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委員会会議録

質問文書

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平成23年11月エネルギー有効利用推進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:大岡 敏孝 議員
質疑・質問日:11/28/2011
会派名:志士の会


○大岡委員
 どうもありがとうございました。大変興味深く聞かせていただきました。
 まず、再生可能エネルギーの中で、先生も大変「熱利用」ということを言っておられて、我々もなんか電気のことばかり考えていたんですけど、この前ヨーロッパ行ってきましたらね、10の再生可能エネルギーがあるとしたら、9が熱利用で1が発電だというぐらいの比重で、熱利用にすごく力を入れておられたんです。
 そこで、この熱利用を進めるために、例えば、県西部地域なんかは工場がたくさんありますし、各市町村にはごみの焼却場があったりしていろんな熱源というのは持っていると思うんですが、それをどのように日本で使っていったらいいのかなと。なんか向こうは水を循環させているんですね。お湯を循環させるヒーターが、大体どこの家にもたくさんついていて、そこにジョイントさせて使っているという言い方をしていたんです。日本の場合、なかなかそういうのがないものですから、具体的に熱利用を進めるために、先生がもう少し具体的な御提言なんか持っておられたら教えていただければと思います。

○松尾廣伸氏
 おっしゃられるとおり、ヨーロッパは本当に地域熱利用が進んでおります。ただ日本はそれをしようと思うと、まず道路とかで実は問題があって、なかなか引き回せないというのが一つ存在したりします。なので、もし国内でやろうとすると、そこら辺も一つは問題になりますし、ヨーロッパはもともとファンコベックというか、それぞれの部屋にそういう放熱設備がついていたりしまして、それとの接続が容易であったというのも一つあると思います。もともと戸建でやられていたところに対して、引き込んでそのままつなげばよかった。国内でそれをやろうとしますと、やはり先ほどおっしゃられたように、もともと住宅ですとありませんので、設備を新設してさらに使おうとなると費用ががんと上がってしまってなんか相当難しい格好になってしまうと思います。
 熱利用のためには、熱源として何を使うかというのが、まずは物すごいキーワードになると思います。もちろん排気熱は当然ありますし、先ほどの工場排熱というのもあるんですが、非常に残念ながら工場排熱はかなり限られております。工場とかは、電気比率がもうかなり高いんですね。
例えば、工場のすぐわきに宿舎みたいなのがありましたら、そこは非常に効率よく使えると思うんですが、電気と熱と比べますと、電気は運んでも損失がそんなに多くないですが、熱は運ぼうとしますと物すごい損失量が実は発生します。ですから、地域熱供給で熱供給をしてて、再生可能エネルギーが9割熱で回しますよといったときに、じゃあその9割使っているうちの何割が家の中に入っているかと考えると、実は相当効率が低い。余り言うとちょっとあれかもしれませんが、大げさなことを言うと6割ぐらいだと思います。残りは多分逃げてしまっているというのが現実だと思いますので、だからそこを考えますと、うまい形で最初から、例えばそういう地域熱供給ができる住宅団地なり、共同宿舎といいますか、アパート、マンションとか
(「市営住宅」と言う者あり)
 そうです、市営住宅、県営住宅とかいうのを設計されたら、そんなにエネルギー効率のいいものはないと思います。特にマンションやアパートというのは損失がすごい少なくいきますので、負荷密度の高いところはぜひそういうのを積極的にお考えいただけると損失もなくいくと思います。ただ、戸建住宅では相当難しいと。損失がすごい大きくなってしまうというのがあります。なので、熱源として何を持ってくるかというところが国内だとちょっとひっかかりが大きいということと、もしされるんであればそういうふうに集合住宅でされるのがいいと思います。

○大岡委員
 ごみ焼却場なんかもやっぱり大分余熱というか、排熱で余っている熱ってあるんですか。

○松尾廣伸氏
 発電をされて、それでも余剰になってて、周りで使われている部分というのがあると思うんですけど、もう少し実は段階的に使えると。段階利用ですね。一番最初、熱で発電をして、もう1個次のサイクルも多分発電ができるんですけど、それを使ってもさらに使える熱ってあって、そこの部分は多分最近の事例ですとプールとかに熱供給をするという格好で使われていると思うんです。それでも多分まだ熱って少し余りますので、周囲に例えば温室のようなプラントとか、そういう格好で展開していけるんであれば非常にプラスになるのかなというようには思います。

