本会議会議録
質問文書
平成25年10月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 天野 一 議員 | |
質疑・質問日: | 10/11/2013 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○天野(一)委員
先ほど10番委員から子供同士で解決というお話がありました。私は、予防的な意味で、子供がいじめ問題について被害者にもなるし、加害者にもなるし、傍観者にもなるというような形で、人権教育の一環で学校の現場で全校の各クラスで先生も含めてそういうトレーニングをすることも、防止もそうだし、現実にいじめがあった場合にでも効果がないでしょうか。
○武田さち子氏
キャップなどがそういった取り組みをしているのですが、それにはやはりお金がかかります。そして見よう見まねで先生方がそれをやるというのは、逆に物すごく危険なんですね。よくテレビなどで紹介されると、見よう見まねでやってしまう先生がいるんですが、例えば子供同士でいじめの経験などを出させたりするんですね。そうすると、そこでいじめられたと告白した子供が、あの子、昔いじめられたんだってというので、またいじめの被害者になってしまったり、もしくはあのときあなたはこんなことを言ったの、私はあのときに傷ついたということで、そこでトラブルに発展したり、いじめの模擬トレーニングみたいな形で、あなたたちはいじめっ子ね、あなたはいじめられっ子ねとやったのが、いじめの体験をしたらかえっておもしろくなって、そのままいじめが続いてしまったという、本当に笑い話にもならないような現実があるんですね。ですので、そういったトレーニングをするには、よほどトレーナーがきちんといじめのことを理解していないと、見よう見まねでやるというのは非常に危険だと思います。
○天野(一)委員
私はいじめの問題は、憲法に書かれている基本的人権の問題だと思うんですよ。基本的人権というのを学ぶわけですね。そういった教育の中で、他人を思いやる、他人の違いを認め合うことが社会生活を営んでいく上においては大事なことですよと。そういう基本的な話をもっとしながら、いじめの傍観者になってはいけない、それから加害者になってはいけないという教育訓練を学校教育の中に取り込めないでしょうかね。今の時点では難しいですか。
○武田さち子氏
急にやれと言っても、多分先生が育ってないですので、まず今は先生を育てるところと、それから私たちみたいなNPOをぜひ利用していただければと思うんですね。私たち、遺族が学校に行って話をすることの意味というのは、1つには私たちは、いじめはいけないと子供たちに直接的には言わないんですね。ただ、人が死ぬとこんなに悲しいことなんだよということが、遺族の姿を通して子供たちは気づいてくれるんですね。いじめはいけないと言わなくても、人は傷つくと死んじゃうんだということもわかりますし、また亡くなった子供たちの写真パネルや残した言葉の展示をしますと、子供たちは、いじめられている側って何か問題があるからいじめられていると思っていたけど、普通の子供じゃないかということがわかるんですね。こんな子供が死んでしまうということはどういうことだろう。あと、今、兄弟も少ないですし、人が死ぬっていうことがぴんとこないんですね。ですので、この子はこの間、自殺未遂をしたんだよと言っても、それが抑止力にならないのです。むしろ自殺未遂野郎ということで、死ぬ勇気もないのかとか、死んでみろと言われて、本当に飛びおりちゃった子供もいるくらいなんです。ゲームではすぐ生き返って何度でもリセットしてやり直しがきくので、今の子供たちは生と死に対する感覚も人生も何となくそういうふうに思い込んでしまっているというところがあります。
私たちの講演の場合は、各クラスを回るわけではなく、学校に行って1時間とか1時間半お話しするだけですけれど、それを続けることでやっぱり命とは何か、心とは何かというのを子供自身が考えてくれているなというのは実感として持っています。
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