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委員会会議録

質問文書

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平成28年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:森 竹治郎 議員
質疑・質問日:03/09/2016
会派名:自民改革会議


○森委員
 それでは私から、2分野にわたってお尋ねをしたいと思います。分割質問方式です。
 商工業局と水産業局にお尋ねをしたいと思います。
 きのう配付されました委員会説明資料の62ページ、63ページ、それから議案説明書の89ページにかかわる商工業局の課題からお尋ねしたいと思います。
 1つは静岡県信用保証協会について。
 この信用保証協会は、御存じのとおり本県の中小企業、零細企業者にとっては、非常に心強い組織であることは変わりない。市中銀行の窓口よりもむしろこの信用保証協会の担当の方のほうが親身になって相談に乗ってくれる。非常に評判がよいのが静岡県の信用保証協会。その中で、昨年と同じように信用保証協会の制度融資の事務費の助成が5900万円載っているわけです。御承知のとおり、最近は日銀もゼロ金利からむしろマイナス金利、そういう政策を選んでいる。このことはやっぱり、信用保証協会にとっては、料率は下がってくる。料率が下がってくることは、組織の維持にも大変だ、そういう局面が出てくるんじゃないのか。信用保証協会の組織が揺らぐようなことがあってはならないわけでありますから、現在の信用保証協会の経営の状況などについて、おわかりであるならば説明してほしい。この5900万円の予算にも絡んでお尋ねをしたいと思います。

 それから、昨年は代位弁済に伴う損失補償が5億6000万円、これが本年度の予算額では4億3200万円に、代位弁済が昨年と比べると大分減ってきている。このことは、どういうことを意味するのか。1つは、静岡県の信用保証協会は、全国の信用保証協会の中でも優秀な組織であります。倒産件数が、代位弁済にすると途端に件数が減ってきているのか、あるいはそうじゃなくて、静岡県の中小企業、零細企業の経営者の皆さんの融資を受ける件数が減って、代位弁済も減ってきているのか、数字が示すのはどういう状況なのか、これをまずお尋ねをしたいと思います。

 それから次は、制度融資の内容であります。
 平成28年度からこの政策資金の新しい制度として、事業承継資金5億円の枠を設けている。これも高齢化や後継者難を考えると、タイムリーな制度ではないのかなと、こんな思いをいたしております。一方でせっかくこういう制度資金をつくっても県内の皆さんが利用してくれない、よく承知をしていない、経済産業部で制度をつくったけれども、知らなかったということであっては非常に残念。
 同じように、12月の当委員会でも注文したわけですけれども、委員会説明資料の63ページの防災・減災強化資金ですとか地震リスク分散資金は、せっかく50億円の枠を設けてあるけれども利用が低い。これも少しPRを考える必要があるんじゃないのかなと。経済産業部長も御存じでしょうけれども、二、三年来、くらし・環境部のほうが所管が多いんですけれど、県内の大きい建物、旅館・ホテルを初め大型の建物について、耐震診断あるいは耐震改修工事が話題になって、くらし・環境部に対しては耐震診断に伴う補助金の要請、耐震診断の結果、工事をやらなきゃいかん。この改修工事の補助金はくらし・環境部の所管で今やっている。県内の旅館・ホテルも非常に関心を持って、くらし・環境部に相談に赴いている。このことを考えると、やっぱり一方では、耐震診断あるいは耐震改修工事をやらなきゃいけない。このことを考えるとやっぱりこっちの制度融資の利用も話題としてこれから出てくるじゃないのかと。
私はこの県の制度融資のPR、宣伝は、今まで商工会議所あるいは商工会、こういう皆さんに協力を要請して、商工会議所や商工会の会員の皆さんに資料など配付してきたが、さらに加えて、観光協会だとかあるいは旅館組合だとか、そういう皆さんにも少し働きかける必要があるんじゃないのかと、そんな思いがしますけれども、どのように考えているのか。
 これから明るい材料としては、東京オリンピック・パラリンピック、特にこの東京オリンピックを目指して、伊豆半島辺りの観光関係者、旅館・ホテルの経営者も含めて、やはり設備投資が当然考えられる。これからこの設備投資にかかわるような制度融資を大いに利用してもらう。そうすることが、やっぱり地域経済を元気にしてくれる。このことを考えると、今触れましたように、もっともっと静岡県の制度融資のPR活動に意を用いて工夫してもらわないといけないのじゃないのかなと、そんな思いがしますのでどのようにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。

