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委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


令和3年7月脱炭素社会推進特別委員会
調査事項に関する説明 【 当局側説明 】 発言日: 07/16/2021 会派名:


○清環境政策課長
 私からは、ふじのくに温暖化対策実行計画に基づく取組と評価及び環境政策課の主な取組について、御説明いたします。
 くらし・環境部の資料の1ページを御覧ください。
 地球温暖化対策実行計画の進捗状況についてであります。
 本県では、県内で排出される温室効果ガスの削減を図るため、平成8年3月に策定した、ふじのくにアジェンダ21以降、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進してまいりました。現在は、平成27年3月に策定した改定版ふじのくに地球温暖化対策実行計画に基づき、各施策を展開しておりますが、現計画の計画期間が令和3年度末となっていることから、本年度中に次期計画を策定することとしております。
 次期計画の概要につきましては、3にお示ししたとおり、計画期間は令和4年度から令和12年度、2030年度までの9年間といたします。削減目標につきましては、長期目標として、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする、脱炭素社会の実現を目指すとともに、中期目標につきましては、長期目標を見据え、2030年度の削減目標を設定していくこととしております。
 2ページをお開きください。
 本県から排出される温室効果ガスの最新の値である平成30年度の排出状況であります。平成30年度の排出量は2,918万トンであり、基準年である平成17年度と比べ、18.2%減少しております。
 表にお示ししたとおり、温室効果ガスの種類といたしましては、二酸化炭素が約93%、代替フロンやメタンなどのその他ガスが約7%となっております。
 部門別では、産業部門が全体の約4割を占めており、最も多い部門でありますが、燃料転換や省エネルギー型機器への更新が進んだ結果、基準年より20.7%削減が図られております。
 次に構成比の高い運輸部門につきましても、自動車の燃費効率の向上や渋滞緩和などの交通状況の改善等により、基準年より21.5%の削減が図られております。そのほか、家庭部門、業務部門につきましても、省エネ機器の普及や施設改修により、削減が進む一方、廃棄物部門におきましては、プラスチックごみの増加等により、基準年より増加しているほか、その他ガスとして、代替フロンの排出量が基準年度と比べ、約3倍と増加しております。
 ページ下段の温室効果ガス排出状況の過去5年の推移で見ますと、平均して年間1〜2%程度の削減が図られており、現行計画の目標である21%削減の達成に向けて、着実に減少しております。
 今後は引き続き、各部門の削減を促進するとともに、増加傾向にある代替フロンの漏えい防止を徹底するほか、2050年の脱炭素社会の実現に向けて、より一層の取組を推進していく必要があります。
 3ページを御覧ください。
 県の主な対策について、部門別にお示ししております。
 産業部門につきましては、年間のエネルギー消費量の多い事業所等を対象とする温室効果ガス排出削減計画書制度の運用を通じて、事業所の自主的削減を促進しているほか、環境マネジメントシステムの導入など、環境経営の普及やESG金融の普及等を行っております。
 家庭部門対策としては、県民運動ふじのくにCOOLチャレンジや、身近な温暖化対策を推進するリーダーである地球温暖化防止活動推進員の活動を通じた県民への意識啓発や、住宅の断熱化等の普及促進を行っております。
 また、業務部門対策としては、業務用建築物の省エネ化の促進など、運輸部門対策としては、次世代自動車の普及促進等を推進しております。
 その他ガスの対策といたしましては、代替フロンを使用している冷凍、空調機器等の使用時の漏えいの防止や、機器廃棄時のフロン回収を徹底するため、専門家派遣による普及啓発をはじめ、県及び市町の建設部局等と連携し、解体工事業者への指導等を行っております。
 地球温暖化対策の推進体制についてでございますが、7にお示ししておりますとおり、庁内組織である静岡県地球温暖化対策推進本部と、企業や団体の代表や学識経験者で構成する静岡県地球温暖化防止県民会議が連携し、温暖化対策を推進しております。
 地球温暖化対策推進本部につきましては、本年2月の知事の2050年までの脱炭素社会の実現を目指す旨の表明を踏まえ、本年4月から、本部長を、昨年度までのくらし・環境部長から副知事に、また構成員も全ての部局長とし、体制の強化を図っております。
 また、地球温暖化対策実行計画を推進するための部会の名称を、脱炭素社会推進部会と変更したほか、部会を構成する課も、従来の16課から28課に拡充し、全庁で温暖化対策を推進しております。
 4ページをお開きください。
 参考といたしまして、1として、温室効果ガスの排出部門及び排出源の内容について、また2として、温室効果ガス排出量及び吸収量の算定方法を記載しております。
 この温室効果ガスの算定方法につきましては、環境省が定める地球温暖化対策地方公共団体実行計画策定マニュアルに基づいて推定をしております。
 概略を申しますと、温室効果ガス排出量は、電気やガス、石油等の燃料別のエネルギー消費量に、それぞれの燃料別の排出係数を掛けて算定しております。また森林吸収量につきましては、林野庁が京都議定書の算定方法に基づき、各都道府県別の森林吸収量を算定しており、この数字を採用しております。
 続いて、環境政策課の主な取組について、御説明いたします。
 5ページを御覧ください。
 県民運動ふじのくにCOOLチャレンジ「クルポ」についてであります。
 県では、平成30年6月から、スマートフォン等のアプリ「クルポ」を活用し、地球温暖化防止の県民運動を推進しております。これは、スマートフォン等のアプリ「クルポ」をダウンロードし、環境に優しい行動を協力店等で行っていただくとポイントを獲得し、景品等が当たる抽選に参加できるというもので、楽しみながら温暖化防止に取り組んでいただく狙いで推進しております。
 行動していただく内容、アクションメニューといたしましては、コンビニでのレジ袋の辞退をはじめ、図書館等の公共施設や民間の大型商業施設でのクールシェア、スーパーで食品トレイやペットボトル等を回収するリサイクルボックスを利用するなどの行動を対象としております。開始当初の14種類から、現在は21種類となっており、今後も拡大していく予定でおります。
 事業の運営は、県内全ての市町のほか、民間企業、事業者団体、市民団体等63団体で構成するふじのくにCOOLチャレンジ実行委員会が行っており、事務局は県地球温暖化防止活動推進センターが務めております。登録者数は、昨年度末現在で約1万2000人、アクション件数は、昨年度年間で約16万件となっております。
 なお、この取組につきましては、昨年12月、環境省主催のみんなで減らそうレジ袋チャレンジキャンペーンの普及啓発部門において最優秀賞を受賞したほか、本年2月に行われた国・地方脱炭素実現会議における地域脱炭素ロードマップ策定に係るヒアリングにおいて紹介され、小泉環境大臣と県地球温暖化防止活動推進センターとの間で、人々の行動変容を促すためのポイント制度の在り方について、意見交換がなされたところであります。
 6ページをお開きください。
 民間施設へのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)推進についてであります。
 県内の温室効果ガス排出量の約2割を占める業務部門の温室効果ガス削減を促進するため、建築物の大幅な省エネ化に寄与するZEBの認知度の向上や導入支援、またZEB等の建築物の環境対策に積極的に取り組む事業者のPRを図っております。
 2にありますとおり、業務用建築物の省エネルギー対策を推進するため、情報提供や省エネ関連の補助金の案内を行う相談窓口の設置、県内の業務用建築物の所有者に対して支援員を派遣し、建築物の省エネ化や環境マネジメントシステムの導入支援を行っております。
 また、毎年事業者を対象に省エネセミナーを開催し、企業の先進的な取組事例や、国の省エネ支援制度の紹介を行っております。
 また、3にお示ししたとおり、平成30年5月に、ふじのくに先進的省エネ建築物紹介サイトを開設し、県内の先進的な省エネ建築物の名称やエネルギー削減率、特徴等を紹介しております。
 7ページには、6月末現在で掲載している建築物及び管理者等の内容を掲載しております。今週、新たに1件追加されまして、現在は14件となっており、今後も先進的に取り組む建築物の事業主の協力を得て、内容を充実させ、ZEBの普及等を図ってまいります。
 8ページをお開きください。
 県有施設での再生可能エネルギー100%電気の調達についてであります。
 再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、令和3年度から一部の県有施設において、使用する電力を再生可能エネルギー由来100%の電力として調達しております。
 2にありますとおり、富士山世界遺産センター、ふじのくに地球環境史ミュージアム、ふじのくに茶の都ミュージアムの3つの施設で導入しております。各施設で使用する電気やガス等のエネルギーのうち、再生可能エネルギーの占める割合は、表の右端に記載のとおりでありますが、富士山世界遺産センターでは、他のエネルギー源としてガスを使用していないことから、再生可能エネルギー使用率が100%となっております。その他の施設は都市ガス等を使用していることから、100%ではありませんが、電力に関しては100%再生可能エネルギーを使用しております。
 令和4年度以降も、県有施設における再生可能エネルギー由来電力の活用拡大を進めていくことにしております。
 9ページを御覧ください。
 ESG金融の推進についてであります。
 脱炭素社会への移行や持続可能な社会の構築に向け、環境、社会、企業のガバナンスといった非財務情報を評価して行う投融資、いわゆるESG金融が国内外で拡大しております。こうした動きを踏まえ、関係団体等と連携して、ESG金融の活用を推進しております。
 取組の概要といたしましては、2に記載のとおり、令和元年8月に、全国初の地域ESG連絡協議会として発足した、静岡県SDGs×ESG金融連絡協議会と連携し、金融機関や企業を対象に、SDGsやESG金融の理解促進のための講演会の開催等を行っております。
 また、本年度、県が主催する新たな取組として、SDGs×ESGセミナーを先週7月6日に開催し、学識経験者による基調講演や環境省からの情報提供に加え、県内金融機関の取組や環境ビジネスに取り組む県内外の事例紹介等を行い、県内における環境貢献型ビジネスやESG金融活用促進のための普及を図ったところであります。
 また今後、環境貢献型ビジネスプランのコンテストとして、SDGs BUSINESS AWARDを開催するなど、県内における環境貢献型ビジネスの拡大や、ESG金融の活用を図ってまいります。

