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委員会会議録

委員会補足文書

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平成26年10月人口減少対策特別委員会
特定非営利活動法人クロスメディアしまだ 代表理事 大石歩真氏 特定非営利活動法人クロスメディアしまだ 理事兼事務局長 児玉絵美氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/21/2014 会派名:


○大石歩真氏
 NPO法人クロスメディアしまだの大石です。きょうはよろしくお願いいたします。
 主に3つのフェーズからきょうはお話をさせていただきたいと思っております。
 1つ目は、私たちも先ほどありましたけれども、婚活ですとかそういった出会いの場の創出という取り組みについて、具体的にどんなことをしているのかというものを事務局長の児玉のほうからお話をさせていただきます。その後で、婚活の参加者の中に結婚の意識調査というものを実施した経験がありますので、その意識調査をまとめたもの、そこから読み取れることについてお話をさせていただいて、その後、私たちが日ごろ活動している中でこういう取り組みが必要なのではないかというような御提案ではないんですけれども、そういった感じることについてお話をさせていただきたいと思っております。
 私たちのNPOは島田の駅前に事務所を構えておりまして、まちづくりの活動をしているNPOです。スキだらけのマチづくりというテーマを掲げているんですけれども、地域が好きになる人がふえていってほしいというところと、あとは行政ですとか企業ですとか、NPOなどの活動団体、そういったすき間を有機的に埋めていくための取り組みというものが地域には必要なのではないかということで、スキだらけのマチづくりというテーマを掲げています。
 今、こちらには理事を挙げているんですけれども、私と児玉も理事をしておりまして、あとは市内の商工業者の方が3名、東海大学の教授ですとか、東京で仕事をしている者が1名、外部が2名という形で運営をしております。
 きょうは婚活ですとか少子化というところの取り組みについてという形なんですけれども、私たちのNPOとしては、地域ライフサイクルに沿った活動支援というものを一応頭に入れながら活動をしております。結婚して出産して子育てして家庭をつくって地域活動というところに帰っていく、そこまでにやっぱり20年ぐらいはかかっていくのではないのかということを想定した上で、それらをどういうふうに地域の人たちを巻き込んでいくのかということを念頭に置きながら活動をしております。
 なので子育て支援ですとか、そういった仕事と家庭の両立、最終的には地域愛を持ってもらった上で、初めて地域活動だったりNPOの活動に入ってくるのではないのかということで、NPOを創出するための中間支援の役割というものも地域の中で果たしております。
 今、お手元に資料もつけさせてもらったんですけれども、こどもわくワークという取り組みと、地域の特性を生かした休暇取得促進のための環境整備事業というもののチラシを2つ置かせてもらったんですけれども、主に今行っている活動としては、こどもわくワークというものが、地域の商工業者ですとか、あとは行政と子供をつなぐ取り組みというものを行っております。一番左側は島田市長の仕事になるんですけれども、そういった地元のお仕事を子供たちが体験をして、実際働いた子供たちには、島田信用金庫の窓口で疑似通貨、お給料を発行するという仕掛けをつくっております。そうすると、子供たちがまたお給料を持って、地域のお店で何か買い物をしたりするものですから、その際にお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが一緒について来ると。地域の商業ですとか施設と子供をつなぐことで、そこに広がりを持たせていこうというふうな取り組みを行っております。
 もう1つは、この地域の特性を生かした環境整備事業というもので、厚生労働省と直接契約をして行っている事業になるんですけれども、ワーク・ライフ・バランスの推進というところで、主に休暇の取得促進、長時間労働の対策というところを企業を直接訪問しながら、その現状のヒアリングとその啓発というものを2年間今実施しております。
 このように、婚活というところだけではなくて、いろいろな側面から地域ライフサイクルというところを支援しているということを頭の隅に置いておいていただければと思っております。