○鈴木商工金融課長
 制度融資等に関する3点の御質問にお答えいたします。
 1点目の信用保証協会の状況でございます。
 まず最初に、御指摘のありました5900万円の事務事業費助成でございますが、この趣旨は委員会説明資料にも若干書いてございますが、信用保証協会では従来の保証料は、借りる会社の信用度によって9段階の保証料率を定めておりまして、保証料は企業からいただいているわけでございますが、通常でしたらこの保証料率は0.45%から1.9%でとっていますが、これを信用保証協会の独自の措置として0.3%から1.3%に低減していただいているということで、要するに信用保証協会としては収入が減るわけですけれども、それによって企業の方が借りやすくなるということで御理解をいただいてそういう措置をしていただいているということでございます。そういったことを踏まえて、御負担の事務費を助成しているのがこの事務費の助成事業でございます。
 次、信用保証協会の現況でございますが、平成28年1月現在の指標で幾つか申し上げますと、保証承諾額が2078億円で前年同月比90.2%、保証債務残高が1兆2376億円で前年同月比87.9%、代位弁済額は264億円で前年同月比86.3%でいずれも減少している状況でございます。

 続きまして、代位弁済についてのお尋ねでございますが、減っている理由でございます。
 信用保証協会の借り入れにつきましては、リーマンショックであるとか、東日本大震災後、セーフティーネット系の経営安定資金を中心に貸し出しが非常にふえた状況にございます。その後、売り上げ減少の中で借りていますので、かなりハイリスクの融資だったということで、一時代位弁済がふえたこともございますが、企業の倒産等の状況も落ちついてきたことによって、代位弁済が減ってきたのかなというのが1点でございます。
 またもう1点としましては、リーマンショックから既に7年経過しておりまして、また東日本大震災からも5年経過している状況でございまして、制度融資も基本的に10年以内の期間で貸し出しという仕組みになっておりますので、こういったリーマンショックや東日本大震災を踏まえて、貸し出した資金について、そろそろ償還の時期を迎えているものが出始めておりますので、そういったことで借りた資金が無事償還されて終わり出したということもありまして、代位弁済がかなり落ちついてきたのかなと考えているところでございます。

 3点目でございますが、制度融資の利用促進、PR策でございます。
 制度融資のPRにつきましては、従来から金融機関向けには説明会であるとか、出前説明会をやっておりましたが、今年度さらにやっぱり企業向けのPRが必要だということで、企業の皆さんが集まる会合等に出向きまして、直接説明したり、企業訪問の際に、私どもの制度融資を説明したりと、取り組みも始めているところでございます。
 2番委員御指摘のとおり、十分周知されているかというと、実際個別にお話ししてみると、この制度を知らなかった企業様がいるのは事実でございます。12月議会で2番委員から御指摘がございました防災・減災強化資金につきましては、耐震改修促進法の関係でございまして、12月の当委員会での答弁のときはくらし・環境部等と連携して、個別に旅館・ホテル等を訪問する形で対応してまいりたいと申し上げたんですけれども、それを受けまして、早速年明けにくらし・環境部と話をしまして、あるホテルにメーンバンクを交えましてお話に行きまして、私どもの制度を説明しましたら、ぜひ使いたいということになりまして、先月、第1号の利用があったということでございます。
 そのほかにも、今この防災・減災強化資金による融資を検討している案件が複数ございます。地震リスク分散資金につきまして、今1件でございますが、これも複数の利用の期待が出ている状況で、導入等の効果がございまして、利用が何とか進みつつあるかなと思っているところでございます。
 観光協会や旅館組合との連携はどうかということなんですけれども、耐震改修促進法の関係の旅館・ホテルは数が限られておりますので、これらにつきましては直接訪問する等の形で、積極的に使っていただくようにしたいということで、この点については金融機関も危機感を持っていまして、危機感は共有しているのかなと思っております。その他旅館・ホテルについても耐震改修につなぐことは多々あると思いますので、ぜひ私ども今の御指摘を踏まえまして、関係の協会や組合等と連携を図りまして、説明するとか、個別に耐震補強したいという企業等がございましたら直接訪問する形で、ぜひこの資金を使っていただいて、耐震対策、またオリンピックに向けての設備の改修等に使っていただけるように努力してまいりたいと考えています。