○鈴木住まいづくり課長
 それでは、10ページをお開きください。
 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及促進についてであります。
 家庭・業務部門のカーボンニュートラルに向けて鍵となる住宅につきまして、省エネルギー性能が高いZEH化の普及促進を図るというものでございます。
 ZEHにつきましては、住宅の省エネ、プラス創エネによりまして、一次エネルギー消費量の収支がゼロとなる住宅でございます。
 国の動向といたしまして、まず目標でございますが、エネルギー基本計画によりますと、2030年に新築住宅の平均でZEHを実現とされております。
 達成状況といたしまして、2019年度でございますが、大手住宅メーカーに限れば、新築の約5割でございますが、注文戸建て住宅の全体で見ると2割という状況でございます。
 課題といたしましては、中小工務店や設計事務所における省エネ住宅の取扱いに係る体制や能力、習熟度の向上がございます。また消費者の認知度の低さやメリットが十分理解されていないとこともございます。もちろん、追加費用の問題もございます。
 それから、県における省エネ促進の取組は、ZEHも含めました広い意味での住宅の省エネ化の取組でございますが、1つは中小工務店や設計事務所を対象とした省エネ技術向上研修会の開催をしております。また、一般県民向けの省エネ住宅講習会の開催をしております。
 それから、昨年、今年度と実施をいたしましたテレワーク対応リフォーム補助におきましても、省エネのリフォーム工事も補助対象としまして、支援をしてきたところでございます。
 今後の方向性といたしましては、国の動向等を踏まえまして、新築住宅においては、さらなるZEHの普及を促進してまいります。既存住宅につきましては、断熱改修等により、健康で快適となる住宅改修を促進してまいります。