 ここからは、実際にその婚活に向けた取り組みというものをどのように行っているのかについて、児玉のほうから説明をさせていただきます。

○児玉絵美氏
 同じく、クロスメディアしまだの児玉と申します。
 それでは私のほうから、当法人で取り組んでまいりました婚活事業についてのお話をさせていただきたいというふうに思っております。
 これまで、私どものほうで、街コンの開催を省きますと全部で8回行っておりますので、そちらの報告をさせていただければと思います。
 一番最初に婚活として行った事業というのが、こちらの大井川鉄道SL婚活列車の旅というものを2012年の10月に開催をいたしました。こちらはSLを1両貸し切りまして、川根路を千頭まで行き、そしてバスに乗りかえ、今、静岡県のほうでもやっておりますエンゼルパワースポットをめぐりながら交流をしていくという形での婚活を行いました。SLというのは大井川鉄道なんですけれども、全国的にも有名でして、最近はトーマスが走っていて、非常に認知度も高いんですが、やはりSLの持つポテンシャルというのはとても高く、応募総数は参加60名に対して351名もの応募がありました。ですが、もともとSLというとやはり鉄道マニアの方ですとか親子連れが乗りたいというイメージがあるんですけれども、そこに婚活イベントというものを組み合わせることにより、SLという地域資源に興味を持つ層というものがさらなる広がりがあったという効果があったと思っております。
 そして続いては、ばら婚というものを2012年の12月に開催をいたしました。こちらはエンゼルパワースポットに登録をされております島田市にあるばらの丘公園を夜間貸し切って開催をいたしました。ばらというのは春と秋に2度咲くもので、その時期はいろんなばらフェスタなんかが行われたりして、大変にぎわう公園になるんですけれども、ばらの咲いていない時期というのは本当にただの公園になってしまう形で、――温室には少し咲いているんですけれども――ばらの丘公園自体も集客にとても苦労されているという現状があります。ですが、ばらというのはもともと愛の花といったイメージもありますし、ばらの丘公園はもともとドレスを着て撮影ができたりですとか、幸せの鐘があったりというような形で、恋愛や出会いというものにイメージがわきやすいポテンシャルを持った公園でもありました。ですので、その部分に注目をし、そしてばらの丘公園の閑散期に婚活を行い、ばらの丘公園を知ってもらう出会いの場を創出したことにより、カップルになればこういう思い出の場所にまたデートで来てくれる可能性もありますし、閑散期の来場者もふやせるというような相乗効果が生まれております。
 そして続きましては、恋の謎解きミステリー婚活in島田というものを、2013年の9月に開催をいたしました。こちらは島田市の中心市街地及び商店街を舞台に行いました。中心市街地の空洞化ですとか商店街の集客減というのは、島田市だけにとどまらずどの町の課題でもあるところだと思います。そこに婚活を組み合わせた形で開催をいたしました。島田ならではの謎解きストーリーを考え、中心市街地のお店や施設に入って謎を集めて解きながら出会っていくという形の婚活イベントといたしました。そうしますと、自然にお店に入りますし、場所によってはお店の方に聞かないとわからない謎を用意したりしましたので、中心市街地のお店と参加者との交流というものが自然に生まれていきます。こういうことにより、ただ島田に訪れて町の風景を知るだけの部分から、一歩踏み込んだ形で参加者が地域を知ってもらう、そして出会いの場にもつながるといった効果がありました。
 続きましては、空婚というのを2013年の12月に開催をいたしました。御存じかと思うんですけれども、島田市は富士山静岡空港のある地域となっております。そして、その空港のあるおひざもとが島田市の湯日自治会というところになるんですけれども、その湯日の自治会と一緒に開催をしました。こちらも今、御説明してきたのと同じように、静岡空港を知ってもらいながら、なおかつ出会えるという形での企画としたんですけれども、やはり今、独身の男女というのは、静岡県内の方は空港の存在を知っていてもなかなか就航先ですとか、空港のサービスというところまで意外と知らない方も多いと思います。しかし、その空港の魅力を知りながら出会っていければ、その後の旅行に使うきっかけになったりとか、たとえカップルにならなくても、今度使ってみようというような利用の促進にはつながります。そういった観点で開催をいたしました。
