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委員会会議録

質問文書

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平成25年10月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:三ッ谷 金秋 議員
質疑・質問日:10/11/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○三ッ谷委員
 私も長く県議として務めていますけれど、委員会で目頭を熱くしたのは初めてです。きょうはいいお話をいただきました。
 我々も虐待という言葉はよくわかっていますが、きょうのこの説明で、改めて目の覚める思いで虐待というものを見せていただきました。
 特に、きょうのスクリーンを使った中で、親と子のきずなの愛着を示す図がありましたけれど、やっぱり親子がしっかり手をつないできずなで結ばれていないと、子供が安心をしてほかの子供さんとか、同級生とか、学校とか、いろいろなものにいかないなというのが、あの動く図を見てよくわかった気がします。
 そこで先生に伺いますが、やっぱりこの愛着という先生の御説明のとおり、生まれてからは親の責任で、子供がぐれないようにとか、子供がどこか行かないようにするには、やっぱりお父さん、お母さんのその育児方法が大事だと。生まれて子供に声をかけない親がいるという事例も聞きましたけれども、本当にびっくりしました。本来は、もうかわいくて、お医者さんが抱いちゃいけないと言うのに抱き過ぎて、寝ぐせじゃなくて、起こさないと逆に泣いちゃうような子をつくるという事例はよく聞きますけれど、そういう親御さんがいるなというのはわかったのですが、一方で、大変関心があったのは企業研修です。確かに高校生、大学生などの新人を企業は採りますから、当然、静岡県として、経営者協会にも、あるいはそういうところに要請をして、家庭運営スキームと言うのでしょうか、そういうものをやらないといけないということを聞いて、これは実行しなきゃいけないなと思いました。その運営スキームの事例、あるいは先生がお持ちのスキームのシステムというのか、教材というものはあるのでしょうか。

○柴田俊一氏
 1つはここにありますコモンセンス・ペアレンティングとかノーバディーズパーフェクト、もともとアメリカ、カナダで、男も女も関係なくつくられているプログラムなんです。アメリカやカナダはお父ちゃんは参加するのが当たり前で、それを前提としてつくられていますので、それらをそのまま持っていってもやれます。
それから、さっきのように、お母さんが煮詰まっていくよみたいな事例を報告しながら、家庭でお父さんが果たすべき役割みたいなものとか。もともと夫婦が仲よくて、2人で虐待をしてましたみたいな事例はないわけでして、2人がうまくいってれば、家庭は大体OKなんですね。だから、夫婦関係のコミュニケーション講座みたいなものを今考えています。この間、掛川で1回やらせていただいたのがあるんですけれど、かちっとしたものはないですけれど、これらのものを応用しながら、お父さんのためのノーバディーズとか、お父さんのためのコモンセンスとか言いながら、お父さんがいかに子育てのパートナーとして、お母さんを支えるべき重要な役割を持っているかみたいなことを、時間じゃなくてもいいんですよ、意識だけでもきちっと持っていただきたいなと。子育ては、おれは知らん、おまえに任せたみたいな状態になっちゃうのはぐあいが悪いよということを言っていきたいと思っていますけどね。

○三ッ谷委員
 2つ、先生からきょう教わりました。
 1つは企業の中の新人研修でスキームを組む。若い18歳の子もいれば、大卒の子もいます。だから、入り口論としてはちょうどいいときに企業研修をやるわけです。
 もう1つは、中学生を対象にして、赤ちゃんをお借りして、直接赤ちゃんにさわる機会をつくるというようなスキームもきょう紹介いただきました。
こういうことを繰り返すことによって、身近なところから、60倍にもなった虐待を、アメリカ型のように半減させるための努力を、行政として、あるいは教育として、それから産業育成の一面でやれば、そういうことを県が独自にやれば、先生の今までのキャリアからいくと、傾向としては、必ず減るであろうということでよろしいでしょうか。