○村松廃棄物リサイクル課長
 くらし・環境部資料11ページになります。
 プラスチックごみや食品ロス等の削減による循環型社会の形成になります。
 本県は、第3次静岡県循環型社会形成計画、今年度までなんですけれども、これに基づきまして、循環資源の3Rの推進、廃棄物適正処理の推進、循環型社会を担う基盤づくりを柱にいたしまして、リサイクル社会に向けて取り組んでおります。
 国におきましては、プラスチックごみや食品ロスの削減を重要課題と捉えておりまして、本県でも国の動きを踏まえて、プラ対策、食ロス対策に取り組んでいます。
 2の概要のところになります。これはイメージ図になります。
 プラスチックにつきましては、使い終わったプラスチックを回収しまして、それをペレット化して、再生をしていく。ただそれだけですと、品質が落ちますので、途中で天然資源を投入し、この場合の天然資源は、純度の高いプラのペレットになりますけれども、これを投入して、再度、再製品化していくという流れになります。
 食品ロスにつきましては、少し趣が変わるんですけれども、食べ残ったものを堆肥化、飼料化して、次なる資源にしていくという流れになっております。
 (2)プラスチックごみ削減への具体的な取組になります。
 国の動きですけれども、先般、6月に、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が成立いたしました。これは、作る側がリサイクルを見据えた製品を作っていくという趣旨になりますけれども、今後、政省令が出て、令和4年度、来年度から施行という流れになっていきます。
 本県でも、プラスチックにつきましては、現在、海洋プラスチックごみ防止6R県民運動を実施しております。これにつきましては、従来の3Rに本県独自の3R、リフューズ、リターン、リカバーを加えた使い捨てプラスチックの使用自粛でありますとか、海岸河川の清掃活動への参加など、6Rの実践を、県民に啓発しております。
次に、(3)食品ロス削減への取組になります。
 国の動きといたしまして、令和2年3月に、食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針を策定いたしております。その中で、県独自の削減計画を作りなさいとなっておりまして、現在、本県では第4次静岡県循環型社会形成計画を策定中であります。その中に、食品ロス削減の計画を入れ込むことを考えております。
 具体的な取組につきましては、ふじのくに食べ切りやったね!キャンペーンを、平成28年度から実施しておりますけれども、現在も「クルポ」のポイントを使って、同様の取組をしております。
 次に、別添の資料1を御覧ください。
 現在の廃棄物処理施設関係の資料を添付いたしました。
 (1)県内の焼却施設の状況及び処理能力については、市町が持っている焼却施設になりますけれども、現在35施設あります。詳細につきましては、記載のとおりになります。
 (2)高効率エネルギー回収施設、二酸化炭素排出抑制に資する先進的設備は、交付金、補助金の中でメニュー化されているもので、市町が作る施設を高効率エネルギー化する、または二酸化炭素の削減に資するというメニューがあります。高効率エネルギー回収施設は、簡単に言うと、発電施設を持った焼却施設になります。
 二酸化炭素排出抑制に資する施設は、これも簡単に言いますと、燃やすことで二酸化炭素は減りにくいですので、その周辺施設、例えば場内を走る車を電動化するでありますとか、クレーンを電動化する、高効率化するようなことをした施設に対して、補助率をかさ上げする施設になっております。
 次に、次のページの2ページを御覧ください。
 (3)になります。最終処分場の残余容量及び災害廃棄物の処理についてになります。
 これは、市町で持っている最終処分場の残余量になります。
 (4)県有の焼却施設の保有についてですけれども、災害時に備えまして、都道府県を越える広域的な廃棄物処理体制を構築することが重要となると考えておりますので、県独自のものを造る、設置することは、現在は考えておりませんが、場合によっては、例えば東日本の場合には、県独自のものを市町の委託を受けて造っていると聞いております。造るに当たっても数か月、1年弱の期間が必要と聞いておりますので、その辺も踏まえて、今後、何が一番最適なのかを検討してまいりたいと考えております。

○櫻川産業革新局技監
 それでは、脱炭素社会における新技術の開発に取り組む企業等への支援策について、御説明させていただきます。
経済産業部、資料1を御覧ください。
 産業革新局新産業集積課では、成長産業分野である次世代自動車、ロボット、航空宇宙、環境、新エネルギー、医療福祉、光関連技術の7分野と、新素材、CNF――セルロースナノファイバーに対し、中小企業の参入支援をより一層加速化するため、様々な支援事業に取り組んでおります。
 その中で、環境新エネルギー、すなわち脱炭素社会における新技術の開発に取り組む企業の支援策としましては、まず、県、産総研、NEDOの連携協定に基づき、高度なシーズを保有する国の産業技術総合研究所との共同研究により、先端的な研究開発等を行う企業への支援として、先端企業育成プロジェクト、また新技術等の実用化を目的とした研究開発を、大学、公設研究機関等と連携して行う企業に対する助成として、新成長産業戦略的育成事業の2つの研究開発事業に取り組んでおります。
 脱炭素社会に向けた令和3年度の研究開発助成案件としましては、現在、つえや車椅子等の福祉機器等に用いられている軽量高強度なマグネシウム材のリサイクル技術であるとか、特殊な表面処理によるメンテナンスフリーの風力発電用軸受の開発、自動車の電動化に関しましては、モーター及びモーター部品の開発をはじめ、電動化の際重要となる、軽量化、振動や音の削減、熱マネジメント技術の開発、またEV化に伴う新たな部品の評価装置に関わる開発などがあります。
 さらに、木材やパルプを原料としたセルロースナノファイバーに関しましても、製造装置の開発や複合樹脂の開発、CNFを活用した化粧品や食品容器、ストローの開発などに対して、助成金を支援しております。
 また、中小企業の技術力の向上や人材育成を図るため、県工業技術研究所には、次世代自動車やCNFに関する評価試験機器を整備しております。
 次世代自動車関連分野に関する試験評価機器としましては、LEDヘッドライトやディスプレイ等の照明や、光センサーの発光性能評価試験機、光学部品の形状評価試験機、自動車部品の内部構造を測定できる非破壊3次元計測装置などがあります。
 また、CNFに関する試験機器や評価機器として、CNF樹脂混練機、高機能シート作製装置、位相差顕微鏡やマイクロX線CTなどを整備しております。
 こうした助成金による中小企業の研究開発支援や工業技術研究所に整備した評価機器の活用には、支援機関となるプラットフォームが欠かせません。
資料2ページ目をお開きください。
 次世代自動車センター浜松は、次世代自動車分野における中心的な支援機関であり、次世代自動車の開発に不可欠な固有技術探索活動やEVの分解活動、試作品開発などを重点的に支援しております。
 また、CNFに関しましては、富士工業技術支援センター内にふじのくにCNF研究開発センターを設置し、静岡大学やラボ入居企業3社が、県工業技術研究所と連携して共同研究を実施しております。静岡大学には寄附講座を設置し、CNF混合樹脂の研究開発や人材育成を推進しております。
 続きまして、次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会についてです。
 本県の基幹産業である自動車産業は、2050年のカーボンニュートラル達成や2035年までに軽自動車を含む乗用車の新車販売の全てを電動車にする国の目標への対応など、100年に一度とも言われる大きな変革期を迎えております。こうした変革期を、官民を挙げて乗り切るため、6月9日には、次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会を立ち上げ、電動化、デジタル化等に取り組む地域企業への具体的な支援策を検討しております。
資料3ページ目を御覧ください。
 これまでの研究会では、脱炭素に関しまして、カーボンニュートラルをチャンスと捉え、付加価値の高い新たな技術や部品について情報交換し、新分野を探索していく仕組みの構築が必要ではないか。中小企業を対象としたLCAにおけるCO2排出量算定方法や、脱炭素化に向けた取組事例を紹介するセミナー等の開催や企業の相談窓口の設置が必要ではないか。カーボンニュートラルやリサイクル・リユース技術の開発支援が必要ではないか。EV普及のための急速充電器の整備、自然観光地などの利用率が低いエリアの急速充電器整備の検討が必要ではないか。EV充電器や水素ステーションを構成する部品の試作品開発支援が必要ではないかといった意見をいただいております。
 最後に、御参考なんですが、民間企業が行っている内燃機関車のCO2排出削減に向けた技術動向について、御紹介させていただきます。
 エンジンの改良としましては、高効率ガソリンエンジンの開発を目的に、超希薄燃焼による熱効率の高い燃焼技術の開発があります。また水素を燃料電池に用いるのではなく、直接、水素燃料として利用できるように、既存のガソリンエンジンを改良している事例もあります。
 また、水素とCO2などを用いて生成される合成燃料であるとか、バイオ燃料としてサトウキビ、トウモロコシ等の生物資源を原料としたものや、近年では、ミドリムシ等の微細藻類を原料とした藻類バイオ燃料などが開発され、注目されているところであります。