 そして一つ特徴的なのは、島田市の湯日自治会というのは、今、人口が600人ほどで、そのうちの約60名の男性が独身、1割が独身男性というデータをいただいておりまして、この地区は自治会長さん初め自治のまちづくり委員会の方たちが、とにかく独身男性を何とかしないと地域がなくなってしまうという危機感をかなり持っている、余り例のない自治会です。「ゆい婚」という水色のチラシをお配りさせていただいたんですけれども、この前回の開催からもう一度ぜひこれからやってほしいということで、今度11月に開催をして、今度また3月にもやってほしいということで、かなり依頼がきているんですけれども、シリーズでやって、一緒にやっていくという形がとれております。
 そして、また続いてばら婚というのが続くんですけれども、これも同じく島田市ばらの丘公園での開催をことしの3月に行いました。このときは属性を絞った形で開催をしました。オトナ婚活というふうに書いてあるんですけれども、男女とも参加年齢を49歳まで引き上げた形で募集を行いました。というのも、ふだん私どもの婚活イベントは大体25歳から45歳までの独身男女を対象に開催をしているのですが、回数を重ねていくうちに、45歳以上の方から、ぜひ自分たちも出られる婚活イベントをやってほしいという意見がたくさん聞かれるようになったために、オトナ婚活というものを開催いたしました。
 このときは、カップル成立数が1組というふうに出ているんですけれども、この回は連絡先を気に入った相手に教えるカードを渡すのみという形にしておりまして、カップル成立というのをちゃんととらずに、その後連絡をとれるような、ちょっとぼかす形で最後を行ったものですから、1組という結果にここだけはなっております。
 そしてまたばら婚が続くんですけれども、同じくばらの丘公園で今回も属性を絞った形で開催をいたしました。ワケアリ婚活というものを行いました。こちらはシングルマザーですとかシングルファーザーですとか、一人っ子ですとか、親と同居が必須だよとかというような少し訳を抱えた方を対象にし、そして訳を抱えた異性を受けとめられるよという方を対象に募集をしました。男性は数名、訳を受けとめられるという意思表示をいただいた上での参加がありました。こちらのほうは初めての試みで、周囲からはかなり話題になったイベントでもあったんですけれども、満足度は非常に高く、そしてとても特徴的だったのは、その後のアンケートで、婚活に参加したのは今回が初めてという男女が非常に多かったことが特徴的でした。これはやはり一つ言えることは、伴侶にめぐり会いたいとか、もう一度幸せな結婚をしたいというふうに思っているにもかかわらず、やはり自分の訳というものがネックになっていて、出会いの場に出ていくことにためらいがあったりですとか、もう既に諦めてしまっている方がたくさんいることをすごく如実にあらわしているなというふうなことは実感しました。
 そしてこちらは、ワケアリ婚活に参加をされた女性側からニーズがたくさんあるのでまたぜひやってほしいという声もいただいているので、また今後も開催をしていきたいというふうに思っております。
 続きましては、着物de婚活というものをことしの6月に開催いたしました。こちらも参加者の趣味、趣向に絞った形で開催をいたしました。このときに、ちょうど島田市博物館で「美にほひけり」といった着物の展示のイベントをやっておりましたので、それに合わせて着物を着て、そして博物館周辺には川越街道といいまして江戸時代の町並みが残っている街道があるんですけれども、ここの町並みを散策したり、お抹茶を楽しんでもらって出会っていくというような婚活を行いました。特に男性の参加のハードルを下げるように、イベントの開催前には着物の着つけ講座ですとかレンタルの着物を用意する形で開催をしてきました。
 こちらのほうは、着物を着るということで、ふだんとは少し違った自分になって出会うということからでしょうか、非常に男女とも雰囲気がいいイベントとなりました。川越街道を散策しているときに、参加者に対してアマチュアカメラマンが写真を撮っていいですかと聞く一面もあったりしまして、こういう部分は個人情報の観点からお断りする参加者もいましたが、やはりそういったことから自分に自信を持ったり、特別な自分に変身をしたといったような形で、そういうところからも満足度が非常に高く、そして島田市博物館や川越街道の魅力も伝わったイベントになりました。
 そしてこちらが今、直近で開催している最後の婚活イベントになるんですけれども、茶つみ婚in瀬戸谷というものを行いました。こちらのほうは、藤枝市の瀬戸谷にあります大久保グラススキー場で開催をいたしました。お茶つみ体験を地域の農家の御夫婦に教えてもらいながら行いまして、そしてそのつんできたお茶をホットプレートでお茶をもんで煎茶にして味わうといった体験のイベントでした。やっているときに、お茶農家の御高齢の御夫婦がお茶つみをしながら夫婦の秘訣をお話ししてくださったり、そして自然いっぱいの中で体験しながら出会うということで、こちらは静岡市周辺の割と街場というんですか、女性の割合が非常に多く、農業に興味を持っていたり、アウトドアが好きな女性を初めとした男女がたくさん集まるイベントというふうになりました。
