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委員会会議録

質問文書

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平成25年8月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 一 議員
質疑・質問日:08/19/2013
会派名:自民改革会議


○天野(一)委員
 数点質問したいと思います。
 いじめの実態調査をして、静岡県下もいじめがたくさんあると、それから体罰も静岡県も全国並みにあると。いじめがこうやって発生した原因について、いろいろあるわけですけれども、教育委員会としてはどういうふうにその原因について考えているか、まずお伺いしたいと思います。

 それから、体罰の問題についてでありますけれども、体罰の原因も何が一番大きな根本的な原因で体罰が行われているのか、まずこの2つについてお伺いしたいと思います。

○輿水学校教育課長
 いじめの原因について考えを述べさせていただきます。
 いじめの原因については、やはりコミュニケーション不足であるというふうに考えております。言葉を媒体として問題を解決するという力、最近、保健室の養護教諭から、子供たちが自分の症状を伝えるということ、今どこが痛くてどういうふうに苦しんでいるか、これは器質性のもの、内臓疾患等ある子も、それから心因的なものがある子もおなかが痛いという症状で来るものですから、それを引き出すのにやはり丁寧に聞き取りをするんですが、やはりどこに原因があるかということを聞き出すまでに非常に苦慮するというような実態があります。やはりそれと同じように、子供同士でいろんなことを話し合ったり問題を解決していくというその体験や経験が非常に乏しくなっているのかなというふうに感じております。

 2点目は体罰についての原因ですが、やはり根本的には指導力の技量の問題だというふうに考えております。生徒指導は、やはり先ほど道徳等あるいは学級活動の場面の大切さも御指摘いただきましたが、やはり授業の中で子供を育てる、授業を通して学級の力を育てていくということを教師が一番意識をしていかなくてはいけないというふうに思っています。教科指導を通して、教科書を通して、やはり子供たちが認められ、そして互いに認め合う場をつくるということが授業の最終目標ではないかなというふうに考えておりますので、指導力をきちんと身につける、そのための研修を充実させていかなければならないというふうに考えております。以上です。

○天野(一)委員
 今コミュニケーションの不足だということでありました。いじめは当事者の問題だけを、学校の先生の指導だけ言ってますけども、先ほど3番委員が縦の学校の先生と子供、それから子供と子供のコミュニケーション、私は今一番根本的なのは学校経営の中のコミュニケーション不足だと、この3つ目のコミュニケーション不足もあると思うんです。校長、教頭と、学校の先生とのコミュニケーション、そしてその学校の先生と子供たちのコミュニケーション、この時間が少なくなってきたことがいじめの一番の原因ではないでしょうか、その点についてお伺いしたいなと思っております。
 いじめの問題は、一番大事なことは子供の問題なんです、子供が子供をいじめているんですから。子供同士がまず主役でコミュニケーションをお互いにしてやれるそういう指導をしなきゃならないにもかかわらず、教員と子供と上から下への目線でいじめの問題を考えている。対症療法が強過ぎて本来の姿を失っているのではないかなと私は思うんですけれども、この点についてお伺いしたいなと思っております。

 次に体罰の問題、この問題は、生徒の問題ではありません。学校の先生、そして指導する指導者の問題であります。この指導者とのコミュニケーションの問題もたった1人の指導者に全部を任せる学校経営、このあり方が問われると思います。そのコミュニケーションが不足してますから、指導者が独走をするわけです。
 もう1つ、今部活の世界では勝つことが至上主義で、人間を育てるという教育の本来の姿を失っている、もう一度原点に返るべきじゃないかと。学校教育の指導の中でも子供と指導者、先生とのあり方についての本当の姿が体罰をなくすと思うんです。体罰がない指導の仕方があると思いますけれども、この2点についてお伺いします。

○輿水学校教育課長
 子供同士のコミュニケーション不足は、学校経営の中で管理職等を含めてコミュニケーションが不足しているから、そして時間が少なくなってきた、ゆとりがなくなってきたからではありませんかということで御指摘をいただきました。
 新学習指導要領が実施されるようになって、確かに時間数にゆとりがなくなってきたことは事実です。非常に授業時間数がふえてまいりましたので、低学年でも1日6時間という授業が多くなってまいりました。ただ、時間を言いわけに目の前の子供を置き去りにするということだけはしたくないというふうに考えております。
 そのために県教育委員会といたしましては、授業力をつけるということ、授業の中で学級づくりをしていくということを一番大事にはしているのですが、人間関係づくりプログラムという冊子を平成20年からつくりまして、子供たち同士のレクリエーションみたいなものを通しまして、子供たち同士で互いに認め合ったり存在を励まし合うような環境づくりということで、そういった取り組みも学級活動の中で行うように、冊子を配布していろんな取り組みができるようにということでしております。
 それから、若い教員がふえてきましたこともありますが、子供たち一人一人が学級の中で満足のいく生活をしているかどうかということも、分析支援ソフトを活用しますと人間関係づくりプログラムの中では見えてまいりますので、経験豊かな教員は肌で身につけていったものを、ただ子供たちにとっては若い教員も1人の教師として尊敬されるべきものでなければならないというふうに考えておりますので、早急に力をつけるためにもそういったプログラムを活用するということで、今コミュニケーション不足やゆとりのなさを補うような支援をしております。