○川田エネルギー政策課長
 私から、再生可能エネルギーの導入促進等に関する資料を御説明させていただきます。
 経済産業部の4ページ、資料2、家庭、企業等における再生可能エネルギーの導入促進についてでございます。
 最初は、1、家庭における再エネ導入の支援についてです。
 東日本大震災の翌年、平成24年から開始したこの制度は、住宅用に太陽熱の利用設備を導入する個人に対しまして、補助率10分の1、上限10万円の補助をするものでございます。制度開始後、しばらくは年間2000万円程度、件数で500件程度を超える助成を行ってまいりましたが、住宅に太陽光発電の設備の普及が進んできた関係もございまして、この太陽熱利用設備の導入補助助成制度の利用者は減ってきているという状況でございます。
 次に、企業等への支援のうち、(1)小水力、バイオマス等の導入に対する支援でございます。平成
27年度から開始いたしましたこの制度は、小水力などの再生可能エネルギーの設備を県内の中小企業者様が導入する際に、その可能性調査とか、設備導入に3分の1の助成を行いまして、導入を支援しようというものでございます。
 それから、その下の(2)太陽光発電導入に対する支援につきましては、平成25年度から開始した制度でございまして、県内の中小企業者さんが、太陽光発電設備などを導入するに当たって、必要な資金を県の制度融資を活用して、金融機関から借受けをされた場合に、その利子を補給するものでございます。
 こうした制度を利用いたしまして、支援を行ってまいりまして、代表的な再エネであります太陽光発電とか、太陽熱利用とかバイオマス、小水力発電につきまして、下の表にございますが、太陽光発電は平成24年以降、数倍に伸びております。また、他の再エネも少しずつではありますけれども、導入量が伸びている状況でございます。
 次のページ、経済産業部の5ページ、資料3を御覧ください。
 地域の自立・分散型エネルギーについてでございます。
 これは、国が2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを実現するために、再エネとか水素エネルギーを最大限導入して活用していく、グリーン成長戦略の方向性と同じくする事業でございまして、再エネとか水素エネルギーを活用いたしまして、エネルギーの供給体制を従来の一極集中型から、災害に強い地域の自立・分散型システムへ転換を図る事業でございます。
 具体的には、資料の下のほう、参考に、環境省補助金がございますけれども、国が行っております地域の自立・分散型エネルギーシステムの構築支援をする補助制度につきましては、再エネの導入とか蓄電池、エネルギーマネジメントシステムなどの導入に対しての助成制度でございます。2の事業概要に、今度上がっていただきたいんですが、その国庫補助事業の補助対象としていない電力需給見込み調査とか、水素の導入計画などについて、県が支援することで、県内における地域の自立・分散型エネルギーシステムの構築を国と一緒になって後押ししようというものでございます。
 県内では現在、3の県内事業者の主な取組状況にありますように、静岡ガス、鈴与商事、ENEOSなどが地域で自立するエネルギーシステムに取り組んでおりまして、このような事業が補助対象と考えております。
 続きまして、経済産業部の6ページ、資料4、次世代自動車の普及促進についてを御覧ください。
 まず1のふじのくにFCV普及促進協議会の開催についてでございます。
 県では、平成26年に、県内のエネルギー、運輸、自動車メーカーや、あと自治体などから成ります、ふじのくにFCV普及促進協議会を設立いたしまして、燃料電池車、FCVの普及促進や水素ステーションの整備促進を図るため、FCVや水素エネルギーに関する最新動向などの情報を関係者で共有しております。
 次の2、次世代自動車による外部給電デモンストレーションにつきましては、燃料電池車であるFCV、それから電気自動車、EVの有用性をPRして普及促進するために、災害時に避難所として活用する体育館に、自主防災組織の関係の方々などの県民の方にお集まりいただきまして、FCVなどの説明をした後に、建物への電気を一旦全て遮断して、停電状態にして、そこにFCVから給電して、照明を付けたりとか、あと、携帯電話に充電したりしまして、その有効性を体験していただける事業でございます。
 次の3、次世代自動車普及に向けた環境整備でございますが、(1)にありますように、県有施設7か所に電気自動車用の急速充電器を設置いたしまして、電気自動車が乗られやすい環境整備を図っております。
 また、(2)水素ステーションの整備支援につきましては、水素ステーションの整備には、約2分の1を助成する経済産業省の助成制度がございますけれども、それでもなお、水素ステーションを整備する事業者の自己負担というのは、通常のガソリンスタンドを整備する費用の数倍に当たるものですから、その事業者の自己負担を軽減するために、国の制度に合わせて、県でも経費の一部を助成する制度でございます。
 これまでに、県内には3か所の水素ステーションが整備され、現在4か所目が整備中でございます。このうちの3か所については、国とともに県が助成を行っております。
 なお、現在、この表以外に、3事業者から5か所の水素ステーションの整備に関する御相談を受けている状況でございます。