○柴田俊一氏
 エンゼルプラン以降、子育て支援策をここ20年ぐらい国を挙げてやってきたところが、ほんのわずかですけれど出生率がちょっとだけ持ち上がったりしていましたよね。あれもやっぱり子育て中のお母さんたちが子育て広場行こうよとか、あそこの保育園のセンターへ行こうよと、子育ての拠点がたくさんでき始めて、お母さんたちが少し健康度が上がったと思うんですね。それから延長保育やら保育園の仕組みも変わっていって、働いていないお母さんもターゲットにしながらいきましたので、そういうことが世の中の機運としてちょこっと高まったせいだけなんですけど、ほんのちょこっと出生率上がったのはそういうことだと思っていますので、この先、まだ10年ぐらいかかるかもしれませんけれども、こういうことをがーっとやり始めると、そう言えば虐待の伸びがとまったねと、下がり始めたねという時代がいずれ来ると思っていますけど。
 1つだけ。実はアメリカでは、というか世界的に言われているんですが、子育ての世代に1ドルお金をかけるのを惜しむと7ドルになってつけが返ってくると言われています。これは福祉医療経済学と言うんですけれども、こういう計算をする学者の人たちがいて――日本でもこういうことをやられる人もいますけど――現実問題として私が経験しているのは、団地の4階から子供を放り投げるぞというお母ちゃんがいましてね。みんなで大騒ぎをして電話がかかってきて、私も駆けつけました。我々市役所が3人いて、児童相談所が4人来て、消防車が2台来てネットを張って、警察が10人ぐらい来て、多分1日、日当が1万円か2万円の人が50人ぐらいその団地取り囲んだんですね。たった1人の子供を放り投げると言っただけで、1日で100万円ぐらいお金がかかっていると思いますけど、結局そのお母ちゃんは自分の子供を育てられないと言って乳児院に預けてあるんです。乳児院の措置費は1人当たり月20万円ぐらいかかっていますので、結局、ぐあいの悪い子育てをする人が出れば出るほど、社会的な整備としてお金がかかっちゃうんですね。その子たちが残念ながら学力が低い、不登校、非行ということになっていけば、もっと大きな社会的なリスクを負うことになりますので、実はカナダでノーバディーズパーフェクトをやっているのは厚生省だったんですけれど、ここしばらくの間に法務省がやれと言い出したんです。何でかというと、カナダはノーバディーズパーフェクトを一旦やめたんです。そしたらその余波で犯罪者がふえて刑務所がいっぱいなので、これはたまらんと言って、法務省のほうが子育ての時代をちゃんとやってくれと言って、お金を出し始めているんですね。
そんなことも社会的な経済を考えていくとあり得ますので、あれだけばたばたと老人施設ができて、町中30分走るとどこでも老人施設が見られるようなインフラ整備が進んだことに比べると、子育ての分野は60倍にも問題がふえているにもかかわらず、社会的な整備が本当に進んでいないなというのが実感です。だから、本当にツケが回ってくるなと思ってしまいますね。

○三ッ谷委員
さっき説明していただいた、困った子から始まっていくサイクル図は本当にわかりやすい図だと思います。最後には「やっぱりこの子は」のところへ行っちゃうということを見ているとね。
先ほどアメリカの事例を出しまして、御説明をいただきました。2分か3分放置すると、罪の対象になる、あるいはそれを看過した人も同じようなことを受けるよというお話をさっき先生からいただきましたよね。今、いろんな市町が子供対策で施設ばっかりつくっているわけですよね。私本人は昔の我々が育った時代のように、少しいたずら小僧でも何も遊びの遊具はないけれども、町とか市のつくった緑豊かな栴檀の木の下で、親子で子育て支援ができるような場づくりというのも必要だなと。今、モデル的なお母さん方が通うのは、車で子供を連れて行って体育館的な施設があって、いろんな遊具が室内にあって、そういうところへ結構若いお母さんは行くんですよね。その割にグラウンドのようなところへは行かない。隣で子供を育てる若いお母さん同士の話もあるのでしょう。子育て支援の場としてのそういうシステムというのは、どちらがいいんでしょうか。

○柴田俊一氏
 自然の中でと、そういう志向の援助者もいまして、引佐でプレイパークをやっている人たちがいまして、外遊びの拠点を転々と変えて、川の上でロープを引っ張ってジャンプして飛びおりるとか、そんなことをやりながら、外で自然と触れ合いながら、遊びを通して子育てを一緒にしましょうみたいなグループもあります。だから、いろんなグループがあっていいなと思いますね。昔の遊びを教えてくれるおじいちゃん、おばあちゃんを一緒に引っ張ってきたりして、先輩のおじいちゃん、おばあちゃんに伝承遊びを教えていただくとか、そんなこともやっているグループがありますので、そういうNPOの応援もしていただけるような仕組みができると本当にいいなと思いますけれどもね。

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