○森委員
 いつまでも日銀がマイナス金利政策を続けると私は思っておりません。今非常に厳しい経営状況が出てきているかもしれません。ぜひ信用保証協会を引き続いて支援する方向でお願いしたいと思います。

 それから次は、委員会説明資料の50ページ、51ページ、水産業にかかわること。
 昨日、藤田水産業局長にお話を伺うと、彼はもう既に静岡県へ赴任してこられて3年が経過すると。私自身はもっともっとあなたにいてもらいたいんだけれども、中央の人事ということもあるでしょうから、わがままを言うことは許されないかもしれない。そこでこの3年間を振り返ってみると、5年前の東日本大震災に伴い静岡県も水産業界、魚介類の風評被害あるいは浜岡の原発の停止に伴う温排水が提供されなくなってしまった。長い間大きな実績をあげてきた水産の魚介類の生産施設、栽培漁業施設がストップになった。この再開と維持については前任者の日向君と堀田君が大変御苦労された。さらにTPPの課題まで出てきたと。非常にこの3年間はめまぐるしい3年間であったかもしれない。
 そういう中で、TPP対策。このTPPについては、水産対策協議会を設置して取り組んできている。委員会説明資料にも概要が書いてあります。この中で、特に私がお尋ねしたいのは、本県のこれからの魚介類、水産物の東アジア、東南アジアへの輸出。これがやっぱり漁業関係者に対する大きな福音になると思う。
 実は先月、相坂、野崎両副委員長のお供をして私はシンガポールへ行ってきたんです。静岡県の魚介類あるいは農林水産物の輸出の手がかりはないかと。シンガポールへ行き、関西特に大阪の皆さんは飲食店街をつくって、これで大成功をしている。関係者の皆さんにも詳しくお尋ねをし、現場を見せてもらってきた。そうすると関係者いわく、商談会もいいけれども、むしろ一定期間アンテナショップを静岡県がつくって、そしてシンガポールの皆さんに静岡県の農林水産物と魚介類を味わってもらう。シンガポールの皆さんは、静岡県のシラスやサクラエビやキンメダイをよく知っていますよと、こういうことなんですね。
 実は、県漁連も昨年の9月に全漁連とタイアップして、シンガポールでアンテナショップを経営して、1つの手がかりを得たと。経済連もシンガポールでやっているのかな、その話も聞いてきました。そのことを考えると、この委員会説明資料にもあるように、浙江省の寧波市にも大きな期待が持てるわけです。これはいつごろからおやりになるのか、どういう方法になるのか、藤田水産業局長にお尋ねしたいと思います。

 それから、次は資源管理の問題。
 特にサクラエビ、あるいはシラス、キンメダイもそう。ここのところ、水揚げが激減する現象が時々あらわれる。そういうことを考えると、資源管理も大事でしょうし、これに伴う支援もある。委員会説明資料には漁業者の減少が生じた場合についての漁業共済であるとか、掛金の助成について書いてある。この中身について、少し説明をしていただきたい。

 とりわけ、キンメダイの資源管理は静岡県だけではなくて神奈川県、あるいは東京都あるいは千葉県等と連携をしながら資源管理をやっていかないと、なかなか広域にわたる漁業ですから資源管理のあり方については一工夫も二工夫もして、皆さん方が苦労しながら他県にも働きかけていることは承知しています。他県との資源管理の状況、今どのような対応をされているのかお尋ねをしたいと思います。