○影山経営支援課長
 私からは、県内中小企業の支援について説明いたします。
 環境に配慮した社会や経済の仕組みづくりが進められる中、県内中小企業がこれに対応した事業活動が行えるよう、県では専門家による相談対応のほか、必要な資金の調達、新商品やサービスの開発の取組等について、支援を行っております。
経済産業部資料の7ページ中段を御覧ください。
 専門家による相談対応につきましては、商工会、商工会議所等の支援機関を通じ、環境分野を含む中小企業の経営課題に応じた専門家の派遣を行っております。令和3年度の派遣回数は5月までの実績で1,170回となっております。
 資金調達の支援につきましては、7ページと8ページにまたがっておりますが、太陽光発電設備などの新エネ・省エネ設備の導入や、環境技術関連を含む成長産業分野への参入等の際に、低利で融資を受けられるよう、利子補給を行っております。
 令和2年度の融資実績は、新エネ・省エネ設備の導入促進資金、これは先ほどエネルギー政策課の資料にも出てまいりましたが、7件、1億2900万円。それから、成長産業分野支援貸付のうち、環境関連につきましては2件、2億5000万円となっております。
 8ページ中段・下段になりますけれども、このほか、新商品やサービスの開発等の支援につきましては、経営革新計画に基づく取組や、将来の経営革新につながる取組等に助成を行っております。この中にも、若干ではありますが、脱炭素社会推進に向けた取組が含まれてきております。

○小池森林計画課長
 資料9ページ、資料6を御覧ください。
 森林による二酸化炭素吸収源対策について説明いたします。
 初めに、森林林業に対する全体像を少し把握していただくため、資料下段の参考を御覧ください。
 水源の涵養や二酸化炭素の吸収など、森林の持つ公益的機能の発揮に向けた管理の進め方を説明いたします。
 本県の民有林は約40万ヘクタールあり、その全てが様々な公益的機能を有しております。森林の区分としては、スギ、ヒノキなどの人工林と広葉樹などの天然林に分けられます。
 人工林のうち、道から近く、傾斜が緩やかな箇所などについては、主に林業経営を通じて管理するものとし、利用間伐や主伐、再造林など、木材生産を伴う森林整備により、公益的機能の発揮につなげています。
 一方、地理的条件の不利な人工林については、間伐等の森林整備や針葉樹と広葉樹の混ざった森林への誘導などにより、公益的機能の発揮につなげております。
 また、天然林についても、公益的機能の発揮の観点から、法令等に基づく保護管理を進めているところです。
 それでは、資料上段に戻りまして、森林吸収源対策について説明いたします。
 1番、間伐等森林整備の促進についてであります。
 国内の森林では、京都議定書の目標達成のため、森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法に基づき、森林吸収源対策として、間伐等の森林整備を実施してまいりました。令和3年4月には、パリ協定の目標達成のため、この特別措置法が改正され、2030年までの間伐の実施目標を定めましたので、これを計画的に実施してまいります。
 表にありますように、京都議定書第2約束期間に対応する本県の間伐面積は、目標を上回る約8,900ヘクタールを確保してございます。またパリ協定下における本県の間伐目標は、9,990ヘクタールと定めており、この目標を達成するよう取り組んでまいります。
 次に、2番、森林の若返りを図る主伐・再造林の促進についてであります。
 森林は、二酸化炭素を吸収、固定する機能を有しておりますが、年齢の高い森林になるほど成長量が下がることから、二酸化炭素吸収量も低下いたします。本県のスギ、ヒノキの人工林については、その9割が木材として利用可能な46年生以上となっており、高齢に偏った資源構成となっております。
 このため、将来にわたって森林の二酸化炭素吸収量の確保と林業の持続可能性を担保するためには、森林の若返りを促進することが必要であります。
 そこで、切って、使って、植えて、育てるという林業の循環の輪を再構築するため、再造林面積500ヘクタールを目標に掲げ、高齢の森林を伐採し、木材として利用するとともに、改めて苗木を植えて育てていく、主伐・再造林を促進しているところです。

○良知技術調査課長
 私からは、公共工事におけるリサイクル施策について、御説明申し上げます。
 まず、公共工事で発生する廃棄物について、簡単にお話をします。
 建設工事に伴い、副次的に得られた全ての物品を建設副産物と申します。建設副産物は、建設廃棄物と建設発生土に分けることができます。
 建設廃棄物には、コンクリート塊、すなわちコンクリートの塊、それからアスファルト塊、建設発生木材、建設汚泥、こういったものがございます。このうち、コンクリート塊とアスファルト塊につきましては、重量比で全体の8割以上を占めております。また、排出量に占める公共工事の割合はおおむね6割程度となっております。
 建設副産物と廃棄物の関係につきましては、下のイラストを御覧ください。
 次に、これらのリサイクル計画と実績でございますが、建設工事に伴って発生する建設副産物のリサイクルの促進のために、国土交通省が令和2年9月に策定をしました建設リサイクル推進計画2020がございますが、これに基づきまして、副産物の有効利用に取り組んでおります。近年は、コンクリート塊、それからアスファルト塊の再資源化率はほぼ100%と、我々の工事で発注する骨材、砂利ですね、そういったものにつきましては、ほぼほぼこれらが資源の重要な供給元に、もう既になっております。私も事務所にいたときには、業者から、再資源の、リサイクルの骨材が足らなくなりましたということが出てくるくらい、リサイクルが進んでおります。
 その他品目については、以下のとおりでございます。
 めくっていただきまして、3、公共工事で発生する廃棄物の再利用でございます。
 県では、公共建設工事における再生資源の活用の当面の運用を定めております。これらで建設副産物の再資源化、再生資源の活用促進を進めております。品目、再利用例は次のとおりでございます。
 コンクリートの塊やアスファルトの塊につきましては、ほぼ再生して路盤材、骨材として使うケースが非常に多くなっております。そのままアスファルトに混ぜたりとか、路盤材、すなわち舗装の下にある砕石層になりますが、そういった路盤材に用いたりということが多くなります。
 それから、建設発生木材につきましては、燃料利用というサーマルリサイクル、それから木質ボードですとか、再生紙などに用いるマテリアルリサイクルがあります。
 それから、建設汚泥は、これはプラントで改良した上で、下水道の配管の埋め戻しに利用したりとか、そういったものに使っております。
 また、それ以外に建設発生土、普通に掘削した土砂ですが、そういったものにつきましては、他の工事への盛土として利用と、これはなるべく我々も流用したいということで、工事の調整とかですね、それは発注機関で非常に工夫をしているところであります。
 非常に分かりやすいところで言いますと、例えば遠州灘沿岸のところどころで命山があったりとか、あるいは掛川市ですとか磐田市ですとか、袋井市とかでやられていますが、防潮堤の貴重な土砂の確保先ということで、調整など、非常に努力をしているところでございます。
 それ以外にも、出た土がそのまま使えない場合もございますので、やはり改良して、道路工事の下の部分で用いたりとか、そういった工夫をしているところであります。
 それから、再生製品ですとか、資材の利用拡大を図るために、平成22年度から、廃棄物を原材料としたリサイクル製品のうち、品質ですとか安定性、安全性、製造場所などの基準を満たしたものを、静岡県リサイクル認定製品として認定をしまして、県で積極的に利用しているところであります。令和3年5月現在で、53製品の認定と、うち建設工事の関係50製品でございます。主にはやっぱり砕石が多うございますが、例えば歩道用の舗装のパネルで、ブロックみたいなものですが、あるいは、石膏の廃材などで、昔ですとグラウンドの線を引く石灰でしたけれども、それ用のリサイクル品ができてきたり、いろいろな情報が、今、集まってきているところでございます。

