれました東京商談会以降の大都市圏、東京、それから名古屋、大阪、さらには就航先の世界遺産関連の旅行商品がどんなぐあいに造成されているか、一覧表にしてございます。ふだんの年の10倍ぐらいの取り組みと私は感じておりますけれども、相当数の旅行エージェントが世界遺産の取り組みをしているところでございます。
 富士山を生かした観光振興、そして保全について提案をさせていただきます。受け入れ側としての施策は、本県がどれだけ富士山の恵みの恩恵にあずかっているか、これを感謝しながら生かすことを考える観光振興が大切だと思っております。
 ここにごらんいただいておりますのは、中日本高速道路――NEXCOが出版しました企業情報、「N Drive」の編集に私もかかわりました関係で、富士山のかかわりをまとめてみました。それぞれのテーマに沿ったキーワードで、富士山を生かしていくことを提案申し上げます。これは後から出てきます構成資産以外への誘導策でもございます。富士山は夏だけの山ではありません。1年を通してさまざまな形で人を呼ぶことができるのです。
 ここにございますふじの女と書いてありますけれども、「ひと」と読んでもいいと思いますが、女性の視点で富士山の魅力を体感する企画や、県こども未来局が手がけたエンゼルパワースポット、11月の末にエンゼルパワー街道というのが冊子で発表されております。こういったものを組み合わせた企画など、富士山の力を借りた施策が世界遺産の構成資産よりももっと身近に富士山を感じ、保全活動にもつながっていくと思います。
 この一番上にふじの男で紹介している實川欣伸さんは71歳、沼津市の方でございますが、現在、強力が記録しました富士山登頂1,672回に挑戦中でございまして、恐らくもう1,500回以上いっていると思います。1日平気で2回登ります。先週の土曜日にも、私が御殿場口に富士山観光のファンを御案内しましたら、この實川さんの車が置いてありまして、御殿場口から山頂へ行っているなとわかった次第でございます。静岡県側から登る富士山のすばらしさをいつも語ってくれます。夏は登山ガイドをやってくださっていまして、富士山はやはり静岡県の強い強い発信者だなと、私は1人思っています。
 次に、富士山に対するこの意識でございますが、もうこれは見る対象として強く意識されているわけであります。きょうも大変いい富士山が見えておりますが、富士山が見えるということは、イコール高い満足感につながるわけでございます。そういったことで、構成資産以外への誘導策の一番手は県下全体の富士山ビュースポットの深掘りだと私は思います。
 皆さんに、あとで説明しますけれども、もう1つ資料、お配りしております。駿河湾富嶽三十六景の企画は、駿河湾を結ぶ関係10市町が選んでいただいた我が町の自慢の富士山でございます。富士山をキーワードに冠をつけてビューポイントをコンテンツに、町の自慢づくりを提案申し上げます。
 例えば峠越しの富士山、鉄道沿線駅舎からの富士山、高層ビルディングからの富士山、県庁の21階のあの別館の展望台からの富士山もなかなか見事でございまして、実は本当は観光スポットと私は思っております。花畑越しの富士山、あるいは水田越しの富士山など、本県全体がかかわることのできるテーマになると思います。富士山ビューポイントを探すラリーツアーもできるのではないかと、こんなふうに思っております。
 また、下に書いております県の事業でございまして、ちょっと私も参画しましたけれども、ぐるり富士・伊豆桜道、過去にこういった事業を展開しておりましたが、ジオパークの伊豆半島から富士山山麓地域の高低差は桜を1月から5月まで楽しめるエリアでございます。早春の伊豆から初夏の富士山まで、桜やツツジなどの花をテーマにした取り組みが可能かと思います。
 さきの調査で、山梨県側と比べますと、富士山周辺の公共交通アクセスはいまひとつと思われます。夏のシーズン、9月末を終わると、富士山スカイラインの5合目は、土日以外路線バスは運行されません。このため、自家用車の利用が主力となり、特に20代から30代の増加が目立ったという調査結果が報告されます。このことを踏まえまして、トヨタ自動車が運営するドライブナビ、「GAZOO.com」のお勧めドライブルートに、構成資産及びその周辺の観光情報を掲載し、音声ナビでの取り上げを提案しております。音声ナビはバスガイド口調のもので、ちょっとしたバス旅行気分で画像ネットワークシステムにより端末でメンテナンスが可能なシステムでございます。富士山構成資産のガイドの代用として活用が可能ではないかと思っております。既に高速道路のインターチェンジからドライブルートガイドがリリースされておりまして、ここにございますように、絶景の富士を眺め、潮風を受け、海と山を感じるドライブへと、こういうタイトルで、三保の構成資産地域の情報をガイド口調で案内をしてくれております。