 それから、藤田水産業局長にはこれから静岡県の水産のあり方について、3年間の経緯を踏まえてどうあるべきかお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○藤田水産業局長
 4点御質問いただいておりますので、順にお答えいたします。
 まず、輸出についてであります。
 昨年の3月に静岡と寧波の間の直行便が飛んだことを契機としまして、従来から交流のあった浙江省寧波市との間で水産物の輸出ができないかという話が始まりまして、今年度取り組んでまいりました。途中サンプルの輸出をしたりですとか、今年1月には現地に訪れまして試食会なども開いてきたところです。その際に県漁連の会長や幹部の皆さんにも同行していただいて、現地の水産事情などを見ていただきました。
 我々、戻ってきてからも議論したんですけれども、今までは静岡県の高級な水産物を現地の富裕層に高く売ろうと考えて議論しましたけれども、逆に静岡県では価値がない魚であっても、現地では価値があるものとされているものもたくさんあることがわかってきて、目からうろこの思いで、そういうものも輸出の対象になるのでないかという話をしております。
 具体的には、県漁連に設置した水産物・水産加工品輸出促進部会の中で、輸出の有望な品目を議論して、量を算定して、それを中国側に出して、そこから積み上げていって輸出を具体的に進めていきたいと思っております。

 それから、2点目の収入安定対策についてであります。
 委員会説明資料と若干重複いたしますけれども、資源管理にしっかり取り組む漁業者の方であって、かつ漁業共済制度に加入している方について、例えば不漁などによって減収が生じた場合に、その収入の減収分を補塡するのがこの制度でございます。今この制度は非常に重要であることが広まっていまして、加入がふえておりますので、我々もぜひ加入してくださいと現場にお願いして回っているところでございます。

 それから、3点目のキンメダイの資源管理の話ですけれども、キンメダイは伊豆半島の周辺に主漁場がありまして、神奈川県ですとか東京都、いろんな県が入り合って操業しているわけですけれども、一方で資源が減少していることが懸念されております。
 平成26年度から水産庁の指導で、1都3県――つまり東京都、千葉県、神奈川県、静岡県ですけれども、この1都3県のキンメダイ資源管理実践推進協議会が開催されております。各県から漁業者のほか、県の担当者も同席いたしまして、年四、五回話し合いを行っております。これまでに各県共通の休漁日であるとか、使ってよい漁具、それからとってよい体長の長さなどについて話し合っているところであります。
 これまで培ってきた各地でのルールがばらついていまして、これを統一させる作業はなかなか容易ではないんですけれども、今後とも、国、各県、漁業者代表とともに、粘り強く協議をして、進展を図っていきたいと思っております。

 最後になりますけれども、これからの静岡県の水産のあり方ということですけれども、感想を少し申し上げたいと思います。
 静岡県は、全国有数の水産県であることは間違いないことだと思います。ほかはどこが有力な県かと申しますと、やはり北海道、それから長崎県といったところになるんですけれども、本県ほど大都市に近くて、みずからも人口をたくさん有して市場を抱えている、こういうところで漁業ができる県はほかにないんじゃないかと思っています。
 また、漁場という面から見ても、浜名湖ですとか、駿河湾、伊豆半島、黒潮、挙げれば切りがないほど豊かであります。そういうことで、潜在能力としては、静岡県は本当に全国トップの水産県じゃないかと私は思っております。
 一方で、着任をしまして、現場を回って感じたことは、非常に豊かな土地柄だったということかもしれませんけれども、例えば付加価値の工場の話ですとか、他県で躍起になってやっておられることが、静岡県ではまだ少しやり方が足りないのかなということは正直、最初率直に思いました。そこで、私としましては逆にそれが伸びしろだと思いまして、このことをある意味、よそ者視点で行って回って一緒に汗をかくのが自分の仕事かなと思いまして、3年間現場を回り続けたつもりでおります。ただ申しわけないことに自分の力が及ばず、残せたものは非常に少ないと認識はしておるんですけれども、ただ現場の方々は非常に前向きで、やる気のあふれる方々も多くて、静岡県の水産職員の皆さんも非常に優秀で立派な方がたくさんいらっしゃるということで、これから必ず静岡県が日本の水産業界をリードする存在であり続けて、そういう形になっていくと確信しております。
 また今後、まだ実は正式に何も言われてないのですけれど、恐らくそうなるであろうという仮定で申し上げましたが、異なる立場から仕事をすることになるかと思いますけれども、引き続き自分のできる立場から静岡県の水産業の発展のために貢献したいと思っております、お約束申し上げます。
 最後になりますけれども、森委員を初めとしまして、お世話になりました全ての皆様にお礼を申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