○稲垣建築企画課長
 私からは、県有施設におけるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の推進について、説明をさせていただきます。
 県では、県有建築物の省エネ性能を向上させていくために、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律及び“ふじのくに”エコロジー建築設計指針により、新築時における省エネ対策を推進するとともに、併せて、既存建築物に対して、施設の省エネルギー診断を行うことで、省エネルギー対策を進めております。また二酸化炭素の排出抑制に向けて、県有建築物の木造・木質化が重要となっておりますので、そちらも併せて推進しております。
 まず、県有建築物の新築時における省エネ対策です。
 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律が、平成27年7月に公布されておりまして、平成29年4月から、延床面積2,000平方メートル以上の建築物は、省エネ基準へ適合することが義務化されております。それを強化するということで、令和元年5月に法改正がありまして、令和3年4月から、それよりも小さいもの、300平方メートルから2,000平方メートル未満の建築物も省エネ基準に適合が義務化となっております。
 県ではそれよりも前に、“ふじのくに”エコロジー建築設計指針を平成23年6月に作成しておりまして、省エネだけでなくて、環境に配慮した建築物を推進するための計画を設計する際に考慮すべき基本事項及びその項目を実施するための手法と評価をまとめたものを作りまして、指針と法律、こちらの2本を基に、新築時における省エネ対策を進めておりました。
 このたび、令和2年に整備した御前崎港管理事務所におきまして、県内の公共施設で初となるZEB、後ほど説明をさせていただきたいと考えておりますけれども、ZEB Readyの認証を取得しております。
 対策の内容につきましては、その下にありますとおり、センサーによる照明の制御、高効率な空調機器、排熱回収型の換気設備、あとは断熱性の高い窓ガラス等によりまして、法律が求める省エネ基準のエネルギー消費量よりも、53%削減することによって、ZEB化というものが達成されております。
 次に、既存県有建築物における省エネの対策です。
 こちらは、マンパワーの問題がありますけれども、年間5棟程度、職員が施設を訪問し、設備機器の省エネルギー診断、エネルギーの使用状況や運用状況を調査いたしまして、状況に応じた省エネ対策というものを提案しております。診断後1年後、もう一度訪れて、その状況等を追跡調査をすることによって、既存建築物の対策も進めております。
 1ページめくっていただいて、4ページをお願いします。
 県有建築物の木造・木質化の推進ということです。
 木材は再生産可能であり、製造時のエネルギー消費量が比較的少なく、炭素を長期貯蔵することが言われております。木材の積極的な利用は、化石燃料の使用量を抑制し、二酸化炭素の排出の抑制に資してまいります。
 ということで、県では公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づきまして、経済産業部において、“ふじのくに”公共建築物等木使い推進プランを定めております。それに基づいて、県有建築物について県産材を用いて、適材適所の形で、木造・木質化を推進しております。
 ここで、少し参考ということで、ZEBにつきまして、説明をさせていただきます。
 ZEBには、実は4種類がございます。
 まず、左上のZEBと書かれているものなんですけれども、先ほどの法律、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律が求める基準が、一番左のこの従来の建築物で必要なエネルギーを
100%とします。そこから、50%以上、省エネをしてくださいという形を取ります。残ったエネルギーを創エネ、太陽光なりでまかなっていく形で、ゼロ%まで削減したものを、純粋なZEBと呼びます。
 ただ、大規模建築物になってきますと、屋上に設備機器等を置いてまいりますので、なかなか創エネで全部を賄うことができないことが多々あります。そういう場合につきましては、頑張ったねという意味も込めまして、25%まで頑張っていただければ、全てで75%まで削減したという形で、Nearly ZEB――ZEBに近いという形で認定がもらえます。
次に、左下になります。
 いろいろと先ほども説明しましたけれども、やっぱり大規模建築物は、管理等いろいろと支障がありまして、創エネが難しいことがあります。その場合、省エネだけでも頑張っているよね、後で創エネもまた考えていただければいい、まずは省エネだけは頑張ったというZEB Ready、これが今回、御前崎港管理事務所で達成したZEBとなります。
 最後に、近年出来上がったものとしまして、ZEB Orientedがあります。大規模建築物になればなるほど、なかなか省エネも対策も大変になってまいります。ホテルとか病院などについては、まずは30%もしくは40%頑張ってくださいと。その後、まだ未認定なら、今後は、技術革新を公表しておりますので、そういうものを加えて50%を達成していただければ、ZEBとして認定しますよというものが出来上がっております。そちらがZEB Orientedで、これら4つのZEBの種類があります。