 以上、全8回、2012年からなんですけれども、開催をしてきた中で、私どもが運営をする婚活イベントですが、応募総数はこれまでで886名、そして婚活全8回の参加者数が331名、そしてカップル成立数が55組、そしてメルマガ登録者数は約200名に上っております。このメルマガ登録者数というのは、公益団体が主催運営をします婚活イベントを集約をして発信する静岡出会いポータルサイトS・de・iというサイトを私どものほうで運営をしておりまして、そちらの登録者数になっております。この登録者数も増加傾向にありまして、公益団体が開催する婚活イベントの出会える場を探している独身男女のニーズの高さというのは非常に実感をしているところであります。
 以上、今御説明してきました当法人が企画運営する婚活イベントですが、まとめますと3つの特徴があるというふうに私どもは考えております。
 1つ目は地域資源の活用です。婚活イベントというのは、主な目的というのは出会いの場の創造ですから、施設内だけで開催することは当然ですが可能になります。しかし、私どもは必ず地域の魅力に触れてもらう場をつくっております。SLだったりですとか、空港だったり、ばらの丘公園だったり、中心市街地だったり。その場を知り、興味を持ってもらうことでまた足を運んでもらえる可能性がふえる。これは少子化や出会いの場の創造だけではなく、やはり観光の側面にも効果的であると考えられますし、何より出会い、結婚をして子供を産むというときには、きちんと地域を知り、そして魅力を理解して、住みたい、子供を育てたい地域というものを選んでほしいというふうに考えているからであります。そしてこの部分は、まちづくりというものをミッションに掲げております私どものNPOの役割としても非常に重要だというふうに考えております。
 そして2つ目は申込者数の多さです。静岡出会いポータルサイトS・de・iを運営している中で、イベント主催者の方からは集客に苦労をしているという話は非常に多く聞きます。しかしながら、私どもが開催している婚活イベントは、ありがたいことに募集人数の大体2倍の応募、SL婚活に至っては5倍の応募など、たくさんの御応募を毎回いただいております。これに関しては広報力とデザイン力を惜しまないという部分が大きいのではないかなというふうに考えております。
 私ども当法人はクロスメディアということを団体名にも掲げているぐらいですし、やはりメディアを活用した効果的な広報活動というものは得意としているところです。どこにどう告知するのかというのは常に考え、時間をかけております。その結果ではないかなというふうに考えております。
 そしてそれと同時に、デザイン力にも力を注いでいます。チラシのデザインというのは本当に圧倒的に集客を左右するものだと考えております。そして、ただでさえ婚活イベントというのは参加することにためらいを持つ傾向がありますので、そこに刺さるデザイン、それでも行ってみたいと思えるデザインにしないと参加者というものは集まりません。そして、デザイン力というものは地域や婚活全体に対するイメージにもつながっていくことだと思っておりますので、広報とあわせてデザインにも力を惜しまず行っていることの結果だというふうに考えております。
 そして3つ目ですが、多様な層の参加というものが上げられるというふうに思っております。NPOというものが持つ公益的なイメージからか、私どもが企画する婚活イベントは、特に男性なんですけれども、親御さんからの申し込みというのをたくさんいただきます。中にはおばあさまが孫を参加させたいという応募があるぐらいでして、それというのは、やはり親御さんからしても息子といいますか、子供が参加しても安心というイメージがあるというところが大きいと思います。今、現状を一般企業ですとか、あとは婚活を専門に行っておりますイベント会社などが行う華やかな婚活イベントもたくさんちまたで見かけます。医者婚とか、弁護士婚とか、そういったものもたくさんあったり、私もよく見かけるんですけれども、あとは、高い入会金を払いさえすれば、結婚相談所への入会も当然ですが可能です。しかし、そこまでお金をかけるのはちょっととか、やはり性格的にもというふうにくくってしまうと語弊はありますが、そういう部分になかなか積極的になれず、華やかな婚活にはしり込みをしてしまう人というのが、実際結婚適齢期の独身男女の中には割合としては多いんだというふうに感じています。