 それから、既に観光政策課より富士山トレイルルートが発表されておりまして、マスコミも取り上げておりますが、このルートは富士山の暮らしと文化、そこに住む人々と旅人のコミュニケーションの道でございます。歩行者にとっての歩き道としては少し危険な場所もございまして、安全快適な歩き道の確保、歩行者サービスの施設、車からおりて歩く仕組みづくり、利用者のマナー問題を含めた情報提供支援を早急に取り組む必要があるかと考えております。
 次に、夏山富士登山についてでございます。
 私は21年連続で夏山富士登山をしております。ことし71歳になりますけれども、浅間神社山頂の奥宮で高齢者記帳ができるようになりまして、しております。ことしの分はまだ報告書が届いておりませんが、昨年の記帳者は1,556名ございました。一番高齢者が登った県は我が県ではなくて神奈川県です。その次が東京都、3番目が本県で118名の、70歳、数えで70歳以上なのですけれども、結構登っております。一番の高齢者は広島県出身の94歳の男性でございました。ことしの記帳者はまだ集計中でございまして、私、浅間神社にちょっと電話を入れまして、もうそろそろ出るのではないかと言いましたら、ちょっとデータを教えてくれました。決定ではないのですけれども、去年よりふえていまして、約1,700名弱ぐらいになるのではないかと、富士山本宮浅間神社の事務所は言っておりました。ちなみに、トップは、昨年と同じ神奈川県、次が東京都なのですけれども、3番目、本県ではないのですよね。関西からいっぱい来ているのですよ。大阪府なのですよね。4番目が本県でございまして、5番目が愛知県なのですよね。私は久能山が国宝になったときも、静岡周辺の人がもう一気に駆けつけたものですから、ことしもそれはもう断トツになるのではないかと思ったのですけれども、ちょっと予想が裏切られました。混んでいるからちょっと遠慮したかもしれません。来年こそはトップになってほしい、そうならないと静岡県の富士山ではなくなってしまうような気がいたすところでございます。
 こういったちょっとしたデータでございますけれども、結構貴重なデータになっております。正式には12月に私の手元に届きますから、また正確にお伝えしたいと思います。
 私はことしは7月に登りましたけれども、特にことしの富士山は若い人が大変目立ちまして、特に女性が目立ちましたね。30人ぐらいのパーティでは、女性が大体5分の3ぐらいから5分の4ぐらいいまして、男性が後ろのほうにちょっとくっついているというふうな感じで、女性のこういう世界遺産登録とか、そういうものの感性の鋭さに感服した次第でございます。
 この景観を生かしまして、多くの人に富士山を体感していただこうと、その山頂までの登山でなくても、十分に足の裏が覚える富士山を提案しております。旅の途中での富士山体験は、スカイライン5合目から6合目の山小屋までのルートに、10月に沖縄の宮古島からのツアーがまいりました。宮古島市長もまいりましたけれども、この皆さんに雨の中を体験してもらいましたけれども、感動していましたね。これが富士山かと。宮古島には500メートルの山もないよねと言っていましたけれども、本当に足の裏が覚えていただいたものだったと思います。天候さえよければ、旅の服装で1時間か1時間半ぐらいゆっくり往復すれば、足元を気をつけながら登っていただくと、もう満足度抜群でございまして、特に海外のお客様にはお勧めのコースと私は思っております。須走口5合目からの小富士や幻の滝などもやはり短時間で行ってこられますので、旅の途中の御案内、体験にはちょうどよろしいかと思います。
 さらに宝永火口トレッキングは富士山観光交流ビューローが、本格的に富士山体験ツアーとして今現在売り込みをしているところでございます。
 次のページは、ことし静岡空港を利用した九州からの2泊3日の富士山ツアーのモデルコースでございますが、ほとんど羽田経由の山梨県吉田口からのツアーが主流でございますが、少しずつ売り込みした結果、ごらんのような静岡からのツアーもふえておりまして、静岡県中部とかあるいは伊豆へ泊まるお客さまも出ているところでございます。