○森委員
 ありがとうございました。
 それでは、経済産業部長を初め経済産業部の皆さんにお願いというか、御案内のとおりTPP対策を私ども県議会は、2年の間に3回意見書を政府に突きつけた。慎重であるべきだ、あるいは反対だということで、県議会全員一致のもとに意見書を出した。今日本政府は、TPPに加盟することを前提に、いろんな政策を展開しているわけです。昨年の10月には、一応TPP参加の11の加盟国が大筋の合意をしたと。それを踏まえて、食料関係、農業関係、それから漁業関係、この政策を掲げて実行に移すと。本県でもいろんな事業に取り組み始めている。今、アメリカの大統領選挙をやっている。民主党のクリントン女史も共和党のトランプ氏もお二方の有力な候補者が、TPPに反対している。これは選挙戦の今だからそういうことを言っているのかもしれない。君子は豹変するかも。トランプ氏は君子ではないかもしれませんけれども、いずれにしても今県の経済産業部が取り組んでいる政策は、揺るぎのないように進めていただきたい、こういうようにお願いします。

 それから、いよいよ年度末を迎えまして、産業委員会の説明者のうち経済産業部の小澤理事、秋津組合検査課長及び嶌本水産資源課長が県を退職される。大変僭越ですが、私から委員の皆様を代表して、一言、慰労、感謝の言葉を申し上げたいと存じます。
 御三方は長きにわたり、県行政の推進に大きな御尽力をされました。県行政の各方面、各分野に大きな実績を上げられてまいりました。長年にわたり、県行政に取り組んだわけでありますけれども、楽しいことよりもむしろ苦しいこと、厳しいことのほうが多かった県の職員生活じゃなかったのかな、そんな思いをしております。御三方に心から敬意と感謝を申し上げます。あわせて私は長い間、皆さん方を支えてくれた奥さんや御家族の皆さんにも、私からも重ねて感謝を申し上げたいとこのように思っております。
 小澤理事におかれましては、昭和53年4月に県庁に奉職されて以来、38年間の長きにわたって、農業技術の職員として農林行政に携わってこられました。この間、茶業農産課長、志太榛原農林事務所長あるいは西部地域政策局長の要職を歴任されてまいりました。平成26年4月からは、お茶と食の振興担当理事として、茶の都の拠点づくりや和の食文化の推進などに積極的に取り組まれてまいりました。今欧米あるいはアジアでも日本食、和の文化が非常に理解されてきている。こういうことについても、やはりお茶と静岡県の食ということ、これは今大きく花開いてきているんじゃないのかな、そんな思いをしております。
 一方で、先ほども少し触れましたけれども、5年前の東京電力の福島第一原子力発電所の事故によって、静岡県の農林水産物が大きな風評被害を受けました。この対応策が大変であったことは、私たちもよく承知しております。的確な対応をしていただいたわけであります。本当に御苦労さまでございました。
 秋津組合検査課長におかれましては、昭和54年4月に奉職されて以来、これまた37年間の長きにわたりまして、一般の行政職員として県行政に携わってこられたわけであります。この間、監査委員事務専門監、組合金融課長代理、組合検査課組合検査監の要職を歴任されまして、平成26年4月からは組合検査課長として、静岡県内の農協、漁協などの検査業務を統括し、各組合業務の適正化や経営の健全化に御尽力をされたわけであります。この間、農協や漁協の合併などもありました。この合併によって、漁協あるいは農協も大変強化されました。こういう面でも御苦労が多分にあったものと思っております。ありがとうございました。