 また、先ほど事例でも御紹介しましたが、ワケアリ婚といったような婚活もNPOならではの強味で実現できているというふうに考えています。結婚弱者というとちょっと言葉はきついのかもしれないのですが、そういった層を自然に参加しやすい形で背中を押してあげられる、参加するきっかけをつくることができているということも、私どもが行う婚活事業の特徴だというふうに考えております。
 以上、地域資源の活用、申込者数の多さ、多様な層の参加、この3点が私どもの取り組んでおります婚活事業の特徴であるというふうに考えております。

○大石歩真氏
 それではここから、今、最後の2回の婚活がありまして、茶つみ婚活というものと、着物婚活というものを実施したんですけれども、その中で参加者に対して結婚への意識調査というものを私たちのNPOで実施をいたしました。そちらの結果についてお話をさせていただければと思っております。サンプルとしては大体81通のアンケートというものを実施しております。
 まず最初に、参加者の生活形態というところについて聞いております。同居ですか、ひとり暮らしですかというところに関しては、親と同居しているという方が男女ともに非常に多かったです。これは静岡県の地域性なんでしょうかという、その辺がちょっと自分にはわからなかったんですけれども、男女ともに同居が非常に多いなというところを感じました。経済的、生活的な自立意識というところが、今の若い人たちは少し低いんだろうか、もしくはその若い人たちにおいてひとり暮らしをして自立していくということの経済的な難しさというところがあるのかなというふうに感じております。また逆に言うと、同居しているからその婚活というイベントに一歩出てみようというアクションを起こすきっかけになっているのかなというふうにも見ることができます。
 続いて、異性の友人の数について聞いております。男性、女性ともにゼロから5人という人が回答者としては圧倒的に多く、やはり異性の友人の数が非常に少ない人たちが多いです。こちらは異性の友人の数が少ないと、そのままそれは他の男性ですとか、お相手に出会う機会の減少というものをその中から見ることができます。
 結婚したいと思う理由について聞いております。ちょっと小さくて非常に見づらいと思うんですけれども、結婚したいと思う理由、子供が欲しいから、精神的安定が欲しいから、経済的安定が欲しいから、親、親戚などに勧められるから、周りがしているから、老後の不安、何となく、その他というところで聞いているんですけれども、男性、女性ともに多いのは子供が欲しいからという部分と精神的な安定が欲しいからというところが非常に多く見ることができました。子供が欲しいという意識をちゃんと男性も女性もともに持っておりますし、加えて精神的な安定というところがやっぱり望んでいるというところが見られます。次に多く見られるのが老後の不安というところが非常に多く見られるというところが少し特徴かなというふうに考えております。
 それでは、その結婚相手に対して求めるものは何ですかという質問をさせてもらいました。安らぎ、経済的安定、子供を持つ、親の面倒を見てくれるから、容姿、経歴、共通の趣味、愛情というところで聞いております。男性は安らぎが84.6%と最も多く、次いで愛情が57.7%でした。女性は安らぎ、経済的安定が74.1%と多く、次いで愛情が59.3%となりました。容姿ですとか経歴というところはさほど多くなく、先ほど同居が非常に多かったという話なんですけれども、同居が多かった割には親の面倒を見てくれるからという回答は男性でもゼロ、女性でも11%しかおりませんでした。安らぎというところ、愛情というところを求めている方々が非常に多く見ることができます。相手に対しては役割ではなく、その安らぎとか愛情というところを今の若い人たちは強く求めていることが見てとることができます。
 一方、女性は経済的安定を求める方が非常に多く見ることができました。女性の経済的な不安定さ、今の若い人たちの女性における不安定さというものがとても大きい精神的な不安になっているんだなということを感じ取ることができました。
 結婚への希望時期についてなんですけれども、男性、女性ともに1年から3年以内というのが多く、次いですぐにでも結婚したいという方が多かったです。これはやはりそういったイベントに参加しているというところもあるんですけれども、結婚への意識の高さというものをちゃんと若い人たちも持っているんだなということがわかりました。
 その参加された方が婚活のイベントに今まで参加したことがあるのか、ないのかというところについては、1回以上参加したことがある方が男性は64%、女性は70%というふうになっております。