○大岡委員
 ごみ焼却場なんかは迷惑施設で、大体郊外につくったんだけど、町の真ん中にごみ焼却場をつくってですね、マンションに熱供給したり、市役所とか役場に熱供給したりということは考えられるんですか。

○松尾廣伸氏
 エネルギー効率だけでしたら、そのとおりだと思います。発電所も迷惑施設で、正直いって僻地につくられていると思いますけど、当然そうすると送電損失もありますし熱は使えませんので、エネルギー効率だけ言えば、人がいるところにつくったほうが効率がいいというようなことになります。

○大岡委員
 もう1点よろしいですか。
 メガソーラーなんですけれども、先生はどちらかというと否定的な御意見で、私も実は否定的な意見なんですが、ちょうど静岡県で言いますと、清水の港湾の中にメガソーラーをつくるという計画があるんですけれども、具体的にこれについてはどのように思っておられますか。あるいはまたメガソーラーについて否定的な理由を、もう少し具体的に教えていただければと思うんですが。

○松尾廣伸氏
 メガソーラー全部を否定するつもりはないんですが、無理をしてメガソーラーをやるよりは、メガソーラーまで行かないレベルの規模でいいので至るところにつけたほうがいいというのが私の考えです。
利点と欠点と両方あります。欠点のほうから言いますと、これは電力会社側の都合に近いところもあるんですが、制御がきかなくなる。もう既に住宅団地とかで太陽光発電をばっと集中的にやったところというのは、系統の電圧が上がってしまって、逆潮流がかからない――発電した電気が流れないという状況が起こっております。電力会社から見ると、今の段階ではそれ以上の問題はないんですが、住宅に住まわれている方から見ると、売れるはずの電気が売れていないじゃないかというクレームが行くことになりますので、その辺のコントロールをしなきゃいけない。それがばらばらだと、あっちでもこっちでもコントロールしなきゃいけないというので、電気会社側から見るとやはりちょっと難しい面があると思います。それが1カ所で大量にやっていれば、そこの系統の連携のところだけコントロールすればいいので制御が楽だよという意味があって、電力会社側から見るとそういうようなことがあると思います。
ただ1カ所に大きな発電所があるのと、例えばそれを4つとか5つに分けて分散していったというような状況になったというのを考えますと、先ほど言ったように、気候変動に対しては、ばらばらに置いたほうが全体を見たときには安定的に作用します。1カ所だけですと、やはりそこ1カ所で発電量が大きく変化するということがありますので、その点では分散設置していただいたほうが、全体の負荷の均等化、平準化という意味では非常に役立つと思っております。
 せっかく清水につけられるんだったら、清水じゃなきゃできないような、冷熱利用とかとセットにされるともっとおもしろいかなというように思います。

○大岡委員
 さっきの資料を見ると、清水は余りいいところじゃないですよね。薄オレンジだったり、こっちは緑じゃなくて水色だったり、オレンジじゃなくて黄色だったりね。

○松尾廣伸氏
 そうですね、ちょっと色が変わっているところかなと思います。ただ、南は南で今度は温度が上がりますので、うまく冷やしてあげないと思ったような効率が出なかったりとかという面も正直あります。そういうことよりも、やっぱりメガソーラーとなりますと、敷地をどこにどうとるかという話が多分優先されているのではないかなというふうには思います。

○大岡委員
 これもヨーロッパで、メガ沖合風力をやっている人に聞いたんですが、風力はメガ化することによって羽根が大きくなって、設備もよく風が吹くところに集めるというのは、これは非常に効果的だけれども、メガソーラーというのはほとんど意味がないと。だから、詳しいことは知らないけども、事業化を考えたこともないということをおっしゃっていたんですけど。

○松尾廣伸氏
 メガソーラーは、発電のパネルから考えて別注すると設備効率が出ます。例えば、東南アジアとかに設置されているメガソーラーというのは、もう縁がついてないです。ガラス基板に太陽電池がついているだけのやつを、とめるときに、枠がないまま強度があるように固定していくというとめ方をしてます。そういうような形で大量発注をかけて、安いパネルを供給してもらえるということをやれば、少しメリットが出るかとは思います。ただ、一般的に同じパネルを使って設置するんだよということを考えると、もう全くメリットが出ないというふうに私は思っております。

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