 嶌本水産資源課長におかれましては、昭和54年4月に県庁に奉職されて以来、同じように37年間の長きにわたって、水産技術の職員として県行政に携わってこられました。入庁の初めのころは、下田市白浜の水産試験場伊豆分場に3年間勤務されていたと聞いております。私も伊豆分場には、たびたびお邪魔する機会もありました。伊豆分場に対する漁業関係者、漁民の信頼は大変厚い。このこともやはり、嶌本水産資源課長を初めとする皆さんのお骨折りがあるからこそ、信頼を受けていることは間違いないわけであります。その後、水産振興室の専門監、水産技術研究所浜名湖分場長、水産技術研究所の研究統括監などの要職を歴任され、同じように平成26年4月から水産資源課長として、本県のウナギやシラス、サクラエビ、キンメダイなどの資源状況の悪化が心配され、そういう状況の中で、資源管理に積極的に取り組まれてまいりました。静岡県の水産漁業の振興に大きな実績を上げられたわけであります。水産静岡の伝統と誇りをしっかりと確保していただきました。本当にありがとうございました。
 退職される皆様には、今後健康に十分御留意をされるとともに、これまで培われた豊かな経験と見識を生かしていただき、地域社会においてもまだまだ御活躍をしていただきたいな、そんな思いをしております。御退任に当たりまして、これまで携わってこられた県行政を振り返りまして、後輩の皆さんにアドバイスなどがありましたら、小澤さん、秋津さん、嶌本さんの順で、一言ずつお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○小澤経済産業部理事(茶と食の振興担当)
 どうもありがとうございます。
 ただいま森委員から身に余る光栄なお言葉をいただき、大変恐縮しております。どうもありがとうございます。
 今御紹介にありましたように、私は昭和53年に中部農業改良普及所清水支所というところで農業改良普及員としてスタートしたわけでありますけれども、当時、清水はミカンの産地でしたけれども、大変ミカンが不況でミカンをこいでお茶を植える状況でした。それが今ではミカンが何年ぶりかで日本一になったというように、かなり情勢が動いていると感じております。一流企業も繁栄を謳歌できるのは30年ぐらいという説もありますけれども、情勢が変わってきて、お茶が今厳しいということですけれども、その間何をしたかと言うと、現場でも何か前兆があったのではないかというところは感じておりまして、その前兆を把握して、次の施策へ向けられなかったかという歯がゆさを感じているところでありますけれども、やはり現場の声をしっかり聞いて、それを吸い上げてきっちりと施策へ持っていくプロセスも非常に大事だなと反省をしているところであります。
 議会との関係でありますけれども、今回私最後の議会となりますけれども、この議会というのは大変緊張するところでありまして、自分の仕事を議会のたびに整理できるということもありますし、また事業の推進に当たっても、次の議会までにはこれをやって、委員の皆様に報告しようという考えで進めているところがあることで、ある面では議会は事業の推進力にもなっているのかなと感じているところであります。議会との1つ大きな思い出としましては、平成17年に静岡県議会が多分1号だと思いますけれども、初めて議員提案の条例で静岡県民の豊かな暮らしを支える食と農の基本条例を提案されたと思います。そのとき私が担当させていただいていたんですけれども、自民党、それ以外の党の皆さん本当に超党派で検討会議を開いて、本当に熱心に一字一句丁寧に御検討していただいて、大変勉強になりました。そういうところに本県議会の底力というものを感じて、大変感謝をしたところであります。議会とのおつき合いをすることによって、私も県職員として成長させていただいた部分もあるんじゃないかと思っておりますので大変感謝しております。
 最後になりますが、県政発展のためにこの産業委員会が引き続き活発な議論が行われることを祈念しまして、御挨拶とさせていただきます。どうも本当にありがとうございました。(拍手)