 参加したことがある方がどのぐらいの数参加しているのかについては、男女ともに1〜3回、3〜5回というところが非常に多く見ることができました。ただ、男性については5回〜10回、10回以上参加しているよという人たちが大体全体の22%いました。女性のほうにはその数が非常に少なかったんですけれども、私たちも婚活の取り組みなどをやっている中で、男性側がこのイベントに参加すれば何とかしてくれるとか、参加すれば相手が見つかるというふうに、参加することがゴールになっているのかなという方を見ることができるので、そういう方が改善の余地があるといいますか、参加数を重ねていくことではないんだよというような意識の変化が必要かなというふうに感じております。
 以上の意識調査というものを実施した中で、その中から読み取れる今の婚活参加者の人物像というものをまとめてみました。親と同居していて、異性の友人が少ないため、出会う機会が少ないです。子供は欲しいと思っているんですが、結婚相手には安らぎや愛情、共通の趣味など、精神的な支えを求めています。同時に経済的な不安は大きくて、親の面倒よりも自分の老後が不安と思っています。3年以内には結婚したいというふうに考えています。
 では、3年以内に結婚したいと思ってる人たちが、なぜ結婚しないのかというところについて私たちも考えていきました。アンケートの結果などから見ていきますと、大きく考えて2つあるのかなというふうに思っております。結婚の必要性の減少というものをアンケート結果からも見ることができます。役割を求めていないというところで、一昔前はといったら変なんですけれども、女の人には結婚して子供を産んでもらわなければならない、男はやっぱり親の面倒を見てもらわなければならない、家を継いでもらわなければならない、家督を継がなければならない、女の人は嫁がなければならないというふうに、それぞれ男性、女性の結婚における役割というものが明確だったと思うんですが、今の若い人たちにはそういった役割を求める意識というものがほとんど存在しません。精神的な安定ですとか、あとは愛情、安らぎというような、そういったものを相手に対して求めているということが見ることができます。
 もう1つ、個人の確立、共通の趣味を共有していきたい、そういった精神部分の安定を求めるというところは、逆に言うと自分が確立しているからそれを支えてくれる相手を求めているのではないかというふうに見てとることができます。
 もう1つ大きな理由として、経済的不安というところが強く見ることができました。自身の安定雇用というところと、それからあと老後への不安というところが非常に強く感じることができます。女性においては、女性の経済的な自立の難しさ、それは現在もそうだし、きっと結婚してからの経済的な自立という、結婚して働き続けるというところの不安などがそこにはあるのかなというふうに見てとることができます。
 こういった理由の推測の中から、私たちNPOのほうでどのような取り組みが必要なんだろうかというところについてお話をさせていただければと思っております。
 一つは少し大きな話になってしまうんですけれども、やはり経済的な不安というものを取り除いていかない限りは、結婚していかないですし、出産もしていきません。これはもう1年、2年でといいますか、解決するような話ではなく、やはり50年、100年かかっていくような話なのかもしれないんですけれども、非常に大きな不安というものを抱えていることはたしかです。現在の不況の中でどういうふうに雇用が安定していくのか、そこの不安定さに関すること、あとは長時間労働、残業したり休暇が少なかったりしていく中で、なかなか結婚というところに、家庭を持つというところに今の若い人たちが踏み出す一歩というものが出てこないということが見えてきます。女性が結婚してやめてしまう人たちがいる以上、会社にとっては女性がすごく財産だと思ってる会社なんかもあると思うものですから、逆に結婚してほしくないという会社も、もしかしたらあるかもしれません。そういう意味で、現在の経済的な不安というところが非常に大きくあります。
 あとは将来への老後への不安というところが、今の若い人たちに強く見ることができます。それこそ親の面倒はどうでもいい。親は実際時間もあってお金もあって、旅行に行ったりとか何か食べたりとかすると思うんですけれども、そうではなくても、自分がその何十年後かに老後になったときに、どういうふうに過ごしているんだろうということをやっぱり非常に不安視しております。同時にそれは子供への不安というところにつながっていきます。子供に養育費として大体1300万円かかっていくというところで、子供にお金をかけるのか、家を建てるのか、自分が欲しい車を買うのかという、そういうもうお金の使い方として子供をつくるべきなのか、自分が欲しい物を買っていくのかという、てんびんになってしまっているのかなというふうにも感じることができます。でも本来子供というのは、車や家と比較するようなものではないと思うものですから、それが今、少しずつ変わってきているのかなというふうに思っております。