○北川港湾企画課長
 私からは、ブルーカーボン生態系を活用した二酸化炭素吸収源対策について、御説明いたします。
 最初に、ブルーカーボンの概要について、5ページの資料3の1を御覧ください。
 海草ですとか海藻、それから植物プランクトンなどの作用で、海中に取り込まれる炭素のことをブルーカーボンと言いまして、そういった作用を持つ生態系をブルーカーボン生態系と言います。
 ブルーカーボンのメカニズムの図が真ん中にございますが、これを御覧いただくと分かると思うんですが、浅い海に生息する海草、海藻が、海水に溶けている二酸化炭素から光合成で炭素を取り込みますと、さらに食物連鎖ですとか、その草が枯れ死後の海底への堆積などで炭素を貯留する効果があるため、二酸化炭素の吸収源として期待されているところです。
 国土交通省におきましては、令和元年6月に、地球温暖化防止に貢献するブルーカーボンの役割に関する検討会を設置いたしまして、後ほど御説明いたしますが、カーボン・オフセット・クレジットにも関連しますが、二酸化炭素の吸収量の客観的な評価手法等について検討を続けているところです。また同じく国では、港湾整備で発生するしゅんせつ土砂などを活用して、横浜港ですとか神戸港などで、ブルーカーボン生態系としての藻場、干潟の造成を行っております。
 次に、2のブルーカーボン・オフセット・クレジット制度について、御説明いたします。
 カーボン・オフセットと言いますのは、次のページにイメージ図があるのですが、イメージ図の左側、企業ですとか団体などが、自らが排出する温室効果ガスのうち、どうしても自分で削減できない量の全部または一部を、この図で右側のNPOですとか、市民団体等によるほかの場所での排出削減、吸収活動に投資することで、相殺、埋め合わせをするということです。国ではブルーカーボン生態系の二酸化炭素吸収量をクレジットとして認証し、取引を可能とする全国制度の構築に向けた試行を行っております。
 次に、ブルーカーボン・オフセット・クレジットの先行事例として、今、御説明した国の試行である3の(2)のほうから、先にちょっと御説明いたします。
 昨年7月に、国土交通大臣から認可された、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合、JBEと言いますけれども、こちらが藻場の保全活動で創出した二酸化炭素吸収量を、Jブルークレジットとして認証いたしまして、住友商事、東京ガス、セブン−イレブン・ジャパンの3社へクレジットの譲渡が成立しております。
 そのクレジットの対象は、横浜港の港湾区域にある約16ヘクタールの藻場でございまして、関東地方整備局が造成をしまして、その後、漁協とか市民団体が保全活動を続けている箇所です。ちなみに今回のそのJブルークレジットの発行量は22.8二酸化炭素トンになります。
 それから、3の(1)に戻っていただきまして、横浜市の事例につきましては、横浜ブルーカーボンとして、平成26年度から始まっているものでして、昨年度は養殖コンブ事業ですとか、養殖ワカメ事業、それからちょっと、ブルーカーボンとは少し違いまして、ブルーリソースと呼んでおりますが、二酸化炭素の排出量が少ない燃料を使用するタグボートへの更新といったことで、5団体が合計で
260.1二酸化炭素トンのクレジットを発行いたしまして、そのオフセットの単価自体は非公表となっておりますが、17の団体、個人が合わせて341.9トン分のオフセットとして活用しております。
 福岡市の事例につきましては、博多湾ブルーカーボン・オフセット制度ということで、昨年度から開始したものでございまして、漁業関係者ですとか、有識者などが参加する博多湾NEXT会議というものが維持管理を手がけている、博多湾内にある天然の藻場由来の43.4トンを税抜きの価格で0.1トン当たり800円のクレジットでしていまして、それを14団体、21の個人がオフセットに活用しているということでございます。その収益につきましては、その博多湾NEXT会議における藻場づくりですとか、環境保全を啓発するシンポジウムの開催などの費用として活用されております。

○平井都市計画課長
 私から、まちづくり、地域交通の脱炭素化について、御説明いたします。資料は7ページになります。
 まちづくりにおきましては、効率的な社会経済活動を実現するため、居住や都市機能を複数の拠点エリアに誘導、集約し、それら拠点間を道路や公共交通で結ぶ集約連携型、いわゆるコンパクトプラスネットワークのまちづくりを進めているところです。
 具体の取組としまして、まず、(1)まちづくりのうち、集約連携型まちづくりの推進についてですが、県が策定する都市計画区域マスタープランでは、地球温暖化等の社会情勢の変化に対応するため、集約連携型都市構造の実現を目指すと明確に目標を掲げています。このマスタープランに即して市町が策定する立地適正化計画は、居住や都市機能施設の立地を生活の拠点や活動の拠点などの複数エリアに緩やかに誘導する具体の計画になるわけですが、県としまして、策定を促したり、適切な助言をするなどを行っています。
 次に、交通流の円滑化としまして、都市計画に定められた道路を着実、計画的に整備し、円滑な自動車交通を確保することで、二酸化炭素の発生抑止に努めています。
 最後に、公共的空間の緑化の推進については、地球温暖化効果ガスの吸収施策として、緑地面積を着実に確保するため、都市公園や街路樹を有する道路の整備、さらには良好な自然環境を形成する都市内の緑地保全を行っています。
 新ビジョンに掲げている指標の実績値については、記載のとおりでございます。

○仲野地域交通課長
 私からは、まちづくり、地域交通の脱炭素化についてのうち、(2)の地域交通について御説明いたします。
 交通基盤部の資料7ページの下、(2)地域交通を御覧ください。
 県内では、利便性の観点やコロナ禍による新しい生活様式の浸透により、移動の手段として自家用車を選択する方が増えていることから、脱炭素化の推進には移動手段を個々の自家用車による移動から、公共交通に転換する必要があります。しかし、少子高齢化による利用者の減少及び地域公共交通の担い手の高齢化、運転手不足によるバス路線の撤退などから、地域の公共交通の維持が困難な状況にあります。
 脱炭素化及び地域公共交通の課題を解決するためには、利用者を増やすことによる公共交通の維持が必要であります。そのためには、公共交通自体の利便性を向上させる必要があることから、乗り継ぎダイヤの改善やバスロケーションシステムの導入などの取組を行っているとともに、駅などにデジタルサイネージを設置し、交通案内を分かりやすく伝えることで、路線バスの利用の難しさから、バス利用を避けてきた利用者に、公共交通の利用促進を図っております。
 市町が行う地域公共交通網形成計画は、住居や都市機能を誘導、集約し、各拠点間を交通ネットワークで結ぶコンパクトなまちづくりに合わせて、バス路線網の効果的な再編やモビリティ・マネジメントによる多様な交通手段の導入を検討するものであることから、県としましては、市町の計画策定に参画し、路線バスに関する協議の中で、脱炭素化にもつながる新たな生活交通の導入など、最適な手段が選択されるよう働きかけていきます。