○秋津組合検査課長
 振興局組合検査課長の秋津でございます。
 先ほどは、森委員より過分のお言葉をいただきましてありがとうございます。
 退職に当たりまして何か一言ということでございます。
 私は先ほど御紹介いただきましたとおり、昭和54年に熱海財務事務所に入庁以来、議会事務局の議事課の経験も3年ありますが、主に県庁を中心としまして、出納局及び監査委員事務局等の内部管理部署、それから産業では農業関係の部署を中心に勤務してまいりました。
 現在の組合検査課では、農業協同組合法、農業災害補償法、水産業協同組合法に基づきまして、それぞれ農協、農業共済組合、漁協の検査を実施しておりますが、昨年度、私が組合検査課長に就任して以来、2年間にわたりまして、本監査を除きまして、産業委員会では残念ながらと言いますか、幸いにと言いますか、組合検査関係の質問は一度も出ませんでした。これも県内のこれらの組合が特段大きな問題の発生もなく、比較的健全な経営を確保しているからだと思っておりますが、現在の組合検査についての話をここでしますと、健全と言われる組合の中にもこういう問題があるよ、またこういう課題がありますよというような話になってしまいそうで、甚だ好ましくない内容になってしまいそうであります。そのため、本日は私が勤務した県庁の仕事の中で、現在の農協の金融検査にも関係があります県の公金の資金運用に携わったときの話とそれに関連しまして、私の仕事に向き合う姿勢についての考え方についてお話しさせていただきたいと思います。
 私は、県の資金運用を担当する出納局には、2回勤務をいたしました。
 最初の勤務は、昭和から平成に変わるとき、ちょうど金融ビッグバンによりまして、従来の規制金利から自由金利に変わる時代のときでした。県の資金、歳計現金と基金現金でありますが、これらの運用に際しましても、従来の指定金融機関等に決まった金利で預ける方法から県内に保有支店がある都銀等を含む各金融機関に対しまして、大口定期預金、先物為替予約つき外貨定期預金などの自由金利商品によります入札方式による預託を開始いたしました。まだバブルのさなかということで、公定歩合がマイナスとなる現在では考えられない金利、1週間から3カ月程度のもので10%近い金利が出るなど、歳計現金だけで、年間50億円を超すような運用益を確保した記憶がございます。ここで私は為替と金利の関係、金利サイドの関係とか、また債権による長期金融の仕組みなど、現在の仕事にも役立っております金融関係の一通りの知識を得ることができました。
 2度目の勤務は、それから十数年後、2000年を過ぎたころで、ちょうどペイオフ解禁の直前でした。バブル崩壊後の大手銀行に対する公的資金の導入やその後の銀行の再編など、また県内におきましても中部銀行の破綻など、やはり金融の激動する時期でありまして、担当主幹としまして、県の資金の運用方針や計画を策定する立場での異動となり勤務となりました。このときはペイオフ対策としまして、決済用預金の導入で、流動性資金の安全を図るとともに、余裕資金につきましては、積極的な運用を図ることで、従来は基金ごとに個別基金名で運用していたものを静岡県基金として、一括での運用を開始いたしました。御承知のとおり、金利は金額が大きければ大きいほど、また期間が長ければ長いほど利率が高くなります。一括運用によりまして、特に少額の基金では、従来は難しかった債券運用もできるようになるなど、より効率的な運用が行われるようになりました。そしてこのときに、印象の深いことが、ある大手金融機関に対する預託の取り扱いです。先ほど申し上げましたとおり短期運用の銀行預金につきましては、入札方式により預託先を決定していましたが、ある大手金融機関が高金利の応札を続けたことから、数百億円の資金がその銀行に集中して預託することになってしまいました。ちょうどそのときにマスコミでその金融機関の経営不安の報道もされるようになりました。新規の預託は取りやめたものの現在預託しているものを満期まで継続して預託するか、それとも中途解約して資金の安全を確保するかという問題が出てきたわけですが、県が中途解約を起こしますと、場合によっては県がその金融機関の破綻のきっかけをつくるのではないかと、夜、目が覚めると眠れなくなるなど、随分心配をいたしました。結果的には、当時の大学教授や経済研究所のアドバイザーにも相談の上、破綻はないだろうということで満期まで預託を継続することになりまして、その後その金融機関は、大手銀行と合併することになるわけですが、当時の私の考え方としましては、やるだけのことはやった、検討すべきことはした、あとは結果を待つだけというものでした。
 この考え方が私の仕事に向き合うときの基本になりました。残る職員の方に対する贈る言葉というわけではありませんが、仕事ではどんなに頑張っても成果が上がらないことはございます。それはそれで仕方がない。ただそれよりも自分としてできること、やるべきことをしっかりやれば後悔しないというより、後悔しないために今できることを一生懸命やるということです。以上、長々と個人のことを述べさせていただきましたが、委員会という場でこのような発言の機会をいただいたことに、各委員の皆様には改めてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)