 ヨーロッパの国なんかだと、子供の数が多ければ多いほど年金をもらえる額が何倍にもなっていくという国があったりするということも聞いたりするものですから、そういうふうに子供がふえていくことで老後の不安がなくなっていくんだよというような施策があればとても効果的かなというふうに考えております。
 ただ、余りネガティブなことだけを見ていてもしょうがないものですから、もう一つは、お金ではない幸せの姿というものをちゃんと若い人たちが知るべきだというふうに思っております。そのために、結婚や子育てというところに向けた静岡版のロールモデルづくりというものが必要ではないかなというふうに思っています。こうアンケートの結果などを見ていても、今の若い人たちはそれでも子供が欲しいという意識は持っているんです。ただこれから先、もっと下の世代になっていくと、もしかしたらもうはなから子供なんて要らないよという人たちがこれからふえてくると思います。今、労働環境というところも変化していますし、リクルートなんかが週3回働いて月15万円もらえるような職業スタイルなんかをつくり出していったりするんですけれども、もうできるだけ働きたくない、それこそ自分の時間を確保したいという若い人たちが非常にふえていますので、その中で子供をつくるという選択肢が最初からない人というのもきっと生まれてきてしまうのです。今、若い人たちはまだ結婚して子供が欲しいという意識があるうちがちょうどポイントといいますか、ここが過渡期なのかなというふうに思っています。なので、結婚して何が幸せなのか、お金ではないよね、2人で幸せつくるんだよね、家族で幸せになっていくんだよねというお金ではない価値ですとか、静岡での幸せの姿ですとか、どういうふうに出産する、どういうふうに子供と向き合っていくのかというお手本となるような人たちというところがどんどん表に出てくれば、きっとそういう人たちに憧れてふえていくのかなというふうに思っています。
 ここに載ってる写真というのが、フランスのテレビ番組で私の出産とか、週に1回出産する女性をドキュメンタリーで追っていく番組なんかがあるらしいんです。それを毎週毎週見ていくと、やっぱり周りの女性たちが私もああいうふうに出産してみたいなという憧れを少しずつつくっていく例なんかもあったりします。
 実は僕らのNPOの理事で山形出身で東京で働いているんですけれども、静岡に3年前に移住して、静岡から東京まで毎日鈍行で通っている人間がいるんです。奥さんも東京なんですけど、半年前にはその奥さんが出産するに当たって、男性のその育児休暇というものを取得して、静岡でどうしても出産をしたいと、奥さんを実家に帰すのではなくて、静岡で子供を産みたいんだという形で育児休暇をとって子供を育てていったりします。そういう彼なんかはやっぱり静岡がすごく好きで、気候もいいし、人もいいし、食べ物もおいしいしという、だからここの場所で子供を一から育てていきたいんだというふうに言うんです。そうすると、静岡というのはそういうふうに子供を出産して育てていくのにきっと選ばれる場所なんだなというのを、彼みたいな人物を通じて僕らも認識したりしていきます。そういう人たちを1つのロールモデルとして、たくさんそういった幸せな姿というものを若い人たちに見せていけば、きっと憧れが生まれてくるのではないのかなというふうに思っています。
 続いて、家族ぐるみ、地域ぐるみの意識の改革というところを書いてあるんですけれども、アンケートの結果で女性なんかは親に勧められて婚活イベントに参加したよという方が非常に多いです。やはり親ですとか親戚ですとか地域の人が、あなた結婚しなさいよと勧めてあげるというのがすごく大きいのかなというふうに実感をしています。今のお父さん、お母さん、親戚の方々、シニア層、団塊層というものは忙しいじゃないですか。自分たちのやらなければならないことがたくさんあるので、自分たちの趣味も皆さんお持ちですから、そうするとなかなか子供の世話を焼くということも余りしないのではないかなというふうに感じます。だから本当はもっとお見合いしてみたらいいとか、昔は地域の人がお見合いを持ってきたり、そういった世話を焼いてくれる人というものがたくさんいたと思うんですけれども、そういった世話焼き人の不足というのが結婚率の減少というところにもつながっているのではないのかなというふうに思います。
