委員会会議録

質問文書

平成26年10月人口減少対策特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	10/21/2014
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田（好）委員
　どうもありがとうございました。
　小出様はこの静岡県を見たときに、本当に私はある意味潜在能力は、本来すごくある県だと思っているんですが、なかなか今のお話聞きますと、ミスマッチというか、そこに気がつかない。そういう部分もあって、なかなかいい意味でのまだまだ活性化ができていない。そういう意味で、小出様から見ましたこの静岡県の企業全体の、中小企業ですけれども、一般論として、もっとこういうところを、力を出していけるのではないかなという、――個々の企業によってもちろん違いますが――総論としてもし大きなくくりでお考えがあれば、お聞かせいただければと思います。

○小出宗昭氏
　先ほど冒頭で申し上げましたとおり、私は静岡市と浜松市と富士市と、３つのエリアで仕事をさせていただいてまいりましたし、かれこれ14年間この世界におるわけなんですけれども、静岡県内の中小企業というのは、ものづくりであろうが、ものづくりでなかろうが、全て押しなべてそうなんですけれども、ポテンシャルは極めて高いと思っています。けれども、押しなべて言えるのは、自社の本当のセールスポイントが何だということについて、気がつけていない企業というのが余りに多いんだと思うんです。これをどうして気がつけないかというと、皆さん、各種、各経営者の皆様方、自社のことをよく見てらっしゃると思うんです。ところが、見ている距離が余りに近過ぎて、全体像が見えてないだろうと。いつも同じ方向で見てしまっているがゆえに、本当のセールスポイントというのに気がつけてないかもしれない。あるいは業界の常識みたいなものに縛られてしまって見えてないと。こんなような事情があって、本当は光る部分があるにもかかわらず、それを生かし切れてないというところがあるんです。それを生かすために必要なのが、高度なコンサルティング力を持っている中小企業支援センターだと思うんです。そうなると、人にかかってくるんだと思うんです。誰がやるんだということです。

○髙田（好）委員
　ありがとうございました。
　今、人ということで、逆に企業の中の人はもちろんですけれども、小出様のようにコンサルティング能力のある方がその先端ごとにやはりきちっと、いらっしゃることがこの事業の成功だと思います。そういう意味で、これから国としてそういうことを進めていこうということですが、そういうコンサルティングをやるほうの支援というか、そういうものはあるんでしょうか。

○小出宗昭氏
　かなり長期にわたって抱え込んでいる課題だと思うんです。経済産業省、中小企業庁も支援人材の育成をどうするかというところなんです。私自身がこの世界に来てまず思ったのは、これまで現場で頑張っていた人たちは、確かに頑張ってるんだろうと思うんです。けれども、期待されているような成果が出てないとすれば、抜本的な見直しが必要だと思うんです。つまり使っている手法がいいのか、どうなのか、あるいはそこの現場で頑張っている人たちの人材そのものがどうなのかということだと思うんです。常識で考えてみて、良い人材だったならば、期待されているような成果が出るというふうに考えるのが普通ですよ。そうでないとすれば抜本的な見直しが必要だというふうに私は思いました。
　これまでこの世界で言われていたのは、こういった産業支援の世界で結果を出す人たちというのは、資格あるいは経験というふうに言われていたんです。私はそれは間違いだと思っています。そうではなくて適性だと思ってるんです。適性とは何かというと、３つの要素が必要だと思っていまして、まず第一に必要なのは、これは一番重要なんですけれども、ビジネスセンスが高いことなんです。２つ目に重要なのが、コミュニケーション能力が高いことですね。３つ目に重要なのが情熱を持っていることだと思うんです。我々は８人のメンバーがいますけれども、僕以外の７人というのは僕が全てスカウトした人間です。７人のうちの６人は、これまで産業支援の世界にいなかった人間なんです。さっき言った３つの適性要素から見ました。例えばうちの副センター長、これはもう本当に切れ者なんですけれども、彼は現役のコピーライターですし、プロジェクトマネージャーの浅井さんというのは、最近税理士になったばかりの方で、あまり税理士経験は薄い方で、僕が着眼したのは、彼は松坂屋さんに22年いて、彼のキャリアから推察できたのは、松坂屋のエースなんですよ。つまり、販売のプロフェッショナルです。そこの経験を買いました。この２人なんていうのは、女性目線のマーケティングが必要だということで、彼女は起業してまだ間もないＩＴに強いマーケッターだったし、彼女はＩＴ会社の従業員だったし、いわゆる公の産業支援の経験を全く持っていない人間です。けれども、３つの適性要素を見抜いて起用したと。こういうことなんです。結果的に高いパフォーマンスを示すと、こういう状況だというふうに思ってますけれど。
　だから、要するに資格や経験ではなくて適性なんだということをベースにした上で、目指すべき支援は何なんだということを特定させることだと思うんです。これまでは特に業績が不振な企業が来ますと何をやっていたかというと、再生計画立案をしましょうというんです。ビジネスプランをつくりましょうというんです。けれども、机上で事業計画書を作成する。これは幾らでもできるんです。けれども、どんなに膨大な時間を費やした事業計画だって、その結果はやってみないとわからないんです。
　私なんかに言わすとそんなことよりも必要なのは、こうすれば売り上げが上がるというような具体的な知恵を提示できるようなコンサルティングだと思うんです。目指しているところが抜本的にはずれているんだと思うんです。問題点を指摘する、分析をするってよくやるんですけれども、分析するのはいいけれども、それで売り上げが上がりますかということなんです。問題点を指摘するのはいいけれども、それで売り上げが上がるんですかと。売り上げ上がらなかったら再生なんか絶対ないですから。そういった具体的な知恵を出すような支援なんですと、そういうノウハウが必要なんですということを特定させた上で適性ある人をブラッシュアップをかけると。こういうことだと思うんです。我々はそれで成果を出していると思います。

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