 2点目の体罰の問題ですが、指導者とのコミュニケーション、非常に不足をしている、たった1人の教員に背負わせてはいないかというような温かな言葉もいただいたのですが、先ほど配付させていただきました静岡県いじめ対応マニュアルのはじめにという言葉の冒頭、こんな言葉で置かせていただきました。
 「いじめが生じたことを自分の指導力不足が原因と思い込んで、他の教職員に知られたくないと感じて抱え込もうとしていませんか。自分はきちんと児童生徒を指導できているから、自分の力だけで解決できると過信していませんか。不十分な事実確認のもと、児童生徒からの訴えを先入観や一方的な思い込みで判断しようとしていませんか。」という言葉で始めさせていただきました。
 私たち教育委員会といたしましては、そういった悩みを抱え、問題を抱え、1人で背負い込もうとしている教員を助け、組織でという支援を考えていかなければいけません。ですので、管理職の研修等を活用いたしまして、そういった一人一人の教職員に目を向けたやはり組織の強さを盤石な学校力として培うような研修をさらに強めていきたいと考えております。以上です。

○天野(一)委員
 いじめのこの問題については学校の先生がまず人権意識、人権感覚が基本だということをどんな授業よりも身につけてないとできない。朝、学校へ来たときから帰るまで、お互いを尊重し合う、そしてお互いが思いやる。授業だけではないんですね。道徳の時間だけ、授業だけでやるんじゃなくて、どんな授業でも、例えばお掃除でもお互いの人権を尊重し合う、基本的な人権をやっぱりきちっと先生が学ぶ。
 例えば憲法の問題の中でも、基本的人権というのは11条から41条まであるわけです。憲法の中でも基本的人権というのをやってるんです。ところが、公民の中で本当に基本的人権について学校の先生も知っているのかどうなのか、学んでいるのかどうなのか。もう一度原点に返って、あらゆる形の基本的なものは人権から出発する、それが根底にあれば、いじめも体罰もなくなる。体罰は子供の人権を無視しているんですね。上から目線で指導しようとしている。子供の人権を尊重すれば体罰はできないはずなんですね。ですから、私はそういった面からすると、もう一度校長先生以下、本当に基本的人権ということについて理解をして、それをもとに授業と学校経営に当たっているか、総点検をしてほしいなと。
 今いじめの問題は、当事者を責めております。しかし、私はそのいじめを見逃してきた校長以下学校の職員全体の責任だと思うんですけれども、その点について教育次長にまずお伺いしたいなと思います。

 次に、私は体罰の問題については、私は部活のあり方、それから、目先の勝利とかそういうことではなくて、人間を本当に育てる、人生をいかに生きるかというその一環だという意識をもう一度部活の指導者も、勝つことよりも優先することがあるということを教育委員会のほうできちっと指導してほしいなと思うんです。

 次に、その中で人権啓発センターの南野さんに聞きたいんですけれども、今、県の教育委員会、警察、直接かかわるところがいじめと体罰の問題で来ておりますけれども、例えば交通基盤部であっても働く人の人権は尊重されているのか、農業で農薬をかけ過ぎて人権を無視してないだろうかと、農業と人権、いろんな形の人権問題があるわけであります。行政が行っているいろんな仕事の中で、基本的人権を尊重するという考え方の啓発啓蒙は庁内においてはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○山崎教育次長
 大変すばらしい話をありがとうございます。教員は人をつくるために、その教育の職を選んだものだと思います。その原点に返って自分が何をすべきかを考えてほしいというのは、おっしゃるとおりです。教育という職はすばらしい職だと思いますし、それを実践するのが教員の仕事だと思います。
 先ほどパンフレットをお分けしましたが、この一番もとの人権教育の目標、自他の人権を大切にする態度や行動力の養成、人権に対する正しい理解を深める、人権感覚を高める、自尊感情を育てるというこの大目標を実践をしていくようにしていきたいというふうに思っています。
 私もこの4月、5月、県立高校ですけれども、二十数校訪問させていただきました。先ほど校長先生を信頼していかがなものかという話もありましたが、校長先生のお話をお伺いをすると、学校について私の学校はこういう経営をしていますというお話をしていただきます。私の学校はこんなにすばらしい学校ですよという話もしてくれます。それから生徒も自慢をするという、生徒のいいところを見ていただいているというふうに思います。先生のいいところ、生徒のいいところを見て学校経営をしていくということが重要だというふうに思っているところでございます。そのような視点で、再度学校のあり方について総点検をしていく必要があるというふうに考えております。今回のリーフレットを主体としたこのような人権教育を行っていく中で、そのような再点検をしていきたいというふうに思います。
 それから部活につきましても、勝つことよりも優先すべきことがある、当然のことだと思います。部活とは、まさに教育の方法の1つでございますので、それで体罰をするとかというのはもってのほかだと思います。学校における指導のあり方を教員になった原点に戻って考え直していただき、各教員一人一人が子供たちを大切にするという心が最も重要だと思っております。以上です。

○南野人権同和対策室長
 我々センターのほうでは、例えば知事部局につきましては、自治研修所で行っております、必ず受けなければいけない研修がございますが、その中で3タイプの研修で階層別に必ず人権をテーマにした講義を行っております。1つは新規管理者研修、いわゆる新しく課長級になった職員に対しての講義と、それから新規監督者研修ということで、新たに班長級についた方々に対する研修、それから新規採用職員研修、こういった階層別の研修の中で、必ず人権をテーマにした講義を必置の研修として組み込んでおります。
 このほか、警察学校それから病院機構あるいは私学協会等々に対しまして、新規採用あるいは中堅職員等々に対します研修にも講師を派遣しておりまして、公務員に対する人権意識の高揚といいますか、そういった取り組みをしております。さらに、今回の資料にも掲載してございますが、人権啓発指導者養成講座等々さまざまな人権の取り組み、セミナーとか講義を行っておりますけれども、その際にも全ての県内の知事部局あるいは教育委員会等々警察も含めまして、全て周知をして参加を呼びかけているところでございます。以上でございます。

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