 それは地域活動なんかもそうで、我々のNPOで先ほどこどもわくワークという子供のイベントなんかを行っているんですけれども、そこでボランティアが何人か協力をしてくれるんですが、今まで子供をつくらないよという選択をしていた御夫婦の方がボランティアで協力をしてくださったんですけれども、そういった子供と接するボランティア活動をしていたら、やっぱり子供が欲しくなったので、ことしから不妊治療に取り組んでいる方なんかもいたりするんです。そういうふうに地域活動ですとか、小さい単位の中で周りから勧められていったり、そういった意識をつくっていくというところが非常に重要なのかなというふうに思っています。
 もう1つ、こだわりですとか、趣味ですとか、個人主義というところが今、すごく若い人たちにも多いものですから、そういうところに沿った出会いの機会の創出というものは必要なのかなというふうに思っています。私たちも着物とか、茶つみとか、何か細かいところをいろいろやっていくんですけれども、そういったニッチのこだわりというところを確認して出会いの機会をつくっていくことで、その人たちの共通の趣味をつなぎ合わせていくことが必要なのかなと思います。
 今の若い人たちはソーシャルメディアといって、mixiから始まって、今、facebookなどを使っている方なんかも非常に多いんですけれども、何か1個の物事を共有していくという感覚というのはやっぱりあるんです。何かおもしろいことがあったらそれを仲間内で共有する。その共有することがすごく楽しいというような意識があったりするんです。それは今の世代の特殊な意識なのかなというふうに思うんですけれども、なので婚活はその共有とはずれるのかもしれないんですが、そういった細かい笑いみたいなところを、楽しさみたいなものを若い人たちの中に共有させていくことで、そこから出会いが生まれていくのかなというふうに感じております。
 以上が提案になるんですけれども、最後に1つだけ、私たちのNPOでよく話をすることなんですけれども、少子高齢化の負のスパイラルというものがすごくあるよねというふうに感じます。少子高齢化が進んでいくと、年金問題ですとか税収の減というところが強くなっていきますし、そうすると若い世代はそれがそのまま将来の不安になって、今度将来が不安だから子供は産まないよと。子供は産まないから少子高齢化がまた広がっていくよというふうになっていきますし、経済面でも若い人たちが減っていったり、地方経済が低くなっていくと、若い人たちの労働時間がどんどん伸びていくんです。労働時間が伸びていくともう子供を産む機会なんてなくなっていくものですから、そうするとまた少子高齢化が膨らんでいくという。地域の中でも少子高齢化が進んで担い手が減っていくと。また、外国人の方だったり生きがいを求めた方々が入ってくることによって、地方の地域の防犯ってどうなっていくんだろう。地域愛ってそこでつくられていくんだろうかというふうになっていくと、やっぱりまた子供を産まないという選択をしていってしまうと思うんです。そしたらその先にはまた少子高齢化が拡大していくという、本当に負のスパイラルというのがあると思います。それを今の若い人たちというものがもうちょっとちゃんと理解をすべきだというふうに思うんです。子供を産むことで我々の老後の問題というものが解決されていくんだよということを、若い人たちがちゃんとシステムだけではなくて、意識として理解をしていくことで変わっていくのではないかなというふうに思っております。
 静岡県というのは本当に、うちの理事の話ではないんですけれども、もっと日本中の人たちが静岡に住んでほしいと、そういうふうに選ばれる場所だというふうに、彼と話していても常に感じるんです。なので、静岡版のオリジナルのそういった解決モデルというものが必ずあると思うものですから、そういうところも私たちも考えていきたいと思いますので、ぜひ何かいい取り組みを変えていただければというふうに思っております。
 ちょうど45分になりますので、私たちからの発表は以上となります。どうもありがとうございました。

○池谷委員長
 ありがとうございました。
 大石様、児玉様からお話、そして意見陳述をしていただきました。
 これより、委員の皆様の質疑に入ります。
 質問ですけれども、一括ということでなくて、なるべく一問一答方式でお願いをしたいと思います。
 それでは、御質問、御意見等がありましたら御発言をお願いいたします。

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