○嶌本水産資源課長
 本日は貴重な時間をいただきましてありがとうございます。また森委員からは温かいお言葉を頂戴いたしまして、大変ありがとうございます。
 私は昭和54年に県職員として奉職したわけなんですが、実は昭和53年に大学を卒業しておりまして、私の世代は非常に就職難でございました。清水にあります会社に1年間お世話になった後、県の職員になりまして、御紹介いただきましたように、最初は水産試験場伊豆分場が勤務地でございました。そのころの伊豆は本当にすごいぐらいのお客さんにあふれている時代でございまして、下田までお弁当を買いに行くにも大渋滞のような時期でございました。その後、水産試験場で22年間、それから県庁で15年間働かせていただきました。水産試験場での主な研究は、水産加工の研究をやらせていただいておりまして、振り返ってみますと、私1人でやったわけじゃありませんけれども、3つぐらいは新しい技術開発ができまして今でも業界の皆様に使われているようなことがございます。技術屋としては非常に冥利に尽きると言いましょうか、本当に今でもありがたいなと思っております。県庁に15年、そのうち実は10年ぐらい、どちらかというとハード専門のことをやらせてもらったと思っております。漁協といろんな荷さばき場とか、冷蔵庫だとか、そんな施設等、海の中の漁場整備ですね、これは公共事業でやらせてもらいましたけれども、やはり1つ挙げれば、一番思い出があるのは、本会議でも質問していただいたんですけれども、榛南地域のいそ焼け対策ですね、これは本当に8,000ヘクタールというカジメやサガラメの大群落が榛南地域で壊滅しまして、平成14年ぐらいから公共事業でやったんですけれども、南伊豆町の下流という地先に約2,100個のブロックを沈めまして、カジメを自然着床させて榛南地域に持ってくるという世界でも日本でもやったことがないような公共事業をやったんです。それで実は、非常に草食性魚類がたくさんいまして、御前崎などに直接持っていくやつが壊滅状態になりまして、同時に下流の2,000個以上のブロックも全部カジメが消失してしまうような事態になりまして、公共事業も一時ストップさせてもらって、それで1年間ある程度、お金を使いましたけれども新たな工法を一生懸命考え、実験的なこともやりながら、何とか結果的には44ヘクタールの漁場造成に成功しまして、今は約4倍のカジメ群落が榛南地域に戻ってきております。今後は食用としてのサガラメだったものですから、このサガラメが何とかうまくいくことを願っております。 
 月日がたつのは非常に早いものでございまして、ここまで来られたのは皆さんの支援をいただきながら、よい刺激を受けながらですね、ここまで業務を遂行できたんだなと思っております。退職した暁には、多分時間と心に少しだけ余裕ができると思いますので、趣味であるアユの友釣りと山登りの時間がもう少しふえたらいいなあと思っております。きょうは本当に貴重なお時間をいただきありがとうございました。(拍手)

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