○宮ア義務教育課長
 教育委員会からは、学校における環境教育につきまして、説明をさせていただきます。資料の1ページを御覧ください。
初めに、小・中学校についてでございます。
 小・中学校では、環境学習として、自然環境やよりよい環境を作ろうとする態度を育てる教育を推進しております。
 小学校におきましては理科の授業で野外に出かけ、地域の自然に親しむ学習や、体験的な活動を取り入れるとともに、家庭科では、自分の生活と身近な環境との関わりや、環境に配慮した物の使い方などについて理解を深めることとしております。
 中学校におきましては、社会科で社会資本の整備や公害の防止などの環境保全について、また道徳では、自然の崇高さを知り、自然の愛護に努めること、そして、総合的な学習では、探究課題については、情報、環境など、現代的な諸課題に対応する横断的な課題を設定することとしております。
次の2ページを御覧ください。
 環境教育の推進として、外務省が作成したSDGsの副教材を、中学校3年生全員に配布し、社会科での活用を進めております。また静岡県学生科学賞では、県教育長を委員長とした表彰制度を設けております。令和2年度の受賞例では、教室の有効な冷房と換気につきまして、コロナ対策と熱中症対策を両立させるための効果的な方法の研究や、オリジナル電気自動車として、電流が少なくても回るモーターや、たくさんの電流が流れる電池を製作する研究など、環境に関わる研究も増えております。

○本多高校教育課長
 私からは、資料3ページ、県立高等学校におけます環境教育について御説明をさせていただきます。
 高等学校におきましては、各教科科目の授業や学校行事、部活動等の各教育活動において、身近な自然との関わりを通して、環境問題を総合的に思考、判断し、環境保全に向けて主体的に働きかけができる、そうした能力と態度を育成をしております。
2の高等学校の取組についてであります。
1つ目は、教科等での取組となります。
 例として、理科の授業で生物の多様性と生態系への理解とその保全の重要性などを学びます。また、農業では、体験的・探究的な学習を通して、農業及び環境について興味・関心を高め、農業と自然環境の保全に関わる人材の育成を目指しております。
2つ目は、探究活動での取組となります。
 高校におきましては、総合的な探究の時間におきまして、個人やグループでの探究活動が進められ、地域の課題やSDGsをテーマとしての課題設定をしている学校もございます。
 3つ目でございますが、特色ある個別の学校の取組を幾つか紹介をさせていただいております。
 静岡農業高等学校や磐田農業高等学校では、環境の保全と創造に関する知識、技術を習得させ、農業技術者として必要な態度と能力を育てることを目的に、環境科学科を設置し、住みよい環境づくりや環境保全、保護のための技術を学んでおります。
 また、イでございますが、三島北高校におきましては、本年度から学校設定科目を開設し、SDGsの課題解決に向けて、エネルギー、水、食料をテーマに、教科横断的な探究活動を進めるなど、環境に関わる課題についての理解を深めております。
 続きまして、4ページでございますが、令和3年度より取組を始めましたオンリーワン・ハイスクール事業、こちらの中におきまして指定された複数の学校において、総合的な探究の時間を中心に、SDGsをテーマにして、民間企業、また大学、施設と連携した探究活動が計画され、始まっているところでございます。
 このように、高等学校におきましては、各教科の学習内容や総合的な探究の時間を中心といたしまして、環境保全や持続可能な社会の実現に向けた課題解決に向かいます意識の醸成、こちらを進めてございます。その中で、地球環境問題などに関係するカーボンニュートラル、またCO2削減について、生徒1人1人が身近な例から課題を生み出し、主体的に働きかけをすることができる、そうした能力を育成をしているところでございます。

○伊賀特別支援教育課長
 私からは、特別支援学校における環境教育について、御説明をいたします。
 資料につきましては、教育委員会5ページ、特別支援学校における環境教育を御覧ください。
 県立特別支援学校におきましては、学校や地域の実情等に応じて、自然に親しむ学習や地域の自然を生かした学習、自然環境の保全を目的とした学習等を授業の中に取り入れ、環境教育に取り組んでおります。
 2番の各校の取組を御覧ください。
 身近な自然に親しんだり、活用したりする学習活動に取り組んでいる学校につきましては、令和2年度実績では83.8%の学校で取り組んでおります。取組例として、そこに2つほど挙げてありますけれども、取組例2を御覧ください。
 こちらにつきましては、静岡北特別支援学校におきまして、巴川流域麻機遊水地自然再生協議会と学校が協働し、小学部から高等部まで、各年代で学校周辺にある麻機遊水地を教材にし、自然と関わる様々な活動に取り組んでおります。自然に親しむだけではなく、保全、再生、創出、維持管理の活動を体験したりしております。さらには、これらの活動を通して、地域住民とつながり、人と自然を含めた地域を大切にする活動にもなっております。
 身近にある自然に触れ、景観的なすばらしさだけではなく、自然がもたらす恵みや生き物や植物の営み等に気づき、自然を大切にしたい気持ちを沸き上がらせております。
 (2)の野外体験活動の実施については、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、令和2年度の実績については、例年と比べて大幅に減少しており、27.0%という実績でありました。
3番の特別支援教育課の取組についてです。
 こちらにつきましては、各学校の活動を助成するとともに、他部局との共同という形で取り組んでいるものを紹介いたします。
(1)の特別支援学校緑の保全事業についてです。
 こちらは、環境ふれあい課の事業でございますが、静岡県の造園緑化協会の協力を受けまして、造園業者が学校を訪問して、児童生徒と一緒に除草や花壇づくり等の活動に取り組んだり、また学校の要望等に応じて、校内の樹木の剪定や防除などに取り組んでいただいて、校内の自然環境の維持に努めているものであります。
 こちらにつきましては、毎年東部地区、中部地区、西部地区で各1校ずつ取り組んでおりまして、学校に毎年呼びかけて、3校ずつ年度ごと、取り組んでいる状況です。
 昨年度の実績については、そちらの表にあるとおりです。
 あと、(2)の花壇づくりの活動につきましては、農芸振興課の事業で、フラワーブラボーコンクールというものになりますが、こちらについての積極的な参加について、各校に呼びかけて取り組んでおります。昨年度は、特別支援学校で6校、一昨年度は4校がこの事業に参加しております。

○鈴木(澄)委員長
 以上で、当局の説明は終わりました。
 少し早いですが、ここでしばらく休憩いたします。
 再開は13時10分といたします。

○鈴木(澄)委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開します。
 委員の皆様に申し上げます。これより質疑応答に入りますが、質問、御意見等の内容は、この特別委員会の調査事項の範囲内で、また、本日出席を要請した説明者の所管内での質問でお願いいたします。
 また今後、この特別委員会として提言を取りまとめますので、提言につながることを見据えた議論をお願いしたいと思います。
 それでは、御質問、御意見等がありましたら、発言願います。

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