 次に13ページから15ページは富士山登山の課題として提案してございます。最近、新聞紙上にも入山料の問題とか、あるいは開山時期の問題等議論されておりますけれども、山小屋の経営者やあるいは表富士登山ガイドクラブの人たちと情報交換をした中では、さまざまな思いがございまして、慎重な判断が必要だなというふうに私自身思っておりますが、その中でも私は富士登山者の制限は必要ではないかと考えている1人でございます。交通アクセスが便利で気軽に2,400メートル地点へ登れる山を、ややもすると気軽に登れる山と錯覚する人たちが多くいることを知る必要があります。この人たちに的確な情報を伝える仕組みが必要でございまして、今までのように登山ルールはわかっているだろうでは済まないと思います。また、登山者の安全確保からも、登りルート、下りルートの確保も必要と思います。
 よく言われています弾丸登山の防止はマイカーの規制、これはツアー観光バスも含めますけれども、アクセスバスの運行時間の制限で大幅に減らすことができるのではないかと私は思っております。早急に取り組む事案ではないかと思っております。
 富士山ナビゲーターの報告書を、資料14、15ページの2、3で書いております。この一番下のほうに、下山道の間違いが非常にことしは多く、約1,000名以上の方が間違っております。吉田口から登ってきて、下山道の須走ルートの分岐点での間違いがほとんどでございますが、富士山に登っていきますと、下りは非常に疲れた足取りで、足元に注意しながら下山している途中、人の流れに乗っていってしまうということ、それから幾ら標識を大きくしても、その足元を見ていますから、標識に気がつかないのが原因であります。ベテランでも間違います。しかも下山道は似たような登山道が続きまして、下山して初めて建物を見て、最初に上った登山口と違うなと気づくわけです。そのときはもう遠く登り口と離れているというのが現状でございます。それは、富士山は本県と山梨県に合計で4つの登山口があるということを、登山者にもっと知ってもらう、徹底した周知が必要だというふうに思います。吉田口しかないとして吉田口から登ってくる人が大変多くあります。
 それからまた、富士山情報のさらなる発信、富士山はこうだよという発信とともに、富士山への交通アクセス情報に工夫が必要ですね。ここにごらんのように、各登山口の5合目の表示が、富士宮口の5合目なのか、須走口の5合目なのか、吉田口か、わからないような表示の仕方が大変あります。ですから、バス会社や旅行会社など関係機関の協力が欠かせないというふうに思います。山梨県との協議が必要な課題がたくさんあるなということがわかります。山梨県との広域的な情報提供等、連携が喫緊の課題だなというふうに私は考えております。
 このあとは、私が、現在、プロモーション活動をしている具体的事例でございますけれども、富士宮市に世界遺産センターの設置が決まりましたが、ここを拠点とする観光情報発信地とあわせ、富士山世界遺産の出発拠点の位置づけが必要かと考えております。既に土曜、日曜に運行が開始されましたコースでございますけれども、遺産をめぐるツアーやこのような着地型ツアー、それから富士山ガイドつきのツアー、富士山周辺ハイキングツアーなど、マイカー規制にも対応できるビジターズセンターの機能の充実が必要かと思います。
 それから、三保松原はブームを一過性で終わらせないためにも、羽衣伝説の地としてストーリー性をつくることが必要でございまして、旅行会社とのプロモーションも三保松原周辺の周遊ルートを提案しているところでございます。海越しの富士山を満喫できる水上バスの活用など、公共交通を利用したルートの提案も行っているところでございます。
 富士山は何と言っても富士山ビューポイントでございまして、JTB西日本の日本の旬の企画のビューポイントを私のほうで提案しまして、ツアー企画の誘客コンテンツとして旅行商品販売につなげることができました。
 富士山をキーワードにした駿河湾富嶽三十六景の企画でございます。皆様のお手元に別途資料を用意いたしましたので、そちらをごらんください。ちょっと訂正がございます。ここの資料の中のこの画面のところ、牧之原市の相良サンビーチの海岸でございますけれども、隣の吉田町の画像と同じになっておりますが、これはお手元にお配りした資料は修正してございますので、そちらのほうをごらんいただきたいと思います。
