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委員会会議録

質問文書

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平成25年11月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伊藤 育子 議員
質疑・質問日:11/26/2013
会派名:自民改革会議


○伊藤委員
 部活動のあり方について、6ページの「健全な部活動への検討委員会の設置を」というその上の段のところなのですが、確かに学校の現状というのはまさにこのとおりですよね。部活動で何が起ころうとも、学級活動でさえも部活動の人間関係を壊すことはできないというふうな、まさにこのとおりの状況なのです。そうしますと平成三、四年ごろだったのではないかと思うのですが、部活動を学校から外そうと、地域に持っていこうという動きがありましたよね。そうすると、4割の体罰を学校からは移すことができるというふうなそういうこともあったと思うのですが、あのころの動きが再び今度は教育課程外であるにもかかわらず学校に戻ってきた。結局、学校でなければというのは一体、何が原因だったのか。
 それから、もう1つは、地域に移した場合、体罰というものが移動するだけで、学校からはなくなるのだけれども、では地域のスポーツ少年団からはなくなるという可能性があるのかどうか。もしそうだとすれば、移したほうがいいのではないかと。移したほうが学校も安心・安全というのか、学校も楽になるのですよ。本当の教育ができるなというふうに思ったことが現場でありましたので、その辺の部活動のありようというのは、再び地域に移る可能性がないのか。また、移った場合、今の体質から判断すると体罰も移っていくのか、その点はいかがでしょうか。

○大野木龍太郎氏
 後のほうの問題は、私もドイツのほうに四、五年前にスポーツクラブの調査で行きましたが、ドイツの場合のスポーツのやり方は基本的には子供たちだけでやるクラブってないのですよ。必ず大人のクラブもあって、その中の1つとして少年のところを担当する。そこにはたくさんの地域の大人たちがボンティアでかかわっています。有償の人もいるのだけれど、圧倒的多数が地域の子供たちをこのクラブで大事に育てていきたいと。勝たせたいのではなくて、育てていきたいという。日本だと中学校、高校も、さっきの浜松商業高校もそうなのですが、限られた期間で結果を出し、全て完結しようとしますよね。スポーツというのは中学受験、高校受験、大学受験で半年も部活を休むとか、これって本当はおかしいことで、スポーツとはそういうものじゃないだろうと思っています。だから、そういう意味では余りスポーツというものを学校教育の中に閉じ込めないほうがいいとは思うのです。
 だけど、もう一方で今の中学校の実態が学力差がすごく出てきているじゃないですか。例えば小学校で学んだことを全員がわかって中学校に来ているならともかく、もう小学校で半分以上がわからないことだらけ。中学校に入るともっと難しくなる。そうすると、ちんぷんかんぷんの子たちが出てきている。そういう子たちにとって学校で6時間の授業をじっと黙って聞いているということは、相当、苦痛ですよね。そのときに先生たちがどうしたかというと、学校でこの子たちがいる場所をつくらないといけないということで、部活動というのはすごく生活指導的に捉えられてきています。あの子たちが学校で、そして社会に出たときに社会で何をするかわからないと。何とか学校の中でその子たちに居場所というか、目的を持たせたいなということで、そういう意味では部活動というのはすごく大きな装置だったのですね。だから、それは本来的じゃないですけれど。オリンピックだってスポーツと人間形成はちゃんとつながっているんだと、すばらしい人間をつくっていくにはスポーツって絶対必要なのだと。だけど、そのやり方がそうやって、おまえはスポーツさえやっていればいいのかというと、そうではないと思うのです。やっぱりバランスをとった人間を求めていく。スポーツ特待生みたいな制度があって、スポーツさえできれば上級学校にどんどん進学できるのは日本だけだと思うのです。アメリカなんかは、ちゃんと学力もなければ行けませんよ。ということは、日本の子供たちはスポーツを外しちゃったら、その子は残念ながら生きていくすべがないのですよ。そんな子に育てていいのですかということですよ。だから、私はそういう意味では、スポーツというのはあくまでもその人の楽しみといったら失礼ですけれど、スポーツでプロになって生きていく人なんてほんのわずかですから、もっとスポーツをしたことがいろんな意味で自分の世界を広げて、自分が生きていく上で有用であるというような、そういう形でやっていきたいなと思っています。
 社会教育に移すというのは、現状だとかなり難しいと思います。それよりは、部活動のガイドラインで、長野県がやっているようにそれを上からやるのがいいかどうかわかりませんが、学校教育としての一つのスタンダードの中に部活動のラインをおさめないといけないのではないかなと。そうなるとどうやって全国1位になるんだと思いますよね。でも、全国1位になることは至上の価値になることが、そうするとだんだんとおさめられていく。この時期に必要なことは何だろうかなということで、ちゃんと子供たちに向けた指導が始まるのではないかなと。今、そこの部分が抜け落ちているので、とにかく大会に出たらチャンピオンを目指すということが至上命令になっていますけれど、何かそこら辺が変わることができるのではないかなと。だから、ガイドラインを示すということは――示すだけじゃないですけれど――それをちゃんと実行していくための組織に学校を変えていくことが、実は部活動が健全なものに変わっていく道ではないかなと思っています。サッカーのような種目は、そうはいいながら中学校レベルではかなりの子たちが選択肢として持っています。それは、サッカーというスポーツが一貫して子供たちを育てていこうという、そういう中で学校というシステムよりも地域の中でずっと子供たちを育てていこうというのが、世界を見ながら日本はできるのではないかと、やれるのではないかということでやってきているんですね。だけど、残念ながらほかの種目については、まだまだそういう合意ができていないところが現状ではないかなと思いました。

○伊藤委員
 サッカーの世界では、トレセン制度ですよね。

○大野木龍太郎氏
 トレセンだけじゃないです。

○伊藤委員
 ほかにもあるのですか。

○大野木龍太郎氏
 トレセンはかつて選抜ということでやっていましたけれど。

○伊藤委員
 そういう中でも体罰というのはないのですか。

○大野木龍太郎氏
 池谷委員のほうがその点は詳しいかなと思うのですが。むしろ体罰よりも今、どういう言葉を投げかけるかというようなレベルに少しずつ入ってきているんじゃないかなと思います。元Jリーガーが体罰をして選手を殴った、蹴ったとかというのがありましたけれど、どうでしょうか。そこは僕は長い目で見たときに、サッカー界が少しずつ世界のサッカーを自分たちのものにしていこうというそういう視点から取り組んでいるのではないかなと思っていますので。必ずしも学校で行われていた体罰が地域に行ったら全部、ただそこに移るとは思いませんけれども。

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