 駿河湾を囲む10市町の観光協会の共同事業として、私が企画いたしました。まだ完全な完成品ではありませんが、松崎町から御前崎市までの海越しの富士山を条件に関係する観光協会から自慢のビューポイントを提出してもらいまして、その中から36景を選出いたしました。葛飾北斎の富嶽三十六景は世界に知れた日本の富士山を描く代表的版画でございます。本県しか取り組むことができない海越しの富士山をテーマに、現代版三十六景は海外でも使えるものと確信しております。県観光協会の事業では、本年度中にデジタルフォトのメニューに加えましてリリースの予定でございます。旅行会社の評判も大変高くて、三十六景をめぐるツアー企画を期待しているところでございます。先ほど御案内しましたトヨタ自動車の「GAZOO.com」にも現在売り込んでいるところでございます。
 20ページから23ページ、これからごらんいただきますのは、富士山の構成資産を組み込みながらのモデルコースの提案でございます。ルートの組み方1つでさまざまな提案が可能でございますが、特に県外向けには富士山物語のテーマをつくるルートづくりが必要かと思います。
 20ページは、海越しの富士山と伊豆の温泉を組み入れた、今一番人気のあるコース、フェリー等も使っております。こういったコースを提案しております。
 21ページは富士山スカイライン5合目を組み入れた富士曼荼羅図をめぐるミニツアーということで提案をしているところでございます。
 22ページは富士山の祈りと学びをテーマにしたコースで、須走口登山道のミニ体験が可能で、裾野市にあります裾野市立富士山資料館等々、富士山のことを詳しく勉強することができます。富士山の恵みを体感できるものと見込んでおります。
 それから、富士山トレイルコースでございますが、山梨県との広域的な観光振興がどうしても必要でございまして、特に海外へのプロモーション等には共同企画が必要と考えております。山梨県との共同事業では、関西を中心に過去2回ほど、旅行会社を招聘する事業展開をしておりますが、結構手ごたえは十分ございました。というのも、関西からは新幹線などを使い、本県へのスケジュールを組みやすい面もございまして、今後も期待できるかと思います。
 県道223号、船上からの道標画像は、多くの人からここしかないねというふうに評価を受けておりまして、海越しの富士山はもとより、構成資産から伊豆半島へのルートとして、伊豆縦貫道と組み合わせて、来年度以降も施策の実施が欠かせないアクセスかと思っております。
 富士山関連ツアーや関連商品を盛り上げるには、キャラクター等の活用も大切かと思います。今回、県のキャラクターふじっぴーを使い、イラストロゴを作成いたしまして、世界遺産登録を盛り上げてまいりました。旅行パンフレットの作成のほか、イベントでの活用、富士山関連商品にも活用いただいておるところでございます。
 伊豆半島のジオパークを私どもプロモーションしておるところでございますが、伊豆ジオパークについては、特にジオガイドの充実が決め手になってくるかと思います。富士山もジオの1つでございまして、世界遺産と関連した受け入れ態勢ができればと思っております。
 富士山世界遺産ガイドとの交流などで深くかかわり合いまして、一体的な取り組みができればと考えております。ぐるり富士・伊豆桜道等の施策推進を提案申し上げます。
 30、31、32ページ、3つ出てまいりますけれども、本県の観光施策の目玉の1つであります世界農業遺産登録、浜名湖花博、さらには家康公をめぐる旅、こういったものとの関連性でございますけれども、富士山静岡空港就航先等、遠隔地からのツアールートへの組み込みが可能かと思います。それは富士山世界遺産のブランド力を活用していくことが大切でございまして、地域を売り込む皆さんが、まずは富士山をもっともっと知ることを求めます。どうしても話題は富士山になってしまいます。これから誘導する熱い地域の思いがその地域を魅力づけると私は思います。誰よりも世界の富士山を知っていくこと、これが誘客施策の本県の施策の秘訣だと思っております。
 観光振興にかかわる人たちへの富士山の学びと体験の旅行計画を提案申し上げたいと思います。
 以上で私の皆様から御依頼いただきました調査事項につきまして御提案申し上げました。ありがとうございました。

○小長井委員長
 ありがとうございました。
 以上で今井様からの意見陳述は終わりました。
 それでは、これより質疑応答に入ります。
 委員の皆様にお願いをいたします。
 質問はまとめてするのではなくて、一問一答方式でお願いいたします。
 それでは、御質問、御意見等ありましたら御発言願います。

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